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インサイダーのブレア氏だけあって、「ユーロ危機問題」を要にして簡で語っている。
「基本的に西側諸国は同じ課題を抱えている。社会、技術、人口動態の変化を受けて、第2次世界大戦後に築いた社会制度は抜本的な改革が必要になっている。具体的には福祉、年金など社会保障や公的サービスだ。ユーロ圏の危機は、改革を加速する必要があることを表に出しただけで、これらの改革はもともと必要だったものだ」というブレア氏の説明でわかるように、結局のところ、世界支配層が国民生活破壊=棄民政策に本格的に乗り出す契機として“ユーロ危機”が利用されるということだ。
このような政策が推進されれば、先進諸国全体がこの10数年の日本経済のようにデフレ基調に陥り、諸国民の多数派は困窮の日々にあえぎ将来への希望を失っていくことになるだろう。
その真逆で、機械設備ではなく、資産をおカネとして保有している金融家たちは、おカネの価値が高まっていくそのような経済状況に歓喜雀躍することになる。
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ブレア元英首相「ユーロ、長・短期策同時に」 欧州、英含め統合加速を 新興国に対抗、力増す必要[日経新聞]
欧州連合(EU)は8〜9日、ブリュッセルで首脳会議を開き、債務危機解消に向けた取り組みで合意する見通し。これに歩調を合わせて欧州中央銀行(ECB)も8日の理事会で追加緩和に踏み切るとの観測が支配的だ。欧州は危機を乗り切ることができるのか。欧州の進むべき道は。元英国首相のトニー・ブレア氏に聞いた。
――EU首脳会議に何を期待しますか。
「今週は単一通貨ユーロにとって、重大な1週間だ。ユーロを救うことは可能だと思うが、そのためには大きな決断が必要だ。ユーロ圏首脳、特にサルコジ仏大統領とメルケル独首相が担う大きな責任には同情する。難しい政治決断が必要だが、ユーロを守るには2つのことをしなければならない」
「1番目は長期的な財政安定と財政連携の枠組みと、欧州社会モデルの改革だ。2番目は短期的な措置で、ECBや(ドイツなど)債権国を含め欧州全体がユーロを守るために動くことだ。長期・短期の対策を同時に決める必要がある。これまでは短期、長期の話を別々に議論する傾向があったが、両方が必要で、それが唯一の道だ。
――欧州社会モデルの改革とは。
「基本的に西側諸国は同じ課題を抱えている。社会、技術、人口動態の変化を受けて、第2次世界大戦後に築いた社会制度は抜本的な改革が必要になっている。具体的には福祉、年金など社会保障や公的サービスだ。ユーロ圏の危機は、改革を加速する必要があることを表に出しただけで、これらの改革はもともと必要だったものだ」
――欧州の将来をどうみますか。
「欧州統合は続くと確信している。欧州にはそれが必要だ。欧州統合はかつてのように(欧州域内の)平和のためというよりは、欧州の世界におけるパワー維持という意味で重要になっている。新興国が台頭し、欧州の一国の力は相対的に小さくなっている。例えば、インドネシアの人口はドイツの3倍近い。世界の現実をみると、人口増加と国内総生産(GDP)の相関が強まっている。中国をみればそれがわかる。資本や技術は輸出入が可能なので、人口の伸びが成長に直結する。ブラジル、インドネシア、中国、インドなどが大きくなっていく。欧州は1つにまとまることで力を増す必要があり、それはそれぞれの国の利益にもかなうことだ」
――英国ではユーロ加盟に慎重論が多いようです。
「英国は人口6000万人にすぎない島国だ。EUは、英国に存在感を増し影響力を高める機会をもたらす。短期的には英国はユーロに加盟することはないだろう。だが、最後までユーロ圏とそれ以外の『2つのスピードの欧州』のままになるかはわからない」
「欧州の一部であることが英国の国益だ。英国ではメディアを中心に反ユーロ・EUの意見が根強いのは確かだが、それは21世紀の英国には非現実的な政策だ。単一通貨ユーロがどうなるか見極める必要はあるが、欧州が一体となって力を強めるのは正しいことだ」
――ユーロ圏以外も含めた国際協調は十分でしょうか。
「世界経済が相互依存を深めるなかで、20カ国・地域(G20)などが協調して世界経済の均衡に向けた正しい道筋を示し、賢明なやり方で進めるべきだ。特に米中関係が重要だ。我々は、小さく漸進的な方法ではなく、『大きなプラン』を持った政策を進めるべき時にある。国際レベルや各国レベルで、世界経済を均衡させ問題を解決する大きな決断が必要だ」
(聞き手は欧州総局編集委員 藤井彰夫)
1953年生まれ。83年に英下院議員に初当選、94年に労働党党首、市場経済重視のニューレーバー路線を掲げて97年の総選挙で勝利、2007年まで10年間にわたり首相をつとめた。首相退任後は、EU大統領候補として取り沙汰されたこともあり、現在も中東和平交渉に関与している。58歳。
[日経新聞12月7日朝刊P.7]
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