http://www.asyura2.com/11/senkyo114/msg/937.html
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(回答先: Re:Re: 話題にされない原発推進派の動機 : パワー・ポリティクスの文脈では核武装=脱・対米従属 投稿者 五月晴郎 日時 2011 年 6 月 14 日 00:02:22)
下記に再掲させていただく過去記事に答がありました。
「“乳児”精神の無能で臆病なエリート層が国家を支配していること ――主体的に国家間関係の在り方を追求してこなかったツケ――」
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/637.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 04 日 23:40:37:
=転載開始=
(略)日本が米国支持から離れられない精神基盤は理解されていると思います。
私も、日本政府にいろいろケチをつけていますが、支配層の気持ちはよくわかっているつもりです。
その理由を一言で言えば、「属国状況で破格の経済成長を遂げた戦後日本史」がなせるわざということになります。(深淵には、国家として「敗戦責任」を今なお取っていないという重大問題があります)
属国状況だけでも、破格の経済成長だけでも、現在のような日本になることはありません。
属国状況で経済がうまくいかなければ、それをなんとかしようと考えいろんな策を講じたはずです。
破格の経済成長を自力で遂げていれば、日本が主体的に世界に働きかけをしたということです。
米国が与えてくれた新しい政治制度と国際関係を基礎に、破格の経済成長を遂げてきたという“成功体験”が、乳児が母親から離れるのを恐れるのと同じように「米国離れ」を恐れさせています。
価値観・経済理論・政治理論・産業システム・科学技術のどれをとっても、応用レベルでは見事に手に内に収めたとしても、ベースはすべて米国ないし英国由来のものです。
これは、自分自身の頭で物事をきちんと考えていないということであり、釈迦の手のひらではしゃいでいるだけの孫悟空と変わらないということです。
(左翼も欧州由来の価値観や理論に依拠しています。日本由来の歴史的価値観や理論は、古臭い反動的なものだとして捨て去られたも同然になっています。別に復古主義を求めているわけではありませんが)
冷ややかに言えば、日本は独立主権国家として国際社会にいるべき国家ではないのです。
嫌味ではなく、戦後日本が成功だと考えるのなら独立主権国家である必要はないとも言えるのですから、名実ともに保護国になるのも手です。(そして、いつか来る過酷な状況のなかで、もがきながら独立を果たすかもしれません)
「敗戦責任」も明確にしないまま米国が与えた諸条件のなかで成功したことで、戦後60年近くたっても、中国・韓国・北朝鮮とのぎくしゃくした関係が放置されたままになっています。
このような対応の深層には、庇護者である米国に対して不平不満や文句を言えない鬱憤を、それぞれの国の対米関係に照らしてぶつけるという意識があると思っています。
今では、鬱憤を晴らす対象が北朝鮮になっています。
日本が敗戦後に本当の独立国家として放り出されていれば、中国・韓国・北朝鮮との関係は否応なく良好な関係にならざるを得なかったと思っています。
国家として主体的に国際関係を築くことなく成功したと思っている日本の支配層が、歴史の一大転換点で再び大きな誤りをしでかすのは、ある意味仕方がないことなのかもしれません。
イラク攻撃支持問題で日本政府が方針転換する可能性はまだあると考えています。
不幸にもこのまま米国支持を続けたときには、今度こそ「敗戦責任」をとらせなければなりません。(日本の支配層は米国が勝利するよう毎日祈ってください)
今度は、禊を済ましたと言い訳に使える「極東軍事裁判」もないので、政治的道義的責任が問われることになります。
日本が、保護国意識のまま「ただ米国を支持しただけで悪いことをしたわけではない」という意識で知らん顔を通そうとしたら、国際社会のつまはじきにあいます。(米国支配層は生贄をちゃんと用意します)
「大東亜戦争」の「敗戦責任」を問わずに“一億総懺悔”や“軍部責任論”でお茶を濁し、バブルの形成と崩壊の責任も、“みんなが踊った”や“誰もこうなるとは見通せなかった”で済ましてきたのと同じように、“国民みんなが愚かだった”とか“民主主義で選ばれた政府が決定したのだから国民の責任”で済まされるようなことになれば、日本は、ただ収奪の対象となり、大多数の国民が経済的困窮を強いられることになるでしょう。
しかし、何より悲劇的なのは、日本人の精神が人のものとはいえない貧相で醜悪なものになることです。
(既に、連日のようにTVワイドショーで繰り広げられている“北朝鮮叩き”にそれを感じています)
日本がまとまな国家理性を回復する絶好のチャンスが今回のイラク攻撃問題です。
そして、そのチャンスを活かせなかった場合は恒常的にチャンスが続き、米英の“敗北”時点で決定的な審判が下されることになると考えています。
=転載終了=
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