http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/402.html
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吉田恒の言うことは、あまり深い経済への理解に基づいていないので信用はできないが
市場が景気後退の底を徐々に織り込んでいけば、相場はリスクオンに転じていくというのは
あながち完全には否定できない
ただ今のメタル暴落がその先行指標になっているかどうかは疑問だな
http://diamond.jp/articles/-/14171
吉田恒のデータが語る為替の法則
【第152回】 2011年9月28日
著者・コラム紹介バックナンバー
吉田 恒 [T&Cフィナンシャルリサーチ代表取締役社長]
金バブル破裂で「安全通貨」円はどうなる?
ユーロ安一服で、悲観相場はついに転換か
金(ゴールド)、スイスフランといった、円とともに「安全資産」とされてきた投資対象が軒並み急落に転じています。これは「安全通貨」である円の下落にも波及するのでしょうか?
一方で、「危機」を主導する欧州の市場においては、売られ過ぎや下がり過ぎが目立ってきました。
何度か「未遂」に終わってきた悲観相場ですが、今度こそは転換に近づきつつあるのでしょうか?
バブル破裂のパターンどおりとなった金相場の急落
先週末の金相場は1600ドル台まで一段安となり、8月下旬につけた高値からの下落率は10%を大きく超えてきました。
私はこの間、金相場の「バブル破裂」の可能性を何度か警告してきたのですが、これまでのところ、まったくそのような警告どおりの動きになってきたと言えそうです(「9月FOMCで何が決まっても円安転換か。金のバブルはついに破裂の重大局面へ」など参照)。
ところで、金相場は2008年3月から半年以上にわたり、3割を超える下落が続いたことがありました。今回の場合も「バブル破裂」ということならば、少なくともそれと同じ3割程度か、場合によっては3割を大きく超える大幅安に向かう可能性が注目されるでしょう。
「資料1」は、2008年3月からの金相場の下落と、8月下旬からの今回の金相場の下落のグラフを重ねたものですが、似たようなタイミングで下落が本格化していることわかるでしょう。
資料1
なお、「資料2」のように、金相場が2008年3月から大幅安となった局面では、為替は米ドル高・円安となりました。
「安全資産」の金が大幅安となる中で、「安全通貨」とされる円も一段安となったことは、理解しやすい話ではあります。
資料2
これに対して、今回は金相場がすでに1割以上もの大幅安となっているのに、円はまだ高止まりが続いています。今回の場合は「安全資産バブル破裂」とは違うということなのでしょうか?
やはり、「安全資産」の代表的な存在である債券が、価格下落・利回り上昇へ転換するかということと合わせて、いよいよ重大局面に入ってきたのではないでしょうか?
「安全資産」も下落と上昇で「二極化」している
このように、「安全資産」とされる金や、スイスフランも急落に転じていますが、その一方で、同じく「安全資産」とされる債券や円は高止まりが続いています。
妙な言い方ではありますが、「安全資産」も下落と上昇の「二極化」のようになっています。
金が下落しているのは金融市場のリスクが去ったからではなく、むしろリスクが長期化、深刻化する中で、手元資金を確保するために過ぎないとの見方も少なくありません。
そのようなリスク深刻化の「主役」こそが、ギリシャなど欧州の危機との見方が一般的のようです。そこで…
次は欧州の危機について取り上げたいと思います。
「資料3」は、欧米の信用リスクを示す「CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)指数」です。これを見ると、この間における欧州の信用リスクの上昇は、確かにすさまじいものがあります。
資料3
ほとんど「100年に一度の危機」当時に後戻りし、それどころか「100年に一度の危機」のそれを上回って、信用リスクがさらに悪化しかねない状況になっていることがわかります。
信用リスクに関する指標を見ると、米国と日本は「100年に一度の危機」ほどではありませんが、欧州は「100年に一度の危機」を上回りかねない状況となっており、その意味では、今回の混乱は「欧州主導」と言えるでしょう。
■「100年に二度目の危機」を迎える欧州
最近にかけて、そのような「欧州主導」を示す指標が他にも増えていることは事実です。
たとえば、「資料4」はドイツの10年債利回りの90日移動平均線からのカイ離率ですが、確認できるかぎり、最大のマイナスのカイ離率に拡大してきました。
その意味では、欧州の金利も異常な下がり過ぎになっていると言えそうです。
資料4
「資料5」はユーロのポジションですが、これも2010年のユーロ危機以来の売り越し、つまり、記録的なユーロ売り拡大となっています。
このようなユーロの売られ過ぎ、欧州の金利下がり過ぎといったシグナルは、持続性の限界を感じさせるものです。そのような中で、なかなかそのきっかけをつかめない状況が続いているということでしょう。
資料5
8月から急拡大した金融不安ですが、当初より欧州主導で展開したとは思いませんが、最近にかけては明らかに欧州主導の構図となっています。
この欧州の問題に、金融市場全体の混乱一服のきっかけを求める状況になっていることは間違いなさそうです。
■金相場急落が示唆するのは円安か、それとも円高か?
さて、最初に見た「安全資産」である金の急落は、「危機相場」一段落を先取りしたものなのでしょうか?
そうであれば、「安全通貨」の円も下落し、そして、「安全資産」の米国債は価格下落・利回り上昇で、米ドル高が広がる可能性が出てくるでしょう。
それとも、金の急落は、「危機相場」の長期化、深刻化による手元流動性確保の動きということだけなのでしょうか?
そうであるならば、金利は大きく上がらず、円はむしろ「有事」の中で全面高が続きかねません。
金相場の急落は、円安と円高という正反対の可能性を持っています。
私は前者の可能性に注目していますが、いずれにしても、その答えは遅くないうちに出そうです。
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