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(回答先: [FT]危機の解決策を示せなかったEU首脳会議(社説):市中銀行を活用したECBの実質的国債買い入れ 投稿者 あっしら 日時 2011 年 12 月 12 日 15:56:46)
悪賢い欧州銀の国債購入策 債務・銀行危機 連動に拍車[FT社説]
先週の欧州連合(EU)首脳会議は「欧州スリラーもの」のクライマックスとなるはずだった。信頼回復に向けた力強い政策を一斉に打ち出し、欧州債務危機を吹き飛ばすと思われていた。しかし、英国の新条約不参加を除き、会議の結論はその要領を得ない点でまったく予想通りだった。ユーロの信頼回復に必要な真の包括的な財政統合への道筋は見えない。
合意された取り決めは、差し迫った危機をなんら解決しない。国際通貨基金(IMF)の強化や欧州の金融安定の仕組み拡充は、十分な規模でも機動的でもない。
巨大なバズーカ砲のような解決策を期待するのは、見当違いだった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はEUの規則を盾に、ECBが重債務国の国債を無制限に買い入れるのではないかとの見方を明確に否定した。
代わって、(債務国にではなく)欧州の銀行に「バズーカ砲」を与えるという悪賢い策が検討されている。ECBが欧州の銀行に極めて低利の資金を提供し、その資金を使って各銀行が自国の国債を購入するというスキームだ。
この議論自体は注目に値する。各銀行がECBから金利1%の資金を3年間借り受け、それで金利6%のイタリア国債を購入すれば、各行は一見リスクフリーの利ざやを稼ぎ、一方で債務国は借り入れコストを削減できる。EUの規則に違反せず、銀行と重債務国の双方の利益にもなる。ただ国債が不履行となれば、損害は銀行がかぶる。
しかしこのスキームには注意が必要だ。実質的にはECBによる欧州の銀行を通じた国債購入で、EU条約の精神に合致しない。第2に銀行の株主は、関係国の国債を処分してきた銀行が突然、国債を買い始めることに疑問を抱くだろう。これまで長期にわたり(国債の利回り差に基づく)さや取りの機会があったにもかかわらずだ。
最も重要なことは、現在の危機が債務危機と銀行危機の関連から起きたなら、その関連をさらに強めることは理にかなうか、という点だ。ユーロを救うほかの手段は存在しないかもしれない。しかし、これは単なるごまかしにすぎない。信頼回復に向けて、政策の明快さと政策当局者の覚悟がなによりも必要だ。
(12日付、社説)
=英フィナンシャル・タイムズ特約
[日経新聞12月13日朝刊P.8]
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