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フランス国債は安全な逃避先か? ユーロ圏の中核にまで忍び寄る不安 イタリアとユーロ:いよいよ崖っぷち
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/444.html
投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 19 日 03:01:01: 6WQSToHgoAVCQ
 

(回答先: 欧州銀行、南欧向け民間融資も巨額―潜在的なリスクに 投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 19 日 02:49:45)

フランスの心配をする前にイタリアが破綻すればユーロは終わりだろうが
ネタとしては面白い
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/15520
フランス国債は安全な逃避先か? ユーロ圏の中核にまで忍び寄る不安
2011.07.19(Tue) (2011年7月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
フランスがEU議長国に就任、サルコジ大統領が抱負を語る

ドイツとともにユーロ圏の中核をなすフランス〔AFPBB News〕

フランスが欧州ソブリン債務市場における安全な逃避先の地位を失う可能性はあるだろうか?

 フランスとドイツの借り入れコストの差は7月第3週に1997年以来最大の幅まで広がり、フランスが欧州債券市場における信頼の危機の次の犠牲者になるのではないかとの懸念をもたらした。

 ドイツ国債に対するフランス国債のスプレッド(金利の上乗せ幅)は13日、77ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に達し、従来30〜40bpで推移してきた大陸欧州の2大経済大国間の相関関係を大きく逸脱した。

 この差は、フランスがトリプルAの信用格付けを維持する力に対する信頼の欠如と見なすことができる。何しろ現在フランスの財務相を務めるフランソワ・バロワン氏はかつて、多額の債務を抱えたフランスが債券市場の金字塔的な格付けを維持するのに苦労する可能性があると認めている。
ドイツ国債とのスプレッドが拡大する理由

 だが、ドイツとの開きは拡大したものの、7月第3週の荒れ狂う市場の中で、フランスの借り入れコストは低下した。「我々は過去の平均より105bp低いコストで借り入れを行っている」。フランス国債庁(AFT)のスポークスマン、ピエール・サラウン氏はこう言う。「資金調達コストの悪化は全く見られず、逆に改善している」

 エコノミストらは、投資家が洪水のようにドイツ国債に押し寄せていることがスプレッド拡大の原因だと見ている。11日にはドイツ国債の利回りが16bp低下したのに対し、フランス国債の利回りはわずか5bpしか低下しなかった。

 「フランス市場に対するリスク回避の兆候は少しも見られない」と、BNPパリバの市場経済部門責任者ドミニク・バルベ氏は指摘する。「実際のところ、フランス市場はドイツ市場ほど質への逃避から恩恵を受けていないだけだ」

 ドイツ国債の方が魅力が大きい理由は明らかだ。今年の経済成長率の見通しがフランスの2%に対して3%を超えること、そして、ドイツ政府の財政規律に対する信頼が大きいことだ。

 さらに、格付機関もあまり気にしていないように見える。

 ニコラ・サルコジ大統領率いるフランス政府が政府支出を抑制するために取った最近の措置――年金改革や公務員の賃金凍結、人員削減――は一部の市場参加者にフランスが正しい方向に向かっているという安心感を抱かせた。

 5月にはムーディーズ・インベスターズ・サービスが、安定的な見通しとともにフランスのトリプルA格付けを再確認し、その後、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とフィッチ・レーティングスがこれに続いた。

 エコノミストらも、経済成長は思ったより良かったし、それがフランスの赤字削減が目標を上回る助けになったと指摘する。当初は今年末の赤字が国内総生産(GDP)比6%になると予想されていたが、政府は今、同5.7%まで赤字を引き下げることを目指している。

 バルベ氏は「フランス経済は改善した。これは、ユーロ圏の周縁国や、イタリア、スペインのようなゼロ成長の国で見られるような状況ではない」と言う。

 フランス議会は先日、財政均衡を保証する拘束力のある憲法規定を可決。また、政府はそれに先んじて、強制的な年金拠出期間を40年から40.5年に延長する、論議を呼んだ措置を承認した。
予測のつかない市場、危機が激化すればフランスの銀行に大打撃

 だが、市場は今極めて予測のつかない状況にあるため、誰も感染の危険を排除できない。ギリシャ向けの新たな救済策の痛みを民間部門が引き受けるべきかどうかを巡って欧州各国政府が争う中、フランスの銀行は、ギリシャの債務だけでなく、イタリアやスペインの債務に対するエクスポージャー(投資残高)についても注目を集めることになった。

 フランスの銀行は昨年末時点で、イタリアの公的債務と民間債務を3890億ユーロ保有していた。これに対して、ドイツの銀行はわずか1620億ユーロにとどまっている。

 「危機が激化した場合、フランスが最もリスクにさらされる」と、エボリューション・セキュリティーズのエリザベス・アフセス氏は言う。

 シティグループの金利戦略責任者マーク・スコフィールド氏は、オランダやフィンランド、オーストリアなど他のトリプルA格のユーロ圏諸国の国債に比べて、フランス国債の売買の傾向に変化が見られると指摘する。

 オランダなど上記3国の国債は今も、約80%の相関関係を持ってドイツ国債の動きを追っている。

 フランス国債もかつてはそうだったが、今は相関関係がわずか40〜45%になっており、7月第3週の初めにはゼロまで低下していた。フランス国債は、過去2週間の劇的な動きが起きる前のスペイン、イタリア国債と同じ状況に陥っているということだ、とスコフィールド氏は言う。
逃避資金がフランスを素通り

 「このことは、投資家がリスクの高い資産を売って安全な逃避先に向かう時に、フランスに投資していないことを示している。誰もフランスには向かっていない」と同氏。

 フランス政府も、安閑としていられないことは十分承知している。フランスの債務削減は目標を上回ったものの、景気回復の足取りが鈍っているために来年は債務削減がこれまでより難しくなり、政府支出の削減も一層困難になる。

 にもかかわらず、政府当局者は、こうした変動の激しい時期に安全な投資先としてのフランスの地位を守るだけの十分な信頼が市場で築かれていることを期待している。

 「フランスとドイツの国債利回りの格差は懸念材料にはならないはずだ」とある当局者は言う。「だがそれは、我々が財政を立て直す努力を続ける促進剤としての役割を果たすだろう」
By Peggy Hollinger and Richard Milne

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/15433?page=4
イタリアとユーロ:いよいよ崖っぷち
2011.07.19(Tue)  英エコノミスト誌 2011年7月16日号)

ユーロ危機はイタリアをも飲み込み、危険をはらんだ新局面に突入した。単一通貨そのものが危うくなっている。
「祝!定年生活」、通行人に1ユーロ配る ドイツ

債務危機の懸念がイタリアにまで波及し、いよいよユーロの存続が危うくなってきた〔AFPBB News〕

ユーロ圏の債務を巡るドラマは1年以上にわたり、手に汗握る場面を繰り返してきた。

 最初はギリシャ、次にアイルランド、ポルトガル、そして再びギリシャが主役に躍り出た。政策立案者たちの対応はいつも同じで、現実を否定し、ためらった揚げ句、土壇場になって時間稼ぎのための中途半端な救済策をまとめた。

 7月第3週、その場しのぎで切り抜ける対応の綻びが露になった。金融市場がいきなり、ユーロ圏で3番目の経済規模を誇るイタリアに照準を定めたのだ。

 イタリアの10年物国債の利回りは2営業日で1ポイント近く上昇。12日には6%を突破し、ユーロ導入以降、最高の水準となった。
スペインを飛び越してイタリアに波及

 ミラノの株式市場は2年ぶりの安値を記録した。結局、国債の利回りは反落したが、債務危機が新たな局面に入ったのは明らかだ。危機はギリシャ、アイルランド、ポルトガルという小規模な周縁国の枠を踏み越え、次に控えると考えられてきたスペインを飛び越し、ユーロ圏でも最大級の経済大国まで到達してしまった。

 ユーロ圏のすべての国、特にドイツは厳しい選択を迫られている。

 問題がどれほど大きいか考えてみるといい。まず、イタリアのソブリン債の市場規模は欧州最大、世界3位だ。ソブリン債務残高は1兆9000億ユーロで、国内総生産(GDP)の120%に達する。

 ギリシャ、アイルランド、ポルトガルを合わせた債務の実に3倍に上り、欧州金融安定機関(EFSF)の融資枠に残っている約2500億ユーロをはるかに上回る。

 イタリアがデフォルト(債務不履行)すれば、ユーロにとっても、世界経済にとっても悲惨な影響を及ぼす。短期的には、イタリア債券市場の緊張が続くだけで済む可能性が高いにせよ、それでも投資家が欧州の資産から逃げ出し、欧州全体の回復が一層困難になるのは間違いない。

一方その背景では、米国のバラク・オバマ大統領と共和党が、債務上限を引き上げて「デフォルト」を回避する方法を巡って争う、馬鹿げたパントマイムを演じている。

 米国の投資家の関心はこれで一時的にそらされたかもしれないが、彼らがイタリアの危機の重大さに気づいたなら、それも、もう何の役にも立たない。
ローマからブリュッセル、フランクフルト、ベルリンへ
伊首相が引退示唆、後継候補に法相推す

ユーロ圏第3位の経済大国イタリアの政治が今回のパニックの近因だった(写真はイタリアのベルルスコーニ首相)〔AFPBB News〕

 今回のパニックの近因はイタリアの政治にある。新しい緊縮予算を巡って、シルビオ・ベルルスコーニ首相がジュリオ・トレモンティ財務相を侮辱するという騒動もあった。

 イタリア経済の弱々しい成長率に対する不安を考え合わせると、イタリア政府が巨額の債務を負う能力に投資家が不安を覚えるのも無理はない。

 理論的には、成熟した政府にとって、こうした不安に対処するのは難しくないはずだ。結局、欠点があるとはいえ、イタリアは大きなギリシャではないのだ。

 債務負担は決して小さくないが、安定した状態を何年も保っている。プライマリーバランス(利払い前の財政収支)は黒字だ。イタリアはこれまで、必要な時には支出を削減し、増税してきた実績がある。ユーロ導入を目指していた1997年には、プライマリーバランスの黒字はGDPの6%だった。

 イタリアの銀行は、欧州の基準に照らすと、十分な自己資本を維持している。民間の貯蓄が多いということは、ソブリン債の多くが国内で消化されていることを意味する。

 しかし実際には、大抵、流動性の欠如と支払い不能(インソルベンシー)の間には明確な線引きがない。借り入れに対して支払う金利が長期にわたって大幅に上昇すれば、イタリアの債務は最終的に手に負えなくなってしまう。

加えて、イタリアの見通しが立っていても、ブリュッセル(欧州連合=EU)とフランクフルト(欧州中央銀行=ECB)とベルリン(ドイツのアンゲラ・メルケル首相)が抱える矛盾と不確実性が、それを圧倒する。

 3者はそれぞれに2つの相反する目標を追い求め、無益な努力を続けている。すなわち、ギリシャの正式なデフォルトを回避しながら、欧州の豊かな国から支払い能力のない周縁国への無制限の支援も避けようとしているのだ。

 公正を期すために言っておくと、メルケル首相をはじめとする欧州の指導者がその場しのぎに終始するのは、単に臆病だからではない。確かにそのような面も大きかったとはいえ、原因はユーロ圏の根深い分裂にある。

 現在の危機のコストは誰が負担すべきか、債権者か(評価損計上)、債務者か(緊縮財政)、ドイツ国民か(南への送金)について、ユーロ圏は合意できていない。財政同盟が長期的な答えかどうかも判断できずにいる。このため、投資家は打撃の大きさを量ることができないのだ。

 小さなギリシャを巡って欧州全体がこれだけ混乱するのだから、投資家が大きなイタリアの問題を恐れるのも不思議ではない。
いざとなればユーロ債発行

 では、どうすべきなのだろうか?

 本紙(英エコノミスト)は以前から、3つの要素に基づいた包括的な戦略を策定すべきだと論じてきた。3つの要素とは、明らかに支払い能力がない国の債務の減額、そうした国の債務再編の影響を被る欧州の銀行の資本増強、支払い能力のない国からそうでない国への波及を防ぐファイアーウォール(防火壁)の構築だ。

 債務の減額は、最も深刻な破綻状態にあるギリシャから始めなければならない。しかし債務再編をどのように売り込もうとも、ギリシャはデフォルトする。そのため、ギリシャのデフォルトによる損害が大きい銀行の資本増強計画も立てる必要がある。それはギリシャの銀行から始めることになる。

 7月15日に発表予定のストレステスト(健全性審査)の結果を見れば、必要な支援の規模が分かるはずだ*1。ポルトガルやアイルランドも同様の債務再編が必要になるかもしれない。

*1=15日に結果が発表されたストレステストでは90行中8行が不合格となったが、審査基準が甘いとの声が上がっている

 支払い能力があるユーロ圏中核国(スペインとイタリアを含む)の周りにファイアーウォールを築く作業は、リスクのある国とユーロ圏全体が共同で行わなければならない。

 イタリアは速やかに予算を成立させ、先延ばしにしてきた構造改革を断行すべきだ。課題は緊縮財政だけではないし、緊縮財政は主要課題ですらない。大事なのは経済を成長させることなのである。

 ユーロ圏全体の努力の面で言えば、イタリアへの短期的な支援は、ECBがイタリア国債を購入する形を取るべきかもしれない(ECBの次の総裁はイタリア中央銀行のトップを務めるマリオ・ドラギ氏なので、政治的には難しい方法だ)。

 しかしユーロ圏は、近いうちにEFSFを拡大し、加盟国が共同で保証する「ユーロ債」の発行を認めざるを得なくなるだろう。
手を打てなければユーロ自体が終わる恐れ

 これは、特にドイツのメルケル首相にとって、政治的に大きな立場の変更を意味する。ドイツは、無責任な南の国々を無制限に支援することになりかねない解決策に対して、頑なに反対してきた。欧州北部のほかのいくつかの国も同調している。他国の債務を保証すれば、自国の借り入れコストが上昇するかもしれないことが大きな理由だ。

 確かに気持ちのよい選択肢ではない。しかし、それ以外の唯一の選択肢は、ユーロ自体の終焉かもしれない。それが、このところ得られた恐ろしい教訓だ。
 

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