http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/142.html
Tweet |
(回答先: “雪爆弾”を“援護射撃”に 「物乞い子供」の写真が続々アップされている理由 アラブ版「ベルリンの壁」崩壊 投稿者 tea 日時 2011 年 2 月 17 日 02:56:30)
既得権層とマスコミに踊らされている人には、実は日本なんて世界の投資家からスルーされ、どんどん貧困化している現実が見えない
TOP経営・戦略莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見【第40回】 2011年2月17日莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
過剰反応で描きあげた「中国が日本を買いまくる」虚像に怯える日本社会のおかしさ123
ここ1、2年間、日本のメディアが私のところに取材に来るとよく出る質問がいくつかある。「中国経済がいつ崩壊するのか」のほかに、「中国企業がなぜ日本の株を買いまくるのか」「中国資本がなぜ日本企業を狙うのか」といった趣旨のものが非常に多い。
メディアの取材に対して文句を言うつもりはない。世の中に起きることに対して関心をもつのは結構で、自然な成り行きでもある。しかし、こうした取 材と質問には見え隠れしている何かを感じずにはいられない。つまり中国の買収に対する必要以上の警戒心と隠そうともしない敵意をもっている。そこに私はあ る種のおかしさを覚えている。
そこまで集中的に質問されると、まるで中国資本が日本を手当たり次第に漁っているように受け止められる。しかしこれは果たして事実なのだろうか。
1月19日、中国出張を終えて日本に帰る最終の航空便に乗った私は、その日の新聞を頼んだ。渡されたのは当日の日本経済新聞だった。そこに載っている関連記事を見ていて、いろいろ見えてくるものがあった。関連記事をここで要約してみる。
まず、国際ニュースを取り扱う7面にある「中国、対外直接投資36%増 昨年、過去最高の4.9兆円 資源エネ権益 大型買収相次ぐ」と題する記事があった。見出しを読むと、中国資本が日本だけではなく世界中を買いまくっているような印象を受ける。
その主な内容は次の通りだ。
次のページ>>日本が買われているという誇大妄想?
「2010年の中国から海外への直接投資額(金融業を除く)は前年に比べ36.3%増の590億ドル(4兆9000億円)と過去最高になった」 「投資先の国・地域別では、香港向けが338億ドルでトップ。オーストラリア(29億ドル)、ASEAN(26億ドル)と続く」「 欧州連合(EU)向けは前年に比べ4倍の21億ドル、米国向けは8割増の14億ドル、日本向けは2.2倍の2億ドル」
2億ドルは約186億円だ。中国の日本に対する直接投資は、日本の中国に対する直接投資(42億ドル)の20分の1に過ぎない。世界2位の経済規模を誇る中国にとっては小さすぎるほどの存在ではないかと思った。
しかも、同紙の1面に「TPP 日本の覚悟」と題する記事がある。そこには、「内閣府の推計によると、世界の国内総生産(GDP)に占める中国の割合は2009年の8.3%から30年には23.9%へと拡大」と書かれている。
その予測の通りに中国が成長して行けるとすれば、近い将来、中国の日本に対する投資は、ひょっとすると世界のGDPに占める中国の割合の増加と同 様に3倍も増える可能性がある。しかし、それでも2010年の中国に対する日本の直接投資額の足元にも及ばない。日本を買いまくるというイメージを盛んに 作りだす日本のメディアの論調のおかしさがおのずと浮き彫りになる。
11面には「工作機械受注、アジア依存高く」と題する記事がある。それによると、「外需(輸出)に占める中国向け比率は37.7%(09年は 34.5%)に達した」「中国向けは前年の2.9倍の2530億円と一国で北米(1418億円)、欧州(1061億円)を大きく上回った」などとある。
日本を「買いまくる」中国マネーの金額は、日本の一業界の中国向けビジネスの規模と同列には語ることができないほどの差が存在している。
いや、一業界はもちろんのこと、一企業と比べても中国の日本に対する投資はそれほどびっくりするほどの金額ではない。
次のページ>>むしろチャイナマネーを能動的に取りに行くべきではないか
同じ11面にもう一つの記事がある。「水力発電設備 中国で受注 東芝 30億円」だ。記事によると、東芝の中国子会社が中国の水力発電所向けに大容量発電機を受注し、受注額は約30億円だという。出力60万キロワットの設備 2台の販売価格だ。日本を買いまくると報じられる中国の約186億円の対日投資額では、上記の東芝の発電機を10台しか買えない。これで中国が日本を買い まくるといえるなら笑止千万だ。
対照的に、1月7日付韓国の「中央日報」のサイトには、商地冠群という北京投資会社が北朝鮮の羅先(ラソン)特別市に20億ドルを投資するという記事がアップされた。数年間に分けての予定投資総額とは言え、その金額は日本を買いまくる金額の約10倍に相当するものだ。
さらに、1月に訪米し、オバマ大統領と会った中国の胡錦濤国家主席がその訪米に伴い、ボーイング社が航空機200機(190億ドル)の購入案件をはじめ総額450億ドル(3兆7000億円)の商談をまとめた。
これらのチャイナマネーの動きを見ると、日本に直接投資された2億ドル余の金額はむしろ少なすぎるほどの投資だと思ってしまう。
最後に、もう一度1月19日付の新聞を読むと、企業総合ページの9面に載っている次の2つの目立たない記事が私の関心を煽りたてた。
一つは、「消えゆく町工場 90年代以降、東京・大田が半減、東大阪は4割減、金融危機も逆風」と題する記事だ。「2010年末の工場数は大田が4000カ所前後、東大阪が5600〜5700カ所だった。20年間で大田が半減、東大阪でも4割減少した」
製造の町であるこれらの地方の嘆きが聞こえてくる。
もう一つの見出しは、「百貨店売上高14年連続減少 既存店、昨年3.1%(減)」となっている。
むしろ、中国資本やチャイナマネーを積極的に誘致しなくてはならない時代をもっと能動的に迎えるべきではないかと強く思っている。過剰反応で描きあげた 「日本を買いまくる」虚像に怯える日本社会のおかしさを、たった一日の新聞記事で指摘できたことを考えると、日本の自信喪失も甚だしい。
http://diamond.jp/articles/-/11189
TOP経営・戦略岸博幸のクリエイティブ国富論第127回】 2011年2月18日
岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
忍び寄る新たなネットバブルの正体 ソーシャルの名のもとにあなたが消費される デジタル植民地時代がやってきた
米国では、昨年後半からまたもやネットバブルが始まりつつあるように見受けられます。景気の回復に伴い、ネット広告市場もまた拡大を始めた こと(2009年は前年比で減少したものの、2010年は約20%増加したこと)がその主因と思われますが、それにしても、米国ではネット関連で景気のい い話がどんどん報道されています。
たとえば、フェイスブックの企業価値は500億ドル(約4兆円!)と報道されました。ツイッターはグーグルやフェイスブックと買収の初期交渉を始めたとも報道されましたが、そこではツイッターの企業価値は100億ドル(約8千億円!)と言われています。
その他にも、ミニブログサービスのTumblr、Q&AサイトのQuoraなど、様々なネットベンチャーが報道でもてはやされるようになっています。
また、ネットジャーナリズムのサイトであるハフィントン・ポストがAOLに3億1千5百万ドル(約260億円)で買収されました。
このように米国のネット業界がまた盛り上がり出していますが、それらの企業のビジネスの実態を冷静に考えると、今度のバブルはタチが悪いなあと言わざるを得ないように思えます。その理由は、結果的にこれらの企業はユーザーやブロガーなどから搾取しているからです。
ウェブ2.0が喧伝された前回のネットバブルでは、グーグルに代表されるネット企業が、マスメディアやコンテンツ企業からコンテンツの流通独占を奪取することで、大きな利益を獲得することができました。つまり、搾取の対象はマスメディアやコンテンツ企業だったのです。
それでは今回のバブルはどうでしょうか。
次のページ>>ユーザーが作りだすローコストなコンテンツの過剰共有
フェイスブック、ツイッター、Tumblr、Quoraといった企業は、いわゆるソーシャルメディアです。それらは、コミュニティを形成してユーザー同士のコミュニケーションを活発にすることで収益をあげていますが、そのために大量のコンテンツが投入されているのです。
フェイスブックを例にとれば、ユーザーがアップして友人と共有するビデオや写真、メッセージなどもコンテンツです。それに加え、流行りのコンテンツやアプリも投入されています。
つまり、それらのコンテンツの大半は、ユーザーによる無料のものか低コストで調達されたものばかりなのです。ローコストなコンテンツが多くの人に過剰に共有されることで、コミュニケーションが盛り上がっているのです。
ハフィントン・ポストも、最近でこそ一線級のジャーナリストを雇ってコストのかかる記事をアップするようになっていますが、基本的には、ローコス トなコンテンツの集積場です。マスメディアなどで報道されたニュースを加工した記事や、ブロガーによる無料の寄稿やコメントばかりだったからです。
それらのローコストな記事に、頻繁に検索される話題性のある単語を組み合わせたタイトルを付けることで、検索結果の上位に表示されるようにして (検索エンジン最適化という手法)、またフェイスブックやツイッター上でどんどん共有されるようにして(ソーシャルメディア最適化という手法)、サイトへ のアクセス数を激増させたのです。
ちなみに、もっとあけすけなネットジャーナリズムのサイトになると、まず検索に頻繁に使われる単語を組み合わせて記事のタイトルを作り、フリーラ ンサーの記者に安い報酬でそれにあった記事を書かせています(その代表例は米国で1月末に株式公開されたデマンド・メディアです)。
次のページ>>プラットフォームを提供し、地代を徴収するソーシャルメディア
ユーザから地代を徴収ソーシャルメディアが推し進める“デジタル植民地主義”
今回のネットバブルのキーワードは“ソーシャル”であり、ここで例示したようなソーシャルメディアの企業や、ソーシャルな機能も駆使したハフィントン・ポストのようなサイトがその主役になるのでしょう。
しかし、このように考えると、今回のネットバブルの本質は、マスメディアなどのコストのかかるコンテンツを制作する者ではなく、ユーザーなどローコストなコンテンツを作る者から搾取して、そのコンテンツをユーザーに過剰に共有させるという点にあるのではないでしょうか。
ある米国の識者は、この状況を指して“デジタル植民地主義”と呼んでいますが、この表現は、ちょっと極端であるとは言え、本質を突いているように思えます。
それは、フェイスブックなどのソーシャルメディアやハフィントン・ポストなどのサイトは、プラットフォームを提供するだけで、そこを利用する者が作るローコストなコンテンツを使い倒すというかたちで“地代”を徴収しているからです。
ローコストなコンテンツを使い倒すことで、フェイスブックの企業価値は日本円にして4兆円となり、ハフィントン・ポストは260億円で買われたと考えると、今回のネットバブルの主役たちは凄まじいまでに錬金術に長けているのかもしれません。
質問1 新たなネットバブルが発生していると思う?
59.8%
思う
25.9%
まだ分からない
14.4%
思わない
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
- 中国、「不動産バブル」続く tea 2011/2/19 11:15:56
(0)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。