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(回答先: 消費税30%時代 「男女7人“増税”物語」20%アップで結婚したくなる? こんなに変わる!それぞれの節約生活 投稿者 MR 日時 2012 年 2 月 28 日 02:19:35)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20120227/229116/?ST=print
消費税30%時代
大増税時代、経営者はかく戦う
流通トップインタビュー(上)山西泰明・イズミ社長、清水信次・ライフコーポレーション会長
2012年2月28日 火曜日
伊藤 正倫
消費税10%引き上げに始まる大増税時代。消費者の安値志向が止まる気配はなく、スーパーは一段の企業努力でコスト削減を実現していかなければならない。勝算はどこにあるのか。イズミの山西泰明社長とライフコーポレーションの清水信次会長に聞いた。(聞き手は伊藤 正倫)
―― 政府は、消費税を10%まで段階的に引き上げる方針を決めました。これに対応してイズミ、もしくはスーパー業界がすべきことは何ですか。
イズミの山西泰明社長(写真:田頭義憲)
山西:過去を振り返ると、1989年4月の消費税導入時は、直前に駆け込み需要があったことで売り上げは増税後に一時的に落ち込みましたが、3カ月後には元に戻りました。当時はバブル経済の最中で消費は強かった。ところが、97年は3%から5%と消費税が2%しか上がっていないにもかかわらず、駆け込み需要の反動による売り上げ減は1年以上続きました。経済環境が89年とは大きく変わったのです。
イズミだけでなく、スーパー業界は過去15年、消費縮小の中で戦ってきました。デフレが続き、ティッシュペーパーなどの日用品の価格は際限なく下がっています。消費者をつなぎ止めるには、たとえ消費税率が10%になっても、ある程度は価格を据え置き、企業側がコスト削減で吸収せざるを得ないでしょう。
どこのスーパーも同じだと思いますが、デフレに対応するため商品調達先である卸業者の数を絞り込み、1業者当たりの取引量を増やすことなどによるコスト圧縮を進めてきました。ですが、消費税が5%も上がると、もはや2〜3%のコスト削減を目指すこうした小手先の策では対処できないでしょう。コストの考え方をドラスティックに転換し、20〜30%減らせる方法を考えないと生き残りは難しい。
物流、製造でライバル同士が協力へ
―― ドラスティックなコスト削減とは、具体的にどんなものですか。
山西:実は15年前に、イズミが地盤とする中四国にある複数の食品スーパーに対し、「物流センターを一緒に運営しませんか」と呼びかけたことがあります。ところが先方は断ってきました。現場で競い合うライバル同士が組むなんてあり得ないというのが、これまでのスーパー業界では常識でした。イズミは、日本流通産業(ニチリウ)グループの一員として地域的な競合が少ないスーパーとは共同仕入れなどを手がけてきましたが、同じ地域に商品を運べばコスト削減効果は一気に高まります。
消費増税後には、こうしたライバル同士の提携が本格的に出てくるのではないかと見ています。例えば、中国から衣料品を輸入するのであれば、検品や値札付けを共通化して同じコンテナに積み込み、日本では共同の物流センターを経由して互いの店舗に供給する。また、食品だって惣菜工場を共同で立ち上げれば量産効果はより高まる。各店ごとの需要によって最終的な加工を変えれば、商品の違いも出る。
―― その先にあるのは再編ですか。
山西:時代に対応するため、お互いに業務を共通化して軌道に乗れば、「これなら経営も一緒にしませんか」となっても不思議はない。これは、単に規模を大きくするだけのM&A(合併・買収)とは違います。また、消費増税で起こることは合従連衡だけではないでしょう。リアルの店舗とネットなどを融合させた新しい小売業のスタイルも本格的に立ち上がってくると思います。
ライフコーポレーションの清水信次会長は、「国民生活にとって増税は打撃だが日本は終戦直後の厳しい状況も克服してきた」と強調する。企業経営者も強い覚悟で逆境に立ち向かう時だ。
―― 現在の消費税を巡る議論をどのように見ていますか。
ライフコーポレーションの清水信次会長(写真:新関雅士)
清水:「借金で国がつぶれかねないから消費税を上げなければならない」という政府の説明には、どうも納得がいきません。財政難ばかり強調し、国民を脅しているように感じるからです。企業だって、「業績が悪いから働け、もっと稼げ」と言っても社員は動きません。
日本はその借金によって、世界でもまれに見る“国富”を築いてきました。一般的な国民の生活水準を見ると、日本は欧州諸国などと比べても数段上です。しかも、世界を見渡しても、日本の消費税率(付加価値税率)5%というのはかなり低い部類に入ります。
消費税は低い方がいいに決まっていますけど、仮に5%から10%に上がって国民が本当に耐えられない数字でしょうか。戦後の生活は本当に厳しいものだった。国民の生活を守るために消費増税が必要なら、もっと堂々と導入しようと呼びかけるべきです。マイナスの発想でなく、消費税を真正面から受け止めて、これを乗り切ろうという姿勢が必要だと感じます。
―― とはいっても、10%になるとスーパーは厳しいのではないですか。
清水:それは厳しいです。消費増税に関係なく、オーバーストア状態で供給過剰となっています。人口減少の中、世界大手のカルフールでさえ撤退するほど日本の小売業界の競争は激しい。
逆境だからこそ経営力は鍛えられる
ですが、消費増税の影響はスーパーだけでなく、外食、メーカーとあらゆる産業に出ます。国民の購買力が落ちるわけですから、企業努力でこのギャップを埋めることに成功する企業もあれば、苦境に追い込まれ、廃業する企業も出てくるでしょう。しかし、条件はどの企業も同じです。
新たな環境にどう対応するかは、まさに経営者の資質が問われるところです。発想を転換し、どのような工夫をするかが勝負です。経営力は逆境だからこそ鍛えられるものです。それが嫌なら退場するしかありません。
著者プロフィール
伊藤 正倫(いとう・まさのり)
日経ビジネス記者。
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