http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/535.html
Tweet |
(回答先: モルガン・スタンレーはNY市で580人削減へ−合理化計画の一環(1) (ブルームバーグ) 投稿者 乃依 日時 2011 年 12 月 28 日 13:10:52)
from
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LWSVKD0D9L3701.html
【コラム】アイビーリーグ卒業生、金融業より教職を選ぶ時−コーハン
12月27日(ブルームバーグ):われわれは今、過去40年間にわたってなじみの存在だった投資銀行業界の職業の衰退を目の当たりにしている。
証拠は至る所にある。金融規制改革法(ドッド ・フランク法)の規定のほか米連邦準備制度理事会(FRB)や米証券取引委員会(SEC)、米商品先物取引委員会(CFTC)など欧米の当局がなお策定を進めている規則によってウォール街に対する規制は強化されている。これらの規則は生き残っている企業に資本の増強やリスクの抑制、自己資金投資の削減を義務付けるだろう。
自己資金投資と自己勘定のリスク負担は最近の金融危機と何の関係もないという事実はさておき、ビジネスそのものが深刻に低迷している時期に導入されるこれらの新規則はウォール街の収入と収益性を大幅に抑制すると予想される。(2008年のウォール街の沈滞は、リスクがどんどん高まっていた不動産担保証券など債券関連事業の仲介業者としての従来型ビジネスに起因していたように思われる)。
成長局面で大規模な自己勘定投資から締め出されることにより、バンカーの利益創出の機会は著しく制限されるだろう。過去数十年間にウォール街はカジノのようになっていたが、これは事実上、そのカジノが店じまいをするということだ。それは、これらの多額の投資がうまくいかないか、リスクが高過ぎると認識される場合、われわれを保護することにもなる。
雇用喪失
ウォール街がトレーディング業務に大きく依存するようになったことをめぐる議論はほとんどなされていない。ベアー・スターンズでは08年3月の破綻に至るまでの数年間の利益の90%をトレーディングと起債事業が占めた。ゴールドマン・サックスの比率もあまりこれと変わらない。同社の10年の税引き前利益129億ドル(現在のレートで約1兆円)のうち従来の投資銀行業務によるものは13億ドルで約10%にとどまった。残りの税引き前利益のうち約10億ドルを除く全てがトレーディングや融資、投資事業によるものだった。
事業低迷に加えトレーディング抑制が予想されるため、ウォール街全体で雇用が失われている。モルガン・スタンレーは最近、約1600人を削減する計画を発表。ゴールドマン・サックスでは10%の人員と長期間在籍していたパートナーらが削減されている。バンク・オブ・アメリカ(BOA)では過去1カ月間に多くの投資バンカーが仕事を失っていたが、同行は12年末までに約3万人を削減する方針を発表した。
外国勢の苦境
ただ、最も困難な状況に陥っているのは、ウォール街に参入しようとしていた外国金融企業だ。野村ホールディングスは最近のウォール街での実験(同社はリーマン・ブラザーズ・ホールディングスの欧州とアジアの銀行業務を買収した)をほぼ断念している。フランスのソシエテ・ジェネラルやスイスのUBS、クレディ・スイス・グループ、英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)も軒並みウォール街の部門を縮小している。
ブルームバーグ・ニュースは11月時点で、金融業界で今年、20万人以上が既に失業しているか失業すると推計している。
ウォール街では当分の間、人員削減が続くだけでなく、バンカーやトレーダーに過度に支払われていた報酬が減少することも避けられないだろう。これらの従業員の多くが今週支払われる賞与を見てそれを知ることになりそうだ。
ウォール街の企業にとって、現在勤務している人々の報酬を削減すること以外にわずかな収益性を維持する容易で迅速な方法はない。ウォール街の報酬の減少が不可避であることは、言うまでもなく、ニューヨーク市とニューヨーク州の税収が落ち込み、(税率を引き上げない限り)残りの人々にとって行政サービスが低下することを意味する。
名門大学生
北東部名門私立大8校は「アイビーリーグ」と呼ばれる。ウォール街の将来見通しを探る上で最も信頼できる指標は、最優秀とされているハーバード大学やプリンストン大、エール大の最近の卒業生が進路をどう選択しているかだ。
ここ数年間、これらの大学の卒業生の多くがウォール街に押し寄せていた。今では、この道はかなり前途多難になっている。この進路を選べば、「ウォール街を占拠せよ」に関連するさまざま動きに参加している学生仲間から怒りや軽蔑を買いそうだ。それを理由に多くの学生がこの業界に進むことを思いとどまる可能性は低いが、事業低迷などによりウォール街での仕事の見通しは一般的に暗くなっている。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の21日の記事によると、06年にはプリンストン大の卒業生のうち約46%がウォール街の企業に就職したが、4年後にこの割合は36%に低下した。ハーバード大では06年に卒業生の25%が金融業界に進んだが、11年までにこの数字は17%に下がった。エール大では06年に24%だったが、10年には14%に落ち込んだ。
私が耳にしたところでは、ゴールドマン・サックスに関しては、依然として競争率の高い新入社員のポジションの採用通知を受けた学生たちでさえ、入社について再考しているという。銀行業界は民間非営利団体(NPO)「ティーチ・フォー・アメリカ」など教育関連の団体に優秀な人材を一段と奪われており、その事実が今回の金融危機の最も心強い結果の1つになるかもしれない。(ウィリアム・D・コーハン)
(ウィリアム・D・コーハン氏は投資銀行出身の作家でブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
記事に関する記者への問い合わせ先:William D. Cohanat wdcohan@yahoo.com.
記事に関するエディターへの問い合わせ先:Tobin Harshaw at tharshaw@bloomberg.net.
更新日時: 2011/12/27 10:49 JST
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
- 抗ストレス剤の販売は不況知らず−ブルームバーグ・ランキングス (ブルームバーグ) 乃依 2011/12/28 13:20:45
(1)
- BRIC時代の終焉:今年は投信資金が150億ドルの記録的流出(1) (ブルームバーグ) 乃依 2011/12/28 13:27:18
(0)
- BRIC時代の終焉:今年は投信資金が150億ドルの記録的流出(1) (ブルームバーグ) 乃依 2011/12/28 13:27:18
(0)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。