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ブログ:法螺と戯言より
http://blog.livedoor.jp/oibore_oobora/archives/51772598「地震は兵器だ!】(科学、岩波書店、2012年2月号)(1)
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立ち向かう 岩盤乗り越え 溶かし尽く ただひたすらに 地下へ地下へと
メルトスルーした燃料棒は、チャイナシンドロームさながらに、今の瞬間も地底へ地底へと突き進んでいるのでせうか?今回の高温騒動もその事態の一側面ではないのか?東電は今回の「高温騒動」を温度計故障のせいにしてしまったようです。昨日は一千度を記録したと新聞は報道しています。事実隠蔽のため、当該温度計になにやらの信号を送り意図的に温度計を故障させたのではと私は疑っています。ともかく、繰り返し書きますが、福島原子力発電所の監視、制御を東電に任せず政府が積極的に介入し、その作業の中で東大をはじめとする原子力専門かが現場で方策を立て実行するような体制を早急に構築するよう求めます。研究者専門家の助言に基づき東電に指示することなしには、どうしても隠蔽工作の入り込む余地を残します。
+++++「地震は兵器だ!】(科学、岩波書店、2012年2月号)
月刊科学誌「科学」(岩波書店)2012年2月号が標題のコラム記事を掲載しています(143−146頁)。筆者は気骨のある芸能人であった植木等ならぬ植木不等式というサイエンスライタだそうです。【科学】は、日本の研究者に信頼されている雑誌ですから、内容は読まずとも「まとも」(陰謀論愛好家には不愉快な表現かもしれない)なものであろうことは想像できます。
先ず、コラムの冒頭に、1923年9月1日の関東大震災直後のエピソードを紹介しています:
東京の大塚警察署に一市民が駆け込んできて「この地震は西洋で起こしたと聞いたんですが、本当ですか?」とたずねたのだそうです。同様は他の警察署にもあり「今は、西洋で地震を起こす機械が発明されており、日本を真っ先にやつけてしまおうと、したんだって言うんですが、本当ですか?警察のほうには宣戦の詔勅通知が来てますか?」との問い合わせが十数件あったというのです。(大日本雄弁会講演社編、1923)
地震人為説は昔からあったというわけです。東大の先生が、「冗談言(ごと)」として、第二次世界大戦の終戦直前の1943年に「科学朝日」誌に、人為地震を書いたこともあるそうです。お名前は平田森三という方で、「地殻からの様々な振動をビーム状に集め、それを紐育(米国ニューヨーク)に向け発射するなら、かの都市を爆砕できる」なぞと書いたそうです。当時の「鬼畜米英憎し」の国家戦略のお先棒を担いだエッセイとも思えます。平田先生の名誉のために付け加えるなら、先生は広島で原爆に遭われ、被爆者としての苦しみを語ることを通じて、原爆に一貫して反対されています。研究者としては【寺田寅彦】自然観に強い影響を受けておられたようで、戦後の東大では実験物理学の講座を持っておられたと聞きます。2008年10月5日の記事でも書きましたが
http://blog.livedoor.jp/oibore_oobora/archives/51301894.html
「寺田」自然観が月刊科学誌「自然」(中央公論社)で連載されていた「ロゲルギスト」に引き継がれました。多分、平田先生はこのロゲルギスト討論者のお一人として参加されたこともあったのだろうと想像しています。それにしても、上に書いた「科学朝日」誌は前世紀末1990年代半ばに廃刊、「自然」はそれより10年ほど前の1980年代に廃刊となっています。というわけで、現在の科学誌は、「科学」に加え「ニュートン」、「日経サイアンス」ですが、後者は米国の科学月刊誌「Scientific American」誌の日本語翻訳版です。
この人為地震説は風聞として、1989年1月17日に米国西海岸を襲った「ロマpリエタ」地震後にも流れ、この地震を根拠に、数年後に米国東部での大地震襲来の噂が誰からとも無くしつらえられ、米国の社会心理学者の研究対象となったこともあります。いずれにせよ地震人為説は事あるごとに息を吹き返すのです。
ところで、地震人為説を信ずる陰謀論愛好者が好んで持ち出すのが一つは第二次世界大戦末期にニュージーランド沖で実施されたというSEAL計画です。
http://en.wikipedia.org/wiki/Project_Seal
http://inpursuitofhappiness.wordpress.com/2010/03/09/project-seal-tsunami-bomb-papers-declassified/
SEALが何かの abbreviationであるのか、文字通り「封印」(極秘プロジェクトとして)の意で用いられているのかは定かでありません。植木氏はこのプロジェクトの経緯と結論を以下のようにまとめています:
1944年、米国南太平洋方面司令官が、ニュジーランド政府の要請に基づき、爆発物によって起こる震動を攻撃兵器として使用することの有効性検討を行った。この検討は、水面下の珊瑚礁上での爆破は想定を超えた大きな波を励起するとの観察事実に基づいた。そこで、オークランド大学、ニュージーランド軍、米軍が共同して実験を行った、というものです。
実験で達した結論は、「海底地形が急勾配であるなどの特別な条件下であれば、大波をひきおこすことが可能である。しかし、そのために大量の爆薬を広く設置せねばならず、兵器としては使えない。結局、原爆を標的に直接に落とすほうが実用的である。」であったそうです。
もう一つ、陰謀論愛好者が引用するのが、「地震兵器は国際的に認知されている」というものです。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI, Stockholm International Peace Research Institute、http://www.sipri.org/ )の1976年版が「地震兵器」に一節を費やしているからです。しかし、同研究所は「地震は兵器として使いにくい」と、結論して以後の年報ではこの節は無くなったといいます。
ところで、この研究所の年報の一節が地震兵器に割かれたのは(植木氏はそれに言及していませんが)その年の国連決議に在ると思われます。
Convention on the Prohibition of Military or Any Other Hostile Use of Environmental Modification Techniques (環境変更技術を戦争又は敵対行為に使用することを禁止する条約)と題する決議が1976年12月の第31回国連総会で72番目の決議として議決されました。
http://www.un-documents.net/enmod.htm
この条約の第二条(Article II)は「環境変更技術」を次のように説明しています:
As used in article 1, the term "environmental modification techniques" refers to any technique for changing - through the deliberate manipulation of natural processes - the dynamics, composition or structure of the Earth, including its biota, lithosphere, hydrosphere and atmosphere, or of outer space.
それは「自然本来の多様な過程を何がしかの操作を通じて変えてしまうことだ」と書きます。自然本来の多様な過程とは、地球の運動、内部構成、構造、さらには生物圏(biota)、地圏、水圏(海)、大気圏、大気外圏での自然本来の科学過程をも含む。
(つづく)
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