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(回答先: 日本の規制“じゃま”／牛肉・医療・郵政…５０項目、米が報告書（しんぶん赤旗） 投稿者 gataro 日時 2011 年 10 月 27 日 10:31:50)
ＴＰＰに参加しなくても米国政権の意向は汲むのだからＴＰＰに参加しても同じと、野田政権や官僚が考えているように見える記事である。
しかし、ＴＰＰに参加すれば、形だけのものでも日本政府の政策判断が入る現在と違い、どこからどういう影響を受けている機関かという問題は別として、国際的機関の規定で輸入を認めざるを得なくなるのだからずっと深刻だ。
日経新聞社は、タイトルが醸すイメージとは異なり、「世界的にＢＳＥの発生がほとんどなくなった客観情勢からみて、緩和は順当だ」と書いているが、ＢＳＥが外見的に確認できる前やＢＳＥ検査で引っ掛かりそうな年齢の前（とくに乳牛）に肉として出荷しているから、そうなっている可能性もある。
さらに、ＢＳＥの発症経過を考えると、現行の検査で罹患が完全にチェックできるわけではないが、全頭検査を行っている日本と限られたサンプルの牛しか検査していない米国で安全度が同じとは言えない。
異様な歩行や“へたり”などの外見的症状ができるのは脳で病状が進行した後であり、脳に至るまでのあいだに様々な部位に影響があっても正常として食されている。
（日本が行っているＢＳＥ検査で、外見的症状の少し手前にあるＢＳＥ罹患牛を食用から除外することはできる）
日経新聞社は、危険部位とされる米国産牛脊柱が見つかったり、月齢記載なしの米国産牛肉があることを受けて、「政府は米国など輸出国に対し、日本向け輸出条件の順守を改めて強く求める必要がある。条件を緩めるなら、なおさらだ」と書いているが、ＴＰＰに参加すれば、国際機関が認定した基準で輸入を受け入れなければならなくなる。月齢記載を求めることさえ、「非関税障壁」となりかねないのだ。
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牛肉輸入緩和へ説明尽くせ［日経新聞：社説］
2011/10/27付
政府がＢＳＥ（牛海綿状脳症）対策の見直しに動き始めた。検査対象の牛を、月齢20カ月を超える牛から30カ月超の牛に緩和する方向だ。米国やカナダなどを対象とした輸入制限も国内体制に合わせて見直しを検討するという。
世界的にＢＳＥの発生がほとんどなくなった客観情勢からみて、緩和は順当だ。世界の発生頭数は1992年のピーク時に３万７千頭を超えたが、昨年は45頭にまで減った。国内でも2003年以降に生まれた牛で発生はない。
発生の激減は、感染源とみられる肉骨粉を飼料に使わなくなったからだ。検査などの緩和は、肉骨粉を使わない飼料管理の徹底を継続することが大前提となる。
牛の体内で病原体の異常プリオンがたまりやすい「特定危険部位」の除去は引き続き必要だろう。動物衛生に関する国際機関である国際獣疫事務局も、月齢30カ月超の牛では頭部などの除去の必要性を認めている。
かつて米国から輸入された牛肉から、日本政府が除去を義務付けた脊柱が見つかったことがある。今月25日にも月齢の記載がない米国産牛肉が東京港での輸入手続きで見つかった。政府は米国など輸出国に対し、日本向け輸出条件の順守を改めて強く求める必要がある。条件を緩めるなら、なおさらだ。
米国産の輸入減で、日本市場では豪州産の牛肉がシェアを伸ばしてきた。豪州は電子タグを使ったトレーサビリティー（生産履歴の管理）制度を05年に義務化し、食の信頼確保に心を砕いている。米国ではこうした管理手法は牧場単位などの導入にとどまる。生産管理の質の向上を、米国にいま一度促す必要もある。
福島第１原子力発電所の事故以降、日本の農産物の輸入制限に対し政府は科学的根拠のある規制を各国に求めてきた。ＢＳＥ対策の見直しも、月齢や除去すべき危険部位の範囲などについて明確な根拠を示し、国内外にていねいな説明を尽くして進めるべきだ。
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