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06年伊方原発プルサーマル説明会/四国電の“台本”通り/7人がメモに沿い発言
「しんぶん赤旗」 2011年8月2日付 15面
「やらせ質問」が明らかになった四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)のプルサーマル発電をめぐる説明会で、同社の要請で発言した10人のうち7人が同社の作成した発言メモに沿った発言をしていることが1日、本紙の調べでわかりました。公正であるべき説明会が、同社の“台本”による“茶番劇”だったことが浮き彫りになりました。
問題の説明会は、2006年6月4日に伊方町内で行われた国主催のプルサーマルシンポジウムです。同町の四国電力伊方原発3号機でのプルサーマル実施に向け住民の理解を得るためのものでした。
同シンポをめぐって四国電力は、参加者29人に口頭やメモを渡して質問や意見をするよう依頼。当日、会場から15人の発言があったうち、四国電力の依頼を受けた10人が発言をしました。
同シンポの会場発言を調べると、このうち7人が四国電力の用意した「国シンポジウムの発言の例」に書かれた内容で質問していました(表参照)。このうち4人がメモの丸読みに近い状態でした。
当日の映像を見ると、明らかに用意されたメモを読み上げている発言者もいました。
“茶番劇”を思わせるものはこれだけにとどまりません。
たとえば「イギリスの環境派の学者らが原子力を推進するような発言をしていると聞いたが本当か」という男性の質問。これに答えたパネリストの山名元・京都大学原子炉実験所教授は「松山(市での講演)で用意したスライドがたまたまあるので、出したい」と発言。ほどなく会場のスクリーンには質問に出た学者の写真と発言内容が映し出される“手際のよさ”でした。
さらに山名教授は、「自宅に配られたビラは、根拠のある話なのか」という男性の質問にも答えています。
山名教授は「ビラを見た時に思った」と、自身も読んだことを認めた上で、「(特定の話を)強調的に使って(危険だと)結論づけている」とビラの内容を批判していました。
その他の3人からは「伊方町の道路や下水道などの生活基盤は他の町からのせん望を受けている。これも発電という巨大な産業ができたおかげ」「伊方原発の運転開始から三十数年たちました。引き続き理解活動につとめてほしい」などの肯定的な意見でした。
こうした発言依頼について四国電力は「議論の論点が明確化され、理解を深めるのに有益である」と説明しますが、実際の内容からはプルサーマル推進に向けた世論のねつ造であることがわかります。
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