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(回答先: ユーロ危機の本当の原因 問題は財政収支ではなく固定相場制での経常収支赤字 投稿者 sci 日時 2011 年 9 月 27 日 00:31:13)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/23822?page=2
ユーロ圏に忍び寄る景気後退の影
2011.09.28(水)
The Economist
(英エコノミスト誌 2011年9月24日号)
弱含む経済成長がユーロ圏の危機を悪化させる。
ユーロ圏に関する悪いニュースは今、あらゆる方向から流れてくる。欧州各国の財務相は9月16〜17日にポーランドのブロツラフで行われた会議で、債務危機との戦いにおいて厳しい決断を下せず、代わりに金融取引税という的外れな提案を持ち出した。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は先日、イタリアの信用格付けを引き下げた。
アテネでは、ギリシャが救済基金の次回実行分である80億ユーロ(110億ドル)を受け取るためにほかに何をする必要があるかを巡り、ギリシャ政府と、同国の緊縮財政プログラムを監視する3つの国際機関*1が論争を繰り広げている。
ギリシャのエバンゲロス・ベニゼロス財務相は自国が「脅迫され、さらし者にされている」と不満を漏らしたが、ギリシャには、真剣に取り組む以外に選択肢がほとんどない。ギリシャ政府は9月21日、増税、公務員のレイオフの加速、年金の一部削減という施策を発表した。融資に関する決断は10月に下されることになっている。
もう1つ、債務危機よりゆっくりと進行しているものの、同じくらい不吉な動きも活発だ。ユーロ圏の経済見通しが急激に悪化し、債務国の財政を制御しようとする取り組みにとって悪い前兆となっているのだ。
ユーロ圏はよくても苦痛な景気減速に見舞われ、最悪の場合、景気後退に逆戻りする。
著しい景気減速
今年初めは、ドイツが牽引する急激な景気回復が、ユーロ圏は債務危機に耐えられると考える理由となっていた。
しかし、第2四半期は期待外れとなり、国内総生産(GDP)成長率がユーロ圏で0.8%から0.2%へ、ドイツでは1.3%から0.1%へと悪化した。
新たに発表された公式予想は、今春の景気減速が一時的なものでなかったことをはっきり示している。国際通貨基金(IMF)は9月20日、今年と来年のユーロ圏の成長率予測を、それぞれ1.6%と1.1%に引き下げた(図参照)。
その数日前には欧州委員会が、ユーロ圏のGDP成長率は第3四半期に0.2%、第4四半期に0.1%になり、経済成長が実質的に止まると予想した。
*1=欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)の3者
南欧諸国の経済見通しは、気が滅入るほど落胆を招く。驚くまでもなく、ギリシャが最もひどく、今では4年連続の経済縮小が予想されている。IMFの最新の予測では、2009年に2%、2010年に4.4%縮小したギリシャ経済は、今年は5%、2012年に2%縮小する見通しだ。7月時点では、IMFはギリシャが2012年に小幅なプラス成長に戻ると予想していた。
ポルトガルも暗い1年を迎える。IMFは、ポルトガルのGDPが2011年に2.2%、2012年に1.8%減少すると予想している。イタリア経済は少なくとも何とかプラス成長となるが、成長の実感はないだろう。IMFは、イタリアのGDPが2012年に0.3%増加すると予測しており、7月予測の1.3%成長から丸1ポイントも下方修正した。
緊縮財政の圧力が最も大きくかかっている南欧では、痛みが最も激しいかもしれないが、中核国も打撃を受ける。IMFによれば、ドイツの経済成長は今年の2.7%から2012年は1.3%へ減速するという。
短期的な見通しはもっと悪いかもしれない。今後半年間のドイツ経済のアナリスト予想をまとめた独ZEWの最新調査は、ドイツ経済が景気下降局面に向かっていることを示唆している。ジョー・ベレンベルク・ゴスラーのエコノミスト、ホルガー・シュミーディング氏は、2011年終盤から2012年初めにかけて、信頼感の低下がドイツ経済を緩やかな景気後退に陥れると考えている。
ユーロ圏を苦しめる悪循環
成長懸念とソブリン債務不安、銀行問題が互いを増幅する悪循環が始まっている。S&Pは、イタリア国債格下げの決定的な理由として、成長見通しの悪化を挙げた。景気が悪化すると、政府による財政目標の達成が難しくなるからだ。
IMFの新たな試算によれば、欧州の銀行セクターはソブリン債務のリスクの高まりによって既に2000億ユーロの損失を出す恐れがあり、景気後退のリスクの高まりは脆弱な銀行セクターにさらにダメージを与える。
また、もしドイツ経済が躓けば、アンゲラ・メルケル首相がドイツの納税者に対し、ユーロ救済のためにもっとカネを出すよう説得することが一層難しくなる。債務危機への対処は難しくなる一方だ。
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