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(回答先: 「2号機圧力抑制室損壊原因」をめぐるtaked4700さんとのやりとり 投稿者 あっしら 日時 2011 年 5 月 28 日 15:33:51)
あっしらさん、taked4700さん、阿修羅掲示板のなかでも数少ない自分の頭で考える投稿者のお二人のやり取りを嬉しくおもいます。ただ、少しばかり気になる記載がありますので横槍をいれておきます。
私は、すでに原発はどうでもいいと主張しているように、なぜこのような事態になったのかということには関心がありません。ただ、今からどう戦えるかということに関心があるので原発の現状はどうなっているかということだけを問題にしています。だから過去の東電が隠しているであろう資料などもちゃんと見ていません。リアルタイムで起きたこと、その時々に出てきたキーワードなどから以下のように考えている(1)ということをご了承下さい。
■注水措置について
まず、お二人のやりとりを見ていて感じたことですが、そもそも、原子炉の循環が止まった段階で注水をしても、それだけでは温度は下がりませんし、炉心融解も止められません。ただ炉内の圧力が上がるだけです。
どのボイラでもそう(だから1〜3号すべてに適用可能)ですが、温度暴走を防ぐために注水はパージとセットで行うべきです。ただ、原子炉の場合は、パージ(=ベントという作業に置き換えてください)というのが頻繁にできない。だから、初期段階で注水をしたという事態の意味していることは、
冷却材としての水が無くなった
ということに過ぎません(最初の数日は)。冷却水の量を回復させる、それ以上にあまり意味がないのです。
ただこの事実は、地震直後どこかから漏れたということも射程に入れて考えるべきだということになります。(今となっては、そんなことを考えてもしょうがないほどに垂れ流しているのでどうでもいいことですが。)
ちなみに、海水注入についてあれこれ言われていますが、お二人と同様、圧力容器が超高圧である以上、注水作業をしようが、それを中断しようが、ポンプの能力上水は入っていないだろうと推察しています。どうでもいいことですね。そして、私個人としては、三機とも水素爆発を起こしたわけで、初動段階の注水は効果は限定的であったと考えています。
本来なら、圧力容器の外に水をかけて、圧力容器の外から冷やして行けば、炉心が融解して圧力容器のそこに貯まってしまったとしても、底が抜け落ちるのに時間がかかります。だから、海水の注入をするのであれば、真っ先に格納容器から開始するべきだったんです。あわせて、冷却系を循環させて圧力容器の冷却材の回復をする。すくなくとも世界的にはそれが一般的な初期対策だとおもいます。でもそれをせず、圧力容器に注入すると発表した。格納容器に水を「満たす」のは7日ほどかかるのからというのがその「言い訳」だったと記憶しています。
だから、その瞬間に世界中の熱物理関係者(と書いていることから分かるように、私は原子力業界の人間ではありません)は、関係者は格納容器が壊れていると知っていると直感したわけです(2,3)(もっとも、「想定していなかった」わけで、非常時のマニュアルがなかったという可能性はあります)。圧力容器すらすでに破損しているとの見解もありましたが、圧力の変化から、まだ致命的な損傷にはいたっていないと、当時は考えていました。
それで私は、原子炉圧力容器はどの程度健全なのか、注水にどの程度効果があるのか、という点に注目していました。
初動段階を過ぎてからの注水については、意味が変わってきます。初動段階を過ぎてからの注水は汚染水を増やしただけでまだ爆発的な反応をさせたほうがよかったとすら感じています(4)。燃料が溶け落ちている今となっては、水素爆発の可能性もずっと叫ばれていますが、時間的にジルコニウムも酸化しきっているでしょうから、全くの無駄とすらおもいます。
水位について言えば、漏れていれば下がりますし、漏れていなくても循環しない限りは回復しないでしょう。水位についてはどうでもいいので、最初から注目していません。
■圧力容器について
簡単にいえば、圧力の変化から、1号機については超高圧だった4月上旬はまだ底が抜け落ちるところまでは行っていないと考えています。あっしらさんの考察もありますが、線量だけをみれば、たしかに格納容器に地震後の早い段階で燃料の一部が落ちていると推測できるのは事実です。とはいえ、燃料が格納容器内にもれるパスは底が抜け落ちる以外にもあるのです。そのなかでも最悪の事態と懸念しているパターンは、水に燃料が交じって外界に排出されるというものです(4)。
唯一、そこが圧力容器が抜けて、いわゆるチャイナ・シンドローム状態になっていると思わせる現象は、浜通りで頻発する震源の浅いM3クラスの地震です。ずっと思っていたことですが、詳細は書きません。空耳と思ってください。
2号機については、あっしらさん、taked4700さんご指摘の通り、水素爆発した(させた)段階で圧力容器には外界に通じる穴が空いていたでしょう。
3号機については考えたくもありません。
■メルトダウンの恐ろしさについて
メルトダウンの定義は分野によってマチマチだとおもいますが、原子力業界の中でも反原子力業界の中でも、単に燃料が燃料が融解するに留まらず、臨界を伴う状態で、暴走しており、高温で、制御できない状態に進展することを指していると認識しています。ここ、阿修羅掲示板でも、メルトダウンについてはそういう書き方で統一しています(パニックを避けるためでも何でもなく、情報の混乱を避け、事後検証を用意にするためです)(メルトダウンを恐れて盲目になっている原子力関係者への警鐘のためでもあります)。それで、4月上旬は、1、2号機についてはメルトダウンはしていないと書いています。今は、してる、あるいは、し始めているかもしれないですね。下に落ちているものについてはなんとも言えません。
ただ、わたしはメルトダウンし、水蒸気爆発が起きるよりも、汚染水の中に粉末状の燃料が含まれていることを恐れています。まず、燃料が落ちているのであれば、合金でボールを作り、それを燃料むけて転がして、溶かし混んでしまえば、臨界条件をくずせます。対策の余地がないわけではない。また水蒸気爆発まで発展したとしても、汚染地域の土砂の表面を削り取れば回復は早いです。どちらも相当の犠牲が伴うだろうけど、回復までの絵はかけます。(という絵も対策の遅さ故に潰れつつありますが)
地下汚染の場合はそうも行きません。正直、お手上げです。
ここまで書いて悲しくなってきたので、いつかまた続きを書きます。
参考
(1) http://www.asyura2.com/10/idletalk39/msg/323.html
(2) http://www.asyura2.com/09/genpatu6/msg/856.html
(3) http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/517.html
(4) http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/719.html
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