http://www.asyura2.com/11/senkyo113/msg/169.html
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http://blog.livedoor.jp/bluehorseshoe/archives/65852885.html
際だつ菅政権の独裁性、無責任性
菅政権は、法令を無視し、独裁的傾向を益々強めている。例えば、以下のような例を挙げればこの政権の性格は明らかだろう。
1 尖閣諸島事件
昨年の尖閣諸島事件も「那覇地検が外交上の配慮をし、独自に判断した」などと全く誰も納得しないような説明を臆面もなく行ってほおかむり。地検の判断を尊重とするなどと間抜けなことを言って責任逃れ。
2 東京電力怒鳴り込み事件
運命の3月11日にこのそして菅首相は、原子炉等規制法64条3項による命令権があるにもかかわらず、まともな判断もできずに、翌日まで傍観。挙げ句の果てには意味のない視察を強行し現場の足を引っ張った。
http://blueconifer.blog59.fc2.com/blog-entry-1.html
さらには、後日法令に基づく的確な命令ができなかった自分の政権の落ち度は棚に上げて、東京電力に怒鳴り込む始末。
3 小学生に年間20ミリシーベルト
菅政権は、小学生は年間20ミリシーベルトまでは大丈夫だと言い始めて、法律を無視。文部省が所轄する法律「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」によると、
a. 放射線の被曝はできるだけ少なくすること、
b. 児童(一般人)の被ばく限界を、食品からの内部被ばくも含めて1年に1ミリシーベルト以内にすることと規定している。
http://takedanet.com/2011/04/post_f1fe.html
実質的に見ても、胸部レントゲンが一回0.1ミリシーベルトであるので年間200回小学生がレントゲン撮影を受けるようなことになる。さらに、政府が大丈夫だという3.8マイクロシーベルト/時は、労働基準法で18歳未満の作業を禁止している「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)の約6倍に相当する線量を子どもに強要する、きわめて非人道的な決定である。加えて年20ミリシーベルトは、原発労働者が白血病を発症し労災認定を受けている線量に匹敵する。また、ドイツの原発労働者に適用される最大線量に相当する。さらにこの基準は、大人よりはるかに高い子どもの感受性を考慮にいれておらず、また、内部被曝を考慮していない。
http://blog.canpan.info/foejapan/daily/201104/23
以上から、明らかになることは、パフォーマンス優先、気にくわないことがあると怒鳴り散らすが、責任は狡猾に他人に押しつけるという指導者にあるまじき卑しい姿だろう。
法的根拠のない浜岡停止要請
そして菅政権は今度は、唐突に法的根拠がないまま浜岡原子力発電所の停止要請を行った。昨年の尖閣諸島事件以来、何度の見たパターンだ。この政権は、国家の運営は法律に基づいて行うという小学生でもわかるような基本原理を全く無視している。今回のような、「何も権限はないけれど人気が出そうなので独断でお願いした。でも、俺は責任は負わない。後は、民間企業でよきに計らえ。適当にやってくれ」では現代国家や産業は成り立たない。何が原発を止めるだけの危険性であるのかきちんと定義し、その上で、周辺住民、事業者、利用者、株主の利害を調整するのが政治である。
危機に陥る法治主義、Due Process
首相がお願いするから、聞いて当然では独裁国である。このような重要な政策は、きちんと法律に基づいて、利害関係者の権利義務の調整を行って実施すべきである。法律は、曲がりなりにも国会で審議され問題点等総合的な判断がされる。何よりも現代国家に必須とされるDue Processを経ることになる。
思いつきだけの独裁者と化した菅首相は、利害関係調整の責任だけ逃れて後はほおかむり。過去の行動バターンに忠実だと言えば、それまでだが、あまりに稚拙すぎる。近代国家が苦労して確立した法治主義やDue Processの要請の対局を行く化け物政権と言っていいだろう。
どうして中部電力は「要請」を受け入れたのか
菅政権が酷いにしても、それに輪をかけて無能なのは中部電力の経営陣である。法的根拠もないような「要請」をどうして受け入れたのか全く明らかにしていない。水野社長の記者会見でも、「政府との確認事項の中で、わたしたちの安全対策は適切に実施されているということを経済産業大臣から確認した。ただ、今回はやはり今回の重大事故を受けて、いっそう安心いただくという位置付けだ」等と全く理由になっていない。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110509/biz11050919080035-n1.htm
中部電力HPは津波でも大丈夫と宣言
津波が問題だとされるが、「要請」を受け入れた後も、以下のような、記述がHPにある。
津波に対する安全性確保
これまでに浜岡原子力発電所の敷地周辺に影響を及ぼした津波について、文献に基づいて検討した結果、最も大きな影響を及ぼしたのは、1854年の安政東海地震による津波であると考えられます。この津波について、数値シミュレーション解析を実施し、敷地付近の津波の最高水位を検討した結果、敷地付近の津波の高さは、満潮を考慮しても、最大でT.P.+6m程度です。これに対して、敷地の高さは津波の高さ以上のT.P.+6-8mであり、津波に対する安全性を確保しています。
さらに、敷地前面には、高さがT.P.+10-15m、幅が約60-80mの砂丘が存在しています。また、安全上重要な施設を収容している原子炉建屋などの出入口の扉は防水構造にしています。これらのことから、浜岡原子力発電所は、津波に対する安全性を十分に確保しています。
(注1)T.P.:東京湾平均海面
http://www.chuden.co.jp/energy/nuclear/nuc_jishin/tsunami/index.html?cid=ul_me
狡猾な菅に絡め取られた中部電力経営陣
経営陣自ら安全だと言っているものを止めるにはそれなりの理由が必要なはずである。つまるところは、政府の「要請」は命令に近いといった全く論理破綻を起こした理由で説明したいのだろうが、「要請」は「要請」である。究極の責任は、すべて中部電力の経営者が負うことになる。そして、その結果は、利用者、株主等に電気代金の値上げ、突然停電の危険性、株価の下落という形で降りかかってくることになる。とにかくパフォーマンスで支持率を上げて延命を図りたい菅政権は、このような面倒な責任は全く負いたくもない。何度も示される狡猾なやり口である。ほとんどその筋の人間が行うような卑劣な手段と言っていいだろう。
あまりに無能な中部電力経営陣
本来、中部電力は、政府には取り急ぎ特別立法でも何でもしてもらって法的根拠がある停止命令を求めるべきであった。それと同時に経営者なら経済的負担の補填、電力の融通に関する枠組みに関して言質を取るべきであった。しかし、この無能経営陣はそのような交渉を真剣にした形跡もない。
記者会見をして、しっかりと、「どうしても政府が止めるべきだと考えるなら、法治主義に基づき法令に基づいた命令を出してほしい。どうしても超法規的な措置を求めるなら利用者、株主等に不利益が起こるようなことは絶対に避ける案を政府として出してほしい。」と最低限言うべきであった。しかし、この経営者たちは、みすみす交渉の機会を逃してしまった。政府は、パフォーマンスのためならどんな条件でも何でも飲んだはずだ。東京電力のような、前科者扱いされる理由もないため、「要請」受け入れ前の中部電力はまたとない交渉力をえていたはずだ。このような絶好の機会を逃して、明確な理由もなく「要請」を命令に近いなどと言って受け入れてしまった。全くの無能経営陣と言うしかない。御上にすがった方が得策だと考えたのだろうが、おすがりして何とかなるような政権ではないことは、過去の実績が証明済みである。
交渉力が失われてからの惨めなお願い
要請を受け入れた段階で中部電力は、以下のようなお願いを国にしている。
「浜岡原子力発電所運転停止要件に係る確認事項」
公益性の高い事業を営む当社にとって、総理大臣からの今回の要請は事実上国の指示・命令と同義であり、極めて重く受け止めている。今回の要請に基づき、浜岡原子力発電所を全号機運転停止した場合、お客さま、株主、立地地域等関係者に多大な影響を及ぼすことが懸念される。これらの方々に過度な負担、不利益が生じないよう、当社は事業運営全般にわたり最大限努力するが、国としても十分な配慮、支援をお願いしたい。
3 全号機運転停止した場合、多大な追加費用負担が発生する。当社は最大限経営効率化に努めるが、今回の要請は、お客さま、株主等に過度な負担を強いることを前提としたものではないと受け止めており、その回避.軽減に向け国として十分な支援をお願いしたい。
4 全号機運転停止した場合、需給バランスは非常に厳しくなる。当社は供給・需要両面において最大限努力していくが、国においても十分な支援をお願いしたい。(1,2,5は省略)
http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/__icsFiles/afieldfile/2011/05/09/hamaoka1.pdf
一言で言えば惨めである。無能経営陣が自ら持っていた交渉力を投げ捨て政府におすがりする形になっている。
「確認事項」でなく「嘆願書」だ
中部電力は「浜岡原子力発電所運転停止要件に係る確認事項」などと言っているが、狡猾な菅政権がこのような確認事項に具体的な言質を与えることは絶対にない。まずもって、文面が国を主語として、国としてこのようにするという書き方ではない。「国としても十分な配慮、支援をお願いしたい」という全く法的権利義務としては成立しないような嘆願を繰り返すのみである。国にこのような「嘆願書」を確認してもらっても配慮、支援をお願いされたことを、了解したという意味しか持たない。国は基本的にはフリーハンドである。
無能経営陣は責任を取って辞任するとともに会社、利用者に損害を賠償せよ
どうして、交渉力があるうちにきちんとした交渉をして、株主、利用者の利益を守らなかったのか?これでは、経営者などいらないではないか?実際に株価は、受け入れ後、1,766円(5月6日)から1,524円(5月12日)に下落し株主は不利益を被っている。おめでたい経営者以外は「嘆願書」の効果などないことを悟っているのだろう。株価下落は、「嘆願」によって中部電力が救われるとは市場は全く考えていないことの反映である。さらに、利用者は電気料金の値上げと、夏場の突然停電の不安に直面することになった。また、中部電力からの税収が見込めなくなった自治体及びその住民も大きな影響を受けるだろう。
このような経営者としてなすべきこともできないような経営陣は退陣すべきである。中部電力の原発停止による追加的な経済負担は、平成23年度だけで2,500億円に上るとのことである。4月末の「要請」受け入れ前の業績予想では、1,050億円程度の経常利益を見込んでいたが、赤字転落は確実であろう。
会社を赤字にして、電力会社として最低限の責務である電力の安定供給もできないような状況にしてしまった中部電力の無能経営陣の責任を株主は追及しなければならない。
(ところで、もしかしたら「要請」を受け入れた背景には実は、浜岡原発に関しては、いままで公言してさんざん宣伝していたことは嘘で、本当は危険極まりない代物で止めなければいけない状態だったということがあるのか?そうならそうでまた別の責任が発生する。)
福島第一原発の悲劇を繰り返さないために
福島第一原発の悲劇も遠因は、このような政府と電力会社の緊張感を欠いたなれ合いもたれ合いにあるのだと考える。今回の「要請」では、具体的にいったい何が危険で、何をどうしたら危険がなくなるのか全く明らかになっていない。中部電力は、御上のご高恩によりそのうちに原発が再開できるであろうという期待で、「要請」受け入れたのであろう。菅政権は、単にパフォーマンス材料があったから飛びついただけであろう。本来なら、具体的な危険を特定し、それに対応する処置ができているかいないかを、すべての原発について検討すべきであった。それが、単なるパフォーマンスと業者の嘆願に終わってしまった。このようなこと続けている限り、ほかの原発又は巨大社会システムで同じようなことが起こるであろう。
福島第一原発の悲劇を繰り返さないためにも、株主代表訴訟を通して法治主義とDue Processを無視して、旧来の御上と業者のようなpaternalisticcな関係を心地よいと思う勢力を一掃する必要がある。
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