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【2月5日 AFP】ロシアと中国が4日、シリア政府に対し人権侵害の即時停止を要求する国連安全保障理事会(UN Security Council)の決議案に、拒否権を行使した。採決の数時間前には、シリア政府軍が抗議運動の拠点ホムス(Homs)を爆撃し、数百人規模の死者が出ていた。
シリア決議案への拒否権行使は、過去4か月で2度目になる。これに対し、国際社会では怒りの声が巻き起こっている。米政府は拒否権行使に「嫌悪感」を持ったと述べ、フランス政府はホムスでの爆撃を「人道に対する罪」と非難した。
反体制派「シリア国民評議会(Syrian National Council、SNC)」によると、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権軍は夜間にホムスを「無差別」に爆撃し、女性や子どもを含む少なくとも260人が死亡した。またシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は女性や子ども100人を含む237人が死亡したと述べている。負傷者は数百人に上っている。(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2855564/8413094
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2月3日は、現アサド大統領の父親である前アサド大統領の時代に、アラウィ派優遇や強権支配に反発して中部の都市ハマで武装蜂起したイスラム同胞団に対し、ハマを包囲した上で激しい砲撃を加えて多数の一般市民を含む約3万人が殺された「ハマの大虐殺」からちょうど30年にあたる。
この日シリア全土で大規模なアサド退陣要求デモが行なわれた。現アサドはこのデモにに対して昨年3月の反アサド運動の勃発以来、1日の死亡者としては最大となる約300人を殺害した。シリアでは首都ダマスカス以外の各都市は事実上反アサド派が掌握している。
人口の1割を占めるに過ぎないアラウィ派が支配するシリアでは、アラウィ派出身のアサド大統領が自派を露骨に優遇し、国軍もアラウィ派で占められている。アサドは多数派のスンニ派を押さえつけるために強権支配を続けてきたが、シリア全土でここまで事態が悪化した状況では、反アサド派が皆殺しにされるかアサドが殺されるかのどちらかで決着がつけられることになるだろう。
今回の決議案にロシア、中国が拒否権を行使したしたことで、皮肉にもアサド大統領は人口の8割近くを占めるスン派との平和的な解決の可能性を失ったことになる。もっとも自国民7000人以上を殺害しておいて「平和的解決」などあり得ないであろうことは容易に分かることではあるが。
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