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【ニューヨーク山科武司】国連の安全保障理事会は4日午前(日本時間5日未明)、シリアのアサド大統領に退陣を求めるアラブ連盟の行程表を「支持する」とした決議案を採決したが、辞任要求に慎重な常任理事国の中国とロシアが拒否権を行使し、否決された。
昨年3月から反体制派への弾圧が続くシリア情勢で、昨年10月に続いて中露の反対で安保理は決議を採択できなかった。大国の意見が対立する事案で明確なメッセージを出せない安保理の弱点が再び露呈した。
当初の決議案に明記されていたアサド大統領への退陣要求の文言は、国際社会の介入による政権交代を認めないロシアの反対で削除された。しかし、アラブ連盟の行程表(1月22日決定)は、アサド政権に▽大統領から副大統領への権限移譲▽反体制派も含む挙国一致内閣の設立▽国際社会監視下で民主的選挙の実現−−を求めており、決議案は事実上、アサド大統領に退陣を迫る内容だった。
ロシアのラブロフ外相は4日、訪問先のミュンヘンで、クリントン米国務長官と会談。また、会談に先立つ講演で決議案に賛成する条件が「まだ満たされていない」とさらなる修正を求める姿勢を見せ、7日にアサド大統領と会談するため自らシリアを訪問する意向を表明していた。
http://mainichi.jp/select/world/news/20120205k0000m030102000c.html
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ロシアはシリアへの最大の武器輸出国である。シリアにはロシア海軍の軍港がある。ロシア政府は中東での影響力が失われることを恐れて決議案に反対した。
中国は昨年からの「アラブの春」で長期独裁政権が次々と打倒されたことに危機感を抱いている。中国国内には共産党による一党独裁に対する不満が鬱積している。中国政府は昨年から国内の反対派に対する弾圧を一層強めている。つい先日にはノーベル平和賞を受賞した中国人反体制派活動家の伝記を書いた男性が、当局に拘束され拷問を受けたことで中国国内での活動を断念し米国に亡命を申請した。共産党政権は強権支配を続ける国が打倒されることを座視することは自らの強権支配基盤を掘り崩す事につながることを理解している。そのために決議案に反対した。
反政府運動に立ち上がった自国民に対して戦車や迫撃砲で砲撃を加え、女性や子供を含む約7000人を虐殺しているアサド派の常軌を逸した蛮行にたいしては、さすがの国際社会も座視していることはできるはずもなく、アサド大統領の退陣を求める決議案を採択しようとした。だがロシア、中国の両国は自国の利益のためにアサド派による自国民大虐殺を見て見ぬふりをしている。
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