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「中国が進める人民元建て貿易決済に各国も追随すれば、米ドル中心の国際通貨体制に一石を投じる可能性がある・・・」
今後、凋落する欧米に代わって、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)を中心に世界は動いていくだろう。
■中国の開発銀董事長、自国通貨による貿易推進呼びかけ(日経)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE3E1E2E79D8DE3E1E2E6E0E2E3E39494E3E2E2E2;at=ALL
【三亜(中国南部)=戸田敬久】国営新華社によると、中国の国家開発銀行の陳元董事長は13日、海南省三亜で開催されたBRICSの政府系銀行関係者が集まるフォーラムで「各国間の貿易決済で自国通貨の利用を推進すべきだ」と発言した。中国が進める人民元建て貿易決済に各国も追随すれば、米ドル中心の国際通貨体制に一石を投じる可能性がある。
陳元董事長は貿易決済や融資に互いの通貨を利用すれば、5カ国間の貿易・投資を促進し、国際通貨システムの多様化につながるなどと主張した。BRICSの銀行間協力の枠組みで自国通貨による融資の拡大策の議論を進めることも提案した。
中国は2009年に上海市と東南アジア諸国連合(ASEAN)間など一部地域で元建て貿易決済を解禁した。規制緩和を受け、10年の元建て貿易決済額は5063億元(約6兆6千億円)と急増している。
ロシアやブラジルもそれぞれルーブルとレアルによる貿易決済の拡大を目指しており、かねて中国に協力を働きかけてきた。中国は10年、ドル、ユーロ、円など主要通貨に限定していた為替取引の基準となる中間値(基準値)の算出対象をルーブルにも広げた。14日のBRICS首脳会議では、通貨を巡る協力も焦点となりそうだ。
■BRICsからBRICSへ−新興国の結束強化(時事)
http://jp.wsj.com/World/China/node_221435
【北京】中国は今週、北京で開催されるBRICS5カ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)首脳会議のホストを務める。中国は、この新興国の討議の場でBRICSが先進国以上に強い影響力を持てるようにすることを狙っている。
従来、ブラジル、ロシア、インド、中国(BRIC)の4カ国で開催していた会合に今回は南アが初めて参加する。開発途上国に有利な国際的金融改革の推進のために結束を強める。
この首脳会議は、今週のワシントンでの国際通貨基金(IMF)会合と同時期に開催され、商品(一次産品)価格の変動といった世界的な金融・経済問題について話し合う。
中国は商品価格の変動について、今年11月にフランスのカンヌで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の前に、BRICSが共通の認識を共有できることを期待している。このような経済問題で共通の立場を取れれば、世界的な経済不均衡にどう対応するか話し合うG20の場でBRICSの影響力を拡大できるかもしれないからだ。
13日の貿易担当閣僚会議に続き、14日に海南島で開かれる首脳会議では5カ国の新興国の結束をうたい、国際的な金融システムについて何らかの改革を求める声が発信される可能性が高い。ただし水面下ではBRICSは多くの障害に直面しており、とりわけ5カ国内部でも意見対立がある。
BRICSと米国の消費者物価指数(上)とGDP(いずれも前年比)
http://jp.wsj.com/var/plain_site/storage/images/media/bric/4661402-1-eng-US/BRIC.jpg
そもそもBRIC(ないし小文字のsを付けたBRICs)という用語はゴールドマン・サックスのエコノミスト、ジム・オニール氏が2001年に生み出した造語だ。同氏は新興国4カ国が世界的に果たす役割が大きくなると考え、この概念を提唱した。BRICは長年、大規模な新興市場を示す投資家が使う略語とて扱われてきた。
その後、BRIC4カ国は途上国全体の利害を追求するなどを目的に組織づくりに努力した。先進諸国のG7にならった形だ。南アのような国が加わることは途上国の利害を追求するという目標に合致している。この会合が、中国やインドといった成長の著しい国々以外の途上国をも含むものに変遷してきたことを意味する。
BRIC4カ国は09年に最初の首脳会議をロシアで開き、国際的金融システムの改革と米ドルに代わる新たな基軸通貨の可能性について話し合った。
今年のホスト国、中国は今年、南アに加入をもちかけ、グループの名称は正式にBRICS(Sは大文字で、南アを示す)になった。呉海竜外務次官補は今月、他の新興国も加入の意思を示しており、中国がそれにオープンであることを明らかにしている。ただしどの国が加入の意思を示したのかは明らかにしなかった。グループに明確な加入手続きはない。
BRICSは一語になっているものの、それぞれの加盟国は国情が大きく異なっている。インド、ブラジル、それに南アはさまざまな反対意見を言う野党と市民社会が存在する活力ある民主主義国であるのに対し、ロシアと中国はより専制的なシステムになっている。
中国の経済力は世界第2位で、ブラジルの約3倍、インドとロシアの約4倍、そして南アの約16倍に達する。ロシアとブラジルは商品の巨大輸出国。一方、多くの商品の最大輸入国である中国は、商品価格の高騰がインフレ加速の一因であり、これを抑えようと懸命だ。
為替政策に関しても食い違っている。北京に到着したブラジルのルセフ大統領は11日、中国政府が人民元の相場を厳しく管理していることを批判した。中国からの輸出品が海外で比較的安価に維持されているためだ。
中国の呉外務次官補は人民元相場が今回の首脳会議の議題になっていないと述べている。
アナリストはこのような問題に対する意見の食い違いが、BRICSの影響力の拡大を妨げる可能性があると指摘する。また、インドネシアなど主要な途上国をこれまで排除している点、さらには途上国のみのためのグループにとどまるとすれば世界最大級の経済大国の大半を排除せざるを得ない点も、BRICSの影響力の限界になり得る。
ピーターソン国際経済研究所の中国専門家ニック・ラーディー氏は「わたしは彼らが世界経済の中で、グローバルな力になれるかやや懐疑的だ」と語った。
中国政府は長年、自国を途上国の盟主のようなものと位置づけており、人権や気候変動といった問題で先進国と対峙(たいじ)するにあたって他の比較的貧しい途上諸国が中国の陣営に付くよう期待してきた。
中国社会科学院の研究者らは最近の論文で、新興国は「協力関係を強化し、立場を調和させ、世界的なルール作りに積極的に関与し、それによって、より大きな発言力と開発の権利を持てるようにする必要がある」と述べている。
北京大学国際戦略研究センターの朱鋒副所長は、米国の影響力に対抗する上でBRICSには限界があることを認識しているとした上で、それでもBRICSは中国と他の新興国との緊張を緩和するのを後押しし、中国の長期的な目標達成に寄与するだろうと述べた。同副所長は「新興国が協力し結束できることは中国にとって大事な目標なのだ」と語った。
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