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あれこれ細かいチェックをして意味があるのかという気になったり、千葉県警関係者に読まれると敵を利することになるかもしれないと思ったりもする(笑)。
今回紹介する読売新聞社の記事には、容疑者と被害者の行動を対比的に示す表が付いている。
わざわざ対比表をつくったのは、「被害者が再外出で鍵を落とし、容疑者がその鍵を拾った」ということを強調するためであろう。
さらに記事を読むと、不可解というか興味をそそられることが書かれている。
対比表と記事から、容疑者と被害者の行動について考えてみる。
■ 鍵の紛失と拾得にこだわる千葉県警の思考内容
対比表で見えてくるストーリーから、被害者の部屋が犯行時まで施錠された状態にあったことが大前提になっているとわかる。
憶測でしかないが、今回の事件では、被害者は無施錠のまま寝てしまい、盗みor殺人で誰かに入られたというストーリーも成立しないわけではない。
犯行後に施錠されていたことから、県警は無施錠状態を切り捨てたと思われるが、殺害後に施錠をしたのは、被害者女性ではなく、犯人である。
犯人が“殺人狂”なら、「事件の発覚遅れ」や「捜査の攪乱」を狙って施錠して立ち去ることは十分に考えられる。犯人が犯行現場を女性自身の部屋だと思い込んでいれば、施錠することで事件の発覚が遅れると思うだろう。
千葉県警がストーリーをあれこれいじっているのも、「犯行前の部屋は施錠されていた」というストーリーにこだわっているためと思われる。
その一方で、記事によると、被害者は「間もなく近くの自動販売機へ清涼飲料水を買いに出かけた。鍵は持っていたものの、無施錠で出かけたらしい」という推測を千葉県警は行っている。
未明に女性一人で戻ることになる部屋を無施錠で出てくるような感覚なら、水買いから戻ったあとも部屋に施錠しなかった可能性も考えられるではないか。
就寝時の施錠問題はともかく、千葉県警のような推測になるのは、千葉県警のストーリーであれば当然である。
● 鍵を持ってでなければ鍵を落とすことはない。
● 施錠をして出ていれば、鍵を落とすと中に入れない。
容疑者が鍵を拾ったというのが厳然たる事実なら、「鍵は持っていたものの、無施錠で出かけたらしい」ではなく、他に可能性はないのだから断定的な説明でいいのだ。
■ これまでの発表に修正を加えた千葉県警の意図
この記事までの警察リークは、容疑者は被害者とほぼ同時刻に(先導するかたちで)オートロックのドアを入り、鍵を取りに集合ポストに向かった被害者の立ち位置や動作から部屋番号を確認したというものだった。
記事中の一つは、従来路線通りに、「長谷川さんは、知人に指示された通り、1階郵便受けから合鍵を取り出した。エレベーターに乗る直前の西岡容疑者がその瞬間を目撃した。西岡容疑者は調べに対し、「部屋番号が分かる郵便受け前に女性が立っていた。女性だから侵入しやすいと思った」と話した」となっている。
ところが、対比表を見ればわかるように、被害者の部屋番号を確認したのは鍵を拾った後らしいとなっている。
部屋番号をいつ知ったのかは重大なポイントである。
対比表のような経緯であれば、盗み目的で被害者のいる部屋に侵入したという根底のストーリーが瓦解してしまうからだ。
● 容疑者は、被害者となる女性が集合ポストエリアに入ったのを見た。
● 容疑者は、ほどなくエレベーターで5階の自室に帰った。(たぶん一人でエレベーターに乗って)
このような経緯であれば、容疑者は、女性が何号室の居住者かもわからないまま「女性の部屋だから盗みに入ろう」と決意したことになる。
千葉県警もそれくらいは気がつき、「西岡容疑者はエレベーターで1階に降りた。「携帯電話の請求書を取るためだった」と供述しているが、県警は長谷川さんの部屋番号を確認した疑いもあるとみている。エレベーターの防犯カメラはこの際、鍵のようなものを拾う西岡容疑者をとらえていた。県警は、長谷川さんが買い物から戻った際に落とした鍵だった可能性があるとみる」と説明している。
容疑者が被害者女性の外出とそれほど違わない時刻にエレベーターで1階に降りていたという報道は、初見である。それが事実だとしても、女性が玄関を出入りした時刻と容疑者が1階に到達した時刻をきちんと明示しなければならない。
鍵の拾得に関する説明はあまりに稚拙である。
鍵はエレベーターに落ちていたとしても、その鍵が、15分ほど前にほぼ一緒にマンションに入った女性の部屋の鍵とわかるのは簡単なことではないからである。
「鍵のようなものを拾う」とか、「長谷川さんが買い物から戻った際に落とした鍵だった可能性がある」といった説明は、作文を超えるものではない。
まず、何はともあれ、女性は、エレベーターで2階から1階に降りていなければならない。
そして、次のどれかの条件に適合しなければならない。
● 女性とエレベーターが一緒で、鍵を落としたのを見たか、女性がいなくなったあとに鍵を見つけたので、女性の鍵と確信した。
● 女性がエレベーターに乗ったのを見たので、エレベーターで拾った鍵は女性のものだろうと推測した
● 女性と玄関ホールなどですれ違ったので、エレベーターで拾った鍵は女性のものかもしれないと推測した
とにかく、被害者女性が再外出したときに、容疑者と被害者女性がニアミスを起こしていないかぎり、鍵を拾っても、誰の鍵か推測することすら難しい。
誰のものかわからない鍵の拾得が、女性の部屋への侵入につながるはずもない。
千葉県警のストーリーによれば、容疑者は“運良く”女性の姿と鍵に遭遇した。容疑者は、鍵を入手したので盗みに入ろうと思い、女性が開けた集合ポストの位置を手掛かりに部屋番号を確認したという経緯になる。
千葉県警が、これまでや記事中の他の部分と大きくずれる「容疑者の部屋番号認知時刻」に変更した理由は、「当初のエレベーター待ちの状態で被害者の部屋番号は確認できない」という事実を重視したことくらいしか思いつかない。
しかし、それなら、再外出時に鍵を拾った後でも、部屋番号を知ることはできない。再外出時に、女性が再び集合ポストを開けたという情報はないからだ。
■ 被害者女性は部屋主の男性が先に帰宅すると考えていた?
記事に、「殺害された長谷川かなえさん(23)が、事前に連絡していた知人宅に泊まるため、オートロック式のマンションに到着したのは4月30日午前3時頃。知人が帰宅せずに中に入れないため、ちょうど帰宅してきた西岡容疑者の後に続くようにホールに入った。2人に面識はなかった」とある。
部屋の住人男性が、女性より先に帰宅する約束になっていたと千葉県警に説明したのか、千葉県警が勝手に推測したことなのかはわからない。
しかし、「知人が帰宅せずに中に入れない」というのは、集合ポストに合い鍵が入れてあった事実を考えると、なかなか腑に落ちない。
● 帰宅しないと中に入れない状況にしておくのなら、合い鍵をポストに入れておくこともしないはずだ。
● 携帯電話を持っていたのなら、女性は、ロックの解除番号を聞くために、元彼に電話かメールをしたであろう。
● 水を買いに出たあと、オートロックを解除して中に入っているはずである。容疑者のロック解除動作を見つめていたのでないかぎり、予め暗証番号を知っていたと推察される。
「知人が帰宅せずに中に入れない」という話の真偽が問われる。
■ 対比表から時間経過を考える
対比表によると、容疑者が鍵を拾得した後、犯行に及ぶまでの行動が不自然である。
対比表には、長谷川さん「就寝」→容疑者「階段で?2階に侵入」→「室内を物色」=「目を覚ます」となっているが、付き合いもないメーク(化粧)をしている女性が、部屋に戻ってどれくらいの時間が経ったら「就寝」するかわからない。
そうなると、普通の注意深さを持つ人であれば、侵入開始まで相当の間を開けるだろう。
はじめから強盗目的なら、起きていようが寝ていようがかまわないから、持ってる鍵でドアを開けて一気に制圧すればいいと考えるかもしれない。
しかし、基本的に窃盗目的で、見つかったら強盗でも..という程度の考えであれば、女性が部屋に戻った時刻から1時間以上経過しなければ、侵入には踏み切れないはずだ。
千葉県警の作文に従えば、容疑者は鍵の拾得後に5階の自室に戻っていない。そのまま玄関ホールから階段で2階に行ったことになっている。
それほど寒くはないから1時間くらい玄関ホールか階段の片隅で身を潜めていてもいいだろうとは言えない。
それは、まったく外部からの侵入者の発想であって、5階に自室がある容疑者にはない発想だ。さらに言えば、容疑者は、玄関ホールやエレベーターに監視カメラが設置されていることを知っている。
これから盗みを敢行しようと思っている人なら、犯行を隠すためにも、エレベーターでいったん自室に戻り、1時間以上は時間を潰し、その後に、(監視カメラがないと思っていたら)階段で2階に行くだろう。
念のため、容疑者が請求書を取りに玄関ホールに降りたときに女性と遭遇していなければ、鍵を拾っても、誰の部屋もしくは何号室の部屋かわからないのだから“意味”はない。
■ 階段を使うと監視カメラを避けて移動できる?
対比表には、「階段で?2階へ侵入」とある。
このマンションの階段には、ほとんど監視カメラが設置されていないのだろうか?
もし、一定範囲の階のあいだは、監視カメラに写ることなく移動ができるという条件があるのなら、外部から入ってきた人だけをチェックしてもダメと言うことになる。
単なる憶測だし、再び住人の方々に嫌な思いをさせる話になってしまうが、ある階の住人もしくはなんらかの方法で人の出入りが多いときに入った人もしくは被害者のように泊まっていた人が、2階なら階段を使う必要もないが、階段を使って移動し、ドアを順次回していったら、開いてしまった部屋があったので包丁を取り出し殺害に及んだということもあり得る。
千葉県警は、メンツにこだわることなく、容疑者が犯人たりえるのかを今一度じっくり考え、“地道な捜査”に戻るべきである。
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落ちていた鍵拾って侵入か…浦安の看護師殺害[読売新聞]
千葉県浦安市のマンションで仙台市宮城野区の女性看護師が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された西岡大志容疑者(26)が「女性が寝ているすきに部屋を物色したが、気づかれたので刺した」と供述していることが23日、捜査関係者への取材でわかった。
西岡容疑者は当日未明、1階郵便受けから知人宅の合鍵を取り出す女性を目撃、部屋を割り出して侵入したとみられ、「偶然に偶然が重なった」とみる捜査幹部もいる。
殺害された長谷川かなえさん(23)が、事前に連絡していた知人宅に泊まるため、オートロック式のマンションに到着したのは4月30日午前3時頃。知人が帰宅せずに中に入れないため、ちょうど帰宅してきた西岡容疑者の後に続くようにホールに入った。2人に面識はなかった。
長谷川さんは、知人に指示された通り、1階郵便受けから合鍵を取り出した。エレベーターに乗る直前の西岡容疑者がその瞬間を目撃した。西岡容疑者は調べに対し、「部屋番号が分かる郵便受け前に女性が立っていた。女性だから侵入しやすいと思った」と話したという。
西岡容疑者は5階自室へ。長谷川さんはその後、2階の知人宅に入り、間もなく近くの自動販売機へ清涼飲料水を買いに出かけた。鍵は持っていたものの、無施錠で出かけたらしい。
西岡容疑者はエレベーターで1階に降りた。「携帯電話の請求書を取るためだった」と供述しているが、県警は長谷川さんの部屋番号を確認した疑いもあるとみている。エレベーターの防犯カメラはこの際、鍵のようなものを拾う西岡容疑者をとらえていた。県警は、長谷川さんが買い物から戻った際に落とした鍵だった可能性があるとみる。
(2012年6月24日17時26分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120624-OYT1T00001.htm
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- ↑:「明け方に侵入」なら、なかに自分の部屋がある容疑者が外で1時間以上もぼ〜っと待っていたことになる あっしら 2012/6/25 13:41:59
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- ↑:各階のフロアや階段には監視カメラなし:一緒に入った容疑者と被害者は別々にエレベーターを利用 あっしら 2012/6/25 12:06:19
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