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久しぶりに副社長の武藤栄が出てきた、昨日の工程表見直しに関する東京電力の会見を見た。1号炉がメルトダウンしており、2、3号炉も同様の状態のなか、ここで武藤が示した認識は驚くべきものだった。「工程表はうまくいっている部分もあれば、いっていない部分もあるが、全体としてはまあまあの進捗状況だ」というのである。
これには、さすがに集まった記者も「英知を集めた結果がこの状況なのか?」、「武藤副社長の事故の責任は?」などと厳しい質問をする。これに対する武藤の答えは「自分たちはアクシデントマネージメントの準備を積み重ねてきた」のであって「これまで瑕疵なく全力でやってきたが、地震、津波など想定外のことが起きて、結果的にご迷惑をおかけしたことは申し訳ない」というようなことを、まったく申し訳なさそうに言う。
メルトダウンについて問われると、薄笑いを浮かべながら(本当です)「溶融はメルトで落ちるはダウンだが、メルトダウンにもいろいろありまして……」と、要するに「あなたがたがメルトダウンと言うのは否定はしないが、溶融にもいろいろあるんだよ」というようなニュアンスである。
「英知というのは具体的に誰か個人名を教えて欲しい」というような質問もあったが、「(メーカーや)お世話になっている有識者の方々」だと言う。つまり、東電とともに「絶対に事故は起きない」と言っていた御用学者に相談しているわけだ。とにかく、何を言われてもどこ吹く風で、先日も書いたが、東京電力という会社の組織防衛と、自分たちに対する責任論をできるだけ小さくすることに頭がいっぱいの状態で、本気で事態を収束させようという気概などひとかけらもない。
今回の事故を起こした最大の原因は東京電力という会社の体質にあるのは明らかだが、それが3・11のビフォー、アフターでまったく変わっていないどころか、かえって強化されているのだ。一方、昨日は原子力資料情報室の元東芝エンジニア、後藤政志氏もUSTREAMで現状のレクを行なった。
後藤氏によれば、「そもそも東京電力は溶けた燃料がいまどこにあるのか把握していないのではないか?」「つまり燃料はどこにあるかわからないけど、温度は低い。コントロールができていると思ったら実はできてないけれども、温度だけを見るとそれほど上がっていないというレベル」「だとしたら収束もなにもない」「水を入れてもそこに燃料がない可能性だってある」「一時帰宅については気持ちはわかるが放射線の影響を甘く見過ぎていて安全性の観点から疑問」「東電が『メルトダウンをしていました』と涼しい顔をして説明するのが理解できない。自分だったら気が狂う」とのこと。
東電と後藤氏。この温度差はいったいなんなんのか――。ことここに至っての私の結論は、もはや東電は炉の状態をまったく把握していないし、本気で事態を収束するつもりもない。次にさらなる大きな爆発等、今回の事故の被害がさらに拡大するようなことが起きても「自分たちは瑕疵なく全力でやってきたが、想定外の出来事でこのようなことになってしまったのは、結果的に申し訳ない」ということですべてを乗り切ろうとしているということだ。
付け加えておけば、これは他の電力会社の原発で同じような大事故が起きても同様だろう。つまり東京電力は、もはや開き直っているのだ。そういう会社に国民の運命が預けられている。しかも、政治は何もしない。亡国の時は近づいている。
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