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米有力エコノミスト、米経済の下振れ警告 中国経済、ハードランデング=ルービニ  QE3とさらなるドル安?
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/191.html
投稿者 sci 日時 2011 年 6 月 14 日 12:10:13: 6WQSToHgoAVCQ
 

これで新興国もこけるとしたら、当分、世界景気は悪いということになるな
国債は暫くは安泰ということか
http://jp.wsj.com/US/Economy/node_249544/?nid=NLM20110614
米有力エコノミスト、米経済の下振れを警告
Real Time Economics

2011年 6月 14日 10:09 JST
 米国経済は“まだ”二番底のリセッション(景気後退)には向かっていないが、急激かつ長期的な停滞が進行中であり、雇用拡大を一段と困難にする可能性がある。米景気循環調査研究所(ECRI)の共同創設者でエコノミストのラクシュマン・アチュサン氏が13日、本紙の取材に応じてこう語った。
イメージ Getty Images

 アチュサン氏は、長期的経済成長を測る主要指標は過去数カ月、軒並み下振れしていると指摘し、「はっきりとした広範囲かつ持続的な景気循環の節目の表れであり、1、2カ月の出来事ではない」と述べた。

 さらにアチュサン氏は、景気減速は少なくとも数四半期続く公算が大きいとした。「リセッション」という言葉の使用は避けたものの、経済縮小が2四半期連続で続けば定義上は「リセッション」になる。

 「これは中国とか米国とか、一国主導の景気押し下げの話ではない。非常に大きく、そして否定しがたいものだ」。

 これは、今夏も昨夏と極めて類似した状況になる可能性があることを意味する。米連邦準備理事会(FRB)は昨夏、景気のつまずきを受けて、物議を醸した6000億ドルの量的緩和策に踏み切った。その緩和策の打ち切りが今月末に迫った矢先、景気腰折れの兆しが見え始めている。

 アチュサン氏は「今年半ばごろから産業セクターごとに減速し始め、それに伴って経済が幅広く鈍化するだろう」と述べた。さらに「すべてが同時に起こるだろう」とし、経済成長の主要指標は総じて同時に鈍化し始めると警告した。

 また雇用についても、ECRIは向こう数カ月は「減速」するとみているとし、「1四半期の平均雇用創出数が100万件になるには、まだしばらく時間がかかるだろう」と述べた。

[リアルタイム・エコノミックス(Real Time Economics)では米経済、連邦準備理事会(FRB)の金融政策、経済理論などに関する独自取材ニュースや分析、論評をリポートする]

記者: Javier E. David

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-21675420110613
再送:中国経済、ハードランデングする「有意な確率」=ルービニ氏
2011年 06月 14日 06:28 JST 

 6月13日、著名エコノミストのヌリエル・ルービニ氏は中国経済について、ハードランディングする「有意な確率」があるとの見解を示した。写真は2010年4月、ニューヨークで講演する同氏(2011年 ロイター/Mike Segar)
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ビジネス
4─6月景況判断はほぼ全業種で悪化=法人企業景気予測調査
金融市場に不要不測の悪影響及ぼさないことが重要=金融相
日経平均は小反発、材料難で方向感に欠ける展開
中国はインフレ抑制に注力すべき=人民銀行金融政策委員

 [シンガポール 13日 ロイター] 著名エコノミストのヌリエル・ルービニ氏は中国経済について、ハードランディングする「有意な確率」があるとの見解を示した。

 同氏は当地で開かれた金融会議で、中国は世界的な信用危機下で経済のハードランディングを回避したものの「2013年より後にハードランディングする有意な確率がある」と述べた。

 中国の国内総生産(GDP)に占める投資の比率は既に50%に達しているとし、過去60年のデータで過剰投資がハードランディングにつながることが示されていると指摘した。 

 米金融市場の見通しについては、株式に対して慎重な見方を維持すると述べる一方、ユーロ圏の債務問題や世界経済減速への懸念から大きく上昇している米国債の価格に関しては適正との見方を示した。 

 欧州周辺国が債務問題への正面からの対処に消極的なことも世界経済へのリスクだとし、「問題を先送りにして何とか切り抜け、ギリシャの状況は改善すると言い張って時間稼ぎをすれば、より混乱した破たんを招く可能性がある」と述べた。

*カテゴリーを変更して再送します。  

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コメント
 
01. 2011年6月14日 12:59:10: Pj82T22SRI
中国:5月CPI、前年比5.5%上昇に加速−約3年ぶり高い伸び(2) 

  6月14日(ブルームバーグ):中国の5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.5%上昇と、約3年ぶりの高水準になった。4月は5.3%の上昇だった。同月の工業生産もエコノミスト予想を上回る伸びを示した。中国国家統計局が14日発表した。

CPIの5.5%上昇はブルームバーグが集計したエコノミスト予想の中央値と一致した。5月の工業生産は13.3%増となり、市場予想の中央値(13.1%増)を上回った。5月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比6.8%上昇、5月の小売売上高は同16.9%増、1−5月の都市部固定資産投資は前年同期比25.8%増だった。

  中国株の指標である上海総合指数は、利上げと不動産規制後も同国景気が勢いを維持している兆候が見られることから、上昇している。製造拠点が集中する広東省で今月、出稼ぎ労働者の暴動が発生し、社会不安のリスクが表面化した後、中国共産党は物価抑制と成長維持の両立を目指している。

  ソシエテ・ジェネラルのエコノミスト、ヤオ・ウェイ氏(香港在勤)は指標発表前に、「物価上昇が当初の想定よりも厄介なことが分かったため、中国中銀はインフレ抑制を粘り強く続ける必要がある」と指摘。「物価は小康状態となっても、すぐに上向くだろう」と予想した。同氏は6月にインフレ率が6.5%とピークに達し、その後鈍化すると予想している。

  上海総合指数は現地時間午前10時13分(日本時間同11時13分)現在、0.5%高で推移している。

中国政府はインフレ目標を4%に設定しているが、1月以来連続してこの目標を上回っている。

-- Zheng Lifei. With assistance from MichaelMunoz, Shamim Adam and Victoria Ruan.Editors:Paul Panckhurst,Nerys Avery.

参考画面:翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 城塚 愛也 Aiya Shirotsuka +81-3-3201-2482 ashirotsuka@bloomberg.netEditor:Yoshito Okubo麗英二 Eiji Toshi + 81-3-3201-2421etoshi@bloomberg.net記事に関する記者への問い合わせ先:Zheng Lifei in Beijing at +86-10-6649-7560 orlzheng32@bloomberg.net記事に関するエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst in Hong Kong at +852-2977-6603or ppanckhurst@bloomberg.net
更新日時: 2011/06/14 11:57 JST


02. 2011年6月15日 14:14:45: cqRnZH2CUM

【第182回】 2011年6月15日
加藤 出 [東短リサーチ取締役]
 

米国で盛り上がる量的緩和効果小さくインフレ懸念も

 米議会では与野党間で政府債務残高の上限をめぐり、激しい論争が続いている。米国の経済指標にスローダウンの兆候が出てきたため、欧米のマスメディアや市場関係者の中から、「FRBはQE3(量的緩和策第3弾)を検討すべきだ」という声が出始めている。大規模な財政刺激策を今後実施することは困難だからだ。

 しかし、QE3に期待を寄せる声には、誤解と過大な期待が含まれている。QE3が必要になるということは、QE2が経済成長に効かなかったということでもある。

 FRB幹部は、国債大規模買い入れ策の効果とは、FRBが市場から買った国債を持ち続ける“ストック効果”にあると主張してきた。その観点でいうと、QE2は、今年6月末に終わるわけではない。購入された国債の残高は維持されるからだ。それでも米国経済が息切れするのだとしたら、QE3を導入しても効果はあるのか? という疑問がわいてくる。

 QE2でFRBが供給した資金の行き先を見ると、同政策とはじつはイリュージョンだったことがわかる。QE2で供給された資金のほとんどはニューヨーク連銀に開設された(米国における)外国銀行の口座で退蔵されている。彼らは、同連銀から0.25%の利息を得るためにそれを行っている。

次のページ>> あまりに無邪気過ぎるQE3待望論

 QE2の導入が、ドル安やインフレを投資家に想起させ、それによって投資家がポートフォリオを債券市場から株、コモディティ市場にリバランスさせた効果はあったと思われる。しかし、アナウンスメント効果を除くと、米経済に直接的に貢献した部分は限られる。マネーサプライの伸びは高くない。銀行の中小企業向け貸し出しは低迷。中小企業の雇用増加は米国の失業率低下に有効だが、そこへマネーが流れていっていない。

 一方で、FRBの多くの幹部は、QE2で膨張したFRBのバランスシートを正常化させる作業は容易ではないと警戒している。さらに、QE3でFRB資産がさらに大幅に膨張したら、正常化策はより難しくなり、将来のインフレ制御が困難になる恐れがある。

 D・ラックマン氏(アメリカンエンタープライズ研究所公共政策研究フェロー)は「財政状況を考慮しないでQE3を実施すれば、債務を利用して利益を得る巨大なネズミ講スキームがインフレをもたらすと、外国投資家は考えるかもしれない」と鋭く警告している(「フォーリン・アフェアーズ・リポート」2011年5月号)。

「QE2の次はQE3だ!」と提唱する人びとの考え方は、あまりに無邪気過ぎるように思われる。

(東短リサーチ取締役 加藤 出)


03. 2011年6月15日 18:28:14: Pj82T22SRI

http://jp.wsj.com/Economy/node_249680/?nid=NLM20110615
何が米経済の二番底を引き起こすか
2011年 6月 14日 15:20 JST
 相次ぐ米経済指標の悪化が二番底の前兆なのではないかと懸念する投資家には、良い知らせと悪い知らせがある。


 良い知らせというのは、米経済が低調な時でも、かなりの経済ショックが起こらなければ成長路線から外れる可能性は低いということである。悪い知らせは、現在の状況下では懸念すべき潜在的なショックが多いということだ。

 歴史もあまり慰めにはならない。1981年夏に、米経済は痛ましい二番底に陥った。それから30年。今も、米経済成長は著しく鈍化しており、同じ道をたどるリスクに直面している。

 エコノミストの多くは米経済の回復を見込んでおり、最近の景気低迷は、東日本大震災によるサプライチェーンの混乱、米南東部および中西部の悪天候と洪水、ここ数週間で落ち着きを見せ始めたガソリン価格の高騰、の3つによる一時的な鈍化だという。

 全米経済研究所(NBER)で景気循環日付委員会の委員長を務めるスタンフォード大学のロバート・ホール教授は、歴史的にみれば、現在のような景気減速局面でも非常に大きな経済ショックが起きない限り成長は続いていると話す。景気後退期の開始日と終了日を決定する同委員会によると、直近の不況は2007年12月から2009年6月までの期間だったという。ホール氏は、「米国を景気後退に陥れたショックはそれほど小さいものではなかった。かなりの誘発要因がなければ景気後退は起こらないだろう」と述べた。

 1981年の二番底入りは大きなショックが引き起こした。1980年の短い不景気の後、インフレが再燃したことを受けて、米連邦準備理事会(FRB)は短期金利を20%強まで引き上げた。すると、経済は一気に後退し、1930年代以降最悪の不況に陥った米国では、何百万人もの人が職を失うこととなった。


チャート

上:GDP成長率、中:雇用者数増減、下:インフレ率 (横軸起点は、赤線:1980年7月、緑線:1991年3月、青線:2001年11月、黄線:2009年6月)

 食品価格とエネルギー価格は急騰していても、1980年代初頭と比較すると今日のインフレ率はかなり低い。FRBは低金利を維持する意向のようで あり、6000億ドルの米国債買い入れプログラムは一部エコノミストが望むように延長せず今月で終了させるとみられるが、米経済の成長路線を狂わせるほど の影響はないだろう。

 しかし、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのエコノミスト、イーサン・ハリス氏は、米予算をめぐる攻防がFRBによる利上げと同様の影響をも たらす可能性があると指摘する。一方で、債務上限引き上げに向けた協議を続ける議会が合意に至らなければ、格付け会社のムーディーズとスタンダード・アン ド・プアーズが米国債の格付けを引き下げる可能性がある。そうなれば、金融市場が混乱し、企業の資金調達が困難になる。他方、財政再建を目指す議会が大幅 な歳出削減に踏み切り、景気減速に拍車をかけるかもしれない。

 ハリス氏は、長引く予算協議は景気悪化につながるとし、「早急に合意される必要がある」と警告した。

 米国以外からの経済ショックもリスクになる。例えば、中国経済の急激な減速は世界と米国の経済に打撃を与える。中国経済が最後に大きく鈍化したの はアジアやロシアの通貨危機の影響が残る1990年代末であった。その時の中国経済はイタリアほどの規模であったが、同国は今や米国に次ぐ世界第2位の経 済大国である。

 カリフォルニア大学サンディエゴ校のジェームズ・ハミルトン経済学教授は、「もし、中国経済が失速すれば、今まで経験したことのない打撃になる」と話す。

 そして、石油も忘れてはならない。原油価格は最近になって落ち着きをみせているが、北アフリカ・中東情勢不安は依然として続いており、一段の価格 上昇の可能性は排除できない。ハーバード大学のケン・ロゴフ経済学教授は、住宅バブル崩壊の打撃を受けた家計のバランスシートはまだ回復していないため、 消費者は「貯金を取り崩すというわけにもいかない」ため、エネルギー価格の高騰に対応できる余地は少ないと指摘する。 ロゴフ教授も二番底に陥る可能性は低いとみるエコノミストの1人だ。しかし、同氏の調査では金融危機後の経済成長は断続的になる傾向が示されてい る。その観点からすれば、最近の米経済指標の悪化は驚くべきことではなく、今後も同様の「ラフパッチ(困難な局面)」が訪れる可能性があると言えるだろ う。


04. 2011年6月15日 20:08:34: Pj82T22SRI
日経ビジネス オンライントップ>アジア・国際>ニュースを斬る
「狼が来る」がついに現実へ!?
中国の不動産バブル崩壊の兆し

2011年6月15日 水曜日
藤 和彦


中国経済はバブルか

 「バブルとは何か? それは弾けなければ分からない」と言われる。確かにバブルを定量的に定義することは困難だ――土地の価格がいくらになればバブルと呼ぶのか? しかし「使用価値ではなく、交換価値が主体となって動いている市場」を前提にすれば、現在の中国の不動産市場はバブルだと断言できる。その証拠に、中国政府が2010年9月、初期の不動産抑制策を打っている。個人が購入する3軒目の住宅に対してローン規制を行った。頭金として必要な額を20%から30%に引き上げた。

 なぜ、中国で不動産バブルが起きているのか?

 経済学では、不動産バブルの発生しやすさを「動学的非効率性」という概念を用いて説明する。「動学的に非効率性である」とは「名目成長率が名目利子率を上回る」経済状態のこと。投資が過剰になっていることを指す。このような状態では、生産設備拡大のために通常の投資をさらに行うよりも、いわゆるバブル資産に資金を投入したほうが投資家の利益になり得るため、不動産バブルが発生しやすいとされる。名目成長率が名目利子率を上回っている限り、バブルが続くのである。

 動学的な非効率性の条件から見て、中国の経済はどのような状態だろうか。

 バークレイ・キャピタルは「2008年に起きた金融危機への対策として中国政府は4兆元もの景気対策を打った。これが公共投資の浪費、効率低下を招いた」という見解を示している(英フィナンシャルタイムズ、6月7日)。政府部門を含め、中国全体が投資過剰状態にあることは間違いない。

 スイスのベルン新聞(5月27日付)によると、中国経済は名目成長率が20%前後であるのに対して名目利子率は約6%となっている。従って、リーマンショック後に発生した不動産バブルは、「名目成長率>名目利子率」という条件の下で続いてきた。この均衡状態が崩れて、「名目成長率<名目利子率」という状態になれば、バブルはいきなり崩壊してしまうだろう。

名目利子率が急騰し始めた

 中国は、高い成長率を長期にわたって続けているのに、なぜ低い利子率の状態を維持できるのだろうか? 長年にわたる超金融緩和政策がそのカギを握っている。

 人民銀行の呉暁霊元副総裁は2010年11月に発行された雑誌「中国経済週刊」のインタビューの中で「中国のマーシャルのk(GDPに対するマネーサプライの割合)は現在260%にまで膨張している。資産バブルとインフレの原因になっている」という注目すべき発言を行った。マーシャルのkは先進国では50〜100%が一般的だ。1980年代末の日本でさえ120%程度であったことを考えれば、260%という数字は異常である。

 同氏によれば、2009年末時点の中国のGDPは、1978年に比べて92倍に拡大した。この同じ期間にマネーサプライは705倍に拡大した。さらに、リーマンショック以降の2年間でマネーサプライは50%以上増加したという。

 これを受けて中央政府は2010年秋以降、引き締め政策に転じた。中国でインフレ傾向が顕著になってきたためだ。中国は現在も大きなインフレ圧力に直面している。GDPの規模で米国の2.5分の1にすぎない中国のマネーサプライは米国の1.2倍になっている。インフレ拡大が大規模な社会的対立につながるリスクを懸念してのことだ。しかし、一度発生した「インフレ期待」を抑え込むのは尋常な手段では不可能であろう。

 不動産開発会社に対する貸し出し抑制など、中国政府による度重なる不動産融資規制を受け、2011年5月下旬から、不動産開発会社の資金調達コストが高騰している。銀行からの借り入れが困難となった不動産各社は民間の信託会社から借り入れを行うようになった。その利息と手数料は借入額の最大25%に上っている(SankeiBiz、5月23日)。ちなみに人民銀行の1年物貸出基準金利は6.31%だ(同)。

 不動産開発業者は、海外から流入するホットマネー――外資系金融金からの融資――を「頼みの綱」にしている。だが、インフレを抑制するために人民元が大幅な切り上げに追い込まれれば、ホットマネーが流出に転ずる懸念がある。そうなれば調達金利は「青天井」のように急騰しかねない。

名目成長率が急激に減速

 世界経済の成長に減速感が出てきている中、中国は今後も高成長を享受できるだろうか?

 北京科学技術大学の趙暁教授は「21世紀経済報道」のインタビューに応えて「中国経済は過去30年で最大の転換期に直面している。高成長は持続できない」とコメントした(大紀元、5月12日)。このコメントを待つまでもなく、成長の急減速は現実性のあるシナリオになってきている。名目成長率は1ケタになる可能がある(2009年第1四半期の名目成長率は3.6%だった)。

 電力不足や借り入れコストの上昇のため、日本の鉱工業指数に当たるPMI製造業指数は2011年5月に低下している。市場関係者の間では、工業生産の今年の伸びは鈍化するとの見方が強まっている。

 不動産業界は、2011年の住宅販売額は前年比で約10%減少する可能性があると予測する(ブルームバーグ、5月31日)にもかかわらず、今年1〜4月の不動産関連固定資産投資額は前年比34%増である(サーチナ、5月11日)。従って、今後、住宅在庫が急増し建設活動を縮小せざるを得なくなるのは必至である。

 販売台数で世界一になった自動車市場も2カ月連続で前年割れとなった(時事通信、6月9日)。今年の自動車販売台数は前年比10%減になるとの暗い見通しも出ている(ブルームバーグ、5月26日)。

 以上、中国政府による金融引き締め策と、経済成長の鈍化により、中国経済は足下で「名目成長率<名目利子率」になっている可能性が高い。

巨大な不動産バブルの崩壊が始まった

 クレデイ・スイスによれば、中国全土の土地の平均取引価格は、4月に前月比32%下落した(大紀元、6月7日)。年初と比べて51%も下落しているという(同)。中国の民間シンクタンクも「中心都市の地価が4月に、前月と比べて18%下落した」との見解を示した(同)。 3月の北京の住宅価格は前年比10%下落している(サーチナ、4月12日)。6月9日付ウオール・ストリート・ジャーナルは「中国で不動産バブルの崩壊が始まった」と報じた。

 80年代末に起きた日本のバブル崩壊にならえば、全国の不動産価格は今後3年で半減する可能性がある。

 不動産バブル崩壊を念頭に置いてだろうか、英格付け会社フィッチは「中国の銀行の不良債権比率は30%に達する」との警告を発した(ブルームバーグ、4月13日)。

 「中国の不動産バブルがいきなり破裂しませんように」と祈っても、「狼少年の予言」は最後には現実のものになる。

 2012年に向けて中国は政治の季節に入った。北京の大学生の間で「ヒトラー待望論」――ヒットラーのような独裁者に出てきてほしい――が高まっているという(レコードチャイナ、5月29日)。ヒトラーの台頭を招いたワイマール期のドイツと現在の中国が、酷似しているからだそうだ。インフレ率が高い。国家的自尊心が傷つけられている――北京五輪やノーベル平和賞について、世界が人権問題で中国をことさら非難している。そして、世界中敵だらけ、と感じている。

 「中国にヒトラーのような独裁者が登場する」――この予言だけは、絶対に当たってほしくないものである。日本にとっても。世界経済にとっても。
このコラムについて
ニュースを斬る

日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、NBonline編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。

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著者プロフィール

藤 和彦(ふじ・かずひこ)

世界平和研究所主任研究員
1960年名古屋生まれ。
1984年に経済産業省(当時は通商産業省)入省、産業金融、通商政策、エネルギー、中小企業振興分野に携わった後、2003年から内閣官房へ出向(エコノミック・インテリジェンスを担当) 2011年4月より現職。


05. 2011年6月15日 20:09:18: Pj82T22SRI
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米5月小売売上高、11カ月ぶりに減少=東日本大震災の影響で
2011/06/15 (水) 18:30

−コア売上高、0.2%増と増勢維持−

【2011年6月15日(水)】 − 米商務省が14日発表した5月の小売売上高(季節・営業日調整後)は、主に、東日本大震災の影響で日本からの自動車・同部品の輸入減少で国内販売も減少したため、前月比0.2%減の3871億ドル(約30兆5000億円)と、前月(4月)まで続いていた10カ月連続増から一転して減少した。減少は昨年6月以来11カ月ぶり。

 しかし、減少幅は市場予想の同0.7%減を下回ったほか、自動車・同部品とガソリン、建築資材を除いた、いわゆるコアの小売売上高は同0.2%増と、昨年12月以来5カ月ぶりの低い伸びとなったものの、増勢を維持していることから、市場では景気が2番底に入る懸念は払しょくされたと見ている。ちなみに、コア売上高はGDPの計算に利用され、長期の個人消費の動向を見る上で有効とされている。

 最近の小売売上高の動きを見ると、ガソリン価格の高騰による堅調なガソリン販売に支えられて、2月は前月比1.3%増と、4カ月ぶりの大幅増となったが、そのあと、3月は同0.7%増、4月は同0.3%増、そして今回の0.2%減と、伸びが急速に鈍化しており、景気回復の勢いがなくなってきている。

 また、月によって変動が激しい自動車・同部品を除いた売上高は同0.3%増と、11カ月連続で増加しているものの、伸び率は2月と3月が同率の同1.2%増となったあと、4月は同0.5%増と、伸びが急減速している。ただ、5月は市場予想の同0.2%増を上回った。

 このように、自動車・同部品を除いた売上高が全体の伸びを大幅に上回ったのは、裏を返せば、いかに自動車・同部品が消費者の買い控えで低調だったかを示す。実際、5月の自動車・同部品は同2.9%と、3カ月連続の減少となっている。

 今年1月から社会保障税の税率が今年1年間だけの条件で2%引き下げられ、消費者に資金的余裕ができたが、消費者は依然、ショッピングには慎重で思ったほど減税効果は上がっていない。これは最近のガソリンや食品の価格上昇や依然高水準の失業率、さらには、住宅市場の低迷で、せっかく減税で浮いた余裕資金も貯蓄に回されて買い控えが強まっていると見られ、今後、消費の伸びは昨年末よりも鈍化する可能性があると見られている。

 また、前月の伸び率は前回発表時の前月比0.5%増から今回の発表では同0.3%増に、また、前々月(3月)も同0.9%増から同0.7%増にそれぞれ下方改定された。

■株式市場、上昇=個人消費の"踏ん張り"を好感

 5月の弱い小売り統計の結果にもかかわらず、14日のニューヨーク株式市場は堅調となった。これは、小売統計が市場予想ほど悪くならず、リセッション(景気失速)懸念が払しょくされたことが好感されたため。個人消費は踏みとどまっていることが確認されたとして、百貨店などの小売りセクターが買われ、ダウ工業株30種平均は、前日比123.14ドル(1%)高の1万2076.11ドルで引けている。

 一方、ニューヨーク外為市場では、株式市場の上昇でリスク投資意欲が高まり、ドル・キャリートレード(低金利のドルで資金調達し、高金利の他国通貨に投資する手法)が活発化する中、ドルはユーロと円などの主要通貨バスケットに対し、前日の74.501から74.354に下落した。

 他方、債券市場では10年国債が売られ、債券価格と反対方向に動く利回りは前日比11ベーシスポイント(0.11%)上昇の3.10%と、5月末以来の高水準にまで上昇している。

■自動車・同部品は2.9%減=ガソリンスタンド、0.3%増

 5月の小売売上高の内訳は、全13業種中、7業種が増加した一方で、自動車・同部品や家具、家電、食料品、スポーツ用品・趣味、一般小売(百貨店・スーパーなど)の6業種が減少した。特に、減少に大きく寄与したのは、月ごとに変動が激しい自動車・同部品だ。

 自動車・同部品は前月比2.9%減と、昨年2月以来1年3カ月ぶりの低い伸びとなり、4月の同0.7%減(改定前0.2%増)に続いて、3カ月連続の減少となった。このうち、自動車ディーラーも同3.2%減と、前月の同0.7%減(改定前0.4%増)の4倍以上に減少幅が拡大、3カ月連続の減少となっている。

 米調査会社オートデータが1日発表した5月の米新車販売台数は、前年比3.7%減の106万1719台と、昨年8月以来9カ月ぶりに減少に転じ、新車販売に陰りが出始めた。

 新車販売が減少に転じたのは、3月に起きた東日本太平洋沖地震と巨大津波の影響で、日本からの自動車・同部品の輸入が滞って生産・販売がともに減少したという一時的要因のほかに、ガソリン価格がレギュラーで1ガロン4ドル近くまで上昇したことによる買い控えで、日本の大手3社(トヨタ、ホンダ、日産)が前年割れとなったことが大きい。

 これは季節調整済みの年率換算1180万台で、前月の1317万台を大幅に下回った。1200万台割れは昨年秋以来で、自動車市場に陰りが見えてきている。なお、新車販売台数には小売統計には含まれない法人企業向けの台数が含まれる。

 ガソリンスタンドの売り上げは前月比0.3%増と、前月の同1.4%増(改定前2.7%増)から大幅に伸びが減速した。しかし、前年比は22.3%増(4月は199%増)と、依然高水準。ガソリンを除いた小売売上高は同0.3%減と、全体の減少幅を上回っており、ガソリン販売が依然、小売りを下支えしている。ちなみに、自動車・同部品とガソリンを除いた小売売上高は同0.3%増となっている。

 これは、主にガソリン価格の上昇ペースは緩んだためだが、消費者にとっては依然、今後の消費マインドに悪影響を与えるのは必至だ。

 EIA(米エネルギー情報局)によると、5月30日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は1ガロン当たり3.794ドルで、5月9日時点の3.965ドルから4.3%低下している。しかし、1月31日時点の3.101ドルからは22%も上昇している。最新の6月13日時点のデータでは3.713ドルと、低下傾向にある。

■消費者信頼感指数、まちまち=ガソリン価格の見通しめぐり

 5月27日に発表された5月のミシガン大消費者信頼感指数の確報値は74.3と、前月(4月)の69.8を上回り、2カ月連続で改善した。これは5月に入ってガソリン価格が緩やかながら低下したことによると見られる。ただ、依然として、ガソリン急騰前の2月の77.5を下回っている。

 対照的に、コンファレンス・ボード(全米産業審議会)が5月31日に発表した5月の消費者信頼感指数は前月の66.0から60.8と、半年ぶりの低水準にまで低下、2月の72.0を依然大幅に下回っている。両指数が正反対の結果になったのは、コンファレンス・ボードの指数では、ガソリン価格の上昇は一時的とは判断していないためと見られている。

■百貨店、前月比0.7%減=前月は横ばい

 個人消費を見る上で重要な百貨店の5月の売上高は、前月比0.7%減の154億ドル(約1兆2400億円)と、前月の横ばい(改定前0.2%減)から減少に転じた。

 前年比も0.5%減と、依然、前年水準を下回っている。また、これらの数値はいずれも季節・営業日調整値だが、調整前では前月比0.5%増(前年比3.1%減)の146億ドル(約1兆1800億円)と、堅調となっている。

 また、百貨店にスーパーなど量販店を加えた一般小売販売も前月比0.1%減と、4月の同0.6%増から減少に転じた。前年比は4.1%増だった。調整前では前月比2.7%増、前年比は2.6%増となっている。

 一方、ICSC(ショッピングセンター国際評議会)が2日発表した5月の米小売各社の既存店売上高指数は、前年比5.4%上昇(小売大手ウォルマート・ストアーズは除く)と、18カ月連続の上昇となったが、4月の同8.5%上昇を大幅に下回り、昨年11月の5.4%上昇と一致。持ち直すかに見えた消費は伸びが鈍化している。5月の同指数は百貨店や量販店、ドラッグストア、衣料品店の主要27社の売上高で構成。

 内訳は、百貨店が前年比4.2%上昇と、前月の8.9%上昇から伸びが鈍化した一方で、高級品店は同10.4%上昇(前月7.4%上昇)と、伸びが加速した。衣料品店は同1.0%上昇(同11.9%上昇)、ドラッグストアも同1.3%上昇(同2.7%上昇)となったほか、ディスカウントストアも同2.6%上昇(同10.9%上昇)と、伸びが大幅に減速している。

 ICSCの主席エコノミスト、マイケル・ニーミラ氏は、今年はイースター休暇のバーゲンセールが例年より遅れたため、4月の売り上げが急伸したが、いずれガソリン価格の上昇による消費抑制を考えると、3‐4%の上昇に戻ると見ている。

■スポーツ・趣味、0.4%減=家電も1.3%減

 他のセクターでは、耐久財セクターは、家電が前月比1.3%減(4月は同1.2%減)、家具も同0.7%減(同1.2%減)と、依然として低迷する一方で、住宅資材・園芸用品店は同1.2%増(同0.5%増)と、増勢を維持した。

 一方、非耐久財セクターでは、オンラインショッピングは同1.2%増(同1.3%増)、衣料品も同0.2%増(同0.1%増)、その他小売りも同1.2%増(同1.3%増)と、増勢を維持した。レストランは同0.6%増(同0.8%減)、ヘルス・パーソナルケアも同0.8%増(同1.0%減)と、増加に転じている。スポーツ・趣味・書籍・音楽は同0.4%減(同0.3%減)と、減少が続いている。食料品は同0.5%減(同1.2%増)だった。 (了)


06. 2011年6月15日 21:30:03: Pj82T22SRI
http://www.dir.co.jp/souken/asia/asian_insight/110614.html
中国の「不動産バブル」はどの程度なのか?
 
常務理事 金森俊樹 [プロフィール]
(事実上、庶民は家を買えない)
近年の中国における不動産価格の高騰を「バブル(泡沫)」と呼ぶべきかどうか、中国国内でも完全に意見の一致をみているわけではないようだが、経済全体のパフォーマンスやその他の経済指標との関係で、正当化し難い伸びを示しているという点は疑いなく、庶民の怨嗟の的となっている。価格の上昇は、特に都市部で著しい。実態を示すまとまった公式統計が少ないが (※1)、“一线城市的房产泡沫严重”中国发展观察 2011年 6期によると、2008年11月から2011年5月までのわずか2年半の間に、1平方メートル当り売買価格はおよそ、北京で12,000元から25,100元、上海14,800元から24,000元、深圳9,500元から17,500元、広州6,800元から13,500元へと、60−110%程度の高い上昇率となっている。北京中心部では現在、1平方メートル3万元程度、広さ百平方メートルのアパートが3百万元(日本円で4千万円程度)するという。北京市の統計によると、同市給与所得者の平均年収は、2010年約5万元、仮に住宅購入を考えている層の貯蓄率は平均より高いと想定し、60%と高めに見積もっても(中国統計年鑑から得られる都市住民の平均貯蓄性向約30%の倍の貯蓄率を想定)、百平方メートルのアパートを買うのにちょうど100年(3百万元を5万元の60%で割ったもの)かかる。中国では共働きが多いが、その場合でも50年かかることになる。平均年収は、一部の富裕層によって引き上げられている面があり、所得分布の形状はどちらかと言えば、正規分布ではなく対数正規分布に近い可能性が高く(平均より下に分布の山がある)、そうであれば大半の人口は平均年収以下で、100年(あるいは50年)以上の年数がかかる計算になる。
(現在の価格は適正価格の3倍をはるかに超える)
それでは、他の経済指標との関係で見ると、不動産売買価格はどの程度過大評価になっているのか?上記、“中国发展观察”で社会科学院趙教授が行っている試算がひとつの参考になる。いわば生活感覚からのアプローチである。手掛りとして、アパートの賃貸料を見る。賃貸料は、実際のアパート需要を反映してか、売買価格ほどは高くなっていないようである。北京中心部の月家賃は、1平方メートル当りおおむね40−60元、平均で見ると、3百万元で購入した広さ百平方メートルの物件を、年約6万元(月平均5千元×12ヶ月)で貸せる(これでも、上記平均年収5万元では借りられない)。売買価格(3百万元)/年賃貸収入(6万元)比は50であり、およそ50年で回収、即ち年2%の回収率ということになる。実際には諸経費がかかり、また借主が見つからず空き家になる場合があることも考慮すると、年賃貸収入はもっと下がり、仮に1割減とすると5.4万元(6万元×90%)である。現在、銀行の1年定期預金利率は3.25%(昨年10月以降、4回目となる4月の利上げ後の水準)、であり、5.4万元の利息を預金で得るためには166万元(5.4万元÷3.25%)しか必要ない。言い換えれば、3百万元という不動産価格は、ちょうど80%(3百万元÷166万元)あまり過大評価されている計算になる。実際には、1年定期預金よりリスクの高い投資機会があり(たとえば5年の定期預金金利でも5.25%)、また住宅ローン利子の機会費用も考慮する必要があるため、この「80%」という数値は、過大評価率としては最も低い推計値である。3百万元の30%を自己資金、残りを5年以上のローン(6.8%、4月の利上げ後の金利水準)で賄ったとすると、自己資金分90万元にかかる1年定期預金利子は2.9万元、残り210万元にかかるローン利子は14.3万元、計17.2万元となり、年賃貸収入5.4万元の3.2倍となる。こうした金利水準自体、インフレとの関係では実質マイナス金利で適正水準ではなく、これを是正するためにはもっと金利を引き上げるべきとの議論も強い。そうなると、この計算での過大評価の程度はさらに大きくなる。何れにせよ、不動産を購入するコストが、購入後、貸すことによって得られる家賃収入をはるかに超えているわけで、不動産価格は優に3倍以上の過大評価となっているとも言い換えられる。仮にこの過大評価分が是正されると、共働きの世帯で、必死に貯蓄をして、なんとか15年程度で家が買える程度にまで事態が改善する (※2)。
(不均衡を是正する裁定が働かず)
本来であれば、市場メカニズムを通じる裁定によって、こうした不均衡は早晩是正されるはずである。たとえば、人々は、不動産を購入するのは割高で、アパートを借りて家賃を支払った方が得であると考え、不動産の購入需要が減少する一方、賃貸市場の需給が逼迫する。その結果、売買価格は低下する一方、賃貸料は上昇し、現在のような不動産の取得と賃貸費用の不均衡は解消される。しかし中国では、よく指摘されるように、住宅を「取得」することに対し特別の思い入れがあり、家を購入することと、借りて住むこととは全く別のものという意識が強い。また実際に住むという実需はなくとも、不動産価格が今後も上昇すると見込めば、短期的には不動産を取得する機会費用は大きいとしても、中長期的には大きなキャピタル・ゲインが期待できるという読みもあって、上述したような形での市場の裁定は働かず、他の経済指標からかけ離れた不動産価格になっている。そして、そうした不動産価格の上昇を可能にしてきたマクロ的な背景が、2008年の世界的金融危機以降採られた金融緩和政策、過剰な人民元供給ということになる。昨年来採られてきた不動産投機抑制策、金融引締めの効果もあり、2011年に入り、新築住宅販売価格の上昇率はやや落ち着きを見せてきたが、ここへ来てまた反転の兆しが見られる。マクロ的には、「バブル」が破裂して、ハードランディングするよりは良いかもしれないが、高止まり(居高不下)のままでは、一般庶民の不満は解消しまい。
(※1)関連組織のサイトを調べた限りでは、たとえば北京市や上海市の統計局統計年鑑は、「居住用土地交易価格指数」、「房屋(住宅)租賃(賃貸)価格指数」を発表しているが、前者は、開発業者が住宅開発をするために土地使用権を購入した価格とされている。統計指標の解説欄には、「房屋销售(販売)価格指数」があり、これが開発後の住宅の実際の売買価格になるが、同指数の統計数値は年鑑には見当たらない。販売価格については、国家発展改革委員会や国家統計局が月ベースで発表している「全国70大中城市房屋销售価格指数」がある。北京・上海両市の統計年鑑によると(参考1)、租賃指数は上海で緩やか上昇しているが、北京ではむしろ下落、土地交易指数は北京、上海ともおおむね上昇しているが、販売価格の方は、本文に示したように、はるかに大きな上昇を示しており、開発業者が大きな利益を享受している構図が浮かび上がる。なお、主要都市の新築住宅販売価格の騰勢は、2011年に入ってからはやや一服感が見られる(参考2)。
(参考1)
(注)北京の租賃価格指数は1998年を100、それ以外は2000年を100とした指数。
(資料)北京市統計局・上海市統計局 統計年鑑
(参考2)
(資料)国家発展改革委員会・国家統計局「全国70大中城市房屋销售価格指数」
(※2)こうした試算はあくまでひとつのアプローチであり、定期預金金利がゼロに近く、また金融資産も多様化している日本について、同様の計算をすると異常な値となり、必ずしも適当でない。ただ、たとえば次のような、おおまかな計算はできる。即ち、6千万円のマンションを、自己資金2千万円、住宅ローン(金利3−5%)4千万円で購入し、月家賃15万円で貸すという標準的なケースを想定した場合、年家賃収入は180万円、他方、住宅ローン金利は年120−200万円、自己資金に相当する機会コストを、定期預金金利で計算するとほぼゼロとなり、マンションを購入するコストと、購入後得られる家賃収入が、ほぼ見合う形となる。
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07. 2011年6月15日 21:35:07: Pj82T22SRI
中国はすでにピークに達したのか?労働コストの上昇は衝撃
http://www.us.kpmg.com/jnet/Japanese/Index.asp
*この記事は、「High Growth Markets magazine(2011年4月号)」の許可を得て翻訳したものです。
以下は、ジャミール・アンダーリーニ(北京在住のビジネス・エディター)によるレポートです。
1億5千万人を超す中国人が地方から工場へと移動しましたが、かつては無尽蔵と言われた地方労働者がついに枯渇し始めました。賃金の上昇や製造拠点の移転が始まり、「中国価格」は間もなく過去のものになろうとしています。
2010年は、一見限りなくあると思われていた安価でそこそこ技能がある中国の労働者が枯渇し始め、世界の工場としての中国の役割が初めて疑問視さ れることとなった年として記憶に残るでしょう。昨年の5月から、中国南部にある日系自動車製造工場において、労働環境の改善と賃金50%以上の値上げを求 める労働者ストが次々に発生し、注目を集めました。ホンダをはじめとする自動車メーカーは、中国国内における自動車組立工場での製造活動の一時中断を余儀 なくされ、最終的に30%あるいはそれ以上の賃上げに合意することとなりました。
また2010年には、世界最大の電子機器受託生産企業であり、アップル、デル、ヒューレット・パッカードなどを顧客に持つフォックスコンで起こった 労働問題も大きな注目を集めました。フォックスコンの深セン工場(400,000人超の従業員が実質的に自給自足型のコミュニティの中で生活している)で 自殺者が相次いだことがメディアの注目を集め、その後フォックスコンは一連の賃上げに合意しました。一方、大きくニュースで取り上げられることなく行われ ていたのは、中国の各地方政府による法定最低賃金の値上げであり、一部地域では40%もの賃上げが行われました。
主に珠江デルタ等の沿海部の製造工場地帯における労働コストの急上昇を受け、多くのエコノミストは、中国は「ルイスの転換点(農業部門の余剰労働力の減少により、工業部門労働者の大幅な賃金上昇が始まる分岐点)」を超えた、あるいは超える日が近いという結論に至りました。
中国社会科学院の人口労働経済研究所所長のツァイ・ファン氏によれば、出稼ぎ労働者の賃金上昇率は、10年程前では2〜5%、2004年から 2007年では約7%であったのに対し、2009年には16%にまで上昇し、昨年はそれをさらに上回っていると予想されるとのことです。
世界で最も人口の多い国での労働力不足というのは奇妙な響きですが、現在、世界中の経営陣の間では、中国の経済成長モデルの終焉を示唆する現象として議論されています。
かつて「無尽蔵」と言われた中国の安価で柔軟な労働力が、枯渇しつつある最も重要な原因は人口構成です。過去20年にわたる強固な経済成長と都市部 での雇用創出により、約1億5千万人もの地方労働者が、工場、建設現場、サービス業などで働くために都市部へと移動しました。1970年代後半に導入され た一人っ子政策の影響で、今後10年間で中国の人口は急速に高齢化が進むため、労働供給量がピークに達し、労働需要が供給を17.6百万人(日本の労働人 口の約3分の1)上回ることが予想される2017年までに、中国が豊かな国へ成長することが可能かどうかを、多くのエコノミストは疑問視しています。クレ ディ・スイスのチーフ・エコノミストであるドン・タオ氏は、「中国は現在歴史的な転換点に立っている。世界の工場としての中国の最良の時は過ぎ去り、また グローバル・ディスインフレのアンカーとしての最良の時も過ぎ去った」と述べています。
中国政府の国勢調査データによると、一人っ子政策の影響で製造業がもっとも必要とする年代である20代から30代の人口数はすでに減少傾向にあります。
都市部の労働力となりうる新しい出稼ぎ労働者の減少には、中国政府の方針も大きく関係しています。政府による農業及び地方インフラへの投資の拡大や 社会福祉制度の改善により、工場での重労働の魅力が減少しています。また中国の戸籍制度である「フコウ」の下では、地方出身の出稼ぎ労働者は都市部で永住 権を取得することが認められていないため、彼らは都市部に移った場合に様々な社会福祉や社会保険制度を受けることができなくなります。
ミシガン大学の政治学の准教授で「Contagious Capitalism: Globalization and the Politics of Labor in China」の著者でもあるメアリー・ギャラガー氏は、中国の出稼ぎ労働者は、その数が減少しているだけではなく、これまでより要求が多く、自身の権利に 対する意識も強く持ち、近代化の進む都市部で二流市民と扱われる不平等な待遇や機会に対して敏感になってきていると述べています。すなわち、一人っ子とし て育てられた現代の「小さな皇帝」の世代は、彼らの親の世代のような「苦しい生活」を容易に受け入れることはしないのです。
かつて、地方労働者にとって地方での貧しい生活から抜け出す唯一の方法は沿海部の産業地区への出稼ぎでしたが、今ではその地方労働者を獲得するため に工場は高い賃金を支払う必要があります。クレディ・スイスは、出稼ぎ労働者の賃金は2010年に平均30〜40%上昇しており、今後3〜5年間は毎年 20〜30%上昇すると見積っています。中国政府もこの賃金上昇の流れを後押ししており、意識的に賃金上昇のための決断を行っています。その結果、インフ レ圧力が高まり、世界の製造拠点としての中国の将来的な競争力は低下しますが、その一方で、国内需要を高め、GDPに占める労働所得の比率が21年間連続 して下落している中、より公平な所得分配が実現され得るとしています。
北京大学及び中国社会科学院の経済学の教授であり、中国人民銀行金融政策委員会の元メンバーであるファン・ギャン氏は、中国政府の最近の姿勢につい て以下のように要約しています。「安価な労働力は、過去30年にわたる高い成長率をもたらすための重要な要素であったが、その一方で、特に近年における深 刻な所得格差をもたらすことにもなった。この不平等な状態が長引き格差が拡大した場合、成長が妨げられ競争力を失うという社会危機につながりかねない。」 「中国はそのようなシナリオを回避しなければならないが、もし、より有意義な方法での賃金上昇が可能であれば、それは経済発展が次のステージに到達したこ とを意味し、所得格差は縮小するであろう。」
格安な労働力が歴史的な終焉を迎え、多くのグローバル企業のみならず一部の中国の大企業までもが、現在中国沿海部の製造工場地帯に集中している製造 活動の代替策を検討することが求められています。日本の製造メーカーを対象とした日本国際協力銀行の調査によると、今後10年間の海外投資先として最も魅 力的な国は、中国に比べて年齢層のより低い(そして比較的より貧しい)人口を抱えるインドが中国を抜いてトップとなりました。この調査において1992年 からトップの座を維持してきた中国が順位を下げたのは、長年にわたる中国と日本政府間の緊張関係が一部影響したものの、労働コストの上昇が最大の原因でし た。
北京のグローバル企業の幹部らは、中国に製造工場を建設することに全力を注いできた従来の戦略は、より分散化した地域戦略アプローチに置き換えられ ていると述べています。中国政府との関係に影響を及ぼしたくないとの理由から、匿名を希望するある中国のグローバル企業のCEOは「中国のバスケットに卵 を全部放り込む戦略から、アジア全域により均等に分配する方法へ変更した。」と述べています。昨年、グローバル企業の幹部を対象としたコロンビア・ビジネ ス・スクールの調査によると、中国の成長率は今後10年間で現在の9〜10%から6%程度にまで低下する可能性があるとの結果が示され、その理由として労 働コストの上昇、汚職、インフレなどが挙げられました。
しかし、これらの状況は中国が世界の製造を一手に担っているという現状がすぐに終焉を迎えるということではありません。北京駐在のグローバル企業の 幹部は、近年の賃金上昇を考慮しても中国の労働コストは世界の水準と比しても依然低水準であるため、中国にある工場を今すぐ他国へ移転することはないと指 摘しています。また交通渋滞や老朽化した鉄道網が経済成長の大きな妨げとなっているとされるインドなどに比べ、中国の比較的高水準のインフラもまた大きな 魅力となっています。コロンビア・ビジネス・スクールの調査によると、インドは今後中国をしのぐ勢いで成長すると見込まれるものの、その成長は粗末なイン フラ、汚職、非効率な政府による制約を受けるだろうとしています。
インド及び他の開発途上国では、教育制度が十分に整備されていないため、若い世代が生産的な労働力に必要な十分な技術を身につけることができずに、 経済が比較優位性を失うのではないかと懸念されています。「単に中国の名目賃金が上がって行くということだけではなく、ベトナム、バングラデシュやモザン ビーク等の賃金が中国に比べてより効率的であると判断しない限りは、企業が中国から離れることはないだろう。」とファン教授は述べています。「現状では、 一般的にそのような状況にはなっておらず、今後10年もしくは20年程は、賃金上昇が中国の競争力を脅かすことはないだろう。」とも述べています。多くの 国内及びグローバル企業は、中国から離れるのではなく、その製造活動を沿海部から賃金がより安く豊富な地域へと移転しています。iPhoneやiPadを 製造しているフォックスコンはすでに、中国中央部の鄭州に新たに工場を建設し、200,000人を雇用する予定であることを発表しています。キャピタル・ エコノミクスのシニア・チャイナ・エコノミストのマーク・ウィリアムス氏は「実際には、労働者ではなく企業が移動している。」「その背景は、沿海部の労働 コストの上昇という原因だけではなく、今後GDPに占める消費の割合が伸び始めた場合、成長につながる大きなチャンスは急速に発展する内陸部の市場に多く 存在することとなるため、企業にとってはその周辺に拠点を置くことが合理的であるという誘因もある。」と述べています。これは中国政府が、経済の安定化を 図り拡大する所得格差に対応するための計画の一部として、賃金上昇を容認していることの説明にもなります。
今年を初年度とする中国の最新の五ヶ年計画に掲げられている目標は、国内製造業の技術力を向上させ、企業のハイテク製品の製造(理想的には中国の知的財産を含むもの)を促進するというものですが、上記の戦略はこの目標に即したものとなっています。
エコノミストは、中国は、税金の還付や通関手続等の行政面の効率性、また道路、鉄道、港湾等のインフラ面の観点から、当面は他の開発途上国の追随を 許さないだろうと考えています。加えて、賃金上昇に伴う消費の拡大により中国国内市場の魅力は増大し、企業の製造活動を中国に引き留めておくための大きな 要因となることが予想されます。
珠江及び長江デルタにある従来の製造工場では、多くのハイテク製品の製造やR&Dへの資金投入が始まっており、製造価値の高い製品への推移 が顕著になっています。アナリストは、賃金上昇の新時代の最たる勝者は、観光、オンライン・ショッピング、ヘルスケア、金融等のサービス産業であると考え ています。
一方で、格安消費財の「中国価格」に慣れ親しんできた世界にとっては、中国の労働コストの上昇は衝撃をもたらす可能性があります。
以前はモルガン・スタンレーの中国担当で現在はフリーエコノミストであるアンディ・シェ氏が10年前に見出した法則は、「中国が買う物の価格は上昇 し、中国が売る物の価格は下落する。」というものでしたが、シェ氏は最近以下のようにその内容を変更しています。「中国の工場労働者の賃金は今後10年間 で4倍に跳ね上がり、中国が売る物の価格も上昇する。」
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08. 2011年6月16日 02:16:50: Pj82T22SRI
>>08 5月の米コアCPIは前月比0.3%上昇、08年7月以来の大幅な伸び
2011年 06月 16日 00:57 JST

 6月15日、米労働省が発表した5月のCPI統計によると、食品・エネルギーを除いたコア指数が前月から0.3%上昇した。前月比での上昇率としては2008年7月以来の大きさとなる。写真は2003年4月、ワシントンで(2011年 ロイター/Kevin Lamarque)

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 [ワシントン 15日 ロイター] 米労働省が15日発表した5月の消費者物価指数(CPI)統計によると、食品・エネルギーを除いたコア指数が前月から0.3%上昇した。予想の0.2%上昇を上回り、前月比での上昇率としては2008年7月以来の大きさとなった。

 主に自動車と衣類の価格上昇により押し上げられ、4月の0.2%から加速した。

 前年同月比では1.5%上昇と、2010年1月以来の大きさとなった。4月は1.3%上昇していた。 

 総合指数は前月比0.2%上昇。ガソリン価格の低下を受け、前月の0.4%上昇から減速したものの、市場予想の0.1%上昇は上回った。

 前年同月比では3.6%上昇。予想の3.4%上昇を上回り、2008年10月以来の上昇率となった。

 ガソリンは2.0%低下。4月は3.3%上昇していた。食品は前月と並ぶ0.4%上昇となった。 米連邦準備理事会(FRB)が金融政策の指針として注視しているコア指数は、主に家賃・宿泊費、新車、中古トラック、医療の各部門の上昇で押し上げられた。

 コア指数の約40%を占める家賃・宿泊費は前月比0.2%上昇。4月の0.1%上昇から加速した。

 新車は1.1%上昇し、2009年10月以来の大きさとなった。日本の震災を受け自動車部品の供給が滞り、新車の供給台数が減少したことが影響したとみられる。4月は0.7%上昇していた。

 衣類は1.2%上昇し、2009年2月以来の大幅な上昇率。前月の0.2%上昇から加速した。  

 5月の実質所得は、季節調整済みの前月比で0.1%増、前年同月比で1.0%減となった。


09. 2011年6月16日 02:20:23: Pj82T22SRI
>>09 予想通り、中国、再び買い越し

4月対米証券投資、長期有価証券の買い越し額が5カ月ぶりに増加
2011年 06月 16日 00:52 JST

 6月15日、米財務省は4月の海外投資家による対米証券投資が682億ドルの買い越しとなったと発表。前月の1271億ドルから減少した。写真は2009年11月、米コロラド州で (2011年 ロイター/Rick Wilking)

 [ニューヨーク 15日 ロイター] 米財務省が15日発表した4月の海外投資家による対米証券投資は682億ドルの買い越しとなり、前月の1271億ドル(改定値)から買い越し額が減少した。

 一方、株式スワップなどを除く長期有価証券の買い越し額は306億ドルと、昨年11月以来5カ月ぶりに増加に転じた。

 財務省証券は233億ドルの買い越しとなり、買い越し額は前月から34億ドル減少した。民間投資家による売却を背景に、5カ月連続の減少となった。

 外国中銀を含む公的機関による財務省証券の買い越し額は244億ドルで、単月の買い越し額としては年初来で最高となった。ここ数カ月間では公的機関よりも民間投資家が安定した財務省証券の買い手となっていた。

 最大の財務省証券保有国である中国の総保有額は76億ドル増加し1兆1530億ドルだった。

 一部アナリストの間では、民間部門の財務省証券に対する需要低下は、米国の財政問題への懸念を反映している可能性があるとの見方が出ている。

 バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は「米財政赤字をめぐる懸念が高まっていることで、海外投資家は長期財務省証券を売却し、短期証券などを購入しているようだ」と話した。

 米政策金利が低水準に据え置かれ、株式の投資妙味が増していることを背景に、株式投資は178億ドルの買い越しと、前月から増加した。このうち民間投資家の買い越し額は166億ドルを占めている。

 米国内投資家の海外株式投資は129億ドルの買い越しとなっている。


10. 2011年6月16日 02:22:05: Pj82T22SRI
>>10 米不動産価格の下落で銀行は損失続く恐れ−FRBのフォーリー氏 
  6月15日(ブルームバーグ):不動産価格の下落は住宅ローンや住宅担保ローン、商業用不動産ローンを手掛ける銀行にとって新たな脅威だと、米連邦準備制度理事会(FRB)の銀行監督部門のシニア・アソシエートディレクター、マイケル・フォーリー氏が指摘した。

  同氏は15日、上院銀行委員会の小委員会で証言。事前原稿によると、「居住用および商業用不動産の価格にはなおも下押し圧力が見られ、銀行が準備金を高い水準で維持していることは、これらのセクターにとって引き続き適切と思われる。不動産市場が依然低迷しているため、銀行は今後も損失を被るとわれわれは予想している」と述べた。

  また、「損失を迅速かつ確実に認識し、また十分な準備金および資本水準をしっかり維持するため、銀行は強力な措置を講じる必要がある」と指摘した。

  このほかフォーリー氏は金融規制改革法(ドッド・フランク法)について、主に資産規模が500億ドル(約4兆300億円)超の金融機関に的を絞っているとした上で、あらゆる規模の金融機関が同法は負担だと主張していることをFRBの監督当局者らは「認識している」と説明した。

  さらに、「中小の金融機関も組織内において十分リスクを測り、注視し、コントロールすることを求められているが、現行のリスク管理構造が十分しっかりしたものだと仮定すれば、必ずしも追加のコスト負担が必要になることはない」と加えた。

記事に関する記者への問い合わせ先:Joshua Zumbrun in Washingtont ;

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Christopher Wellisz at cwellisz@bloomberg.net;
更新日時: 2011/06/16 01:25 JST


11. 2011年6月16日 02:23:06: Pj82T22SRI
NY連銀製造業景況指数:6月はマイナス7.8、受注・出荷も水面下(1) 
  6月15日(ブルームバーグ):6月のニューヨーク連銀管轄地区の製造業活動は、市場予想に反して縮小した。

ニューヨーク連銀が発表した6月の同地区の製造業景況指数はマイナス7.8と、昨年11月以来の低水準。前月は11.9。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は12だった。同指数ではゼロが景況の拡大と縮小の境目を示す。

項目別に見ると、新規受注はマイナス3.6と、前月の17.2から低下。出荷もマイナス8(前月25.8)へ落ち込んだ。

雇用指数は10.2(前月24.7)に低下。先行指標となる週平均労働時間はマイナス2.0(前月23.7)に落ち込んだ。仕入れ価格指数と販売価格指数はいずれも前月から低下した。

記事に関する記者への問い合わせ先:Shobhana Chandra in Washington schandra1@bloomberg.net 


12. 2011年6月16日 23:00:39: Pj82T22SRI
中国の4月の米国債保有、半年ぶりに増加−FRBのQE2完了控え 
  6月16日(ブルームバーグ):米国債の保有で海外勢最大の中国は、4月の米国債保有額が半年ぶりに増えた。経済指標の弱さのほか、米連邦準備制度理事会(FRB)が6000億ドル(約49兆円)の国債購入プログラムを延長しないことを示唆したことが背景にある。

  米財務省が15日発表した対米証券投資統計によると、中国の4月の中・長期米国債保有額は0.8%増加し1兆1490億ドルと、昨年12月の1兆1450億ドルを抜いて過去最高となった。償還期間1年以下の短期債の保有額は32%減少し39億ドルと、2004年4月以来最低だった。

  中国はドイツ、ブラジルの当局者と共に、FRBが昨年11月に量的緩和策第2弾(QE2)として米国債購入計画を発表した際に批判的な姿勢を示し、同計画がインフレを誘発しドル建て資産の価値が損なわれかねないと指摘していた。FRBは今月、QE2を完了する。

  UBSの金利戦略責任者、クリス・アーレンズ氏は「中国はQEの開始時や、米経済の足元が良くなりつつあるように見え多少のインフレ懸念があった時期に、一歩引いていたと推論できるかもしれない」と指摘した。

記事についての記者への問い合わせ先:Daniel Kruger in New York at dkruger1@bloomberg.net

記事に関するエディターへの問い合わせ先:Dave Liedtka at dliedtka@bloomberg.net 


13. 2011年6月17日 13:32:41: Pj82T22SRI
>>13 中国の奇跡が抱える3つの矛盾
http://jp.wsj.com/Economy/node_250732/?nid=NLM20110617

Capital―経済コラム

2011年 6月 16日 18:26 JST 
 中国が「経済の奇跡」であるのは紛れもない事実だ。中国は、対外開放政策を始めて以来、国民の生活水準を10年ごとに倍増させた。これは、最も高い成長を謳歌した時代に米国が約30年かかったことだ。だが今、その中国経済の基盤に亀裂が生じつつある。3つの矛盾、とでも言うべきか。
イメージ Associated Press

中国共産党創建90周年を祝うため、国旗を振り、愛国的な歌を歌う女性

 第1の矛盾。中国の指導部は、賃金上昇を継続し、大衆の期待に応え続ける一方で、成長速度を鈍化させ、インフレを抑える方針だ。これは、どんな政府にとっても難問だ。支配力の喪失を恐れるあまり、市場に多くの仕事を任せたがらない政府にとってはなおさらだ。

 いまだマルクスとエンゲルスの像が立つこの国で、賃金の所得に占める割合が縮小、貧富の差は拡大しており、消費拡大の糸口を見つけるのは容易ではない。中国には小売店がたくさんがあるが、その多くは博物館のようだ――人々は見るだけで買わない。

 労働力への需要は強く、賃金はさらに上昇している。これは、中国の指導部が重んじる社会の安定の維持と、中国の輸出依存回避に不可欠な個人消費拡大を進めるうえで重要だ。

 これまでのところ、問題はない。しかし、賃金の上昇が、中国の工場の競争力を低下させているように思える。その証拠として、米衣料大手ギャップの中国店舗で売られているTシャツには「マレーシア製」と書かれている。一番安い歯ブラシはベトナム製だ。

 解決策は、より付加価値の高い生産とサービスへの移行だ。そのためには、現在よりも大規模で、質の良い、自由な教育システムが必要だ。ある当局者によれば、現在の教育システムでは、ソビエト方式の運営モデルが科学研究を妨げており、子どもに海外教育を受けさせる中国のエリート層は自国の教育を避けている。

 第2の矛盾。中国政府関係者の間で最近盛り上がっているのが、ほとんど国内でのみ使われている人民元の「国際化」だ。これは国家のプライドであり、自国通貨で取引がしたいという貿易関係者の願いでもある。また、万が一、新たな金融危機が起きた場合には、米国のように自由に安く海外から資金を調達できれば、という中国の思いでもある。

 これまでのところ、うまくいっている。しかし、預金者がインフレ分を吸収できないほど金利を低く抑える政策を中国がやめないかぎり、人民元の国際化は無理だ。世界を相手にするということは、経済をグローバル市場にさらすことなのだ。

 一部の当局者は、超低金利の危険性を認識している。中国人民銀行(中央銀行)の次期総裁に就任する可能性もある中国建設銀行の郭樹清会長は、「コントロールがきかなくなる前に、実質マイナス金利について対策を打つ必要がある」とインタビューで述べた。郭氏は、「多くの人が、預金は無駄だと思い、金や銀といったものに殺到している。多くの人が不動産を買っているが、家が必要なわけではない。投資のために買っている」と指摘した。

 確かに中国では、金持ちは第3、第4のマンションを買い、投機を行っている。一方、価格高騰で家を一軒も持てない人もいる。中国の資産バブルは、米連邦準備理事会(FRB)ではなく、中国の金融政策によってもたらされている。

 米金利が低いのは、FRBが借り入れを刺激しようとしているからだ。中国の中銀は借り入れの減少を望んでいるが、政治力のある企業と政府の借り手が金利の引き上げを阻んでいる。著名エコノミストのヌリエル・ルービニ氏は、中国の政策を「政治的に弱い家計から政治的に強い企業への大規模な所得移転」であると指摘。「つまり、弱い通貨は輸入を割高にし、低い預金金利と企業、デベロッパーへの低い貸出金利は、結局、預金を圧迫することになる」と述べた。

 人民元を国際化するということは、政治上の理由から金利を経済的な適正水準以下に抑える慣行の終わりを意味する。それは経済政策の透明化を意味する。中国の指導者は、人民元の国際化には積極的だが、それが持つ諸々の意味をよくわかっていない。

 第3の矛盾。抑圧的な政府が、年10%で経済が成長している時に国民を満足させるのは楽だ。そう、これまでのところ、うまくいっている。

 しかし、経済のブレーキを踏むことは不人気で、国民を信用しない政府を脅かすものだ。中国で、ツイッターはブロックされる。学生は、インターネットの世界が「中国限定」になっていると不満を漏らす。政府による検閲のせいか、インターネットの速度はどうも遅い。

 政府に対して、国民もやり返す。中国では、外国人の訪問者でさえ、多くの国民が政府を信用していないことに気づく。北京の清華大学のある大学院生は、サンドイッチを片手に「指導者が娘に海外の教育を受けさせる国は、何たることだ」と憤慨する。これは中国の次期国家主席、習近平副主席を念頭に置いた発言だ。習近平副主席の娘はハーバード大学での1年目を終えた。

 万里の長城はあるものの、ほとんど観光客も訪れない北京から60マイル(約96キロ)ほど離れたところにある村。その村には、簡素な農家の家が数十軒と、周囲にはそぐわない、大きくそびえたつ3階建ての新築のレンガ造りの家が一軒ある。村の人々は皆、誰がこれを建てたのか知っている――地元の共産党書記だ。彼の給与で建てられていないことも周知の事実だ。

 基礎に入った亀裂は、必ずしも崩壊の兆しではない。しかし、それは緊張のしるしだ。それに対処しなければ、中国ほどの巨大経済であってもその弱体化は避けられない。

記者: DAVID WESSEL


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