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(回答先: <対談>震災1カ月 原発危機B/あいまい性が混乱生む 野口/安全にコストをかけよ 舘野(しんぶん赤旗) 投稿者 gataro 日時 2011 年 4 月 17 日 13:05:31)
<対談>震災1カ月 原発危機C/安全優先の原子力行政へ
原子力見直しへ国民的議論を 野口/優れた規制体制をつくれ 舘野
「しんぶん赤旗」 2001年4月14日 16面
――日本の原子力行政や世界の流れはどう変わりますか。
野口邦和・日本大学専任講師(放射線防護学) 事故前は、産業界は「原子力ルネサンス」と言い、原子力への回帰が世界中に起きていると大宣伝していましたが、今回、各国でも原子力推進を見直す動きが報道され、ドイツのバーデン・ビュルチンベルク州の州議会選挙で推進派が負けました。原子力回帰への世界の流れに、見直しを迫ることになるでしょう。
舘野淳・元中央大学教授(核燃料化学) 私は、中国やベトナムなど、これから原発を進めようとする国に注目しています。エネルギーが必要で大増設をしていこうという状況で、どんな判断をするのか。アメリカは、あまり変わらないと思います。ドイツは揺れているようです。ドイツの週刊誌のインタビューを受けましたが、日本の原発に興味を持っています。
野口 国内では、津波対策の強化を当然するにしても、やっぱり原発をこのまま推進していていいのかという議論になるでしょう。
技術論も含めて
舘野 国論を二分する議論になると思う。エネルギーを節約するといっても、今の文明の体制ではそう簡単ではない。本当に真剣な議論をしないと、同じことの繰り返しになる。合意形成は難しいと思いますが、大事なことは「原発絶対反対」とか「いや推進するんだ」という対立では、抽象的な議論で終わってしまう。どういう条件ならやるとか、やめるべきだとか、技術論も含めて具体的に議論する必要がある。
野口 私は、とくに70年代にできた老朽原発十数基を厳しく点検しなくてはいけないと思います。一方、マグニチュード8クラスの巨大地震が100〜150年に1回ずつ起きることがわかっている地域にある浜岡原発(静岡県)の是非も、住民運動を含めて国民的な議論になってくると思います。
舘野 地震や津波が発生する所の原発はやめると。いずれにしても、福島原発のような地震に弱い古いタイプの原子炉をやめるなど具体的な提案をし、きちんと条件を設けて議論を進め、必要なら国民的な運動も大事です。優れた規制体制をつくり、そのもとで技術的にも安全性の高い原発だけを残して当面は使っていくとか。そういうことができるかどうか。
野口 風力や地熱、小水力、太陽光発電など、場所ごとの条件を生かした自然エネルギー導入、そのための研究開発が必要です。大都会では火力発電に頼る必要もあるでしょう。原子力を利用することも含め、どういう選択をするのか国民的に議論することが大切です。
舘野 私は、原発の安全の問題は人間の問題だと思います。非常に危険な装置を扱っているわけですから、扱う人間が無責任で技術的に能力がないのでは、どうにも仕方がない。
集中立地の欠陥
野口 ヨウ素134の測定ミスや、労働者3人の被ばく事故がありました。交代要員はいないのでしょうか。的確な判断ができにくい状況が生まれているのかと思います。法律で決める緊急時の被ばくの上限を、たった1日で変えました。対応の仕方が荒すぎます。作業員の被ばく事故が今後も増えることが心配です。
舘野 放射線の担当者も随行しなかったんですね。
野口 今回の事故は、世界で初めての事態です。チェルノブイリ事故もスリーマイル事故も、深刻な事態が起きたのは一つの原子炉だったので力を集中できた。しかし今回は、原子炉が3基、使用済み核燃料貯蔵プール2カ所が深刻です。それで、いまだに大気や海へも漏れ出ている状況。まさに集中立地の欠陥がもろに現れたわけです。
人類が経験したことのない事態への対応ですから、国内だけでなく世界中の英知が必要です。そして、事故が収束した後には、徹底的に総括して、事故から学びつくすことが大切です。 (おわり)
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