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(回答先: 女性と放射線、心配しすぎることはない 高橋真理子(記者有論・朝日)福島事故で遺伝的影響を心配するのは無用!マッジ 投稿者 ジャック・どんどん 日時 2012 年 4 月 17 日 09:58:04)
脱原発の声と不安を「被曝安全神話」で抑え込む記事 (全文転載)
http://60643220.at.webry.info/201204/article_6.html
作成日時 : 2012/04/17 22:00
きょう(17日)の朝刊オピニオン面の署名コラム「記者有論」にはびっくりした。被曝の遺伝的影響をこれほどきっぱりと否定した記事は、あまり読んだことがない。高橋記者は、「福島原発事故で遺伝的影響を心配するのは無用と思える」「(福島に住む)女性たちが人生の選択を自ら狭めないよう、また周囲にも偏見が生まれないようにと強く願う」と、自信たっぷりの強い調子で書いている。読みながら、福島の人たちはどう思うだろうか、と心配になってきた。
高橋記者の主張の論拠にも驚かされた。高橋記者は「過去の論文や学術報告」を引用しているが、それは、広島・長崎、デンマーク、米国、ICRPなどの調査データにすぎない。「広島・長崎の調査では、被曝時に妊娠していなかった女性は通常の出産をした」と書いているが、広島・長崎と福島では被曝の期間と範囲がちがうではないか。米国の実験は数百万例の成果だそうだが、実験の対象はネズミである。ネズミの実験をそっくり、人間にあてはめてよいのか。「人は誰もがDNAにたくさんの変異を持って生まれてくる」とも書いている。それは正しいが、だから被曝の影響を過小評価できるというのだろうか。さらに不思議なことに、もっとも近い例のチェルノブイリはまったく出てこない。どうしてだろうか、その理由も書かれていない。
記事のタイトルには「女性と放射線―心配しすぎる必要はない」とある。女性記者として、福島で苦しみ悩んでいる女性たちを勇気づけるメッセージのつもりなのだろう。そこまではわかる。しかし、見解を異にする学者の意見にはふれず、チェルノブイリを完全に無視するのは、アンフェアである。仮に遺伝的影響が否定されたとしても、福島の人たちの心配は、こんな記事ではなくならない。いま、たくさんの人たちが向き合っている現実の被害と不安(低線量被曝、内部被曝)も決して消えない。
(記事全文、引用開始)
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〈記者有論〉女性と放射線―心配しすぎる必要はない
■高橋真理子(編集委員)
将来、結婚できないのではないか。そんな不安が消えないと福島の若い女性が言うのを聞くと、いても立ってもいられない気分になる。
放射線と聞けば、多くの人が遺伝的影響を心配する。低線量の影響は「よくわかっていない」と繰り返し語られ、「だから心配」と感じるのもよくわかる。だが、過去の論文や学術報告を見ると、福島原発事故で遺伝的影響を心配するのは無用と思える。
広島・長崎の調査では、妊娠初期に200ミリシーベルト以上浴びると子どもに悪影響が出た。それ以下なら出なかったし、ましてや被曝(ひばく)時に妊娠していなかった女性が出産しても、通常の出産と何ら違いはなかった。
それだけではない。小児がんにかかり、放射線治療を受けて良くなった子どもが長じて出産する例が世界中で増えている。データをしっかり登録しているデンマークでは、元患者と、がんを患わなかったその兄弟姉妹から生まれた子の染色体異常を調べ、治療で相当の放射線を浴びても次世代の染色体異常を増やすことはないと確かめている。
原爆を投下された私たち日本人は、放射線の遺伝的影響に対する心配を共有してきた。放射線をハエに当てたら突然変異が起きると戦前から知られていたからだ。
戦後になり、数百万匹のネズミに放射線を当てて影響を調べる実験が米国で展開された。子に突然変異が現れる頻度と放射線量の関係を探る過程で、放射線を少しずつ当てた場合や当てて時間をおいた場合には突然変異が起こりにくくなることがわかった。
国際放射線防護委員会(ICRP)2007年報告は遺伝的影響を1000ミリシーベルト当たり0.2%としている。「ネズミの実験をもとに出した数値」(ICRP国内委員の大分県立看護科学大学の甲斐倫明教授)だ。
ICRPに対する批判もあるが、膨大な実験結果をもとに国際的な議論を経て出した数値には重みがある。福島県による1万人調査では、住民の外部被曝はほとんどが20ミリシーベルト以下、圧倒的多数は2ミリシーベルト未満だ。内部被曝はさらに小さい。
遺伝の仕組みは、20世紀後半に理解が急速に進んだ。人は誰もがDNAにたくさんの変異を持って生まれてくる。それが21世紀の私たちの常識のはずだ。女性たちが人生の選択を自ら狭めないよう、また周囲にも偏見が生まれないようにと強く願う。
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(引用終わり)
折しも、原発再稼働に向けて、野田政権は走り出している。「原発安全神話」にかわって、こんどはこのように「被曝安全神話」を振りまく記者を使って、脱原発の声を抑え込もうというのだろうか。
内部被曝をめぐるさまざまな論争や動きは、「福島第一原発切抜帖」というブログに詳しい。収録情報の多さとそのインデックスの充実ぶりはすばらしい。これぞネットメディアのMVPである。
http://onand.under.jp/genpatsu/index.php?FrontPage
このブログでは、南相馬市で除染活動に奔走した児玉龍彦東大教授(現在アメリカに長期出張のようだが)の論文も読むことができる。
http://onand.under.jp/genpatsu/index.php?cmd=search
高橋記者はこのブログをご存じないらしい。
(転載終わり)
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