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(回答先: トリシェ総裁:ECBが国債購入再開−債務危機が拡大 ユーロ、対ドルで下げ拡大 投稿者 sci 日時 2011 年 8 月 05 日 01:52:57)
欧州で高まる「大きすぎて救済できない」イタリアへの警戒感
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_284745
2011年 8月 4日 18:50 JST
【ローマ】世界第8位の経済大国、イタリアに対する懸念が高まっている。ベルルスコーニ首相が迅速な経済改革要求に一向に応じようとしないため、イタリアが財政破綻に陥り、近隣諸国の経済にも大きな打撃を与えかねないためだ。
3日、議会演説を終え、与党・自由国民党のミカエラ・ビアンコフィオーレ議員(左)と談笑するベルルスコーニ首相(右)
欧州指導者がようやく2度目のギリシャ支援で合意に達してからわずか2週間、投資家の注意は今、ユーロ圏第3位の経済規模を誇るイタリアへと向けられている。同国は、国内総生産(GDP)に対する債務比率が欧州でギリシャに次いで高く、10年以上も低成長に悩まされている。
イタリア国債10年物利回りは3日、6.07%に達した。指標とされるドイツ連邦債に対するプレミアム(上乗せ金利)は3.66%ポイントとなり、イタリアにとって借り入れコストがさらに上昇している。
多くはベルルスコーニ首相が3日の議会演説で、より明確な決意表明を行うことを期待していた。エコノミストや投資家はイタリア政府に対して新たな経済再生策の提示を要求しているが、厳格な労働法や高い税率、硬直化した官僚機構に阻まれている。
イタリア財界首脳はここ数日、2週間前に議会承認された400億ユーロの赤字削減策を一段と強化するよう要求している。確固たる態度を示すことで、トレモンティ財務相の進退をめぐる報道を原因とする、イタリア政府の結束力に対する市場の懸念も鎮静化できるとの見方もある。トレモンティ財務相は現在のところ辞任の可能性を否定している。
だがベルルスコーニ首相は、イタリアの借り入れコストの上昇は、ワシントンの債務上限引き上げ交渉の長期化により市場の緊張感が高まったためだと反論した。また、イタリアの家計貯蓄率の高さや、欧州他国よりもうまく金融危機を乗り切った国内銀行の健全性を市場は織り込んでいないと主張した。
「信認危機にはよくあることだが、市場はわれわれの信用力を正確に評価していない。われわれの経済は健全だ。イタリアは経済的にも財政的にも安定している」
ここ数カ月何とか債務危機を免れてきたイタリアに、ここへ来て急きょスポットライトが当たり始めた理由の1つは、他の欧州諸国がイタリアを大き過ぎて救済できないとみているためだ。
将来的な救済策は既に揺らいでいる。ユーロ圏は何カ月も前から、主要救済基金である欧州金融安定基金(EFSF)について、融資枠を2500億ユーロ程度から4400億ユーロへ引き上げることを検討してきた。だが、それには各国議会での批准が必要となるため、秋までに実現する公算は小さい。
また7月にユーロ圏首脳で合意した、破綻にひんしていない国に対しても介入や融資を行う権限を基金に与える機能強化策もまだ実行に移されていない。
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Reuters
3日、上院議会の協議中に話しをするベルルスコーニ首相(左)と静かに耳を傾けるトレモンティ財務相(中央)、思わず手で顔を覆うラルッサ国防相
2500億ユーロの基金は、一部は既にギリシャ、アイルランド、ポルトガルの救済に充てられており、スペインを長期救済するには不十分だ。たとえ4400億ユーロに引き上げられても、イタリアとスペインの両国を救済するには十分でない。
こうしたことから、ユーロ圏の高官の一人によると、一部のユーロ圏政府は新対策の検討を始めているという。現行案のようにEFSFを13年半ば以降段階的に縮小し、代わりに新たな基金を設立するのではなく、両基金を維持する案だ。
新基金の規模は5000億ユーロになる予定で、両基金合わせて総額1兆ユーロ近くになる。ギリシャ、ポルトガル、アイルランド向けの融資2000億ユーロを差し引いても7000億ユーロ以上残るため、必要となればイタリアとスペインの支援に充てることができる。
この案はまだ数カ国間で事前検討している段階であり、ドイツやオランダといった主要国が同意するかどうかはまったく不明だ。両国とも緊急支援基金にさらに資金を投じることには抵抗を示している。
国家財政をめぐる懸念は欧州域内の銀行にも波及しつつある。例えば、近年イタリア国債を最も買い増しているのはイタリア国内の債権者だ。
イタリアの大手金融機関は国際的にも業務を行っているが、資産の多くは国内にひも付けされている。例えば、ストレステスト(健全性審査)のデータによると、イタリアの5大銀行が10年末時点で保有している国内の個人や法人に関係した融資や債券は、5行合わせて総額1兆3000億ユーロにも上る。
ここ数カ月、欧州銀行市場の一部で資金ひっ迫の兆しが高まっている。銀行やアナリストによると、それを示す証拠の1つに、欧州の銀行や企業による借り入れ期間が短期化していることが挙げられる。
一方、イタリアの大手銀行では、自行の株価が下がり、デフォルト(債務不履行)から資産を保護するためのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証料はここ1カ月で記録的高さに上昇している。その結果、投資家がリスクの上昇に見合った高い利回りを要求するようになり、銀行にとって資本市場からの資金調達コストが一段と上昇する公算が大きい。
銀行の借り入れコストの上昇の影響は既に現れ始めている。イタリアの銀行最大手ウニクレディトの幹部は3日、借り入れコストが現行の水準で高止まりした場合、融資金利の引き上げに踏み切る意向を明らかにした。
こうした融資の手控えは、ただでさえぜい弱なイタリア経済を一段と悪化させることになりかねない。
記者: Stacy Meichtry and Charles Forelle and David Enrich
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