http://www.asyura2.com/11/genpatu18/msg/624.html
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福島第一1号機の非常用復水器(IC)の作動について、東電はこれまでウソの説明で固めてきた。
その代表例が、ICは地震後9分で自動起動したが原子炉の温度が急激に下がったため運転員がマニュアルに従い起動後10分後くらいで手動停止したというウソだ。
添付した記事の2番目にあたる毎日新聞も、「ICは地震発生時に自動起動したが、運転員が手動で停止と再起動を行ったとされている」と書いている。
腐り切った東電は、これまでついてきたウソを撤回したり謝罪をすることなく、1号機の非常用復水器の作動について新たな発表を行って平然としている。
東電の発表内容は、「10月18日に調査した2機の非常用復水器内に残った冷却水の量などから、事故後の運転状態を推定した。1基は事故当初、約80%あった水位がほとんど下がらず、働いていなかった。もう1基の水位も65%にとどまり、動作したのは3月11日午後6時18〜25分、同午後9時半以降の2回とみられるという」(日経新聞記事)というものである。
記事の内容が事実なら、“ICは、地震後9分で自動起動したが、原子炉の温度が急激に下がったので運転員がマニュアルに従い起動後10分後くらいに手動で停止した”という従来の説明がまったくウソであると自ら告白していることになる。
東電は、1号機の圧力容器内の圧力が地震からほどなく半分ほどに急減した事象もICの “効果”だと説明している。
ICの効果とは無関係に原子炉の温度が急激に下がったとしたら、配管損傷で蒸気や冷却水が漏れ出し、そのために原子炉の圧力が急減し沸点も急激に下がったと考えた方が妥当である。
A系ICが少し作動する一方で、B系がまったく動いていない事実も、配管損傷を疑わせるものである。
東電が記事のような発表を行うのなら、これまでの説明の誤りを認め、わかっている範囲であっても事故経緯の整合性をきちんと付けた説明をしなければならない。
この期に及んでも、きちんとした説明をせず、わかるひとはわかるだろう的な断片的情報の小出しを平気で行う東電の卑しい根性には怒り心頭である。
添付した日経新聞と毎日新聞の記事は、ICが電源喪失と直接的な関係があるようなニュアンスで書いているが、IC自体は動力なしで作動する。非常用バッテリーは、弁の開閉や再循環ポンプの作動に関わるものである。
※ 関連投稿リスト
「ふざけるな!ナメルな!1号機「非常用復水器」停止問題:この期に及んでもウソをつく東電と同罪か無能の枝野長官」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/361.html
「1号機は津波ではなく地震による損傷でメルトダウン:再循環パイプの破損で津波前から毎時25トンの冷却水漏れ」
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「1号機問題:意味がほとんどない「ベント」や「海水注入」の遅れが問題視されるという錯綜状況」
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「衆議院予算委員会の審議でみたグラフをもとに「1号機問題」を補足:ますます見えてくる管政権の国民軽視のエセ言動」
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「「津波原因」説のゴリ押しで「地震原因」を封印する東電&保安院の大暴挙:D/W冷却系起動のみで1号機の冷却機能が正常だと!」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/702.html
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非常用復水器動作が不十分 東電、福島原発1号機で[日経新聞]
東京電力は22日、福島第1原子力発電所1号機の緊急時の冷却に使う非常用復水器が、3月11日の東日本大震災の津波到来後も一時機能はしていたが、十分に動作せずに効果は限定的だったとする分析結果を発表した。津波によって全電源喪失した後に非常用復水器が働いていたのかどうかの状況はこれまでよくわかっておらず、事故原因の焦点の一つにもなっている。
10月18日に調査した2機の非常用復水器内に残った冷却水の量などから、事故後の運転状態を推定した。1基は事故当初、約80%あった水位がほとんど下がらず、働いていなかった。もう1基の水位も65%にとどまり、動作したのは3月11日午後6時18〜25分、同午後9時半以降の2回とみられるという。
[日経新聞11月23日P.34]
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福島第1原発:非常用復水器が十分機能せず 電源喪失後[毎日新聞]
東京電力は22日、福島第1原発1号機の原子炉内を冷却する非常用復水器(IC)について、3月の東日本大地震の際、津波が到来して全電源を喪失した後、十分に機能していなかった可能性があると発表した。
ICは、緊急時に原子炉内の蒸気を冷やすための装置で、A系とB系の2系統ある。東電によると、10月18日に社員が現地調査を行った際、熱交換の際に蒸発する冷却水が、A系で65%、B系は85%残っていた。冷却水は震災後は補給されておらず、「一定程度か短期間しか機能していなかったと考えられる」としている。燃料損傷で生じた水素ガスが配管の中に滞留し、除熱効果が下がったことなどが考えられるという。
同じ日に行った目視による点検では、設備の損傷は確認されなかったという。松本純一原子力・立地本部長代理は「ICが機能していたとしても、炉心損傷までの時間に少し余裕ができる程度で本質的な解決にはならなかったと考えられる」としている。
ICは地震発生時に自動起動したが、運転員が手動で停止と再起動を行ったとされている。政府の事故調査・検証委員会は、ICが適切に操作され、作動したか検証している。【神保圭作】
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