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http://jp.wsj.com/US/Economy/node_233198
幸運は準備万端怠りのない者にやってくる。最近の商品価格の下落は米経済にとって思いがけない幸運となるかもしれない――ただ国内需要が重要な変化をうまくかじ取りできればの話だ。
AOT
米S&P500種株価指数(青線)と中国のマネーサプライ(M2/赤線)の前年比の推移
確かに、米経済には足元に明るい兆候が見られる。6日に発表された4月の雇用統計では、民間部門の雇用は5年ぶりの力強い伸びを記録、今年2〜4月の非農業部門就業者数の伸びは平均で23万人に達した。トムソン・ロイターによると、S&P総合500種株価指数を構成する企業の約90%は、今年第1四半期(1〜3月)の利益が前年同期比18.5%増えたとしている。予想では13%の増益だった。
しかし消費者と企業への商品価格上昇の悪影響は増している。ウェルスズ・キャピタル・マネジメントのジェームズ・ポールソン氏は、全米のガソリン価格は1ガロン(3.8リットル)=約4ドル(323円)となり、「われわれは限界点に近づいていた」と述べた。しかし、今週原油価格の反落が続き、1バレル(159リットル)=115ドル近くから100ドルを下回る水準に下落すれば、ガソリン価格も下がることになる。これは消費者だけでなく、消費者支出に依存する部門にも良いニュースだ。燃料価格が下落すると、小売りや外食など消費者関連銘柄は市場全体よりも良い動きを見せる。
MKMパートナーズのストラテジスト、マイケル・ダーダ氏は、これらの銘柄は相場の安定に役立つため、アウトパフォームすることが必要だと述べた。同氏は、商品価格の下落は景気過熱を回避しようとしている中国での需要鈍化がもたらしたとし、同国の3月の通貨供給量の伸びは約16.5%にとどまり、2009年11月のピーク時の約30%からほぼ半分に縮小したと指摘した。その上で、これは商品価格だけでなく、世界の需要の減速を示していると述べた。
問題は米国内で何が起こるかだ。これは世界的な需要の減退を米経済がどこまで埋め合わせられるかのテストになる。米国の消費者はガソリンなどの価格のいかなる下落局面をも消費拡大に利用しなければならず、一方で、企業は利益率圧迫からの真の解放が必要になる。
しかも、世界が牽引する回復から米国が牽引する回復への転換を、弱い米国の景気回復の中で実現させなければならない。これが現実のものとなるまで、投資家は商品価格下落を喜ぶのを保留してもいいだろう。
記者: Kelly Evans
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Foreign-Currency-Markets/node_233226
流れはドル有利に急転換
2011年 5月 9日 12:47 JST
ドルは数週間もの間、好機をつかむことができずにいたが、突然、一度にいくつもの運に恵まれた。
ドルは、弱気筋が米金融緩和政策と財政危機の可能性を懸念するのに伴い下落していたが、長期的な強材料となり得る様々な出来事を背景に、激動の一週間となった先週の後半に方向を急転換した。
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Agence France-Presse/Getty Images
6日午後のニューヨーク市場では、ユーロ/ドルが1.4353ドルを付け、5日遅くの1.4526ドルから上昇。ドルは対円で80.57円を付け、80.13円から上昇した。通貨バスケットに基づくインターコンチネンタル取引所(ICE)ドル指数は、4日に付けた3年ぶりの安値から3%近く上昇した。
もちろん、決してドルに大きな魅力があるわけではない。米国金利は依然として大多数の他の主要国のそれを大幅に下回っており、今後数カ月間はこのまま低金利が続くと予想されている。さらには、米国議会による財政赤字削減策が成立しない恐れもある。
しかし、様々な要因が先週重なったことから、ユーロ、円、ドルという、それぞれが問題を抱える3つの通貨による「醜い犬のコンテスト」と多くのトレーダーが呼ぶ競争の中で、ドルは健闘し始めた。
ドルの支持要因として挙げられるのは、6日に発表された4月の米雇用統計の非農業部門就業者数が予想を上回ったことで、米国の経済成長に対する期待感が高まった。また、1週間で15%近く急落した原油価格の急変動も、原油買い/ドル売りのポジションの手じまいを促進した。さらに他の商品価格が急落したため、米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和政策が、「一過的なもの」と呼ぶ商品インフレの危険性を無視している、という弱気筋の主張も説得力を弱めた。
ユーロにも圧力がかかった。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が5日に利上げを示唆しなかったことが、ユーロの強気筋を失望させた。また6日には、財政難のギリシャがユーロ圏離脱を検討しているとの観測が、ユーロを一段安へと圧迫した。ユーロは対ドルで、4日に付けた17カ月ぶりの高値から4%下落して前週の取引を終えた。
シティグループの主任テクニカルアナリスト、トム・フィッツパトリック氏は、ユーロが今後数週間に、「急落しやすい可能性がある」と指摘。5日の急落については、ドルが積極的に買われたというよりも、商品相場の下落とユーロ売りに主導されたものだった、と説明した。つまり、投資家がセーフヘイブン(資金の安全な逃避先)としてのドル買いに動いた場合、ドルにはさらなる上昇余地が残されている可能性がある。
米商品先物取引委員会(CFTC)が6日に発表した週間の建玉明細報告によると、3日現在の大半の投機筋のドルの売り越し額は合計361億ドルで、2007年1月以降最大の売り越し金額となった。このことは、トレーダーが売っていたドルの買い戻しに殺到した時に、ショートカバー主導でドルが急騰する可能性を示している。
商品市場も同様のぜい弱性を露呈している。銀、原油、トウモロコシなどの商品は何カ月間にもわたり、高い相関性を見せながら上昇していた。これは、FRBの超金融緩和政策がドルの価値を低下させている、と懸念する投資家の戦略的トレードによるものとされていた。しかし、前週は全ての価格が急落した。トレーダーによるポジションの手じまいは、ドル買いに転換された。
FRBが何カ月もの間、世界中のどの国よりも緩めてきた金融政策の分野にすら、前週はドルの強気筋にとっての希望の兆しが現れた。6日に発表された米雇用統計が予想以上に好調だったことで、フェデラルファンド(FF)金利先物トレーダーは、FRBが来年春には金融引き締めを始めるとの見方を強めた。こうした期待感はドルに強気に作用する。
しかしながら、最近発表された他の米経済統計は不調が続いている。同じく6日に発表された雇用統計で示された失業率は9%に上昇。4月の米ISM非製造業総合指数は52.8となり、3月の57.3から低下した。また、週間失業保険申請件数も急増した。
通貨市場の、時としてねじれた論理では、これはドルにとって強材料となる。なぜなら、世界成長への期待と商品需要を圧迫する一方で、セーフヘイブンとしてのドルへの資金流入を促進するからだ。バークレイズ・キャピタルの北米外為調査部門責任者のジェフ・ヤング氏は、実際、前週のドル反発の一部は、「景気回復の休止」シナリオに基づいたものであり、「ひどい」米経済統計に主導されたものだ、と述べた。
バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのFX機関投資家販売部門責任者のダグラス・ホーリック氏は、米財政に関する最悪のシナリオが回避された場合も、ドルは急騰する可能性がある、と指摘した。同氏は、米議会の建設的な取り組みが債務限度の拡大を促進すると期待しているとし、ドルの展望を考える時は、「一歩下がり、金融政策を見ない必要がある」と述べた。
流れは急速にドルへと転じているように見えても、一流のドル弱気筋が猛烈な強気筋へと簡単に転じる可能性は低い。FXコンセプツの約85億ドルの通貨運用の一部を担うポートフォリオ・マネージャーのスコット・アインスバリー氏は、「2週間から1カ月間続く、短期的な転換点なのかもしれない」と語った。
記者: Andrew J. Johnson
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- Re: 商品価格下落がもたらした難問 「醜い犬のコンテスト」流れはドル有利に急転換 sci 2011/5/10 07:36:18
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