http://www.asyura2.com/12/cult10/msg/365.html
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ちょっと考えがあって昔の副島氏の書いた文章を載せます。
まあ、一言でいうと浅薄としか言いようのない解釈ですが。副島信者でザ・フナイの文章を読んでいない人は有り難がって教祖のお言葉を読めば宜しい。この文章どこかで読んだ気がするかもしれないが。2010年6月中旬までグールー副島が書いた文章であることは間違いない。
「闇の権力」と言えばいいものではない
前号までで「科学も宗教の一種である」をひとまず終わりとする。今号からは、ヨーロッパで生まれた、いわゆる秘密結社(ザ・シークレットソサエティ)と呼ばれるイルミナティ=フリーメイソンなるものについて私の理解を書いてゆく。
私は。いわゆる×陰謀論というコトバを使わないようにしている。「陰謀」というのは共同謀議のことで悪いこと(すなわち、犯罪)を企てて実行しようとしたが失敗してしまった、という意味が含まれるからだ。各々の国の権力者たちが行う権力闘争に敗れる(敗れた)人々に対して与えられる蔑称だ。勝利する(した)側のワル(悪人)たちこそは、本当の支配者(大悪人)である。世の中にたくさんある犯罪や、ちっぽけな犯罪者たちとは違って、私達が住むこの世界を。一番。頂点のところで動かしている世界支配者や最高権力者たち。というのは存在している。そのように私は考えている。かつ、彼らの名前と存在は知られていて、決して“闇の権力者(者たち)”などではない。彼らは実在しており、堂々と表に出て生きている。この世の中(世界、諸国家、一般社会)を一番上のところから、お金(資金)と政治権力を実質的に握ることで、自分達の都合のいいように動かしている。操っている。そういう特別の人間たちが確かに居る。
「世界を支配する闇の勢力」とか、荒唐無稽な○○星人とか、爬虫類によく似た異星人たちが、姿を隠して地球人(私たち人間)を支配している。という考えを私は認めない。現実世界への適応障害を起こしている、それらの知能の足りない、あるいは、夢見心地でゲームやアニメの世界に入り込んで、現実のイヤ(嫌)なことから逃げ回る人間たちが考えそうなことを、私は認めない。「世界を操る闇の権力」など無い。
彼ら世界権力者、世界支配者、地球支配主義者(グローバリスト globalist と言う)たちは、今も堂々と世界最高の集会(欧米の超富豪とヨーロッパ貴族たちの集まりであるビルダーバーグ会議 Bilderberg Meetings や、米欧日三極委員会 Trilateral Commission など)を毎年開いている。彼らの存在は、人名も経歴もはっきりと知られている。その人名一覧を知りたい人は『世界を動かす人脈』(中田安彦著。2008年2月刊、講談社現代新書)を読んでください。全てはっきりと書かれている。彼らは、私たちと同様の生身の人間である。
ただし、彼らは超階級の人間たちであるから、その存在は特殊であり、英語で、「アバブ・ザ・ラー」“above the law”「法律よりもその上に存在する特殊な人々」と言う。彼らは普通の人間たちが従わなければ済まない、一般世界の法律や決まりに服することなく、“雲の上”で特権階級の人間たちとして存在している。彼らは世界的な大企業のオーナーや、超富豪であるから、ひとり実質5兆円(500億ドル)とかの金融資産を持っている。彼らは、今の世界中の正式の国際機関や。多くの国の支配層をお金(資金)の力と軍事力(暴力)で、押さえつけている。これらの人物像については、拙著の最新刊のグラビア写真集である『世界権力者 人物図鑑』(日本文芸社、2010年2月刊)をぜひ、参考にしてほしい。
英語で、Conspiracy theory というのがあって、これを、日本語で単純に×「陰謀(理)論」と翻訳したのがいけなかった。このコンスピラシー・セオリーは、「権力者(による)共同謀議理論」と正確に訳すべきであった。例えば日本の歴史上の。「鹿ケ谷の陰謀」(1172年)は後白河院の近臣らが、京都の東山鹿ケ谷の僧俊寛の山荘で計画した平氏討伐謀議事件である。貴族層が、急速に台頭してきた平家一門に対して反発し、謀議が行われた。多田行綱の密告により発覚し、藤原師光(西行)は処刑、藤原成親は備前(岡山)に流罪後に処刑、僧の俊寛らは鬼界ヶ島に流された。
このように事前に発覚して一網打尽にされた歴史的の事例に「陰謀」という言葉が使われた。しかし、元の英語のコンスピラシーというのは、現在の正式の国家機関や国際機関を、実質的に裏から操り、正式の大統領や首相たちを背後から実質としてコントロールしている特殊な人間たちが行っている共同謀議である。このような厳密に正しいコトバの使い方をすることから、本論を始めたい。
イルミナティの思想とは
私、副島隆彦は、欧米世界を中心に今も「イルミナティ=フリーメイソン」なる秘密結社が実在していると考える。彼らは、確かにいろいろの秘密の集会や儀式を行っているようである。しかし、彼らが、オドロオドロしく生贄を捧げたり、悪魔の儀式を行っているという議論には私は加わらない。私は証拠と根拠が曖昧である議論に対しては常に批判する。明確になた分だけでいいから諸事実(fact ファクト)を提示しながら。それらを合理的な推論(これをリーズニング reasoning と言う)に基づいて、人々に対して説得的に理論に組み立てて、そこからもたらされる考えしか私は信じない。根拠の薄弱な愚かな議論にはつき合わない。勝手にやってくれ。
イルミナティ結社の思想とは、理性(reason 合理的な思考をするということ。合理の別名)を中心にして世界観を構築する啓蒙主義の一種だ。
イルミナティ=フリーメイソンについて理解しやすい簡潔に書かれた佐藤優(作家・元外交官)氏の最近に文がある。イルミナティの解説文として優れている。『クーリエ・ジャポン』誌(講談社発行、2010年1月号)に掲載されたものである。全文をここに転載する。
これでイルミナティとかフリーメイソンとかの、訳も分からず恐ろしそうに語られる集団が、一体、どういうものかが、皆さんにも、明瞭に分かるだろう。
「佐藤優の国際ニュース解説室」 第七回
<今月の質問>
よく陰謀史観に出てくるフリーメイソンやイルミナティといった組織は、本当に国際関係に影響を与えているのでしょうか?
同様に、ロックフェラー家やロスチャイルド家は、現代でも大きな影響力を持っているのですか?
(30歳男性・会社員)
<佐藤優による解説>
フリーメイソンやイルミナティといった秘密結社があり、国際政治を裏で操っているという類の陰謀史観には根拠がありません。フリーメイソンとは、中世の石工のことです。イルミナティとは、光明会、すなわち「理性 reason を信じる人々の集団」という意味です。
陰謀史観が荒唐無稽であることと、フリーメイソンやイルミナティという実在する組織の思想の重要性は区別して考えなくてはなりません。私が知る日本人の中で、この問題をもっとも正確に説明しているのが副島隆彦氏です。副島氏は、私との対談で、近代のフリーメイソンやイルミナティの起源についてこう述べています。
「18世紀のヨーロッパで、フリーメイソンやイルミナティなる集団が生まれました。このイルミナティの創始者は神学者のアダム・ヴァイスハウプト(1748〜1830)です。
岩波書店刊行の『岩波・西洋人名増補版』(1981年版)にヴァイスハウプトについて次のように書かれています。
アダム・ヴァイスハウプト(Adam Weishaupt 1748・2・6〜1830・11・18)ドイツの哲学者。インゴルシュタット大学(副島隆彦註。ベルリンのそばにある大学都市)の教授法教授(1772〜85)カントに反対し、ロックを信奉した。理性の支配と世俗主義の立場を主張する秘密結社(光明会 Ilminatenorden)を創設したが(76)政府によって、この運動は禁止された。のちにレーゲンスブルグ(Regensburg)およびゴーダ(Gotha)の都市に移った(85)。
このように新学社ヴァイスハウプトが、「理性が人間の唯一の法典となるだろう。このことが私たち人類のもっとも大きな秘密である。ついに理性が人間の宗教となる。そのときに、すべての問題が解決する」と述べています。
ヴァイスハウプトのいう「理性」(合理性)とはラチオratioのことです。ラチオとは、元々は「測定する」こと「分割する」という意味です。
(副島隆彦/佐藤優『暴走する国家 恐慌化する世界』日本文芸社、2008年113〜115頁より)
続けて佐藤優氏は、次のようにイルミナティ=フリーメイソンのことを分かりやすく説明しています。
フリーメイソンやイルミナティは大学の同窓会のよりはもう少し、結束の固い、体育会や応援団のOB会のイメージで考えるとよいでしょう。
体育会や応援団のOB会は、「同じ釜の飯を食った」者たちの団結で結びつけられた手段です。この内部では、通常のビジネスの理論とは異なる協力関係を構築することができます。
現在の日本の政治では、松下政経塾出身者が大学の同窓会をもう少し濃くしたフリーメイソン的関係を維持しています。ロータリークラブやライオンズクラブ。青年会議所(JC)なども地域を基盤に、仲間意識の強い集団を組織しているので、フリーメイソン型の組織といってよいでしょう。
一方、ロックフェラーやロスチャイルドなどの欧米の大財閥の影響は、フリーメイソン、イルミナティとは別の切り口から考えるべきです。
これらの財閥は主に2つのことをしています。まず1つは、その財閥が所属する国家(例えば、現在の超大国であるアメリカ合衆国)の利益のために外交面で活動することです。そしてもう1つは、慈善事業です。この2つの分野での活動の具体例については、デイビット・ロックフェラーの自伝『ロックフェラー回顧録』(新潮社。2007年)に詳しく書かれています。
資本主社会においてカネが力です。カネが集中する集団には権力も集中します。特定の人間たちに権力が集まると。国家の側が「いつかこの人間たちに権力が集まると。国家の側が「いつかこの人間たちが権力を簒奪するのではないか」という猜疑心をもちます。一般の国民からは、「なんでこいつは、こんなに膨大な富を持っているのだ」と嫉妬されます。
そのため、国家による猜疑心や国民の嫉妬を買わないように。ロックフェラー、ロスチャイルドなどの財界トップはいつも気を遣っています。
現在の世界の資本主義体制を維持するという視点を、この2つの巨大財閥はもっています。Lこれは、今の国際政治を読み解く上で無視できない重要な要因です。
このように佐藤優氏は書いています。実に分かりやすいですね。ですから、“闇の権力者”などではなくて、彼らは公然と(しかし、やや非公然に)現在の私たちの世界を「おカネと人脈の力」で上から動かしています。
イルミナティの創設者
佐藤優氏の前記の解説文を、さらに私が補足説明します。繰り返しになりますが、イルミナティの創設者は、アダム・ヴァイスハウプトという実在の人物です。彼が言いだして、ローマ教会の権威を懐疑し、王様と貴族の支配に異議を唱える者たちが始めた思想運動がイルミナティ(光明会)です。
ヴァイスハウプトは、1772年に24歳で教授になり、哲学者のイマヌエル・カントの影響を強く受けて実践理性(プラクテシエ・フェアヌンフト)哲学という思想を大学で講義し始めた。表面上は、教会法の教授(神学者)ということでした。
このドイツ人の若い学者であるヴァイスハウプトが、1773年から、激しく理性(合理性)という信仰の思想をはっきりと唱えました。これが、大きな思想運動となって、一気に広まりドイツ国内にワーッと流行しました。それは、1776年にイルミナティという団体(結社)の公然たる運動となって表面化しました。そして瞬く間に、ヨーロッパの全ての大都市にまで、ほとんど同時的に、この世俗主義の運動が巻き起こり、みるみる広がっていきました。この世俗重視の思想は、ローマン・カトリック教会への批判を秘めていた。勃興する有能な市民たちの階級が我慢しなくなった。無能で傲慢な貴族や僧侶(大司教)の言うことをもう聞かなくなった。だから、この1776年をきっかけとして、西欧白人たちの近代社会であるヨーロッパ全土と、さらには北アメリカの諸都市の植民者たちが成長して豊かな市民階級になっていた地帯でも、イルミナティ=フリーメイソン運動が激しく、燃え上がりました。それがアメリカ独立運動(1776年)の始まるであり、全く同じ年なのです。この事実は重要です。音楽家のモーツアルトが、1784年にウィーンのフリーメイソンの支部に入会したことは有名です。モーツァルトの事実は重要ですから次号で書きます。
このイルミナティ=フリーメイソンの運動は、反教会・反貴族主義であり、近代啓蒙思想の過激な一種ですから、国土と政府によって弾圧され禁止されました。カトリック教会だけでなく、プロテスタント諸派の教会の教えにも反する思想として厳しい政治弾圧の対象となりました。だから音楽家のモーツァルトも、キリスト教徒として埋葬されなかった。それは地獄に落ちることと同じ意味で、当時のキリスト教徒たちにとって、ものすごく恐ろしいことでした。だから、このあとイルミナティ=フリーメイソンに参加する市民たちは、密かな秘密の結社となって、ヨーロッパの諸都市で、ひっそりと隠れて自分達の集会(crowd クラウド、衆会。ロッジ)を開くようになりました。こうして、今に伝えられる秘密に満ちた結社(ザ・シークレット・ソサエティ)としての性質を持つようになりました。
シオン修道会=テンプル騎士団
イルミナティ=フリーメイソンが、1776年に出現するよりも700年前に胎動し誕生した結社が、シオン修道会=テンプル騎士団(The Order of Knight Templars)です。十字軍(Crusaders)(※)の時代です。テンプル騎士団とは、エルサレムのソロモン王の宮殿(神殿、temples テンプル)が在った丘に砦・城を築いてここを占領した十字軍の騎士たちの中から生まれた結社です。テンプル騎士団(ナイト・テンプラーズ)は、ローマ法王から公認されたキリスト教の平信徒集団です。
そして、このテンプル騎士団は、全欧州で、資金の為替(信用制度)の全欧州をつなぐ金融ネット
ワークを築いて商業主義で繁栄していかした。ところが彼らは国王たちの怒りを買って、1309年の10 月13日(金)に一斉逮捕の厳しい弾圧を受けて、地下に潜りました。テンプル騎士団への大弾圧の日が「13日の金曜日(サーティーンズ・フライデー)」という忌まわしいコトバとして、今に伝わっています。
これらのことを描いたのが映画の大作『ダヴィンチ・コード』(2006年)です。
キリスト教徒と商業(営利活動)の関係を論ずるときに大事なのは、1176年の第3回ラテラノ公会議(Concilium Lateranense Tertium)です。この宗教会議で、「利子を取る商人は、以後キリスト教徒として埋葬しない」という決議が行われた。ラテラノというのは、ローマ市のはずれにあって、今もここにサン・ジョバンニ・ラテラノ大聖堂という立派な教会があります。前述したようにキリスト教徒として埋葬されないということは地獄に落ちるのと同じ意味で、当時の人々にとっては、本当に恐ろしいことでした。
この第3回ラテラノ公会議が開かれた1179年あたりが、テンプル騎士団や各種の修道会が最も活発に活動して、組織を広げて行った時代です。フランス王フィリップ4世は、テンプル騎士団に巨額の借金(国債を引き受けてもらうこと)をしていた。それが返せなくなっていた。だから貸主たちを弾圧して潰してしまえということで、フィリップ4世は、フランスの国中のユダヤ人すなわち金貸し業者たちを捕まえている。
フィリップ4世をはじめ多くの国王、諸侯がちは、こうやって「国家の借金苦」(累積した財政赤字の返済の苦しみ)から一旦は逃れました。貸主たちを皆殺しにしたのですから、金貸し業に対しては当時の社会にものすごい反感と、憎しみがあり、あした。それでも金貸業(金融業)はなくなりません。どうやっても金融業は生き延びます。
転載終了。
取り急ぎ掲載する。アダム・ヴァイスハウプトがイルミナティの創始者と言っておきながらテンプル騎士団のところを書くところが彼の2010年の時点でのゆらぎだな。
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