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http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=ae6etcggRunU
8月30日(ブルームバーグ):西欧の経済・金融情勢はあまたの重要人物が強く主張するようにおおむねうまく管理されているか、それとも一層困難な新局面に向かおうとしているのだろうか。
1939年9月から40年春にかけて一部の英国人が戦争に懐疑的だったのと同じように、一部の人々は危機を現実のものと感じていない。かつての新興市場の危機とは異なり、欧州の場合はまっしぐらに破綻に突き進んでいるわけではない。欧州の危機拡大ペースがゆっくりである主な理由は、ユーロの存在とその魅力にある。それは同時に大きなボラティリティ(変動)が行く手に待ち受けていることも意味している。暗雲がまさに垂れ込めつつある。
97−98年のアジア通貨危機や過去に何度も起こった中南米の債務危機のような典型的な新興市場危機の場合、対外債務の返済能力に対する信頼が失われる。債務の多くは外貨建てであり、信認低下に伴い為替相場が下落し、債務返済が一段と困難に陥る。為替安定のために利上げを行えば、債務負担が増大する。企業がデフォルト(債務不履行)に陥ると、国内の銀行と政府の支払い能力をめぐる不安が高まり、その結果発生する取り付け騒ぎによって多額の財産を踏みにじられ、多くの一般市民が過度に大きな苦しみを味わうことになる。
今の欧州情勢との大きな違いは、ユーロの存在だ。ドルに次ぐ準備通貨として世界中の投資家から需要がある。ユーロ圏の企業や家計、政府はほぼ全てユーロ建てで借り入れを行っており、新興市場で見られるような典型的な下方スパイラル(悪循環)は起こりそうにない。
*** 資金は高い所に逃げる
ユーロが下落しても債務負担は増大しない。それでもユーロ圏で取り付けが発生する可能性はあるが、ギリシャやスペイン、イタリアの銀行にユーロ建ての預金を持っていても、ドイツや安全と思われる国の銀行にいつでもわずかな手数料で移すことができる。どこに移管してもユーロはユーロだ。
欧州で取り付けが起きても、ユーロ圏内の銀行間の出来事であり、ユーロや欧州全体の資産クラスからの資金流出とはならないだろう。だが、特定の国や銀行に押し寄せるとみられる洪水から逃れるため、より海抜の高い場所に資金が逃げることになろう。
財政難に陥る周辺国からドイツやオランダ、ルクセンブルクといったゲルマン系の中核国に預金が流出すれば、当然のことだが信用収縮が発生し、周辺国の銀行の流動性をめぐる不安が高まる。銀行間資金市場の緊張を緩和できるのは、欧州中央銀行(ECB)の資金供給だけだ。
*** 二者択一
銀行と政府の流動性逼迫(ひっぱく)は、根本的な病理の結果として表れている症状にすぎない。欧州の金融システムには、あまりにも度を越したモラルハザード(倫理の欠如)が忍び寄っている。債務の急増は持続不可能だ。欧州は秩序立った形で債務再編を実行するか、モラルハザードを深刻化させ、著しいインフレを引き起こす恐れのある貨幣の増発に踏み切るか、二者択一を迫られている。
欧州の政策担当者らは今夏これまでのところ、彼らが置かれている状況を招いた真の原因を率直に討議しようとはせず、金融緩和への道にさらに踏み込んでいる。世界の安定を支えるアンカー(命綱)がまさに外れようとしている。 (中略)
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■ユンケル議長:経済政府を望むならEUへの機能移転拡大を-ZDFドイツ
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=akXGm9j7nt2E
8月29日(ブルームバーグ):ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)は、ユーロ圏各国政府が欧州の経済政府の設立を望む場合、欧州連合(EU)に主権機能をさらに移転する必要が出てくるとの認識を明らかにした。ドイツのテレビ、ZDFがインタビューを引用して伝えた。
それによるとユンケル議長は、ユーロ圏各国政府は金融市場の動向に後れを取りたくないなら、財務相同士の日常的な協力が必要だと指摘。また、域内首脳はユーロ共同債をめぐる問題をいつまでも避けることはできないと述べた。
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- Re: 緩慢な死に向かう欧州の命綱が断たれる日・・経済政府を望むならEUへの機能移転拡大を sci 2011/8/30 11:26:40
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