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ギリシャ、ユーロ離脱の可能性について
2011/05/09 (月) 15:23
金曜日は雇用統計が一大注目と思いきや
その後独誌シュピーゲルが報じた
ギリシャのユーロ離脱可能性上昇によって
ユーロが急落する動きとなりました。
ユーロ圏の4大経済大国
独、仏、伊、スペインの財務相に
ギリシャ財務相と欧州委員会の通貨担当(よく報道でも出てくるレーン氏です)が加わって
6日金曜日に緊急会合が行われたのですが
その席でギリシャ問題が話し合われ
結果としてユーロ離脱の可能性が高まったという報道です。
では、実現可能性と実際の影響はどうでしょうか
可能性については
否定は難しいが、実現までのハードルも高いといったところでしょうか。
ギリシャにしてみると
ユーロに残るために一層の財政赤字削減を迫られ
景気が良くない中で財政出動が制限され
公務員のリストラも進み、景気が一層落ち込むという状況は避けたい。
独、仏にしてみると、
ギリシャがデフォルトするかもしれない中で
休載のために、時刻の税金を投入する自体は避けたいと
ともに思惑が広がる中だけに、
ユーロ離脱に関する報道が出てくるのも致し方ないところでしょう。
ただ現実味という意味ではかなり難しいと思われます。
実際にギリシャがユーロを離脱し
新通貨に切り替えたとします(というか昔のドラクマに戻すのでしょうね、その場合)
この場合、新しい通貨は
ユーロに対して大きく切り下がります
(というか大きく切り下がるような状況だから、今があるのです)
この変更を事前告知した場合、
切り下がるような通貨を誰も持ちたくはありませんから
ギリシャ国内では預金の引き出し騒ぎ
ギリシャ以外の欧州各国からのギリシャからの資金引き上げなど
一気に金融不安を起こしかねません(というか起こす可能性の方が高いでしょう)。
このため、変更に際しては
預金封鎖等を伴って、一気に実施する必要があります。
これはギリシャ経済に対する大きな混乱材料です。
更に、欧州各国の金融機関からすると
保有するギリシャ関連資産の大きな毀損を伴いますので
こちらも洒落にならないところ。
ギリシャへの訴訟の嵐なども吹き荒れそうですね。
混乱が広がると、IMFに救済をもとめて
結局は緊縮財政をせまられるという
ギリシャにしてみると何をやっているのかということにもなりかねません。
現実問題としては
離脱は難しいでしょう。
(そもそも離脱条項がない中で、どこまで電撃的に実施ができるのかという疑問も・・・)
となると、
独・仏などは税金による負担を結局は許容、
ギリシャは緊縮財政を結局は許容といったかたちで
ユーロからの離脱を避けるほうが現実的と思われます。
ただ、独/仏勢にしても、ギリシャにしても
負担に対する国民の不満が大きい上に
先に妥協したほうが負担が大きくなりそうということで
ぎりぎりまでごねるといったところでしょうか。
なんか泥仕合になっている気もしますが。
来週16日に予定されている
ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)が一つの注目材料ですが
個人的には何も決まらない気がひしひしとしています。
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1年経過したギリシャ問題
2011/05/09 (月) 14:27
ギリシャ問題が発生してから1年が経過しました。昨年の今頃は、ギリシャ問題に大きな関心が集まっていた訳ですが‥1年経って事態は進展しているのでしょうか?
どうもそうではないようです。それに、ギリシャがユーロ圏から離脱するのではという噂まで‥。
そういえば、ノーベル経済学者のクルーグマン教授などは、最初からギリシャは、ユーロ圏から離脱すべきだと主張していました。そうすれば、ギリシャの通貨が安くなることによって輸出競争力を獲得でき、経済回復に貢献するからだ、と。
でも、ヨーロッパのリーダーたちは、そうした考えを全く支持しないように見受けられます。
ギリシャの最近の状況をまとめてみました。(ウォールストリート・ジャーナルなどを参考にしまし
た)
・ギリシャ問題が発生してから1年が経過したが、ここにきてギリシャはユーロ通貨圏から離脱すると噂さされている。
・ギリシャは、目標値から大きく逸脱しており、2012年には新たに430億ドル(約3兆5千億円)の資金が必要となると見込まれている。
・ギリシャが民間債務の繰り延べを求めることになるかどうかが注目されている。ドイツは、これを支持し、他の国々は反対している。
・来週、ユーロ圏の担当大臣の会合がブラッセルで開かれる。更なる支援が必要となるか、また、
目標値の達成時期の延期が議題となる模様。
・ドイツでは、ギリシャ支援への反対論が高まっている。しかし、ギリシャ支援が打ち切られるとギリシャが破綻しかねず、そうなれば、国際的な金融危機に発展してしまう。
・ギリシャ政府は、ユーロ圏離脱を正式に否定。アナリストなどのなかには、ユーロ圏離脱を支持する声もあるが、ヨーロッパの殆ど全ての政策責任者は、そうしたことが問題の解決につながるものではないと指摘。
We are not discussing the exit of Greece from the euro area. This is a stupid idea and an avenue we would never take.
「我々は、ギリシャのユーロ圏離脱など議論していない。これは愚かな案であって、決して我々が採択する道ではない」
・ギリシャの見積もりでは、対GDP債務費比率を3%に引き下げるのには、従来の目標であった
2014年から2016年に延期せざるを得なくなっている。
どっちの道を選ぼうといばらの道ということでしょうか。
以上
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