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(回答先: NHK独自検証デタラメ問題+高圧注水系を使わずSR弁開放→海水注入→ベントを批判する根拠について 投稿者 無生物 日時 2012 年 7 月 27 日 04:50:06)
無生物さん、レスポンスありがとうございます。
【引用1】
「槌田敦氏だけが各号機におけるSR弁開放とベントを、刑法の業務上過失致死傷罪と厳しく断じ、東京地検への告発を実践している。
どのような過酷事故でも、放射能を外に出さないことを主眼に対策が立てられている。
だから主蒸気管と主給水管が閉鎖して原子炉を隔離し、ECCSだけで冷却することになっている。
日本の原発指針は長期のステーションブラックアウト(SBO:全交流電源喪失事故)を想定しなかったというが、配管の大口径破断によるメルトダウンは想定していたはずで、冷却不能になる同じ過酷事故なのだから、高圧注水系(HPCI)を躊躇せずに使うべきだったというのが槌田氏の主張だ。」
【コメント1】
SR弁開操作は、原子炉圧力が上昇(たぶん7.2MPa超え)すると自動的に行われます。メルトダウンの前段階であるジルコニウム被覆管の破壊や酸化が始まった後は、冷却で圧力を下げるだけにとどめ、意図的にSR弁開操作(主蒸気逃がし操作)をやらないほうがいいという考えには強く同意します。
ベントも、その遅れが大きな問題のように扱われていますが、格納容器は放射性物質を封じ込める最後の防御壁(建屋はたかが知れています)なのですから、そこから意図的にだす行為は犯罪的だと思っています。
BWR型原発にベント施設が付けられたのは90年過ぎからで、元々の設計思想として、格納容器から放射性物質を含む気体を放出するという考えはありません。
※ 関連投稿
「1号機問題:意味がほとんどない「ベント」や「海水注入」の遅れが問題視されるという錯綜状況」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/604.html
槌田氏の「日本の原発指針は長期のステーションブラックアウト(SBO:全交流電源喪失事故)を想定しなかったというが、配管の大口径破断によるメルトダウンは想定していたはずで、冷却不能になる同じ過酷事故なのだから、高圧注水系(HPCI)を躊躇せずに使うべきだった」というのは、少し後付け的な主張のように思えます。
手順書がどうなっているのかという問題はありますが、地震発生後のスクラム時点では、配管の大口径破断によるメルトダウンも、ステーションブラックアウト(SBO:全交流電源喪失事故)も想定していなかった(想定できなかった)と思うからです。
ただ、ゆっくり落ち着いたら考えようと思っていることがあります。
それは、外部電源喪失に伴いディーゼル発電機が起動して交流電源が確保されているにもかかわらず、直流電源(バッテリー)に依存したECCSしか作動していないという問題です。
2号機、3号機のRCICも、手動で起動しています。本来なら、高圧炉心スプレイ系など高圧注水系が自動で動き、少し落ち着いたら低圧注水系や残留熱除去系が動くという流れのはずです。
これは、何度か書いてきた福島第一の「脆弱な電気設備」につながる問題と思っています。
違った言い方をすると、津波が来なくても同じ状況、全交流電源喪失に陥っていたのではないかという疑念です。(中央制御室の電灯は、一度停電になり非常灯が点り通常に戻ったとされていますが..)
そして、だからこそ、電源車が70台近く向かっても、通電ができなかったのではないかという推測をしています。
外部電源が遮断された段階で、ステーションブラックアウト(SBO:全交流電源喪失事故)になっていたとしたら、津波に比重を置いている事故原因は茶番ということになってしまいます。
【引用2】
「それから3号機HPCIの“停止”について、あっしらさんも恵也さんと同じく、壊れてしまったために使えなかったとご指摘下さいましたが、この点はすれ違いで終わりそうです。
私は政府事故調のとおり運転員(何者かの指示が本当はあったのではないか?)が止めた説を支持します。」
【コメント2】
3号機のHPCIの停止は、壊れたというより、高圧注水系の配管損傷による蒸気漏れによる原子炉圧力の低下が要因だと考えています。
※ 関連投稿
「3号機「高圧注水系配管損傷」説を否定した東電の“理”を検証:デタラメな説明とウソの主張でIAEA報告書を覆そうとする不遜」
http://www.asyura2.com/11/genpatu15/msg/202.html
それは、高圧系が動き始めた12日11:36以降、原子炉圧力が次のような推移を見せているからです。
※ 単位はMPa
12:20;7.360
13:38;4.000
13:58;3.630
18:30;1.350
19:00;0.950
01:00;0.970
02:00;0.850
このあと、02:42にHPCIが停止します。
このようなことから、原子炉から吐出される蒸気の圧力が低下したことでHPCIのタービンが回らなくなったことが停止の要因だろうとみています。
【引用3】
「また以下の部分、
>電源はバッテリーの補充でなんとかできるとしても、水源が厳しかったと
水源をいわれてはどうしようもありません。2号機のRCIC作動を生かすため、格納容器に注水しておけばよかったという御説も不可能ということになってしまいます。HPCIのための水はそれほど大量に必要ではなかったはずです。例えば海に捨てた廃棄物処理棟の水1万1500トンを使えばよかったのです。」
【コメント3】
あまりに雑な書き方をしたと反省しています。
まず、自動車から取り出すことができたバッテリーよりも、ポンプの不足や燃料の不足から海水のくみ上げさえままならなかった水源問題の現実を書いたものです。いずれにしても電源復旧ができなかったことが最大の問題、という締めくくりにしたかったのですが...
水を運ぶことさえできるのですから、国家事業の事故対策であれば対処可能です。
2号機の格納容器注水は、2号機で起きたと想定しているS/C損壊を回避するための手段として重視しており、メルトダウンを防ぐための手段とは考えていません。
メルトダウンに至るとしても、放射性物質は、できるだけ格納容器内(地中も含めて)にとどめていたほうがいいと考えているからです。
(大気中放出であって、地下水や海洋の放射能汚染を考えると、いわく言いがたいものがありますが..)
2号機は、S/Cの水が枯渇したことでSRV操作に耐えきれず“穴”が開き、膨大な量の放射性物質が大気中に噴出したと考えています。
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