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2011年11月14日の毎日放送「たね蒔きジャーナル」で小出裕章氏が文部科学省HP資料(注1)中の放射能汚染地図の平方メートル当たり1万ベクレル超の地域に関して小出氏の勤務先の「京都大学原子炉実験所」と比較して「もうびっくりして私だったら、その場には入らないというような、汚染です」との発言(注2)をされた。
しかし、小出氏の上記の発言には少なくとも次の問題がある。
(1)子供の疎開に消極的な以前の発言との整合性に欠ける事
(2)シニア決死隊志願発言との矛盾
(3)原発事故以前に実生活で江戸時代から平方メートル当たり1万ベクレル超の場所が普通に存在した事
(4)「京都大学原子炉実験所」との比較が誤解を招く事
以下において、2011年11月14日の毎日放送「たね蒔きジャーナル」での小出裕章氏発言と上記の四つの問題点を考察する。
*****
(1)子供の疎開に消極的な以前の発言との整合性に欠ける事
小出氏は福島市等の子供を念頭においたと思われる子供の被曝の危険性を指摘はしたものの福島市の子供の避難については家庭崩壊を理由に消極的であり、政府の福島市内の子供の被曝対策不足についての批判は御用学者と目される小佐古敏荘教授の涙ながらの記者会見での政府批判の方が積極的でインパクトがあったくらいだ。
小出氏が福島市等の子供を念頭においたと思われる子供の避難については家庭崩壊を理由に消極的発言をされていた時点ではセシウム134と137合わせて平方メートルあたり30万ベクレル超の場所にも子供が住んでいたはずである。(尚、現在は特定避難勧奨地点に指定されたため子供や妊婦は避難したと思われる。)これは小出氏が「もうびっくりして私だったら、その場には入らないというような、汚染です」という場所の30倍もの汚染地域であり、以前の発言との整合性に欠けるのである。
尚、この事に関して小出氏を批判するブログすら存在する。
[ 脱原発運動に敵対する小出裕章氏を批判する ]
http://blog.livedoor.jp/pph2tm-ikenobu/archives/53007084.html
>小出氏は「本当ならば子供は疎開させるべき」と言うが、
>多くの場合、この枕詞を省いて「疎開は家族を崩壊させるから子供を疎開させるな」と
>依然種まきジャーナルだけで無く、自らの著書、各地の講演会で吹聴している。
(2)シニア決死隊志願発言との矛盾
小出氏は福島第一原発事故の収束のためシニア決死隊志願すると発言を以前されていた。もし、放射性セシウムが平方メートル当たり1万ベクレル超であっても平方メートル当たり3万ベクレル未満の地域では「もうびっくりして私だったら、その場には入らない」ならシニア決死隊志願発言は大ウソだった事になる。
(3)原発事故以前に実生活で江戸時代から平方メートル当たり1万ベクレル超の場所が存在した事
成人の体内には4000ベクレル以上のカリウム40が存在し、ガンマ線を出さない炭素14も含めれば成人の体内には5000ベクレル以上の放射性物質が存在する。江戸時代の日本人が小柄だった事を考慮しても成人一人の体内には3000ベクレル以上のカリウム40が存在したため、祭り見物や花火見物や大名行列の中のような人が密集した場所では人体に含まれるカリウム40により平方メートル当たり1万ベクレル超の場所が存在した。
また、海水1リットルには約12ベクレルのカリウム40が含まれるため、水深1mの浅瀬でも平方メートル当たり1万ベクレル超となる。
(原子力資料情報室(CNIC)HP記事参照)
http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/4.html
>外洋海水1リットルには、0.400g(12.1ベクレル)が含まれる。
(4)「京都大学原子炉実験所」との比較が誤解を招く事
原子炉実験所で、平方メートル当たり1万ベクレル超の場所は放射能漏れ事故が起きてない場合は原子炉の中か廃棄物貯蔵施設かくらいである。「もうびっくりして私だったら、その場には入らない」というのは放射能漏れ事故を念頭に置いた発言と考えられ、平方メートル当たり1万ベクレル超の場所の数メートル先には平方メートル当たり1000万ベクレル超の場所があったり、プルトニウムの飛散があったりする場合を危惧する必要があるからで、放射性セシウムが平方メートル当たり1万ベクレル超であっても平方メートル当たり3万ベクレル未満である事があらかじめ判明している地域では「もうびっくりして私だったら、その場には入らない」には該当しないはずなのに、誤解を招く表現をしている。無責任である。
尚、もし万が一、小出氏が本気で平方メートル当たり1万ベクレル超であっても平方メートル当たり3万ベクレル未満の場所に「もうびっくりして私だったら、その場には入らない」と言ったなら、小規模な軽度の放射能漏れ事故にすら対処できず「京都大学原子炉実験所」の職員失格である。
*****
(注1)「文部科学省による、岩手県、静岡県、長野県、山梨県、岐阜県、及び富山県の航空機モニタリングの測定結果、並びに天然核種の影響をより考慮した、これまでの航空機モニタリング結果の改訂について」
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1910/2011/11/1910_111112.pdf
のp.29の(参考2)の放射能汚染地図(セシウム134と137の合計沈着量地図)を指しているものと考えられる。
(注2)以下の聞き起こしは、ブログ「ざまあみやがれい!」
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65775464.html
での2011年11月14日の毎日放送「たね蒔きジャーナル」の聞き起こしから以下の部分を一部抜粋引用。
*****
小出「うーん……わかりませんけど、でもまあ、例えば私が働いている放射線管理区域の内部であっても、1平方メートルあたり1万ベクレルを超えてるなんていう場所は、ほとんど、ありません」
水野「え? そうなんですか」
小出「はい」
水野「1万ベクレルというのはどれほどのものかと思ってたんです」
小出「はい。もうびっくりして私だったら、その場には入らないというような、汚染です」
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- いただいたご批判の件 小出 浅見真規 2011/12/28 21:29:00
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