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(回答先: 神は貧乏神、厄病神、暴力神であってはならない 投稿者 真理を愛する者 日時 2013 年 2 月 08 日 15:53:25)
国柄探訪 : 花子とお祖父ちゃんの対話 〜 建国の理想
天皇を中心にして被災者と救援者、国民全体が心を通わせる姿は建国の理想を現している。
■1.「仮設住居に住む人の冬の厳しさ」
花子: お祖父ちゃん、このケーキ、お母さんから。久しぶりに作ったからって。私は今日は祝日で学校が休みだから、お祖父ちゃんの所に持ってって頼まれたのよ。
祖父: おお、これは嬉しいね。そう言えば、いとこの太郎から何か便りはあったかい。震災後、もう2年近く経っているけど、まだ仮設住宅暮らしかな。
花子: 太郎ちゃんは仮設住宅暮らしも慣れて、元気でやっているみたいよ。この間、叔母さんから、うちのお母さんに電話があった。私は横で聞いていたけど、なんでも天皇皇后両陛下がお見舞いに来たって、大騒ぎしていた。
祖父: ありがたい事だね。陛下は昨年、2月に心臓の手術を受けられたけど、それも3月11日の東日本大震災の記念式典には何としても出席されたいとのご意向だからだったそうだ。そして5月には仙台市の仮設住宅をお見舞いされた。80歳近いご高齢を考えれば大変な強行軍だ。仙台市の仮設住宅を見舞われた時にこんなお歌を詠まれている。
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禍(まが)受けて仮設住居に住む人の冬の厳しさいかにとぞ思ふ
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花子: そう言えば、気がつかなかったけど、仮設住宅って寒そうね。特に東北地方だし。太郎ちゃんは平気だったのかな。でも天皇って、どうしてそこまで気がつくのかしら。
■2.陛下の責務
祖父: 花子、それはね、国民の幸せをお祈りするのが、天皇のお役目だからだ。
花子: えー、そうなの。天皇も外国の王様と同じで、国賓を迎えたり、勲章を渡したりすることが仕事かと思っていた。
祖父: 国を代表する元首としてそういう国事行為もされけど、歴代の天皇の最も重要なお務めは、国家の平和と国民の幸せを祈ることなんだ。作家の曾野綾子さんは、こんな事を書いている。
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陛下が国事行為と宮中の祭祀をお守りになることについては、ご御自分のお疲れも都合も一切お考えにならない、ということをいつか皇后陛下から伺ったことがある。
妻としては「お休み下されば」とお思いになった瞬間もおありかもしれないが、陛下はその責務に迷うことなく殉じようとしておられるように見える。[1]
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祖父:「責務に殉じよう」というのは、「自分の命をなげうってもその責務に尽くす」という意味だ。
花子: そうなんだ。でも、お祖父ちゃん、その気持ちはすごいと思うけど、天皇が一生懸命お祈りされても、神様が聞いてくれるかどうかは分からないでしょ。それより、実際に政府が被災者の人たちをどう助けるのかの方が大事じゃない?
■3.天皇を中心とした被災者と救援者の心のつながり
祖父: そこに「国民統合の象徴」という事に関係してくる。震災直後に、陛下がテレビでメッセージを伝えられたけど、こんな一節があったよね。
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自衛隊、警察、消防、海上保安庁を始めとする国や地方自治体の人々、諸外国から救援のために来日した人々、国内の様々な救援組織に属する人々が、余震の続く危険な状況の中で、日夜救援活動を進めている努力に感謝し、その労を深くねぎらいたく思います。
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このメッセージで、自衛隊員など救援にあたった人々の志気が、いやが上にも盛り上がったと思う。実際に、こういう人たちの努力は凄まじかった。また自衛隊員や警察官だけでなく、ガス供給の復活に全国から3千人もの職員が集まったり、宅配業者やスーパーが一刻でも早く業務を再開しようと頑張った。[a]
陛下の被災者へのお気持ちに感じて、さまざまな救援者が被災者のために頑張る、そういう精神的なリーダーシップを陛下は果たされているわけだ。
また、国家を代表する天皇が、直接、被災者をお見舞いされた事で、被災した人々が自分たちは見捨てられていないんだ、と勇気づけられたと思う。
花子: へえー。確かに、心底、被災者のためを思っている人が国の中心にいたら、被災者も安心できるし、助ける方も張り合いが出るわね。
祖父: そう、祈るという事は神頼みじゃないんだ。心の底から、被災者を思う、心配する、ということで、そのお気持ちが、被災者や救援者を結びつける。国民統合と言うと抽象的で分かりにくけど、天皇を中心に被災者や救援者の心のつながりを想像すれば、もっと分かりやすくなるんじゃないかな。
■4.歴代天皇の国民への御思い
花子: そうねー。そこの所は分かったわ。でも、今の天皇が立派な人だと言うことは分かったけど、天皇も100代以上続いているんでしょう。たまたま今の天皇が立派な人だというだけじゃないの。
祖父: そりゃそうだ。古事記や日本書紀でも、非道の天皇もいたという記事がちゃんと書いてある。だけど、今の陛下から少し遡って事実を見てみるといい。たとえば、先代の昭和天皇は、終戦の御聖断に際して、次のようなお歌を残されている。[c]
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爆撃にたふれゆく民のうへをおもひいくさとめけり身はいかならむとも
身はいかになるともいくさとどめけりただたふれゆく民を思ひて
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そして、このお気持ち通り、日本を占領したマッカーサー将軍に対しては、戦争の全責任は自分が負うから、国民を飢餓から救って欲しい、と訴えられた。
祖父にあたる大正天皇は劇的なエピソードは知られていないけど、この御歌などは子供たちへの温かい愛情が感じられるだろう。
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学舎(まなびや)は遠くやあるらむ朝まだき野道を急ぐうなゐ子の群れ (うなゐ子:幼い子供)
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曾祖父の明治天皇は日清、日露戦争と国難を乗り切られたが、日露戦争中に詠まれた次の御歌は戦傷兵の身の上を思われた御歌だ。
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いたで(戦傷)おふ人のみとりに心せよにはかに風のさむくなりぬる (みとり:看病)
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少し風が寒くなったら、すぐに戦傷兵を思う御心は、仮設住宅の寒さを心配する今上陛下の御心と同じだね。
■5.万世一系を実現してきた国民のすごさ
花子: へえー。4代も続けて、こんなに国民の事を思っているのね。どうして、こういう思いが続くのかしら。
祖父: 4代だけじゃないよ。まだまだ遡れるけど、このぐらいにしておこう。万世一系という言葉を知っているかい。今の陛下は第125代にあたるけど、初代の神武天皇以来、一つの血筋がずっと続いてきている事を指すんだ。
花子: 125代も続いているのはすごいと思うけど、なんで血筋がそんなに大切なの?
祖父: 万世一系というのは結果であって、歴代の天皇の多くが国民の幸せを祈ってきて、それを代々の多くの国民がありがたい、大切だ、と思って皇室をお守りしてきたんだ。皇室だけがすごいんじゃなくて、それをずっとお守りしてきた代々の国民もすごいんだよ。
日本の歴史で平和な期間が長かったのも、こういう形で立派な国民が立派な皇室をお守りしてきたからだ。南北朝時代や戦国時代は戦乱が続いたけど、これは国民が皇室の祈りを忘れて、私利私欲に走った時期だ。それで戦乱の時代になる。
■6.王朝交代と戦乱の続く中国
祖父: 中国などでは、すぐれた人物が天下をとって新しい王朝を開いても、その子孫が国家を自分の私有財産のように思って搾取するから内乱が起き、その混乱の中でまた別の人間が新しい王朝を作る。その繰り返しで、戦乱が続てきた。
今の中国でも、1パーセントの特権階級が国全体の40パーセント以上の富を独占するというように、まさに中国共産党が国家を私物化している。庶民への思いやりの深い事で人気のある温家宝首相ですら、一族で27億ドル、2千数百億円もの蓄財をしていると米紙に報じられた。
今の中国共産党は、まさに中国の歴代王朝と同じで、こうした腐敗に怒った民衆がやがて内乱を起こし、その中からまた新しい王朝が生まれていくだろう。
中国に比べると、我が国の万世一系の貴さ、有り難さが良く分かる。そして我が国は生まれた時から次代の天皇と決まっているから、周囲の人も、そのつもりで国民の事をひたすらに祈るように、お育て申し上げる。少し前の国際派日本人養成講座でも、山岡鉄舟という偉大な人物が、若き日の明治天皇を教育したエピソードを紹介していたね。[d]
■7.「一つ屋根の下の大家族のように仲よくくらそうではないか」
花子: 私たちも立派な祖先を持っているわけね。なんか、嬉しくなってきた。でも、この国際化の時代に、日本人だけがそういう形で続けていけるのかしら。
祖父: それは我が国の歴史が証明しているよ。昔から朝鮮半島や大陸の戦乱を逃れてやってきた人々は多いけど、その中には朝廷で高い地位を得て活躍した人もいるし、田畑を切り開いて地方の民となった一族もある。我が国はそういう人々も混じり合って、渾然一体となって発展してきたんだ。
初代の神武天皇が即位された時に、こういう宣言をされている。我が国の建国宣言だ。
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このうえは、天照大神のお心にそうように、大和の国のいしずえをしっかりしたものにするように、おたがいにゆたかな心をやしないましょう。人々がみな幸せに仲良くくらせるようにつとめましょう。天地四方、八紘(あめのした)にすむものすべてが、一つ屋根の下の大家族のように仲よくくらそうではないか。なんと、楽しくうれしいことだろうか。[e]
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今まではいろいろな部族に分かれていた人々も、大陸から逃れてきた人々も含めて、「一つ屋根の下の大家族のように仲よくくらそうではないか」というのが、日本の建国宣言なんだよ。
そして、ここにある「天照大神のお心」とは、子孫である皇室に対して、日本国が豊かに栄えるように尽くせ、という命令だ。神武天皇はその使命を抱いて初代天皇として即位した。歴代の天皇も、神に祈る事で、その使命を受け継がれている。
現在の陛下が心から被災者の身の上を案ずるのも、天照大神が命じ、神武天皇が志した「一つ屋根の下の大家族」を目指して、天皇としての使命を果たされているということだよ。
■8.世界が共感する「一つ屋根の下の大家族」
花子:「一つ屋根の下の大家族」と言えば、被災地では暴動も略奪もなく、皆が互いを思いやって、助け合っている姿がすいぶん報道されたわね。太郎ちゃんも水汲みや瓦礫の片付けで、近所のお年寄りを随分助けたって自慢していたわ。そういう姿も「一つ屋根の下の大家族」と言えるのかしら?
祖父: まさにその通りだね。皇室を中心にして、国内が長い間、平和にまとまってきたからこそ、あれほどの非常の際にも、互いへの思いやりができる。大震災で見られた思いやりの心というのは、日本人の生まれつきのものではなくて、長い時間をかけて、我々のご先祖様が積み重ねてきたものだ。
さらに「一つ屋根の下の大家族」のように支え合い、助け合う姿が全世界から称賛された点も見逃せない。これは単なるお国自慢ではなくて、神武天皇の理想は世界の人々の共感を得られる、という事なんだ。
今までは平和で安定した国内で、日本人はそんな理想も教えられず、天皇が秘かに国民の幸せをお祈りされていることにも気がつかず、呑気にやってきた。
でも国際化が進むほど、外国の異質な思想も入ってくるし、日本人社会に溶け込もうとしない在日外国人が増えてくる。さらに近隣諸国が隙をついてくる。こういうい時代こそ、日本人一人ひとりが自分の国がどういう理想で建てられ、また先祖がどのような苦労をしてそれを守ってきたのか、よく知る必要がある。
さらに言えば、世界が内乱や戦争で争っている時代だからこそ、日本人が「一つ屋根の下の大家族」の理想を実践し、世界に模範を示していく事の価値があるだろう。
花子: そういえば、今日は建国記念日だったからお休みだったのね。学校では、そんな事、教えてくれないから忘れていた。お祖父ちゃん、ありがとう。私ももう少し、日本の歴史の勉強をしたくなったわ。
(文責:伊勢雅臣)
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