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イタリアが採用すべき「プランD」 デフォルト、そしてユーロの死
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/445.html
投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 19 日 03:02:58: 6WQSToHgoAVCQ
 

(回答先: フランス国債は安全な逃避先か? ユーロ圏の中核にまで忍び寄る不安 イタリアとユーロ:いよいよ崖っぷち 投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 19 日 03:01:01)

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/15538?page=3
イタリアが採用すべき「プランD」 デフォルト、そしてユーロの死
2011.07.19(Tue) (2011年7月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

今のユーロ圏危機における唯一かつ最大の危険は、事態の進行があまりに速いために、のんびり構えた欧州の政治指導者たちが対応し切れていないことにある。

 先週には危機がイタリアに及んだが、欧州連合(EU)は見て見ぬふりをした。
後手後手に回る対応

 緊急のEUサミット(首脳会議)を今週21日に延期したのは大きな間違いだった。欧州理事会はこれまでに、緊急時に支援の傘となる欧州金融安定機関(EFSF)の規模を2倍か3倍に増強しておくべきだった。またEFSFをもっと柔軟性のある仕組みに変え、債券を流通市場で購入できるようにしておくべきだった。

 さらに、ギリシャのソブリン債を購入した民間投資家の扱いについての討議も終結させておくべきだった。

 実際のところ欧州理事会は、財務相たちが細かい技術的な議論を延々と続けるのを容認し、決断を下すことができなかった。またドイツのアンゲラ・メルケル首相は、首脳会議を直ちに開く必要はないと語った。首相はここでも、この危機が始まってからずっと続けていること、すなわち手続きを盾に決断を先送りする姿勢を取ったのだ。

 また、15日に結果が発表された欧州の銀行のストレステスト(健全性審査)がまたもや事態を不透明にする内容だったため、欧州理事会はユーロ圏レベルで銀行問題の解決に向けた第一歩を踏み出さなければならなくなる。

 もっとも、理事会はその方向には動かないだろう。何しろ、危機は非常に速いスピードで進行している。取るべき対策もここ数週間でプランAからプランB、プランCへと変化した。
プランAからプランCまで

 ちなみに、プランAは緊縮財政を実施すること。プランBは、国家間の財政移転と債券保有者の貢献を組み合わせた債務国救済の必要性を認識することである。そしてプランCは、スペインやイタリアも駆け込めるようにEFSFの傘を大きくすることだ。

 EUはまだプランBについてもめており、ドイツはプランCなどありえないと一蹴している。当局者の間には、プランBを実行すればプランCの必要性がなくなるとの期待感がある。4週間前であれば、そうだったかもしれない。

 しかし今となっては、銀行に損失を負わせる決断がイタリアに対する市場の見方を改善することになるとは考えにくい。

 そもそも、市場がなぜこの時期にイタリアの状況についてパニックに陥るのか理解に苦しむ。引き金は確かにあったが、イタリアが抱える問題は決して新しいものではない。

 この国がユーロ圏にとどまるためには、長期的に年間2〜3%の経済成長を続ける必要がある。さもなくば、金利を下げる必要があるだろう。前者の実現はイタリアの国内政治のせいで難しく、後者の実現はドイツの政治のせいで難しいということを市場は理解している。

 ユーロ参加国に課せられる様々な制約、生産性の伸びの低さ、そして高金利を与件として受け入れるのであれば、イタリアは支払い不能となってしまう。従って、これらの制約のどれか1つが緩和されなければならない。

 筆者は5年前、ユーロ圏が崩壊する可能性はゼロに近いと論じていた。昨年には、その可能性は取るに足らないとは言えなくなったがまだ小さい、と書いていた。だが、可能性はその後着実に高まっている。危機そのもののせいではなく、政治の対応がまずいためだ。
ユーロ圏崩壊の可能性は五分五分

 筆者は今、ユーロ圏崩壊の可能性は五分五分だと見ている。単一通貨ユーロを救うためなら何でもやるという欧州理事会の約束を疑っているからではない。理事会が事態を放置し過ぎたように思われるからである。

 理事会は約束を守るつもりかもしれないが、実際のところ無理だろう。筆者が先週のこのコラムで論じたように、この危機に対する唯一の解決策はユーロ圏債の発行である。しかし大国の国債のスプレッド(ドイツ国債との利回り格差)がひとたび拡大すれば、この策は次第に高く付くものになり、政治的に現実的なものではなくなっていく。

 この危機に当たって欧州の政治指導者たちはずっと、そして現在に至っても哲学で言う範疇誤認を犯している。

 この危機は、ユーロ圏の周縁に位置する小国の危機ではない。格付け会社や投機筋がもたらした危機でもない。財政同盟になることを拒んでいる通貨同盟全体にかかわるシステミックな危機なのだ。

当初はギリシャへの金融支援など一切しないと話していたことを考えれば、メルケル首相はこの1年半でずいぶん進歩した、との指摘をよく耳にする。確かにその通りだ。しかし今回の危機は、彼女の政治的制限速度を上回るペースで進行している。
メルケル首相はタイタニック号の一等室の乗客
メルケル独首相、国内原発の稼働延長を凍結 福島原発事故を受け

深刻な事故が起きたら、当然ながらドイツのメルケル首相が責められる〔AFPBB News〕

 イタリアのジュリオ・トレモンティ経済・財務相は先週、メルケル首相をタイタニック号の一等室の乗客と比べてみせた。

 彼が怒るのも無理はない。今日ではメルケル首相の鈍い対応自体が金融危機の原動力になってしまっているからだ。何か深刻な事故でも生じれば、当然ながらメルケル首相が非難されることになろう。

 筆者としては、トレモンティ経済・財務相にメルケル首相と対決するようアドバイスしたい。実際、イタリア政府は2本立ての戦略を取るべきだろう。第1の戦略は、筆者が「プランD」と呼ぶものである。メルケル首相がマルチン・ルターよろしく「他になしあたわず」と言い続けた場合に引き出しの中から取り出す緊急時の計画だ。

 この「D」は、devaluation(切り下げ)またはdefault(デフォルト)のDである。念のため書き添えるが、筆者は、イタリアがユーロ圏から離脱すべきだと言っているわけではない。万一の場合に備えておくべきだと述べているのだ。

 特に、イタリアは金利が引き下げられて初めてユーロ圏に残ることができるということをメルケル首相に伝えるべきだろう。そして、金利の引き下げを達成できる手段となれば、ユーロ圏債の他には見当たらないように筆者には思われる。
今後数日内に重大な選択

 また何が起ころうとも、イタリアは自らの生産性を長期的に引き上げるために、信頼できるプログラムを用意する必要があるだろう。

 もしプランDが実行に移されたら、我々が知っているようなEUは恐らく終わりを迎えることになる。さすがのメルケル首相もそこまでは望んでいないだろう。ぐずぐずしていたら、EUは本当に崩壊してしまう。EUは今後数日のうちに重大な選択をしなければならない。
By Wolfgang Münchau  

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コメント
 
01. 2011年7月19日 10:43:14: Rb4RybF232
イタリア、ギリシャ、スペインはユーロから離脱かな。
しばらくして、財務状況が回復したら再加入でいいじゃん。

02. 2011年7月19日 21:54:56: Pj82T22SRI
コラム:欧州の危機、イタリア不安で一段と危険な局面に=サマーズ氏
2011年 07月 19日 19:47 JST
 

 7月17日、サマーズ元財務長官は、前週のイタリア市場急落で、欧州の金融危機は新たな、一段と危険な局面に入ったとの見解を示した。写真は昨年9月、北京で代表撮影(2011年 ロイター)
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 ローレンス・H・サマーズ

 [ケンブリッジ(米マサチューセッツ州) 17日] 前週のイタリア市場急落で、欧州の金融危機は新たな、一段と危険な局面に入った。これまで周辺国と呼ばれる経済規模が比較的小さい国々で発生していた危機は、欧州経済通貨同盟(EMU)の目的や国際金融システムの機能にシステミックな脅威を及ぼすものではなかった。

 しかし今や、欧州の統合と世界経済の双方が脅かされる事態となっている。

 欧州3位の経済規模を持つイタリアが前週直面した国債入札をめぐるドラマによって、ガチガチの官僚主義者でさえも、世界はもはや定説や官僚主義に基づく急場しのぎの政策対応を許さないと認識したはずだ。欧州当局者には、明確な方向転換が期待されている。そうしなければ、国際通貨基金(IMF)や欧州以外の20カ国・地域(G20)当局者がこの15カ月間欧州政策責任者に対し示してきた敬意の念を、世界が今後も持ち続けることはないだろう。

 危機回避に成功する可能性があるとすれば、3つの現実を認識しなければならない。 

 まず、金融危機においては、システム上の信頼の修復が不可欠という事実だ。投資家に教訓を教えるのは希望(wish)であり、政策ではない。リーマンを破たんさせるという米政策当局者の意思が称賛されたのは12時間程度だ。信頼感への破壊的影響はいまも消えていない。教訓を与える、あるいは政治的支持確保を目的に債権者を不当に扱うのは、信頼に依存するシステムの下では無謀な行為と欧州中央銀行(ECB)が考えるのはもっともだ。リーマンを破たんさせると決断した米政策当局者は、ベアースターンズ救済から時が経過し、市場はこれに学んだはずで、準備ができていると考えた。しかし、実際に学んだ教訓はいかに上手く出口を見つけるかに関することで、制御不能な破たんは想定をはるかに超える悪影響を金融システムにもたらした。

 2つ目は、いかなる国にも、外国債権者の利益のためにプライマリーバランスを長期間、大幅な黒字にすることはできないということだ。ギリシャ、アイルランド、ポルトガルは、民間だけでなく公的部門からの融資という債務も抱えることになり、その負担は著名経済学者ケインズが著書「平和の経済的帰結」で経済への影響を警告した戦争賠償に匹敵する。

 3つ目は、国の支払い能力の有無を左右するのは、債務残高や強固な国内政策へのコミットメントだけでなく、より広範囲な経済的要素が関わるということだ。流動性の問題は放置すれば信頼の問題に発展する。金利が名目成長率付近、あるいはそれより低い水準では十分な支払い能力のある債務国も、金利が上昇すれば支払い不能になりかねず、金利のさらなる上昇、デフォルト懸念の高まりという悪循環に陥る可能性がある。すでにギリシャ、ポルトガル、アイルランドで起こったが、今後、イタリア、スペインでも起こる恐れがある。

 債務国が債務を減らすには、他国との収支を黒字にするしかない。伝統的な債務国が黒字転換しようとするなら、伝統的な黒字国は黒字を減らし、赤字になる覚悟も必要だ。

 市場にアクセスできなくなった国に公的部門から上乗せした金利でどんどん融資するという手法は結局、持続不能だ。このような債務の大半は返済されることなく、その国への民間資本の流入や景気てこ入れ措置の障害にもなる。重い債務を抱えた国が現在の金利で債務をすべて返済できると主張すれば、次に政策責任者がスペインやイタリアのファンダメンタルズは比較的健全だと主張しても、信頼されなくなる。上乗せした金利でさらに融資すれば、必要な再編の規模を大きくするだけだ。ギリシャの債務が維持不能と認めるのが余りに遅すぎたとの意見は理にかなっている。理にかなっていないのは、深刻化している信頼の危機に、ギリシャ債務の再構築や再編だけで対処できるという考えだ。

 求められているのは、単に差し迫った災難を回避することから、システミックリスクの回避、成長の回復、数値的信頼回復に焦点を絞ったアプローチへと大きく舵を切ることだ。ギリシャ、イタリア、アイルランドは債務の免除や削減が必要ということ、債権者が当初受け入れられる損失は限られているという2つの現実は、あらゆるアプローチが欧州からのさらに強い取り組みを必要としていることを意味する。初めにきちんとした取り組みをしておけば、結果的に長期的なコストは低くなる可能性がある。

 重要なのは細かい具体的措置よりも、適切で広範囲なアプローチで、当然のことながら欧州の政治的現実との整合性が必要だ。さらに、有望な戦略には不可欠な要素というのがある。

 欧州の各当局は、域内の国の破たんは欧州経済の破たんを意味するため容認できないという認識や、統一通貨に具現化された結束に改めてコミットする必要がある。その目的に向け、さらに以下のようなコミットメントが求められる。

 まず、プログラム対象国向けとして、公的部門債務の金利を一般的な欧州企業の借り入れ金利水準まで下げる。公的部門のデフォルトは許容されるものでなく、リスクプレミアムを付ける理由はない。リスクプレミアムを付ければ、プログラム全体の成功を不必要なリスクにさらす。

 第2に、借り入れ金利が他のユーロ導入国より高い、たとえば最低水準を200ベーシスポイント(bp)上回るなどの状況にある国は救済基金への資金拠出を免除する。最も避けるべきは、弱い国が全体の足を引っ張ることだ。

 第3は、何があっても、どの国の大規模金融機関の破たんも起こさせないという明確なコミットメントを示すこと。過去の深刻な金融危機、1997年のインドネシア、98年のロシア、2008年の米国のそれは、当局が、金融システムの基本的機能に対する疑念を生じさせた時に起こった。この責務は、ECBが必須の政治的サポートを受けたうえで果たすべきだ。

 第4に、健全な政策を実行していると判定された国が、新たな債券を、後の償還が無理なくできる妥当な価格で発行できるようEUの保証を与えること。

 これらの措置は、混乱収束にかなり寄与する。債務国の返済負担軽減、リスクある国の救済要請や市場の信頼低下の防止、ECBが域内銀行の安定を図ることを可能とする。

 あとは、民間が持つソブリン債をどうするか、という話になる。債権者は破たんから得るものはなく、すでにさまざまな選択肢に基づくアプローチを支持するというシグナルが出ている。現在の市場価値を若干上回る水準で保有債券を売りたいという債権者もいる。まだ額面の価値はあると考える債権者には借り換えという選択肢を提供できる。民間投資家が大幅なヘアカット(元本価値の削減)を受け入れるならば、買い戻しという選択肢が生まれる。どのアプローチをとるか判断する際は、プログラム対象国が現実的な想定に基づき債務を返済できる純粋なサステナビリティを重要な基準とすべきだ。

 ここまで述べてきたことの多くは、欧州での議論の状況を考えると非現実的にみえる。しかし、わずか10日前は、イタリアの返済能力に深刻な疑念が生じることが、かなり非現実的なことだった。政治的意思を見出すことができれば、テクニカルな経済学はさほど難しくない。ただ、政治的な計算から、綿密な計算を踏まえた政治への転換は必要だ。きょう率直な行動を起こさなければ、あとは、効果がはるかに小さい、コストの高い行動をそう遠くない将来に迫られるだけだ。今後数週間はEUにとって史上最大の正念場の一つとなるだろう。

 (ローレンス・H・サマーズ氏はハーバード大学教授。元財務長官)

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

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03. 2011年7月20日 00:42:38: Pj82T22SRI
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/15675
>>03 社説:ユーロを救い、欧州を救う時が来た
2011.07.20(Wed)(2011年7月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

欧州の政策当局者たちは今年の初め、ソブリン債務危機の封じ込めは困難ではあるものの手に負えない課題ではないと語っていた。

 巧みに対処すれば、この危機はギリシャ、アイルランド、ポルトガルという経済規模の小さな国に閉じ込めておける。ユーロ圏の他の国々については、緊縮財政や経済統治改革、欧州連合(EU)の統治に関する条約の小幅な改正などを注意深く組み合わせて行えばうまくいくだろう――などと考えていた。
危険な局面に入った戦い
ユーロ防衛に89兆円、緊急支援基金を新設へ EU

ユーロ圏の債務危機は新たな局面を迎えた〔AFPBB News〕

 しかし今、ユーロを巡る戦いがこれまで以上に危険な局面に入りつつあることは明らかだ。

 18日にはイタリアとスペインの国債利回りが再び上昇し、1999年のユーロ導入以降の最高水準を更新した。両国の国債を購入する投資家が要求する上乗せ金利(最も質が高いドイツ国債の利回りとの差)も同様に、ユーロ導入後の最高値を記録した。

 イタリアとスペインは欧州周縁国からの伝染を避ける予防接種を済ませているという「デカップリング論」が幻想であったことが、債券市場で容赦なく暴かれた格好だ。

 しかし、ユーロ圏17カ国の中でイタリアは3番目、スペインは4番目に経済規模の大きな国であり、両国でユーロ圏域内総生産(GDP)の28%超を占めている。ここにギリシャ、アイルランド、ポルトガルの計6%を加えれば、GDPで見たユーロ圏の3分の1以上の信用力について、金融市場が懸念を強めているという驚くべき事実が見えてくる。

 国境をまたぐ巨額の融資や投資が複雑に絡み合う欧州の銀行システムが揺さぶられるリスクも、これに伴って高まっている。

 その結果、欧州通貨同盟が現在の形態で存続することには何の問題も生じていないというふりを続けても、得るものは一切なくなっている。それどころか、この危機はもっと深刻な影響を及ぼす可能性を秘めている。

単一通貨ユーロは、第2次世界大戦後の欧州の政治・経済統合における最大の業績である。もしこの柱を取り除いてしまったら、世界に対するEUの影響力だけでなく、欧州統合という建築物の他の部分に何が起こるか分からないのだ。

 従って、ユーロ圏の首脳たちは今週21日にブリュッセルで開かれる会議で、ユーロを救うために「必要ないかなる手段も」取るという何度も繰り返したあの約束を今度こそ果たさなければならない。威勢はいいが曖昧な言辞を弄する時は過ぎ去った。

 政治家と中央銀行幹部の間の明らかな見解の相違が何カ月も解消されないために損なわれた市場の信頼感を取り戻す、具体的で目に見える対策を講じる時がやって来たのだ。

 ユーロ圏の政策当局者はこれまでに見せた困惑や優柔不断さ、切迫感のなさから今週のうちに抜け出し、ユーロ圏を防衛する包括的な戦略をもって危機に対応しなければならない。ギリシャの第2次金融支援の条件を決めることも重要だが、それだけでは不十分だ。
小国の流動性問題ではなく、通貨同盟全体のシステミックな危機
英研究、365年と同規模の大津波が地中海東部を襲う可能性指摘

もはや地中海の小国の流動性問題ではない(写真はギリシャの首都アテネ南部・スニオン岬のポセイドン神殿)〔AFPBB News〕

 確かに、ドイツのアンゲラ・メルケル首相とジャン・クロード・トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁が続けてきた、ギリシャへの支援パッケージにおける民間部門の関与を巡る議論は次第に的外れになっており、両者がこれに終止符を打てば事態の進展に寄与するだろう。

 しかし、それだけでは、ギリシャが債務の罠を逃れる見通しには変化がないだろうし、問題の核心に迫ることにもならない。

 欧州が直面しているのは陽光きらめく地中海の小国の流動性問題でなく、通貨同盟全体にかかわるシステミックな危機であるというのが、この問題の核心なのだ。

 ユーロ圏の財務相たちは今月11日、EUが支援メカニズムの中心に据えている欧州金融安定機関(EFSF)の柔軟性を強化したり限度を引き上げたりする方法を検討していると述べた。首脳たちは今週、そうした計画を具体化しなければならない。

 今のところ、イタリアやスペインで生じ得る緊急事態に備えてEFSFの融資枠を現行の3倍に当たる1兆5000億ユーロか、それ以上に拡大するといった案が浮上している。EFSFが流通市場で国債を購入できるようにすべきだという提案もなされている。

 こうしたアイデアには、良い面もあるが欠点もある。例えば、EFSFの融資枠を例外的なほど大きく広げてしまうと、ドイツ国債やフランス国債が持つユーロ圏で最も高い格付けを危険にさらす恐れがある。
欧州首脳は今こそ決断を

 しかし、最も重要なポイントは、ユーロ圏の首脳はもう躊躇してはならないということである。もし、包括的な解決策の検討を9月まで先送りしようという提案が出てくれば、それこそ致命傷になりかねない。

 欧州の首脳たちは2010年2月という早い時期に、「ユーロ圏全体の金融の安定性を守るべく、必要があれば協調して断固たる手段を取る」と約束した。勇敢な行動を取ろうとすれば、そこに政治的なハードルが立ちはだかることは明らかだ。

 しかし、行動しないことの危険性を繰り返し指摘してきたのは、ほかならぬ首脳たち自身である。ユーロをどのように救うのか、首脳たちは今こそ決断しなければならない。


04. 2011年7月20日 03:13:17: Pj82T22SRI
>>04 21日の首脳会議、ギリシャ問題の最終的解決にならず=独首相
2011年 07月 20日 01:51 JST
 

 7月19日、ドイツのメルケル首相は、21日の首脳会議について、ギリシャ問題の最終的解決にはならないとの見通しを表明。写真はハノーバーでロシアのメドベージェフ大統領(左)と共同会見する首相(右)(2011年 ロイター/Fabrizio Bensch) 
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 [ハノーバー(ドイツ) 19日 ロイター] ドイツのメルケル首相は19日、21日に予定されているユーロ圏首脳会議について、ギリシャ債務危機の解決に至る最後の1歩とはならないとの見方を示し、21日の解決策合意への期待に水を差した。

 ロシアのメドベージェフ大統領と共同会見したメルケル首相は、解決策での早急な合意は政治的責任を果たすことにはならないと指摘。「1回の会議で全てが解決されるのではなく、さらなるステップが必要になるだろう」と述べた。

 メルケル首相のこの発言を受けて、ユーロは対ドルで値を下げた。

 首相は、根本的にギリシャ問題を解決するには、同国の債務を削減するとともに競争力を高める選択肢を検討しなければならないとし「ユーロのない欧州は考えられない。根幹の問題解決に向けて、全ての責任ある努力をする価値がある」と語った。

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