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北朝鮮は「文化大革命」でも「フルシチョフの雪解け」にもならない
http://www.asyura2.com/12/asia14/msg/616.html
投稿者 あっしら 日時 2013 年 12 月 19 日 03:03:34: Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 金正恩、自ら廷臣を政変に駆り立てかねない:解任や処刑のほんとの理由を探られたくないからこそ“逮捕劇”や“裁判劇”を上演 投稿者 あっしら 日時 2013 年 12 月 19 日 03:00:34)


北朝鮮は「文化大革命」でも「フルシチョフの雪解け」にもならない[ロシアの声]

アンドレイ ラニコフ 16.12.2013, 18:58

朝鮮民主主義人民共和国の張成沢(チャンソンテク)前国防副委員長が逮捕、処刑された事件は昨今の北朝鮮史上最も劇的なエピソードとなった。この国の外側では、我々の目の前で展開されている、こうした芝居がかった政治的行為に似た例が躍起になって探されているが、これも驚くべきことではない。

ロシアで今、盛んに取り上げられている類似例は1953年の夏、ラヴレンチイ・ベリヤの逮捕劇だ。スターリンの晩年、ベリヤはその右腕として特務機関の活動を率いていた。ベリヤはその罪が検討されていた政治局会議の最中に逮捕された。罪とされていたものの大部分は捏造されたものだった。逮捕後、ただちに裁判、死刑が執行された。スターリンの特務機関を率いてきた全能の指導者がドラマティックに逮捕された話を子どもの頃から聞いてきたロシア市民らに、このピョンヤンの事件がある種の連想を呼んだのは理解できる。実際、張氏の逮捕はベリヤの逮捕に酷似している。しかも列挙されている罪状も、かつてベリヤに対して挙げられた罪状と同じく全く馬鹿げている。

ところがロシア以外の場所では、北朝鮮で始まった国家機関の洗浄は他の類似例が挙げられ、中国で1966−76年に展開された「文化大革命」と比較されている。実際、中国ではこの時期、古い世代の高官らの多くが自分のポストを失った。そして今の北朝鮮で進行している要因と似ているのは、中国ではこのとき積極的に、古い世代の役人を若い人に挿げ替える作業が行われたのだ。

それでもふたつの類似例は見せかけだけのものだ。張成沢はベリヤではなく、金正恩氏もまた、中国「文化大革命」の指導者らには似通っていない。
  「文化大革命」は中国の大勢の若者の繰り広げた運動だった。この運動は上層部でコントロールされ、刺激されたものであり、それは政権のエリート層の利益のために積極的に利用されていた。だが、実質は、「大革命」はたくさんの中国人の若者らの希望と希求を反映したものだったのだ。その希求はナイーブなものだったが、それを実現化しようとする試みはカタストロフィー的な結果を招きかねないものだった。少なくとも「文化大革命」は、「正しい」社会主義を夢見、物質的成功を軽蔑し、集団手記を信奉するおびただしい数の紅衛兵(こうえいへい)なしには成り立たなかった。

紅衛兵は大革命を経験したばかりの国でなければ出現しえない存在だった。こうした国ではまず若者らは、まだ革命の結果に失望感を抱くにいたっていないからだ。「大きな躍進」が行われ、カタストロフィー的な結果を味わっているにもかかわらず、若者らは党の最高指導部に対しても、社会主義に対しても信仰を貫いていた。原則的には、まさに紅衛兵の理想主義が「文化大革命」を可能にしたのだった。

北朝鮮には、このような運動を起こす基盤となりうる層はない。40年ほど前だったら、北朝鮮でも「文化大革命」は可能だったろうが、そうした時代はもう過去のものとなっている。今の北の若者たちを理想主義やよりよい未来のために自己犠牲的な闘いをスローガンに掲げて動員することは出来ない。北朝鮮の若者らはいかなるスローガンにも懐疑的な姿勢を示している。イデオロギー的作業が数十年間活発に展開された結果、今の北朝鮮の若者は国が始まって以来、最もシニカルな世代となってしまい、プラグティズム、個人主義が横行している。必要となれば公式的な文書を見事に再現することはできても、こうした人たちは誰のことも全く信じておらず、もちろん朝鮮の社会主義を理想などとは思っていない。それよりも彼らにとっての理想は中国を手本とした市場経済だろう。この若い人たちが上からのシグナルが送られたとたん、地区委員会や官僚主義の巣に襲撃をかけたり、声がかれるまで社会主義への道について論争を戦わせるなど、60年代の中国紅衛兵が行ったように振舞うとは想像できない。

金正恩氏の取り巻きは毛沢東の側近とはあまりにもかけ離れている。正恩氏を取り巻いているのは、北朝鮮エリートの第3世代、満州のパルチザンや朝鮮戦争で活躍した英雄の孫世代なのである。これこそが北朝鮮の貴族階級だ。こうした人たちは快適さに慣れ、権力も特権も生まれつき与えられていることに慣れており、自分の父親世代の年寄りを権力の座から追い出す準備ももちろんある。だが、願わくば、それは下層社会の若い蜂起者たちの手で行われてほしいというわけだ。

  こういうわけで、北朝鮮にこの先大きな転換が待ち受けていようと、それは中国の「文化大革命」に類似したものにも、ソ連のフルシチョフ改革に似たもの にもならないということは、間違いない。


http://japanese.ruvr.ru/2013_12_16/126012533/


 

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