http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/899.html
Tweet |
(回答先: 原子炉は人間が造ってはいけない人工物だった (新ベンチャー革命) 投稿者 五月晴郎 日時 2011 年 4 月 26 日 18:35:37)
http://8706.teacup.com/uedam/bbs/10165
「uedam.com掲示板」から「日本社会の、日本軍の、東電の、中空の構造」を転載、フォローアップ投稿します。
=転載開始=
日本社会の、日本軍の、東電の、中空の構造 投稿者:ウエダ 投稿日:2011年 4月26日(火)08時32分13秒 通報 編集済
おはようございます、皆さん、植田です。
対米戦争開始の時点での日本軍の石油奪取作戦。
ダニエル・ヤーギンの『石油の時代』でも、日本人の20世紀の半ばの戦争が石油戦争だったと論じています。
で、それは別にして、昨日話題にした「パレンバン油田」の急襲・奪取です。
昔、私は日本軍のこの急襲のテレビ番組を見ました。
日本軍のパラシュート部隊が油田の近くに降下し、敵の戦車に接近して、手榴弾を投げつけて、やっつけるシーンなど、よく覚えています。
ところが、記憶がそこでプッツリと切れます。
それ以後の場面を見た覚えがありません。
油田を制圧した後、日本軍はその石油をどうしたのか?
長いこと、その後の場面が気になっていたのですが、誰の本だったか、なぜその後の場面が消えたのか、それを見た時、わかりました。
日本軍は油田を制圧したまではよかったものの、その石油をマレー半島から日本列島まで輸送するタンカーのことをまったく考えていなかった、と。
だからせっかく手に入った石油を日本軍は使えなかった、と。
なるほど、でした。
いつもの日本軍、というわけでした。
小室直樹氏の場合は、真珠湾奇襲作戦では、パール・ハーパーに停泊しているアメリカ艦隊を攻撃したのはいいものの、肝心な石油基地を叩くのを忘れたことを知って、椅子から転げ落ちた、ということです。
これも、まあね、です。
日本軍だから、仕方ないだろう、と。
かっての日本軍は、どこかおかしかったのだよ。
真剣に旧日本軍の行動を考えると、頭がおかしくなるぞ、と。
で、話は昨日紹介した小出・橋本プルサーマル対論です。
この対論をユーチューブで見ていて、なぜパレンバン油田作戦が、結果的に失敗したのかわかりました。
日本軍の「縦割り」構造だろう、と。
落下傘部隊は、それだけは大成功しましたが、石油の輸送はこの部隊の任務ではなかった、と。
だから、落下傘部隊は制圧したことで、任務完結。
奪った石油を日本列島に輸送するのは、別の部隊の任務です。
そこで、なぜそこに輸送部隊が出てこないのか?
今回の福島原発事故でも同じことが起きています。
汚染された水の海への放出。
後藤政志氏によれば、タンカーに移せば、海に捨てることはなかった、と。
私は、これを日本社会の「統治構造リスク」と呼びたいと思います。
部隊は、それぞれ自分のことを考えるだけで、それで完結してしまう、と。
で、このことは、司馬遼太郎氏によれば、それ自体としてはイギリス軍が世界を制覇した理由です。「各自、自分のデューティ(duty/義務・任務)を実行せよ」、と。誰もが自分に与えられた任務を遂行するだけでよし、それでイギリス海軍は世界を制覇した、と。
では、日本軍とイギリス軍の違いは何か?
大橋氏のプルサーマルの安全論議がこれです。
「なんで、プルサーマルの安全性を議論するこの場に、チェルノブイリのことが出てくるんですか? どう関係あるんですか?」
これをパレンバン作戦で見れば、落下傘部隊は言うでしょう、「私たちは今、油田基地を攻撃しているのに、なんで、輸送のことを考える必要があるのか?」
つまり、日本社会の統治構造リスクは、全体を見る人がいない、と。
個別のところでは、日本人は過去も現在も非常に優秀だろう、と想定できます。
戦前は軍事一等国、戦後は経済世界第2位。
ところが、局面局面で、全体を見渡す人がいない、と。
さて、では、この全体を見渡すことが出来ない日本型統治構造はいかにして出現したか、です。
ズバリ、「中空の天皇制」と。
ユング心理学者だった故・河合隼雄氏の用語です。日本人の自我は「中空である」と。
つまり、全体を見渡す立場にいる人が、構造的に、いない、と。
=転載終了=
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素9掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。