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(回答先: 米中の通貨戦争はどうなる? 日本の軍艦が中国領海内に侵入し、中国の漁船に体当たりして引き返していった 投稿者 sci 日時 2011 年 8 月 29 日 11:50:23)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110825/222250/?ST=print
地下金融業者による融資が拡大、最高300%の年利も
貸し渋りにあえぐ中国の中小企業
2011年8月29日 月曜日
Dexter Roberts(Bloomberg Businessweek北京支局長、アジアニュース担当エディター)
米国時間2011年8月10日更新「 Small Companies in China Feel the Squeeze 」
中国南部、浙江省の温州市を拠点とする東信集団(トップサン)はディーゼル発動機を製造するかたわら、中国でホテル事業も営む企業である。同社の王崇煥(ワン・チョンファン)会長は、いかにも起業家らしい人物で、勤勉で実践主義、好機を逃さないよう常に目を光らせ、何度も苦境を乗り越えてきた。
それでも、中国の中小企業が現在直面している資金繰り環境について問うと、不安な心境を隠さない。「30年にわたって会社を経営してきたが、これほど金利が高くなったのは初めてだ。資金の借り入れはまるで自殺行為だ」(王会長)。
中国政府当局は、企業の投機活動やインフレを抑制する対策を取っている。温州の中小企業は信用収縮による大きな打撃を受けている。輸出産業が集積する広東省などの南部諸州や長江デルタ地帯では、中堅企業でも資金繰り難にあえいでいる。しかも多くの企業は、人件費や原材料費の高騰、人民元高によって既に経営が苦しい状況にあった。
中国浙江省の中小企業業界団体「温州中小企業発展促進会」の周徳文(ジョウ・デウェン)会長は「状況は刻一刻と悪化している」と語る。米金融大手JPモルガン中国支社で世界市場担当責任者を務めるジン・ウルリッチ氏は8月9日付のリポートで、「信用供与を得られない中小企業の窮状を訴える声が広がっている」と指摘した。
周会長によれば、1000万社を超える中国の中小企業(大部分は従業員数300人未満)の約2割は生産設備の稼働率が半分程度で、倒産の危機に瀕しているという。周会長は「中国政府が中小企業を支援し、信用供与を拡大する新たな施策を打ち出さなければ、倒産の恐れがある企業は2012年の春節(旧正月)までに倍増し、4割に達するだろう」と予想する。
中国人民銀行(中央銀行)は2010年10月以降、5回の利上げを実施し、預金準備率を9回引き上げた。スイスの金融大手クレディ・スイス・グループ(CS)の首席地域担当エコノミスト、陶冬(ドン・タオ)氏は「金融機関は依然として国営企業には積極的に貸し出している。しかし、中小零細企業への資金供給は完全に途絶えている。中小零細は全く手元流動性を確保できない」と指摘する。中国の国営企業は地方政府や金融機関との人脈を使って資金を調達できる。
地方の信用組合や信用金庫の強化が必要
中国・北京市にある中央財経大学の李建軍(リー・ジャンジュン)教授(金融論)は「中国の金融機関の融資姿勢が厳しくなったことで、地域の商工会や質店、正規の営業認可を得ていない闇金融業者などによる非正規の金融ビジネスが拡大している。地下金融業者による融資規模は、2009年には6兆6000億人民元(約79兆円)だったものが、2011年6月には推定10兆元(約120兆円)に膨らんだ。これは正規の金融機関の融資残高の約5分の1の規模に相当する」と指摘する。
クレディ・スイスの陶氏は「地下金融業者による短期融資の金利は現在、月利で最高6%にも達している。わずか9カ月前は推計1.8%だった」と分析する。中央財経大の李教授によれば、温州などの地域では年利が最高300%にも達しているという(これに対し、正規の金利は年利わずか6.56%だ)。
中国の北京大学光華管理学院(経営大学院)のマイケル・ペティス教授(金融論)は「人件費と金利がともに高騰しており、中小企業は経営が圧迫されている」と指摘する。
中国工業情報化省中小企業局によれば、中国の中小企業は工業生産高の3分の2、税収の半分を占め、労働者の8割を雇用している。こうした中小企業は一般的に、恵まれた環境にある国営企業と比べて効率的だ。中国が資本集約型ではない、より持続可能な経済構造に転換するうえで重要な存在だ。
中国の王岐山副首相は7月初め、「中小企業の存続と発展は雇用の拡大や経済構造の転換、社会の安定化に直結する」と語った。
王副首相のコメントは中国政府が中小企業部門の先行きを懸念していることの表れだ。中国金融監督当局は6月、中小企業向け融資の条件緩和を促す方針を明らかにした。JPモルガンの李氏は「中国の政策責任者はこれから数カ月、手段を選びながら信用緩和策にも乗り出すだろう」と分析する。
米金融大手シティグループ(C)の中国調査部門を統括する沈明高(シェン・ミンガオ)氏は「中国政府は地方の信用組合や信用金庫の強化策にも取り組む必要がある」と指摘する。
こうした取り組みが効果を発揮するには時間がかかる。だが、中小企業にはあまり時間的な猶予がない。東信の王会長は厳しい経営環境で重圧を受けている。「もはや事業を展開するのが割に合わなくなっている。生産を増やしても、どんどん赤字が膨らんでいる状態だ」(王会長)。
中国の中小企業は正規の金融機関から融資を受けられなくなっている。資金繰りに苦しむ中小企業は、地下金融業者から資金を調達している。地下金融の規模は約120兆円にも達している。
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