http://www.asyura2.com/11/genpatu18/msg/663.html
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[ マウス低線量被曝実験とヨウ素131薬追跡調査とLNT仮説 ]
http://masanori-asami-hp.web.infoseek.co.jp/Fukushima1NPP/doubt_LNT.htm
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1. LNT仮説が不完全性である可能性
遺伝子修復酵素の存在により、単なる被曝線量以外に被曝の態様がダメージに影響する可能性が推測され、LNT仮説(Liner Non-threshold Theory: 「閾値無しの直線仮説」)が不完全な可能性が考えられます。実際、そのような実験もあるようです(注1)。
2. マウス低線量被曝実験はLNT仮説以上の余命短縮効果を示唆する。
環境科学技術研究所によるマウスの低線量被曝実験[S. Tanaka他(2003)](注2-1)(注2-2)の結果の素のデータは低線量被曝ではLNT仮説よりも大きな余命短縮効果を示唆しています。
上記の表を模式的なグラフで表すと下のグラフのようになります。
ただし、統計的にはマウスの数が不十分なため「有意」ではないとされてます。そのため、科学的議論の基礎とするには統計的不確実性が大きすぎるのです。しかし、マウスの数が全く少数たとえば10匹とかではない事とオス・メス共に同様の傾向を示している事から、政府がはるかに多くのマウスを使った実験を実施していれば統計的に「有意」な結果が得られた可能性が高いのです。言い換えると、政府の怠慢によって統計的に「有意」な結果が得られなかった可能性が高いのです。
これを法的に考察すれば、政府が十分な数のマウスで実験し、かつ、統計的に「有意」な否定的結果が得られない限り、福島第一原発事故によって低線量被曝した被害者は統計的に「有意」とみなして訴訟上の証拠としうると考えるのが妥当です。
3. ヨウ素131薬被投与成人患者追跡調査は40ミリシーベルトの内部被曝で固形癌死亡率減少を示唆する。
放射性ヨウ素131薬の投与を受けた患者のアメリカでの追跡調査の研究であるRon E, et al. (1998)の素のデータによれば、多くの固形癌は7mCi(注3)未満(259メガベクレル未満)で死亡率が若干減少しています。細胞分裂が盛んな癌細胞は通常細胞より被曝に弱いので既存の微小な癌細胞群が低線量被曝で活性を低下させるからだと私は推測します。尚、通常細胞も被曝でダメージを受けるため固形癌以外の要因で余命減少は起きると私は推測しています。ただし、統計的には人数が不十分なので「有意」とは言えないので非科学的推測です。
(JAMAホームページ掲載の)Ron E, et al. (1998)
http://jama.ama-assn.org/content/280/4/347.long
(同上、table7)
http://jama.ama-assn.org/content/280/4/347/T7.large.jpg
上記のtable7で、7mCi未満(37メガベクレル)のCLLとnon-CLLが白血病に応します。
分類区間の平均値で考えると3.5mCi (注3) 程度です。放射性ヨウ素131を利用する医薬品ヨウ化ナトリウム・カプセルの添付文書(注4)によれば1mCiすなわち37MBqのヨウ素131投与は11.5mGyすなわち11.5mSvの全身吸収線量に相当(注5)するとありますので、3.5mCiは約40ミリ・シーベルトに相当します。Ron E, et al. (1998)では死亡率が示されてますが、発症率が死亡率とほぼ比例すると考えると下の模式的グラフになる可能性を示唆しています。
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(注1) 下記の「工作blog」の記事「低線量被曝って危ないんじゃないの?」参照
http://d.hatena.ne.jp/aljabaganna/20110720
(注2-1) 日本語解説は下記の高度情報科学技術研究機構HP記事参照
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-08-09
(注2-2) 英語abstractは下記のBioOne Online記事参照
S. Tanaka, I. B. Tanaka, S. Sasagawaa, K. Ichinohea, T. Takabatakea, S. Matsushitab, T. Matsumotoa, H. Otsua, and F. Sato 著
[No Lengthening of Life Span in Mice Continuously Exposed to Gamma Rays at Very Low Dose Rates]Radiat.Res.160,376-379(2003)
http://www.bioone.org/doi/abs/10.1667/RR3042?journalCode=rare
(注3) 1mCiは37メガ・ベクレル
wikipedia「キュリー」参照
(注4) 医薬品医療機器情報提供ホームページ資料参照
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/400022_4300003M5037_1_12.pdf
(注5) ICRPやECRRのヨウ素131の実効線量計数による線量より射性ヨウ素131を利用する医薬品ヨウ化ナトリウム・カプセルの添付文書の全身吸収線量の数値の方が妥当である事については、下記の記事参照。
[ ICRPもECRRもヨウ素131の実効線量係数を過大評価している ]
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