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(回答先: 終わりなきギリシャ危機― それでもEUは救い続ける(2)にわかに浮上する第3の貸し手EFSF 投稿者 sci 日時 2011 年 6 月 13 日 16:16:49)
【現地レポート】
終わりなきギリシャ危機
――それでもEUは救い続ける(3)
クラウス・レグリング
EFSF(欧州金融安定ファシリティ)CEO
「ギリシャ支援の新オプションが
必要となる可能性は排除できず」
──ギリシャの財政危機が欧州経済に与える影響は。
ECによれば、EUの2011年の実質GDP成長率の見通しは1.8%と、潜在成長率に近く、財政危機が騒がれるようになる以前と同水準か、むしろやや高いぐらいである。EU経済は実体経済面では大変うまくいっている。1人当たりGDPの成長率においてはEUと米国は同程度だ。
──市場はスペインやイタリアへの波及を懸念している。
確かにスペイン、イタリアについて、5月23日にCDSスプレッドが急拡大したこともあったが、それはあくまで一時的な現象にすぎなかった。ギリシャ、アイルランド、ポルトガルの3ヵ国については、EU諸国とIMFからすでに金融支援を受けており、非常に厳しい構造調整が進んだ結果、これら3ヵ国の財政不均衡は縮小されつつある。もちろん、このプロセスが終わりに近づいているわけではなく、あと2〜3年は継続の必要があるだろう。ユーロ圏の他国には、現時点で問題はない。市場アクセスもあり、資金調達も自在にできる。この3ヵ国のGDPはユーロ圏のそれのわずか6%にすぎない。管理は可能だ。
──ECやドイツ政府の首脳に、債務再編の可能性をにおわす発言が見られる。
新たなオプションが必要となる可能性は誰も排除できない。おそらく民間投資家による自発的なオペレーション、たとえば償還期限の延長などが検討されることになるだろう。これは公的部門の負担を軽減することに貢献する。
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──EFSFが国債の1次市場または2次市場に介入する可能性は。
2次市場について、その可能性はない。EFSFは危機対応のメカニズム、ファシリティである。ある国が市場へのアクセスを失い、構造調整プログラムについて合意が成立しているという非常に特殊な状況においてのみわれわれの法的基盤である憲章に基づいて行動し、一定の金額の資金援助を行う。2次市場での介入はその範囲を超える。1次市場については可能だが、それは直接融資と経済的には同じ効果をもたらすと考える。
──融資枠の拡大の必要性は。
約2400億ユーロの融資枠の中から、アイルランドとポルトガルの2ヵ国へ、今後2年半でそれぞれ約180億ユーロ、約260億ユーロのコミットメントを行った。したがって、約2000億ユーロの豊富な余裕資金があり、そのうえ、それを4400億ユーロまで拡大する合意が得られる可能性が非常に大きくなっている。6月の欧州閣僚理事会で政治的な合意が得られるだろう。これは、市場を落ち着かせるために有効であろう。
──そのためのユーロ諸国の保証枠はどこまで引き上げるべきか。
現在、取り組んでいるところだ。われわれは現在の約2倍の4400億ユーロの融資能力を持ちたいと考えており、保証額を増やすことは、もちろん、より大きな融資能力に到達するための一つの要素だが、他の可能性もある。現時点では語れない。
──昨年10月に13年7月以降の新規国債へのCAC付与を明らかにした。そのタイミングは適切だったか。
ギリシャ・ポルトガル国債暴落が、特定の発表と関係しているとは思えない。将来的には、民間債権者の関与を容易にするような新しいシステムに移行することが必要だ。新しいシステムへの移行に際してはそれがより優れているならば、移行に伴うある程度のコストは甘受しなければならない。
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