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ギリシャ、ユーロ離脱の可能性について 1年経過したギリシャ問題
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/728.html
投稿者 sci 日時 2011 年 5 月 09 日 17:50:17: 6WQSToHgoAVCQ
 

http://www.gci-klug.jp/
ダックビル為替研究所トップ |
ギリシャ、ユーロ離脱の可能性について
2011/05/09 (月) 15:23


金曜日は雇用統計が一大注目と思いきや
その後独誌シュピーゲルが報じた
ギリシャのユーロ離脱可能性上昇によって
ユーロが急落する動きとなりました。
ユーロ圏の4大経済大国
独、仏、伊、スペインの財務相に
ギリシャ財務相と欧州委員会の通貨担当(よく報道でも出てくるレーン氏です)が加わって
6日金曜日に緊急会合が行われたのですが
その席でギリシャ問題が話し合われ
結果としてユーロ離脱の可能性が高まったという報道です。

では、実現可能性と実際の影響はどうでしょうか
可能性については
否定は難しいが、実現までのハードルも高いといったところでしょうか。

ギリシャにしてみると
ユーロに残るために一層の財政赤字削減を迫られ
景気が良くない中で財政出動が制限され
公務員のリストラも進み、景気が一層落ち込むという状況は避けたい。
独、仏にしてみると、
ギリシャがデフォルトするかもしれない中で
休載のために、時刻の税金を投入する自体は避けたいと
ともに思惑が広がる中だけに、
ユーロ離脱に関する報道が出てくるのも致し方ないところでしょう。

ただ現実味という意味ではかなり難しいと思われます。

実際にギリシャがユーロを離脱し
新通貨に切り替えたとします(というか昔のドラクマに戻すのでしょうね、その場合)
この場合、新しい通貨は
ユーロに対して大きく切り下がります
(というか大きく切り下がるような状況だから、今があるのです)

この変更を事前告知した場合、
切り下がるような通貨を誰も持ちたくはありませんから
ギリシャ国内では預金の引き出し騒ぎ
ギリシャ以外の欧州各国からのギリシャからの資金引き上げなど
一気に金融不安を起こしかねません(というか起こす可能性の方が高いでしょう)。

このため、変更に際しては
預金封鎖等を伴って、一気に実施する必要があります。
これはギリシャ経済に対する大きな混乱材料です。
更に、欧州各国の金融機関からすると
保有するギリシャ関連資産の大きな毀損を伴いますので
こちらも洒落にならないところ。
ギリシャへの訴訟の嵐なども吹き荒れそうですね。
混乱が広がると、IMFに救済をもとめて
結局は緊縮財政をせまられるという
ギリシャにしてみると何をやっているのかということにもなりかねません。
現実問題としては
離脱は難しいでしょう。
(そもそも離脱条項がない中で、どこまで電撃的に実施ができるのかという疑問も・・・)

となると、
独・仏などは税金による負担を結局は許容、
ギリシャは緊縮財政を結局は許容といったかたちで
ユーロからの離脱を避けるほうが現実的と思われます。
ただ、独/仏勢にしても、ギリシャにしても
負担に対する国民の不満が大きい上に
先に妥協したほうが負担が大きくなりそうということで
ぎりぎりまでごねるといったところでしょうか。
なんか泥仕合になっている気もしますが。

来週16日に予定されている
ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)が一つの注目材料ですが
個人的には何も決まらない気がひしひしとしています。


小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! トップ |
1年経過したギリシャ問題
2011/05/09 (月) 14:27

 ギリシャ問題が発生してから1年が経過しました。昨年の今頃は、ギリシャ問題に大きな関心が集まっていた訳ですが‥1年経って事態は進展しているのでしょうか?

 どうもそうではないようです。それに、ギリシャがユーロ圏から離脱するのではという噂まで‥。

 そういえば、ノーベル経済学者のクルーグマン教授などは、最初からギリシャは、ユーロ圏から離脱すべきだと主張していました。そうすれば、ギリシャの通貨が安くなることによって輸出競争力を獲得でき、経済回復に貢献するからだ、と。

 でも、ヨーロッパのリーダーたちは、そうした考えを全く支持しないように見受けられます。

 ギリシャの最近の状況をまとめてみました。(ウォールストリート・ジャーナルなどを参考にしまし
た)

・ギリシャ問題が発生してから1年が経過したが、ここにきてギリシャはユーロ通貨圏から離脱すると噂さされている。

・ギリシャは、目標値から大きく逸脱しており、2012年には新たに430億ドル(約3兆5千億円)の資金が必要となると見込まれている。

・ギリシャが民間債務の繰り延べを求めることになるかどうかが注目されている。ドイツは、これを支持し、他の国々は反対している。

・来週、ユーロ圏の担当大臣の会合がブラッセルで開かれる。更なる支援が必要となるか、また、
目標値の達成時期の延期が議題となる模様。

・ドイツでは、ギリシャ支援への反対論が高まっている。しかし、ギリシャ支援が打ち切られるとギリシャが破綻しかねず、そうなれば、国際的な金融危機に発展してしまう。

・ギリシャ政府は、ユーロ圏離脱を正式に否定。アナリストなどのなかには、ユーロ圏離脱を支持する声もあるが、ヨーロッパの殆ど全ての政策責任者は、そうしたことが問題の解決につながるものではないと指摘。

 We are not discussing the exit of Greece from the euro area. This is a stupid idea and an avenue we would never take.

「我々は、ギリシャのユーロ圏離脱など議論していない。これは愚かな案であって、決して我々が採択する道ではない」

・ギリシャの見積もりでは、対GDP債務費比率を3%に引き下げるのには、従来の目標であった
2014年から2016年に延期せざるを得なくなっている。


 どっちの道を選ぼうといばらの道ということでしょうか。

以上
 

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01. 2011年5月10日 09:03:21: cqRnZH2CUM
ギリシャを「B」に格下げ、デフォルト懸念でさらに下げも−S&P(3) 
  5月9日(ブルームバーグ):格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は9日、ギリシャの信用格付けを「B」と、従来の「BB−」から2段階引き下げた。デフォルト(債務不履行)のリスクが高まる中でさらに格下げする可能性もある。

  ギリシャの格付けがもう1段階引き下げられれば、欧州で最低となる。格下げは昨年4月以来で4回目。ギリシャ10年債の利回りは21ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して15.7%と、1年前にギリシャが国際支援を受けた時から2倍以上の水準に上昇した。

  欧州の財務相らは6日夕にギリシャに関する会合を持ち、ギリシャが債務再編を回避するためには追加支援が必要との見解で一致した。新たな支援パッケージには返済期限の延長や担保要件が盛り込まれる可能性がある。ムーディーズ・インベスターズ・サービスはこの日、ギリシャ国債の自国通貨建て、および外貨建て格付け「B1」を引き下げ方向で見直すと発表した。

  S&Pは電子メールで配布した発表文で、「格下げはユーロ圏の主要な公的債権者らが800億ユーロ(約9兆2600億円)規模の融資について返済期限延長に傾いているとの当社の見解を反映したものだ」と説明。「そのような期限延長に伴い、債権者であるユーロ圏各国政府が民間投資家に対しても債券と融資の期限を同様に延長することで『同等の扱い』を求めると思われる」と解説した。

  ギリシャ向けの1100億ユーロの救済パッケージが取りまとめられてから1年になるが、ギリシャの債務は膨張が続き借り入れコストも記録的水準。当初の計画通りの市場復帰は難しいとみられる。

   来年の市場復帰は「不可能」

  ドイツ銀行の欧州担当共同チーフエコノミスト、ジル・モーク氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、ギリシャの来年の市場復帰は「不可能だ」と語った。

  ギリシャは2010年の赤字目標を達成できなかった。S&Pは11年の目標達成も「不透明」だとし、政府は「公的および民間の債務の再編が最善の道と考えるかもしれない」と指摘した。

  さらに、「ギリシャ経済の潜在成長率を考えると、ギリシャの債務負担を維持可能な水準にするには最終的に50%以上の元本減免が必要になると予想される」と分析した。デフォルトの場合の回収率は30−50%と予想している。

  ギリシャ財務省は「わずか1カ月余り前の前回の格下げ以後に、新たなマイナスの展開や決定はなく、今回の格下げには根拠がない」との声明を出した。

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama mrakuyama@bloomberg.netEditor: Shigeru Chibaニューヨーク 西前明子 Akiko Nishimae anishimae3@bloomberg.netアムステルダム 木下 晶代 Akiyo Kinoshita akinoshita2@bloomberg.netEditor: Shigeru Chiba記事についての記者への問い合わせ先:Andrew Davis in Rome at +396-4520-6324 orabdavis@bloomberg.net
更新日時: 2011/05/10 03:16 JST
 
 
 

米国債:10年債が年初来の高値圏、ギリシャ格下げで安全需要(1) 
  5月9日(ブルームバーグ):米国債市場では10年債が年初来の高値水準付近で取引された。格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がギリシャの長期ソブリン債格付けを引き下げたことから、米国債に安全性を求めた買いが入った。

  米国債はこれより先、下げ幅を拡大する場面もあった。今週、総額720億ドル規模の国債入札を控えていることが背景。今週発表の小売売上高で増加が予想されていることも売りを誘った。先週に週間ベースで2008年以来最大の下落となった商品相場がこの日は戻しているにもかかわらず、10年債利回りは上昇分を消した。ニューヨーク連銀は2018年5月−21年2月に償還期限を迎える米国債72億ドル相当を買い入れた。

  オッペンハイマーの米国債担当ディレクター、トーマス・ディガロマ氏は「ソブリン債危機が市場に再び戻りつつある」と指摘。「これを受けた質への逃避が見られる。ギリシャに関連して、欧州連合(EU)内で何らかの崩壊が起こるかもしれないと市場は心配している」と述べた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間午後4時26分現在、10年債利回りは前週末比ほぼ変わらずの3.15%。同年債(表面利率3.625%、2021年2月償還)価格は1/32下げて103 30/32。

  10年債利回りは6日に3.13%と、昨年12月8日以来の低水準を付けた。2月9日には3.77%と、昨年4月以来の高水準に達した。

「明白な裏付け」

  モルガン・スタンレー・スミス・バーニーのチーフ債券ストラテジスト、ケビン・フラナガン氏は「ギリシャに関するニュースは、欧州の周辺国の状況がまだ解決していないとの明白な裏付けとなった」と指摘。「それが米国債市場に影響を及ぼしており、買い手を呼び入れている」と述べた。

  米2年債利回りは1bp低下の0.54%。一時は0.57%を付けた。30年債利回りはほぼ変わらずの4.29%。

  S&Pはこの日、ギリシャの信用格付けを「B」と、従来の「BB−」から2段階引き下げた。デフォルト(債務不履行)のリスクが高まる中でさらに格下げする可能性もある。ギリシャの格付けがもう1段階引き下げられれば、欧州で最低となる。格下げは昨年4月以来で4回目。

  ABNアムロ・クリアリングのマクロ投資ストラテジスト、エドワード・ラシンスキー氏は「債務再編からギリシャのユーロ圏離脱へと市場の見方が変わっているようだ」と指摘。「現在の米国債にとっては概して支えとなる要因がある」と述べた。

今週の米国債入札

  今週実施される米国債入札の発行額は、10日の3年債が320億ドル、11日の10年債は240億ドル、12日の30年債は160億ドルとなっている。

  みずほセキュリティーズUSAの米国債トレーディング責任者、ジェームズ・コンビアス氏(ニューヨーク在勤)は「供給を控えて相場が上昇しているというのは興味深い」と指摘。「市場はギリシャやほかの問題に対して神経質になっている」と述べた。

  ブルームバーグがエコノミスト62人を対象にまとめた調査では、12日に米商務省から発表される4月の小売売上高は0.6%増が見込まれている。前月は0.4%増だった。

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka motsuka3@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba記事に関する記者への問い合わせ先:Susanne Walker in New York at swalker33@bloomberg.net;
更新日時: 2011/05/10 06:43 JST


02. 2011年5月10日 09:47:03: cqRnZH2CUM
ギリシャのユーロ圏離脱の可能性低い、ユーロ圏は政治的意思で回避へ
2011年 05月 9日 14:08 JST

米中戦略・経済対話初日は経済問題で協調姿勢、人権も提起
ギリシャ、12年の資金不足270億ユーロめぐり欧州各国と協議
ユーロ/ドル、3週間ぶり安値から戻す=NY市場
米国株式市場は続伸、商品関連株に買い

 [ベルリン 6日 ロイター] ギリシャがユーロ圏を離脱すればその影響はあまりにも大きく、ギリシャ離脱を回避するためユーロ圏は全ての策を講じる、とアナリストは指摘する。

 独シュピーゲル(電子版)は6日、ギリシャ政府がユーロ圏から離脱し、ドラクマを再導入する可能性があることを示唆したと報じた。

 ギリシャや他のユーロ圏当局者は、この報道を強く否定した。一方、関係筋は、ユーロ圏の一部の財務相が6日にルクセンブルクで会合を開き、ギリシャの問題などを協議することを確認した。 

 ギリシャがユーロ圏を離脱すれば、ギリシャだけでなく、他のユーロ圏の経済および社会的評判が傷つけられるほか、戦略面でも大きな影響が出る。

 新たな通貨導入に伴いギリシャはユーロ圏の銀行システムにある預金を全て引き揚げることになり、銀行取り付け騒ぎが起きたり、ギリシャ国内の企業に混乱が生じる。一方、欧州の銀行は、ギリシャへの融資で損失を被ることになる。

 ユーロ導入は欧州統合に向けた50年間の取り組みの成就であり、ある国がユーロ圏を離脱すれば、それはユーロ圏全体にとり屈辱的な失策を意味する。

 ドイツ銀行のシニア欧州エコノミスト、ギレス・モエク氏は「ユーロ圏は一方通行だ。分裂は離脱した国に悲惨な結果をもたらすことになり、銀行の取り付け騒動が起きるだろう。秩序だった方法で離脱できるとは思わない」との見方を示した。 

 <離脱のリスク> 

 ドラクマを再導入することでギリシャは対ユーロで通貨の価値を大幅に切り下げ、政策金利を超低水準に維持することが可能だ。また、競争力を取り戻し、ここ数年の緊縮財政に関連した政治および社会的混乱に影響されることなく債務問題に取り組むことができる。

 キャピタル・エコノミクスの首席欧州エコノミスト、ジョナサン・ロイネス氏は「こうしたことが正しいとは言っていない。ただ、ユーロ加盟に関して今後4─5年で一部変化がある可能性が高いと思う。その可能性のひとつとして、ギリシャなど小国がユーロ圏から離脱することだ」と指摘。そのうえで「これはまったくありえないことではないだろう」との見方を示した。 

 一方、カリフォルニア大学バークレー校の経済学教授、バリー・アイケングリーン氏は「ユーロ導入は事実上取り消せないことだ。通貨切り下げが見込まれることからユーロ圏離脱にはかなりの準備が必要で、大きな金融危機を引き起こす可能性がある」と指摘する。 

 <法的混乱> 

 ユーロ圏離脱の法的手続きはなく、ある国が離脱するとしたら条約変更が必要になる、一部のエコノミストは指摘する。

 ドイツ銀行のモエク氏は「離脱するには、それを立法化する必要がある」と指摘。さらに「離脱する国の全ての債務に関する数年にわたる訴訟が恐らくあるだろう」と述べた。

 通商は恐らく大きな打撃を受け、ビジネス面でのコストは予測不可能となり、投資は抑制される。失業者の急増やインフレ高進、厳しい歳出削減に国民は直面し、雇用不安や社会的な混乱が生じる。

 こうしたマイナス面の影響は、通貨切り下げによる輸出や観光収入増加などプラスの影響をはるかに上回る。 

 ノーベル経済学賞受賞のポール・クルーグマン氏は昨年11月自身のブログで「銀行取り付け騒動や金融危機が結局起こったとしたらどうだろうか」と問いかけた。

 計画されたり選択された離脱ではなく、抵抗できない市場の力による離脱はユーロ圏離脱の限界費用を大幅に削減する、と同氏は指摘する。ただ、この経済理論は、欧州通貨統合を推し進めてきた政治的意思を過小評価しているだろう。 

(Noah Barkin、Paul Taylor記者;翻訳 伊藤恭子;編集 吉瀬邦彦)

© Thomson Reuters 2011 All rights reserved.


03. 2011年5月10日 14:56:19: cqRnZH2CUM
【WSJ社説】ギリシャの持続不可能な財政状況

2011年 5月 10日 14:18 JST

 欧州連合(EU)によるギリシャ救済は破綻している。ギリシャ政府は財政赤字削減の目標期限の2年間延長を求めている。責任回避が国家的娯楽のようになっている国民からの税収を増やすとした公約が果たせないことが大きな理由だ。ギリシャ長期国債の利回りはユーロ導入以来の最高水準に近い15.7%に上昇している。今月末までにEUと国際通貨基金(IMF)は、総額1100億ユーロ(約12兆6700億円)の金融支援のうち次回分の120億ユーロの融資について実行するかを決める。

 しかし、問題はいつまでEUとIMFがこの騙しあいゲームを続けるかという点だ。だれもギリシャが破綻することは望まない。しかし、145億ユーロの債務返済期限が到来し借り換えをしなければならない2012年3月20日に近づくにつれ、ギリシャの財政状況は一段と持続不可能な状態になる。

 IMFは3月、ギリシャが来年行う新規借り入れのコストが5.6%程度になるとの見通しを示した。これは現行の国債利回りを10%ポイント下回っており、楽観的といえる。現行の借り入れコストではギリシャは予定通りに資本市場には復帰できない。資本市場で調達できなければ(スタンダード・アンド・プアーズ=S&P=は9日、ギリシャの格付けを「B」に引き下げたが、その理由として挙げたのがこの懸念)、債務を再編するかEUとIMFから借り入れを増やさない限り、ギリシャは資金が枯渇する。

 ドイツは、ギリシャの債務について「リプロファイリング(再構築)」を提案している。この提案は、民間債権者への債務元本の返済は一定時期まで延期されるが、利払いと利率は維持され、ヘアカット(国債元本の削減)は行わないというもの。しかし、この案でさえも大方の市場関係者にとってはデフォルト(債務不履行)とみなされている。さらにEUとIMFが現在想定している利率で、ギリシャが予見できる将来いつでも資金を調達できる保証はない。

 ギリシャの債務をデフォルト、リストラクチャリング(債務再編)、リプロファイリングなどと呼ぶにしても、ギリシャがさらに多くの金融支援を得られない限り、期待していたすべてを払い戻してもらうことはできない。ドイツ提案が成功したとしても、ギリシャの財政赤字が国内総生産(GDP)に占める比率が160%、あるいはそれ以上の水準に達することを意味する。これが持続可能だとはだれも思わないだろう。現行のプログラムが続けば続くほど、ギリシャは近隣諸国とIMFからの借り入れで民間債権者への返済を行い、EUとIMFからの融資は増えることになる。 

 EUの指導者は、市場がギリシャ国債のディスカウントを止めさえすれば、万事うまく行くだろうと本気で考えているかもしれない。しかし、EUの指導者ぐらいしかそのような見解は持っていない。彼らがその見解を持つ時間が長引けば長引くほど、EU加盟国の納税者はその希望的観測の結末にさらされることになる。


04. 2011年5月10日 15:56:39: cqRnZH2CUM
ギリシャ不安でユーロ売り加速、円高警戒で日本株は上値重い
2011年 05月 10日 13:24 JST
トップニュース
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 [東京 10日 ロイター] ギリシャ問題が再び市場を慎重にさせている。同国の債務再編リスクが高まっているとしてユーロ売りが加速。円高警戒感から日本株は上値が重い展開が続いている。4月米雇用統計が堅調だったことで市場の景気認識はいったんリセットされたが、慎重な見方も根強く金利は日米ともに低下傾向だ。原油価格がこのまま下落すれば景気圧迫要因としては後退するが、マネーフローにも影響を与えるだけに市場への波及経路は読みにくい。

  <ユーロロングの巻き戻し加速>

 ちょうど1年前もギリシャ問題が浮上し、市場はリスク回避に動いた。支援の枠組みが決まり昨年のような不透明感は後退しているが「5月はヘッジファンドで中間決算やファンドの償還請求期限が到来するため、今年も昨年の再現かと警戒されている」(準大手証券ストラテジスト)という。

 ドイツ、フランスなどユーロ圏主要国の財務相やトリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁らが急きょルクセンブルクに集まった。ユーログループ(ユーロ圏非公式財務相会合)のユンケル議長は前週末6日夜の会合終了後、ギリシャに追加的支援措置が必要とのコンセンサスがあると述べた。これに反応する形で、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は9日、ギリシャの格付けを「BBマイナス」から2段階引き下げ「B」に、ムーディーズ・インベスターズ・サービスも、ソブリン信用格付け「B1」を引き下げ方向で見直すと表明した。

 外国為替市場ではユーロ売りが加速。ユーロ/円は1カ月半ぶりに115円を割り込んだ。買い持ちが積み上がっているため、上昇すると戻り売りに上値を抑えられた。また、「朝方からマクロ系のファンドが(ユーロ/ドルを)売っていた」(国内銀行)という。

 ニューヨーク商業取引所(NYMEX)を傘下に置くCMEグループ(CME.O: 株価, 企業情報, レポート)が商品先物の証拠金を引き上げると発表したことを受け、原油先物が下落。一段のユーロ売りにつながった。

 市場では「ギリシャ問題はある程度市場に織り込まれておりスペインなどに波及しない限り影響は限定的だろう。ただユーロロングが積み上がっていたために巻き戻しが加速しているようだ」(国内シンクタンク)との声が出ている。

 一方、対ユーロでは買われたドルだが、対円では弱含んだ。ドル/円の動きと相関性の高い米2年債利回りがニューヨーク時間に0.53%台に低下するなど、米長期金利の低さが意識された。0.53%台は、ドルが76円台をつけた3月17日の水準。ギリシャの格下げで欧州の債務不安が一段と強まり、安全資産とされる米債に資金が流入した。

 市場では「ギリシャ問題はワイルドカードだが、米経済の腰折れや量的緩和の追加がないという前提ならば、(利回りは)もう限界的なところまで下がっている。(ドル/円)80円前後は(下値が)固まっている感じがする」(外為どっとコム総研の植野大作社長)との声が出ていた。

  <円高警戒で上値重い日本株>

 午前の日経平均は小幅続落。円高や、中部電力(9502.T: 株価, ニュース, レポート)浜岡原発(静岡県御前崎市)停止による製造業拠点への影響、原油先物などの証拠金引き上げによるリスク圧縮の連想などもあり、上値が重い展開が続いている。前週末のコモディティ価格急落のきっかけが銀の証拠金引き上げだっただけに市場では警戒感が強まっている。

 4月米ISM非製造業指数や米新規失業保険申請件数などが悪化しネガティブに傾きつつあった市場の景気認識は4月の米雇用統計が堅調だったことでいったんリセットされたが「今期業績見通しを公表しない企業も多く、先行き不透明感は依然強い」(T&Dアセットマネジメント・チーフエコノミストの神谷尚志氏)という。

 みずほインベスターズ証券エクイティ情報部長の稲泉雄朗氏は「緩やかに進行する円高が圧迫要因になっている。米国は消費が堅調でも住宅市場の改善が見込めず低金利を継続せざるを得ない。ドルの先安観が強く、市場参加者の円高警戒は根強い。急激な変動ではないため協調介入も期待できないだろう。第2次補正の成立など次のきっかけ待ちだ」と述べている。

  <需給好調な円債市場>

 円債市場では、国債先物が反発。この日の流動性供給入札で超長期国債の供給が予定されているが、長期金利の指標10年債利回りは小幅に低下しており、長期・超長期債の好需給を鮮明にした。

 外資系証券の関係者は「第2次補正編成に伴う需給懸念で中期買い・超長期売りに傾いていた一部参加者が、こうしたポジションのアンワインドに踏み切っており、証券会社は長期・超長期で在庫不足気味になってきた」と話している。「出来高自体は伴っていないが、これまで債券投資に慎重だった向きが今後、買わざるを得ない局面もあるかもしれない」(邦銀)との声もあった。

 2次補正予算の通常国会での編成が見送られれば「夏場の市中増額」のシナリオは棚上げされ、債券需給には追い風となる。バークレイズキャピタル証券の森田長太郎チーフストラテジストは「通常国会での編成が見送られることが確実となったことで、もっとも早ければ8月からと想定されていた国債市中増発開始が、数カ月間後ずれする公算となった。秋の臨時国会をお盆明けからの召集に前倒したとして、成立は9月となる可能性が高く、増発開始のタイミングは10月ないし11月ということになりそう」と指摘している。

 (ロイターニュース 金融マーケットチーム;編集 宮崎亜巳) 


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