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汚染汚泥もたまる一方 引き受け先めど立たず
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110813/dst11081321540032-n1.htm
2011.8.13 21:53 産経新聞
放射性物質に汚染されたがれきや汚泥といった廃棄物の処分をめぐっては、自治体が頭を悩ませている。細野原発事故担当相が「汚染がれきの最終処分は福島県外で」と示唆したが、処分どころか仮置きすら拒否されるケースが相次いでいるからだ。浄水場や下水道から大量に出ている放射性セシウムを含んだ汚泥や焼却灰はたまる一方で、関係者からは「早く最終処分方針を示してほしい」と不満の声が上がる。
■「国が確保を」
「このままでは年内にいっぱいになる」
福島市内の山中にある「すりかみ浄水場」。約800キロずつ土嚢(どのう)に入れられ、ブルーシートで何重にも包まれた放射性汚泥が大量に保管されている。
同浄水場では、2〜3週間ごとに約60トンの汚泥を脱水処理し「浄水ケーキ」という状態にしている。5月の検査でこのケーキから平均7万3410ベクレル、7月下旬でも平均3万6610ベクレルのセシウムが検出された。
政府は6月、放射性汚泥の当面の取り扱い基準を公表した=別表。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/photos/110813/dst11081321540032-p1.htm
この浄水場は〔2〕に該当するが、実際は処分場での受け入れに難色を示され、場内で保管せざるを得ないという。
同浄水場を管轄する福島地方水道用水供給企業団の國井博光次長は「年900トンの汚泥を保管し続けるのは厳しい。国に処分場を確保してほしい」と漏らす。
浄水場の浄化過程で生じた汚泥について厚生労働省が東日本14都県の計365事業体に行った調査によると、7月12日までに放射性物質が測定された4万9250トンのうち、76%に当たる3万7286トンが浄水場に保管されたまま。未測定の汚泥も5万4631トンにのぼる。
一因には、国が放射性汚泥の最終処理方法の指針を示していないことがある。国土交通省は6月、有識者会議で汚泥の最終処理方法についての検討を開始したが、先行きは不透明だ。同省幹部は「自治体からは(埋め立てを認める)8千ベクレル以下の基準を緩和してほしいという要望もあるが、科学的に決まった基準を変えるのは難しい」と話す。
福島県の担当者は「国の基準では仮置きできることになっているが建前。実際は処分場の地元から反対にあったりして受け入れ先がない」と打ち明ける。
■「持ち込む必要ない」
町内に民間の最終処分場がある福島県柳津町は、県の汚泥持ち込み要請を拒否した。町の担当者は「最終処分の方法も決まっていないようなものは受け入れられない」。地元でも「わざわざ危ないものを持ち込む必要はない」との反対意見が根強かったという。県の担当者は「基準を出しても現場で履行されなければ意味がない」と頭を抱える。
災害廃棄物の処分に詳しい独立行政法人日本原子力研究開発機構の木村英雄・研究主幹は「住民には、放射性物質の濃度が低い場合は安全だと理解してもらえるよう丁寧に説明していくしかない。このままでは回らなくなる。国は早急に最終処分の方針も示すべきだ」と話している。(原川真太郎、油原聡子)
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