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陳腐な補正予算の編成に見る、負け犬根性
新聞の論調は再び以前の財政出動による再建に歩み出した。そして今の政権は言われるままの予算編成をするつもりのようだ。
大地震が起こり、津波が襲来しても日本の基礎的な経済条件に変わりは無い。デフレが深刻化し、財政が破綻の縁にあることに変わりが無い。
大地震や津波が急速に国内消費を活性化するというような奇跡が起こるとは思えない。著しく消費が減少しているデフレにおいて、喪に服するような自粛という消費の手控えがなされており、それを非難することはできない。
しかしそれにより経済が普通以上に減退していることは確かである。この政府はそれにさらに追い打ちをかけるように、ガソリン税の軽減をやめ、復興税という名の消費税を上げようと画策している。
およそデフレを解消する気が無いように思える。それどころか早く破綻させたいらしい。
目下の急は、再建のため、震災復興のため、公共投資という財政出動を余儀無くされている。
政策としてこれに凝り固まってしまうと、
自律回復しない成長をまたも繰り返すことは明白だ。それによりさらに莫大な借金を抱えるであろう。
この20年間厭きる事なく同じような補正予算を繰り返して来た。その失敗にもこりず、アメリカから需給ギャップ論が出るとまた麻生政権で14兆円ものを予算を組みそして何も効果がなかったのである。
ここに来て、また同じように災害回復に対して同じように予算を取って、公共投資を繰り返しても、デフレから解消することは不可能である。
デフレは需給ギャップから生まれているのではない。借金や負担の大きさから生じているのです。それゆえ公共投資にいくらつぎ込んでもデフレ経済は回復しないでしょう。
デフレにおける公共投資は、デフレを促進し借金を増やす政策です。しかし今は、それをやらざる負えないのです。政府の義務であり、国民の人間性の発露でもあります。
しかしそれだけでは日本全体が蟻地獄に落ちる事になり結局、復興もできず、破綻からも免れなくなるのです。
何かひとつ確かな民間負担を軽減し、消費が伸びる政策を同時に取る必要があるのです。これが無ければ日本の破綻はすぐにやってこよう。
私の懸念は、この政府は、来年度の予算を組むつもりがあるのだろうか。ということです。
正直な話、返せない借金をして災害復興費に当てるなど誰でも、どの政府にもできるのです。
特に今の民主党政権の首脳では、今だけ乗り切ればよいと言う考えが見え隠れします。
今後補正予算を何度も組むらしい。しかし今の予算編成では、来年度の予算はどうするつもりなのだろうか。恐らく組めないでしょう。
なんら増収をもたらす対策は取っていないからです。物を作っても見返りが無い政策なのです。
災害復興は、お金とキャンペーンや、一致団結、勤勉、刻苦勉励で解消できるだろう。しかしデフレは、政策でのみ解消できるものです。刻苦勉励ではできません。
今までと同じではこの先にあるのは経済的破綻だけです。それでは被災者の人達はより惨めな生活を余儀無くされることになります。
新聞や、政府の関係者の言い方は、今は助けなければならないから、財政が失敗してもよい、震災だから経済が悪くなるのはし方がない。そのように私には聞こえます。
日本経済が破綻したのはあの東北大震災があったからだ。そう言った理由付を既に織り込んでいるような口ぶりです。
政府や、指導者はそれではいけないのです。これを無責任というのだ。「精一杯やったがだめだった。私は一生懸命しています。」というのは、個人の場合だけ許されよう。
ここに日本の優しさと、負け犬根性が見られる。一生懸命さえやれば許されるとでも思っているのだろうか、失敗してよいと思っているのだろうか。
個人はよいかもしれないが、しかし国家は常に存在するものであり、破綻後も日本人はいなくなる分けではない。国も無くなるわけではない。
戦争は、軍人や政府関係者が一生懸命やった、アメリカがそれを上回ったとか、止む終えなかったと言っている連中がいるが、それで国民はどうなったのか。
一生懸命やったでは済まないのだ。
現政権の首相も私は精一杯やっています。それがどうした、国民はその程度では足りないと言っているのです。
今回の震災は、阪神大震災よりもさらに進んだ、デフレの深刻化の中での災害です。正常な経済の状態における経済政策では失敗するのです。
デフレにおける災害対策を打ち出す必要があります。
災害復興とデフレを同時に切り抜けるまともな算段をして予算を組む必要があるのです。決して最初から負け戦をしてはならないのです。
震災に対する莫大な費用が長期にわたり必要なのです。そのためには常に経済が拡張し、その分を補えるようにしなければなりません。それは経済を回復させながらの震災復興ということです。
今までと同じような補正予算を組むことは、難しいものではないでしょう、第1次、第2次あるいは第3次の補正予算を組むことは誰でもできよう。
いかにも仕事をやっています、あるいは災害のために予算を組んでやっているのだから有り難く思え式の予算である。しかしそのような予算をありがたがる必要などありません。
問題はこの災害予算が、被災地を完全復興させ、日本全体を復興させるかどうかなのです。
公共投資に特化した災害復興策は一見、被災地では華々しい効果を上げるであろう。しかしその他の地域ではその分空洞か、経済的荒涼をもたらすのです。
アリジゴクへみんなで向かっているのです。
頑張ろう日本、一丸ととなって災害復興が成った瞬間に日本全体が蟻地獄にはまったことが分かるのです。
囲碁における、一地域での勝利が全体の敗因になるのと同じです。
デフレ下における公共投資一遍倒の政策は、理論的にこれを意味しているのです。
今、民主党の幹部や、自民党の首脳の中には、民間負担を軽減するという発想が全く見られません。また予算を大幅に組み替えるという発想も見られません。
新聞紙上で喧伝されるのは、高速無料化の廃止や子供手当の廃止などが政治上で取引にされています。
実際には、デフレ下では、直接民間負担を引き下げることや、直接消費者に給付することが、デフレの解消につながり、経済を拡大再生産に導くものです。
しかし民主党は、そのような経済的な理論でマニフェストを作ったのではなく単に消費者受けを狙ったものだったことが明らかです。
それゆえ今の民主党にそれを期待することはできません。それゆえ再び自民党と同じような編成の予算になることだろう。
トドのあげく彼らは、自己弁護をするであろう。災害が日本経済の足を引っ張ったと。数年後に既にその論陣を張る可能性が見え隠れする論調になっている。日本経済が破綻したのは、東北大震災が大きな原因の一つになった、と喧伝し言い逃れするのである。
東北民にとってはいい迷惑だ。そして国民に莫大な借金と、重税を残してくれるだろう。
しかしそんなことをさせてはならないのです。賢明なやり方があるのです。災害復興と、デフレの解消を同時になせる政策があるのである。
震災費用が30兆要ろうとも、人間の労働量には限界があり、日本の復興建設の携わる人達にも限界がある。1年に5兆円も消化すれば十分だろう。一度に必要なわけではないのです。
その分を常に経済が拡張し補えるような経済体制を作ればよいだけです。
そのためには被災者以外の経済が、拡大伸長することが大事であり、それを促す経済対策も含んでいなければなりません。市場に資金を流入させ、消費を拡大させる方法が必要なのです。
それは低金利や、過剰融資による生産者への貸し付けとは全く異なるものです。
私はその政策として、平成版の船中八策を提案しています。その中のひとつでも完全に施行できれば、必ず災害復興とデフレの解消が同時に成し遂げられるでしょう。
デフレ解消の船中八策
1、ガソリン税を下げよ。
2、高速代金を全線、全車種3割負担で実施せよ。
3、雇用保険を満額給付し、期間を延せ。
4、生活保護所帯以下の最低賃金所帯にその差額分を給付せよ。
5、住宅ローン破綻懸念者に国が代わりにローンを支払え。
6、金利を引き上げよ。(個人金利を引き上げよ。)
7、税金の物納を大幅に認めよ。
8、消費税を3%に下げろ。
いずれも市場に資金を注入する方法であり、消費の拡大に貢献します。それがデフレ解消の正しい方策です。
(http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/敗戦と戦後の復興:デフレと震災復興参照のこと)
この九月になれば日本は、最初の大きな枝路に直面するでしょう。現在の原油高による物価高を国内の消費が越えられるかどうかです。
これが越えられれば日本経済は拡大成長し、税収が増え、デフレが早晩解消されるでしょう。しかし逆に乗り越えられず萎んでしまえば、大変な事になります。税収が全く増えなくなるからです。
ガソリンが150円を越えると、リーマン以前は車の交通量が減少し、消費が失速しました。
この民主党政権の2年の間に、消費が拡大した、あるいは所得が伸びたという話は聞いたことがありません。
それゆえ ほぼ確実に日本経済は乗り越えられず萎縮するでしょう。
このままいけば、そうなります。しかし私達は前以て分かっていることには、対策を立てられる人間です。
分かっているから、確実にそれを乗り越えられる政策を取ればよいのです。それが船中八策なのです。
さて今年の9月が一つのみものでしょう。
一言主
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi
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