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「新ベンチャー革命」から「原子炉は人間が造ってはいけない人工物だった」を転載投稿します。
=転載開始=
1.まったく展望の開けない東電福島原発事故現場
東電のホームページから福島原発事故の現況情報を毎日、チェックするのが日課となってしまいましたが、状況が好転しているのか、安定しているのかはさっぱりわかりません。
当該事故機では核燃料の冷却が絶対に止められなく、延々と冷却水が事故原子炉に送り込まれ続けていますが、専門家の情報によれば、事故機内の核燃料を人間が安全にハンドルできるまで冷却するには何年もかかるそうです。聞いただけで気が遠くなります。
ちゃんと管理された健全な使用済み核燃料ですら、再処理できるようにするためには3〜4年間も水冷する必要があるそうですから、当該事故機の核燃料の場合、一部損傷していると言われていますので、もっと冷却期間が延びると思われます。
現在、事故機周辺の放射能レベルは作業員が安全に作業できるレベルではありません。したがって、果てしなく続く核燃料冷却中は原子炉内の核燃料を別の場所に移すことは到底、できないのみならず、見苦しく破壊された建屋や配管・機器類の撤去作業、爆発で飛び散った破片・瓦礫の撤去作業もできません。実に情けない話です。
現場の作業員は放射能被曝と地震再発に怯えながら、ただひたすら冷却作業のみをし続けるしかありません。
2.原発推進派は原子炉の悪魔的危険性を正しく認識していたのか
原発は安全だと主張し続けてきた原発推進派の人たちは、上記のような東電福島原発事故の惨状を目の当たりにして、今頃、何を考えているのでしょうか。
ところで筆者は、本事故の起こる前まで、運転中の原子炉が非常時、緊急自動停止すればそれでひとまず安全だと思っていました。ところが、2011年3月11日に事故が起きて以降、筆者の事前の理解ともっとも異なった点、それは、運転中原子炉が正常に緊急停止しても核燃料の反応が完全に止まるわけではないという点でした。しかも、緊急停止した原子炉の核燃料を安全な状態にするには、何年も冷却し続けなければならないという点でした。さらに驚いたのは、緊急停止した原子炉は、いったん冷却系システムが壊れたら最後、あっという間に大暴走して、最悪、大爆発し、放射能をまき散らす危険があるという点でした、つまり原子炉は運転停止しても、爆発する危険があるのです。なんと恐ろしい人工物でしょうか。
原発推進派の専門家にとっては少なくとも、このような原子炉の危険性は常識の範囲なのでしょう。しかしながら、筆者も含めて、一般の日本国民は、この事故が起こるまで、上記のような原子炉の悪魔的危険性を正確には承知していなかったと思います。
3.原発推進派の常識は世間では通じないはず
筆者が昔勤務したIHIは東芝の下請けにて、東電向けの原子炉の圧力容器と格納容器を製作していました。当該事故機の中にもIHI製の圧力容器と格納容器が含まれます。しかしながら、筆者はIHI勤務時代、東電向けLNGプラントの設計マンでしたが、IHIの納入した東電向け原子炉機器については素人でした。
さて筆者がもし東芝に勤務していて、原子炉の設計マンであったら、当然、原子炉の機能、性能、安全性などを調べていたはずです。そして、安全性のチェックの際、上記のような原子炉の悪魔的危険性にも気付いたはずです。
普通の人間なら、原子炉の悪魔的危険性を知れば知るほど、これはとんでもないシロモノだと思うはずです。
いかなるプラント、いかなるシステムでも人間が造っている以上、必ず壊れます。災害はもちろん、運転ミスでも壊れます。原発の場合、放射能という厄介なものがあって、いったん壊れたらもう手が付けられないということがわかります。普通の神経なら、こんなものを造ってはいけないと感じるでしょう。
4.原発と航空機の類似性と違い
人間の造る人工物というのは必ず壊れます。そして壊れたら、そこで動かなくなって止まって、終わりですが、壊れたら怖い人工物が、この原発と飛行機ではないでしょうか。運転されている原発は壊れたら暴走してしまい、最悪、放射能をまき散らします。また、上空高く飛んでいる飛行機は壊れたら即、墜落して、搭乗者は全員、死ぬことになります。
この意味で原発と飛行機は非常に怖い人工物です。それでも、壊れた飛行機は放射能をまき散らすことはないので、被害は限定的ですが、壊れた原発は放射能をまき散らし、その被害は無限大です。以上より、壊れた飛行機より壊れた原発の方がはるかに怖いといえます。
5.壊れたら被害が無限大となる人工物を造ってはいけない
人間は絶対に壊れない人工物を造ることはできません。したがって、人工物である原子炉を絶対に壊れないように人間が造ることは不可能です。
だから、いかなる原子炉も壊れ得るわけで、いったん壊れたら、その被害は無限大となるわけです。
ということは、原子炉に限って、人間の造ってはいけない人工物であると結論づけられます。
6.原子炉の設計マンは事故が起きたらどうなるか悩まなかったのか
今、世間では破局的原発事故を起こした東電を責めていますが、日本には当該事故機の建設に関与した人間がいるはずです。当該事故機は、GEの図面に沿って、東芝、日立の人間が造ったものですが、東芝、日立の原子炉設計マンは、原子炉の特性を学習するにつれて、原子炉の悪魔的危険性に気付いたはずです。
原子炉が壊れて暴走事故が起きたら大変なことになると気付いたはずです。そして、事故が起きて責任を問われたら大変なことになると悩んだはずです。
当該事故機は70年代半ばまでに運転開始されています。その後、スリーマイル事故(1979年)やチェルノブイリ事故(1986年)が起きています。これらの破局的原子炉事故の発生から、今回の老朽事故機の建設に係わった東芝・日立の原子炉設計マンは、当該事故機の危険性を肌で感じたはずです。
少なくとも、チェルノブイリ事故後の80年代末までに、東芝・日立の原子炉設計マンは東電に何のアクションも取らなかったのでしょうか、非常に気になります。
ベンチャー革命投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm
テックベンチャー投稿の過去ログ
http://www.elmstadt.com/news/techventure.html
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/8285/column-top.html
=転載終了=
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