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不動産投資の罠 「不動産投資の大ウソの見抜き方」 (日経ビジネス)
http://www.asyura2.com/12/hasan76/msg/227.html
投稿者 梵天 日時 2012 年 5 月 18 日 12:56:05: 5Wg35UoGiwUNk
 

(回答先: 不動産投資の罠 「一目瞭然、不動産投資のカラクリ」  (日経ビジネス) 投稿者 梵天 日時 2012 年 5 月 18 日 12:54:51)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120104/225805/

不動産投資の罠 「不動産投資の大ウソの見抜き方」 (日経ビジネス)

第3回 嘘八百の殺し文句


第2回で不動産の投資基準を示したので、第3回では不動産業者の騙しの手口を暴くことにしよう。
不動産を誰から買うにしても、売ることに携わる人には自分が儲かるというインセンティブがある。
仲介会社でも建物を建てた会社でも管理会社でも、売ったらその人達が儲かるようにできている。
1億円の物件を仲介したら300万円の手数料が入るし、歩合給もたんまり付くのだから、何としても売りたい。
たとえ、購入者が損すると分かっていてもだ。
不動産投資家にとって味方はいないという前提に立った方がいい。以下のうそをあなたは見抜けるだろうか。

□「利回り星人」のうそ
 利回りが高い物件に投資したいと単純に考える人を「利回り星人」と呼ぶ。これを批判することで、低利回りの物件を斡旋したがる業者がいる。
こうした会社は(高ではない)好利回りなどのあいまいな言葉を使う。
確かに、高い利回り物件は手を出しにくい人が多いからこそ利回りが高いことがある。


 しかし、5〜6%の低利回りの物件もほぼ確実に損をする。
これはそもそも利回りの定義が間違っている。
ここでいう利回りは表面利回りだが、利回りは実質利回りで考えなければ意味が無い。

第2回で説明したように、物件のタイプやローンの設定によって、実質利回りは変わる。

例えば、築浅の表面10%と築15年の12%では、実質利回りで比較しないとどちらが儲かりそうか分からない。
また、オーナーになる人の資金余裕度やローン設定能力や建物の状況(設備投資の必要性)などによっても投資の適・不適がある。不動産投資はオーダーメイド商品ということになるので、第三者のアドバイザーが必要となってくる。


□「売却しないで持ち続けろ」のウソ
 低利回りの物件を扱っている会社ほど、「売却しないで持ち続ける」ことを主張する。
資産価値が目減りし続ける投資にも関わらず、「売却するな」というのは不思議だが、こう言うのには理由がある。
それは売却すると含み損が明らかになるからに他ならない。
区分所有(マンションの1室)は土地の資産価値がほとんどないので、資産価値の下落が土地付き1棟物件よりも大きい。
なので、「持ち続けろ」は区分所有でよく言われることになる。


 では実際持ち続けるとどうなるか。こうした場合、投下資金回収期間で判断する。
1000万円投資したら、手元キャッシュの累計額が1000万円を超えるのは、いつになるかである。

表面利回りが高いほど投下資金回収期間は短くなる。
表面利回り8%なら、24年、7%なら27年、6%なら31年、5%なら37年となる。
5%の場合、築10年の物件を購入したら、37年後の築47年の耐用年数到来時にやっと投下資金が回収できることになる。
37年間でキャッシュがやっと戻ってくるなら、低利であっても定期預金に入れておいた方が得だ。


 こうした物件をいつまでも持っていると建替えの話が出る。
しかし、この話がまとまる可能性は非常に低い。
まず、所有者が居住者でないので会合に揃わないケースが多く、建替えの決議ができない。
決議ができても、建替えに伴い、解体コスト+新規の建築費用が掛かり、負担金の出費を伴う。
儲からない物件を持っていた挙句に、追加コストに応じられるとは到底思えない。


 実際、現状では、建替えに成功したマンションは非常に少なく、日本全国で数えられる程に過ぎないし、投資用ではないはずだ。
その限られた物件は建替えると以前より床面積が増え、その増えた床面積を売却に充てることで、各世帯の負担金が相当に抑えられたケースがほとんどだ。
土地に対する建物の床面積は制限があり、その制限いっぱいで建てるのが普通なので、都市計画が変わるなどのレアな幸運が重ならないとこうは行かない。
また、数十年後は日本の人口は減り、住宅ストックの過剰が今以上に問題になっている。


 はっきり言おう、「建て替えはできない」。
ババ抜きのババが耐用年数の到来したマンションということになる。
だから、不動産投資は保有と売却を常に天秤に掛けて運営するものであると考えなければならない。


 保有していてもかなりのキャッシュを生み、売却時にも譲渡益が出る物件は利回りのいい物件に限られる。
そうした物件は保有してもよし、売却してもよしなので、都合のいい時を見計らって売ればいい。
キャッシュフロー収支を組み、実質利回りベースで考えると、売却時期は最適な時期が判定できる。
これは持ち続けるのがいいとは言えない証拠でもある。


□「年金になる」のうそ

 私的年金になるというのは不動産投資においてよく言われるが幻想に過ぎない。

 まず、30年後の賃料は今の賃料からかなり下落した水準になる。
空室かもしれない。
退去時に原状回復などのリフォームをオーナー負担でしないと、次の入居者が決まらない。
そして30年後の賃料は誰も保証できない。投下資金以上の回収をしていないと、単に預金を取り崩しているのと何も変わらない。


 年金のように毎月キャッシュがもらえるからこそ私的年金なのであって、毎月賃料は入ってもキャッシュアウトの方が多いようでは年金とは言えない表面利回りが低い物件で、借入をすると、当初からキャッシュアウトなんてケースもある。

新築ワンルームの投資広告には賃料−管理費−ローン返済額がマイナスになることが書いてあるものも多く見受けられる。
これではマイナス金利の定期預金となってしまう。また、賃料収入や手取り収入は一定額とはならない。
この意味でも年金とは異なる面があることを承知しておかなければならない。ここでもキャッシュフローシミュレーションが答えを教えてくれる。

□「転売すればいい」のうそ

 物件を購入する時に掛かる諸費用は物件価格の7%程度かかる。
 物件を売却する時に掛かる諸費用は物件価格の4%程度かかる。

 物件を短期で売買して儲けるためには、7+4=11%以上資産価値が上がらないとキャッシュを生まない。
これは相当にバブルな時にしか起こらない現象だ。


 また、5年以内に売却すると譲渡益にかかる税率は39%に及ぶ。値上がり益から税金を引いてもプラスになる損益分岐点を計算してみると11%÷(1−39%)=18%

 実際には物件の資産価値が18%上がってキャッシュフロー上はトントンということになる。
 購入から5年経って譲渡益にかかる税金を20%にし、毎年のキャッシュを積み上げると、
11%÷(1−20%)=13.75%
13.75%÷5年=2.75%

 これが5年を経過した後であれば、5年間の賃料収入+譲渡益となるので、11%の諸経費を上回ってくることが可能になる。
 また、投資用物件を売るのには時間がかかる。
金融商品のように、すぐには売れない。売ればいいは「言うは易し、行うは難し」となる。

□「分散投資」のうそ

 ここで言う分散投資は不動産投資物件同士の分散を指す。
まず、分散するだけ資産があることが前提になる。
そこまで資産を膨らますことができれば、一定の成功を収めていることになる。
通常は最初の物件が足かせになり、次の物件を取得できず、その時点で投資は終了してしまう。
ローンを引っ張れなければ次の物件に投資することを断念せざるを得ないからだ。
その意味で、最初の投資物件は「お試し」などありえず、「成功が必定」でなければならない。


 次に、物件の分散が効果的か確認する必要がある。
世田谷区のファミリータイプと豊島区のシングルタイプは市場が別だから、全く別の動きをするかというと、そうとは言い難い。
東京23区、ひいては首都圏(1都3県)では、リーマンショックや東日本大震災の影響を同様に受ける。

市場はセグメント毎に分かれている側面と地続きで同じである側面が共存している。
こうしたポートフォリオマネジメントは一部の法人で行われることがあってもいまだに一般的とは言えない。

 分散投資するということは相関が薄いものを並べなくてはならない。
分散をより安定的な運用と言い換えると、時間的に分散するという方法が最も確実で効果的である。

キャッシュフローは最初の数年が良いので、5年おきに4物件を取得し、20年経った時には1件目のローンが返済終了して、キャッシュフローが改善する。
1件目が単年度キャッシュフローがマイナスになった時に、3件目がプラスでキャッシュフローを相殺し合い、分散している意味を持つ。
これがベストシナリオになる。

 分散を語るなら、取得時期を分散して安定運用するに限る。

□「シミュレーション」のうそ

 事業収支をシミュレーションしてくれる不動産会社は親身に見える。但し、この計算にだましが散りばめられていることが多い。私が見たものではいくつものあり得ない設定があるので紹介しておく。

・想定賃料の設定が高く、現実的でない
・賃料はいつまでも下がらない(もしくは上がる)設定になっている
・購入した価格より、売却した価格の方が高い
・経費は設定されていない
・税引き前キャッシュフローで計算されている

 これらはよく見慣れている人が見ないと判明しないことなのかもしれない。
なぜか実質利回りが高いなあと思って見ていくと、あり得ない設定に気づかされる。

シミュレーションの設定はどうにでもできるだけに、不動産屋の誠意がその計算に表れる。
そうなると、セカンドオピニオンを取ることも必要となる。
とにかく、一度失敗すると取り返しがつかない場合がある。
事業シミュレーションは自分で理解した上で、第三者と確認して進めることが望ましい。
その際は、最悪ケースもシミュレーションして、自分のリスク許容度も理解していると、安定した運用が可能になり、余裕が生まれることになる。


□「レバレッジ」のうそ

 不動産投資において、ローンを借りることで自己資本に対する投資利回りが向上する効果のことをレバレッジ効果という。
単純にレバレッジ効果を高く見せるには、自己資金を少なくすればいい。
自己資金0で、100%ローンを組むことをフルローンと言うが、フルローンに近い方が実質利回りが高いことになる。
しかし、第二回で見たように、儲けの基準は実質利回りと儲けの絶対額なので、フルローンは絶対額が少なくなる点で儲かっていると言えない。
また、レバレッジ効果を生むのは利回りの高い物件に限られる。表面5%の物件を大半ローンで購入しても、レバレッジはかからない。


 不動産投資は最適投資のポイントがある。それは各種指標のバランスによって決まる。お金を借り過ぎると返済リスクが高まるといった二律背反関係のバランスを取る必要がある。

□「脱サラ」のうそ
 キャッシュフローが最初のうち潤沢なので、会社員を辞める人がいる。
また、それを勧めたり、所得税率が高いために本業の給与は少ない方がいいという人までいる。

実質利回りが5%あったとしよう。
1000万円の自己資金に対して50万円の年間の手取りがある。
1億円の自己資金で投資していても年間500万円の手取りである。8割をローンにしていると資産5億円になり、賃料収入は5000万円は下らないだろう。見せ金と手取りは違う。
それだけではなく、500万円は安定的ではない。
それこそ不動産投資に対する分散効果を出す収入が必要になる。それが本業の給与である。


 脱サラはしてはいけない。その理由として、次の物件を買えなくなってしまう。
サラリーマンであるからこそ、ローンを引っ張ることができるのに、脱サラしては機会を失うことになり、キャッシュフローを改善する重要な手段を失うことになる。

□「相続対策」「インフレヘッジ」「不動産は縁」「保険金になる」のうそ

 相続税の節税のためには、資産は現金より不動産の方が有利になる。但し、相続税が発生する人は実際多くはないので、まずは節税メリットが発生するか否かを見極める必要が出てくる。
課税されない人が相続対策をする必要はない。
まずは自分の資産から相続税が発生するかを調べた方がいい。相続税の課税対象者の割合は現状4%程に過ぎない。


 インフレが起こると、お金の価値が下がるのは事実である。
そんな折に不動産投資しておくと、インフレした分だけ収入が増えるので、対策としてヘッジになっている。なぜなら家賃は消費者物価指数と非常に高い相関を持っているため、インフレになると家賃も上がる。確かに家賃はインフレヘッジの効果を持っている。

 しかし、日本は諸外国と異なりインフレ誘導をしていない。日銀の政策はインフレ率を0%を目標にしており、ここ数年これに届かない状況が続いている。つまりデフレである。
デフレでは給与水準が落ちていくので、支払賃料も連動して下がり、不動産の価値は賃料収入÷利回りなので下がることになる。
デフレ下での不動産投資は利回りが想定より悪くなる一方になる。


「不動産とオーナーは縁で結ばれる」いう話。

オーナー自身がそう言うケースがあるが、それが本当なら単に運が良かったのだろう。
それにしても縁とか運とかで投資をするならローンを組んでやってはいけない。
リスクが高過ぎるからだ。端的に売りたい人は「買ってよかった」と思わせたいだけだ。その人は歩合給が入ってくることしか頭になく、あなたのことを考えてくれている訳ではない。

 不動産投資をしている人が死んだら、ローンの返済が免除されて、以降の家賃収入が妻に残るという話がある。
ここまで来ると本末転倒である。資産運用での儲けと人の命を天秤にかけるのはナンセンスだ。


□うそへの対処法

 このように、不動産投資にまつわる話は一面の真理を強引に拡大解釈していることが多い。
話している本人も間違いを信じ込んでいるケースも多いのでたちが悪い。
そんな嘘八百を見破り、自分にとって必要かを判断するためには、投資案件よりも投資家の味方として働いてくれる玄人を探す方が物件よりも長い縁になる。
不動産投資の環境は四方八方が敵だと思った方がいい。そのための対処法はセカンドオピニオンしかない。その意見を早く聞くに越したことはない。
投資は自己責任であるからこそ、適確な判断が欠かせない。
最後に、不動産投資のプロを集めた情報共有のページを作成したので、活用願いたい。

 最終回となる次回は「不労所得」という言葉に騙されるサラリーマンの誤解を戒め、「やってはいけない人 八箇条」を披露することにしたい。  

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