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(回答先: <シリーズ 原発の深層>第2部 米戦略のもとでD/次官補の1枚のメモ(しんぶん赤旗) 投稿者 gataro 日時 2011 年 10 月 12 日 19:43:45)
<シリーズ 原発の深層>第2部 米戦略のもとでE/「米ひもつき」懸念も
「しんぶん赤旗」 2011.10.05 日刊紙 1面
米国が口上書で日本政府に対し実験用原子炉建設への援助などを申し入れた1955年1月、沢田廉三在ニューヨーク国連大使は20日付公電で、重光葵外相に、ある“忠告”を伝えます。
米追随は“愚”
その“忠告”は、原子力問題で国連事務総長の特別顧問を務めるランダース氏が、在ニューヨーク国連日本政府代表部との懇談で語ったものでした。
「日本も原子力の問題に関し徒に米国のみに追随することなく、広く世界に知識を求め、独自の立場より進まれることを希望する」
ランダース氏は「(米国やソ連の)原子力における秘密主義は必然戦争の可能性に結びつく」と批判。「技術面の実力なくして(米国から)原子炉を輸入するのは愚であり、何処までも実力を養成されることを望む」とも語りました。
沢田大使自身も翌21日付公電で重光外相に対し「(日本の)原子力工業化推進」を主張しつつ、「今日の日本の現状より考察するに原子力問題は国連を中心とする平和的利用の線に沿い日本においても推進する」よう進言しました。
「今日の日本の現状」とは、前年3月の米国によるビキニ水爆実験を契機にした原水爆禁止の世論と運動の空前の高まりでした。
外務省当初案
外務省は同年4月、「原子力平和的利用の問題に関するわが国の態度(第2次案)」を作成します。
「極秘」扱いの同文書は、原子力問題の特殊性として、@最初の利用が大量殺りく兵器であったAその後も軍事目的に開発・利用が集中し、平和利用は極めて限定されたBその平和利用さえも開発能力を独占した若干の強国の利害に左右される傾向がある―と指摘。「原子力の国際管理及び原子兵器を含む軍縮問題を解決することなしには、平和的利用の問題を全面的には解決することはできない」と分析しました。
さらに同文書は「(原子力の)開発利用のためにまず先進諸国の援助を必要とする」としつつ、「二国間協定等によりわが国が一定の義務を負う場合」は「種々困難な問題を生ずる恐れがある」と指摘。このため「わが国の原子力に対する根本政策の樹立及び国内体制の整備に当たってはあらかじめ慎重な考慮を要する」と結論付けました。
政府内部でも当初は、日本での原子力の開発・利用が米国の「ひも付き」になることに強い懸念があったことを示しています。一方で、米国から1月に実験用原子炉の燃料となる濃縮ウランの提供とそのための2国間協定の締結について申し入れがあったこと
は、日本国民にはひた隠しにされたのです。
(つづく)
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