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ユーロ危機後の中国経済の読み方  金持ち叩きに走るオバマ大統領 
http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/756.html
投稿者 ts 日時 2012 年 1 月 27 日 04:36:40: kUFLMxTYoFY0M
 

(回答先: 国家資本主義について考える 国営企業の活躍は必然? それとも一時的? 投稿者 ts 日時 2012 年 1 月 27 日 04:19:45)

米は国家資本主義に近づき、中国は市場原理主義に近づく
戦いに勝ち残るには、相手の強みを真似るのが効率的ということか


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34407
中国
ユーロ危機後の中国経済の読み方
さらなる成長か崩壊への序曲か〜中国株式会社の研究(147)

2012.01.27(金)
宮家 邦彦:プロフィール


「不倫スキャンダル」にゆれる上海の韓国総領事館

中国・上海の高層ビル群〔AFPBB News〕

足元の中国経済は好調だという。直近四半期では経済成長率こそやや鈍化したものの、インフレ率も下がり、主要経済指標は概ね改善している。

 一方、中国経済の先行きについては悲観論が根強く、エコノミストや主要経済マスコミの間でも意見が分かれているようだ。

 それでは我々はいったいどちらを信用すればいいのだろう。真実は1つなのか、それとも複数あるのか。筆者はエコノミストではないが、経済専門家でないからこそ見える視点もある(かもしれない)。

 というわけで、今回はユーロ危機後減速を始めたとも言われる中国経済の占い方につき改めて考えてみる。
良好なマクロ経済

 足元の中国マクロ経済情勢は「短期的には非常に良好」というのが中国の経済政策担当責任者や有力民間エコノミストの大勢の見方だ。

 2011年第4四半期の実質成長率は8.9%、同年12月の消費者物価指数も2カ月連続で4%強となった。景気過熱感は後退し、インフレ警戒感も大幅に低下している。

 少なくとも現時点では、中国経済に対する中国政府のコントロールは有効であり、今後は経済成長の維持、経済構造の転換、インフレの抑制という3本柱のバランスを取りながら、全体としては金融引き締め路線を維持する可能性が高い。

 筆者独自の分析と胸を張りたいところだが、実は筆者が籍を置いているキヤノングローバル戦略研究所の同僚、瀬口清之研究主幹の見立てだ。

 日銀出身の瀬口氏は中国語に堪能で、北京駐在も長い。同研究所に来てからも、ほぼ2カ月おきに出張しては中国政府関係者などと意見交換を続けている。

 外務省を退職してから7年、これまで数多くの中国経済分析を読んできたつもりだが、中国経済、特に政府関係者の見方に関しては、瀬口氏の定点観測に基づく分析が白眉であり、筆者も常に熟読している。

手前味噌になるが、足元の中国経済の方向性を知るうえでベストの読み物の1つではなかろうか。

 今頃は彼の「定点観測」分析の最新版がウェブ上に掲載されているはずなので、ご関心があれば参照願いたい。また、これとは別に、公開文献に基づく中国経済政策情報としては日中産学官交流機構の田中修リポートが必読と思われる。併せてご紹介しておきたい。
有力な悲観論
中国国営メディア、抗議デモ呼びかけを批判

中国国内ではデモが多発している(写真は北京でデモ隊を監視する警察官〔AFPBB News〕

 それでは中国経済は安泰なのかというと、とんでもない、中長期的には深刻な問題が山積している。最近ではその種の見方を特集する日本の経済マスコミも増えてきた。

 その典型が、例えば週刊ダイヤモンド1月21日号の特集であろう。ここでは、その刺激的なヘッドラインだけをご紹介しておく。

●繁栄か、失速か!? あなたは中国経済を信じますか
●輸出・生産:製造業の崖っぷち
●不動産:バブル崩壊の瀬戸際
●社会矛盾:いびつな格差と腐敗
●日本企業:中国依存の明と暗
●経済政策:中国政府の正念場

 内容的には決してセンセーショナルではない。これまで本コラムを含め多くの人々が指摘し報道してきた中国経済・社会の諸問題を包括的に扱っており、個々の事実関係は概ね正確である。問題はこの種の懸念材料が今の中国で直ちに政治問題化するか否かであろう。
短期は安泰、中長期は心配

 冒頭の質問に戻ろう。これまでご紹介してきた楽観論と悲観論は、いったいどちらが正しいのか。筆者の見立ては、以下のように、「人口ボーナス」論に基づく前半楽観・後半悲観の折衷案である。

 ちなみに、人口ボーナスとは生産年齢人口と非生産年齢人口の比が2以上となる経済成長に有利な状態を指す。

●中国経済の成長は今後も当面続くだろう。ただし、2020年前後には中国の人口ボーナス効果がなくなって成長が鈍化するとともに、中国経済・社会が大きく変質し不安定化する可能性がある。
ロンドンに人民元のオフショア市場、英中が合意

人口ボーナスの効果はまもなく切れる〔AFPBB News〕

●2020年までの期間、これまでのような2ケタ高度成長が続くことは考えにくいが、同時に、一定の経済成長が続く限り、中国経済・社会が制御不能に陥る可能性は低いと考える。

●不動産・株式バブルについても、2020年までの間に様々な調整局面が発生する可能性はあるだろうが、中国国内の旺盛な需要が存在する限り、バブルが完全に「崩壊」する可能性は低いだろう。

●それどころか、景気下降期には中国政府が「最後の手段」として財政出動による不動産開発ブームを意図的に起こし、中国経済の底上げを図る可能性すらあるかもしれない。2020年頃までの中国にはそのような「禁じ手」を支えるだけの資金と需要が存在すると思われる。

●問題はそれだけの手段を講じても、中国が2020年までに「中進国の罠」から脱却できない可能性があることだ。その場合には、様々な中国経済悲観論が指摘する問題が一挙に噴出し、中国共産党の政治体制そのものにも危機が訪れるだろう。
マーケットエコノミーではない市場経済

 エコノミストが中国経済を分析するうえでの最大の障害は、現在の中国的特色のある「市場経済」が純粋な意味での「マーケットエコノミー」ではないことだ。

 政府が発表する数字が素直に信用できないだけでなく、政治権力の介入により、本来働くべき経済原理が働かなくなることまで覚悟すべきだからである。

 市場としての「中国の不完全さ」が経済学的分析を鈍らせる。本来中国経済を分析するエコノミストならば、経済分析と同時に、「政治権力の流れ」のスピードと方向まで分析するぐらいの見識が必要だろう。

 残念ながら、この種の総合分析ができる中国経済専門エコノミストにはいまだお目にかかったことがない。
 
 


 
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34408
Financial Times
金持ち叩きに走るオバマ大統領
一般教書演説、富裕層増税でロムニー氏に一撃

2012.01.27(金)   1月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

大統領選挙の年が開けて早々、1人の候補者(バラク・オバマ大統領)が重要政策の柱として、対抗馬になりそうな相手(ミット・ロムニー氏)の税金を2倍にする対策を掲げることは、滅多にあることではない。

 オバマ大統領は、年に1度行われる議会での一般教書演説で、ロムニー氏をあえて名指しする必要はなかった。
富裕層の実効税率は30%に
オバマ大統領「富裕層に30%以上の税率必要」、一般教書演説

1月24日、上下両院合同会議で一般教書演説に臨むバラク・オバマ大統領〔AFPBB News〕

 年収100万ドルを超える人に30%の実効税率を課すというオバマ大統領の提案は、ロムニー氏が2010年に得た2160万ドルの収入に約14%の税金しか払っていなかったことを渋々明かした数時間後に、思いがけず出てきたものだ。

 オバマ大統領の計画には、「ウォール街を占拠せよ」のような気配が少なからず漂うが、ホワイトハウスに公平を期すために言えば、大統領はここしばらく、金持ち叩き路線を歩んできていた。

 ウォール街占拠運動の勃発は、昨年暮れになって、オバマ政権にアクセルを踏み込ませたにすぎない。

 貧富の格差が拡大し、かつて増加していた裕福で将来性豊かな米国中産階級の間に明らかな衰退の感覚があるため、富裕層に「応分の負担」を負うよう求めるオバマ大統領の要求は、勝利をもたらす戦略になる可能性がある。
租税政策では沈黙を守るロムニー氏

 ロムニー氏は差し当たり、この点では、いつまでもおいしいネタだ。ベイン・キャピタルの共同創業者である同氏が首尾よく共和党の大統領候補になった場合には、自身のプライベートエクイティのパートナーシップから得た利益に対する税率がなぜ15%であるべきなのかをずっと弁護し続ける羽目になるかもしれない。


ロムニー氏、納税申告書を公開 優遇税制使用で反発必至

ミット・ロムニー氏は渋々確定申告の内容を公表し、巨額の資産と低い税率について反発を買っている〔AFPBB News〕

 ロムニー氏の現在の租税政策は、この問題については沈黙を守るというもので、同氏はまだ、実業界の多くの人でさえ不当な異常さと見なす税率を擁護する言葉を口にしていない。

 一方、ロムニー氏は、家族信託が「たった」300万ドルだけ資金を運用していたスイスの銀行口座と、節税の代名詞であるケイマン諸島に投資した資金について絶えず思い出させられることになるだろう。

 だが、「1%」の富裕層に対するウォール街占拠デモの怒りがオバマ政権によって主流に据えられたりすれば、もっと潜在的であるにせよ、ティーパーティーのポピュリスト的な要素も同様だ。

 オバマ大統領は、ティーパーティーの主要な関心事である政府を縮小する必要性については多くを語らなかった。実際、選挙の年に米国大統領が提案するような断片的な政策の多くは、ティーパーティー運動の支持者たちを憤慨させるだけだろう。
オバマ大統領の訴えにティーパーティーも共鳴する可能性

 だが、その点を除けば、オバマ大統領の一般教書演説は強力な反グローバル化の趣を持っていたし、工場とカネを国内に戻すよう米国の多国籍企業に促し、圧力をかける対策に満ちていた。

 こうした対策は明らかに、2012年の選挙で議席が争われるオハイオ、ミシガン、ペンシルベニアといった斜陽産業が集中する州に向けられたものだ。米国のいくつかの産業では非常に長い間空洞化が続いてきたため、製造業の中心地に訴えかける提案は、米国の選挙で頻繁に用いられる戦術になっている。

 今年それが共感を呼ぶかもしれない主な理由は、グローバル競争に長年叩きのめされていた産業の1つ、自動車産業が金融危機の間についに崖から落ちて、救済されなければならなかったからだ。

 国連であれ、米国の多国籍企業であれ、不法移民であれ、外国のあらゆるものに対してティーパーティーが抱く陰謀めいた不信感は、この運動が製造業の中心地に対する訴えにも敏感に反応することを意味している。

米国製造業の復活について演壇を叩いて熱弁を振るったオバマ大統領は、時折、重商主義の最高司令官と自動車CMを足して2で割ったような存在に見えた。

 国の気分を反映して、一般教書演説では、外交政策はほとんど付け足しのようだった。ウサマ・ビンラディンの死と米軍の貢献が大きな喝采を浴びたが、それが関の山だった。

 「ポピュリスト」という言葉――「人々」を「エリート」と戦わせることと定義される――は、しばしば乱用される。だが、ここではその言葉がぴったり当てまはる。オバマ大統領のアプローチは、外国では米国にとって公平な競争の場を、国内では中産階級のための公平な機会を求める国のムードを意図的に映し出したものだ。
ロムニー氏は国民の味方になり得ない?

 大統領選の行方は最終的には、投票が近づいた時に経済が回復しているかどうか、回復していると認識されているかどうかにかかってくる。だが、有権者がポピュリスト的な訴えに感じ入るようなら、オバマ大統領が有利になるだろう。

 ロムニー氏は、米国株式会社を再生させるのに必要な、研ぎ澄まされたCEO(最高経営責任者)のような手腕を持つ有能な管理者として自らを描くことができるかもしれない。だが、国民の味方としてアピールすることはあり得るだろうか? その可能性はどんどん低くなっている。
By Richard McGregor in Washington  

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