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「2号機圧力抑制室損壊原因」をめぐるtaked4700さんとのやりとり
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/850.html
投稿者 あっしら 日時 2011 年 5 月 28 日 15:33:51: Mo7ApAlflbQ6s
 


taked4700さん:「2号炉圧力抑制室の損傷は故意の爆破?!」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/787.html


あっしら:「「2号機S/C損壊原因」についてコメントさせていただきます。」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/807.html
※ このスレのコメント欄はtaked4700さんとのやりとりになっています。


予め、上記の投稿をお読みいただかないと何のことやら?になる可能性があります。

====================================================================================

taked4700さん、こんにちは。

先に質問と銘打った内容に答えさせていただきます。


【引用】
「1.1号機での水素爆発の後、なぜ、他の号機ですぐにパネルの開放がされなかったのか?」

【コメント】
まず、ブローアウトパネルの開放は、建屋内での水素爆発の防止にはほとんど役に立ちません。

英語の語義通り、水素爆発の爆発エネルギーを早く外に逃がし下方への衝撃を減らす役割が本来のものです。

水素は軽い物質なので天井近くで酸素との混合気になります。
側壁についているブローアウトパネルでは、まったくとは言いませんが、水素を外に逃がす効果はないと考えたほうがいいでしょう。

5、6号機のように、建屋天井部を開口しなければ水素爆発の防止には役に立ちません。

ブローアウトパネルを開放した2号機が建屋内で水素爆発を起こさなかったことで、ブローアウトパネルが水素爆発を防いだかのように思われているだけです。


これは後のほど(いつになるかちょっと未定)投稿するつもりですが、建屋上部での水素爆発を回避すべきか、それとも、爆発させて原子炉や格納容器での水素爆発を回避させた方がいいのかが、それなりの時間をかけて議論されたと思っています。

班目委員長は、「水素爆発が起きるとは考えていなかった」と3月20日過ぎには語っていたのに、最近の国会では「菅首相がヘリで視察に向かう前に爆発の危険性があると説明した」と180度異なる説明をしています。

これは、12日の1号機水素爆発の時点での避難指示は10km圏でしかなく、20km圏になったのはその日の夕方ですから、住民の安全をまったく無視した対応ぶりを非難されるのがイヤだったから予測できなかったとウソの説明をしたと思っています。

建屋内の水素爆発は「選択された措置」だったような気がしています。

【引用】
「2.なぜ、2号機で原子炉隔離時冷却系が動いている最中に海水注入を始めなかったのか?2号機で燃料プールへの消防ポンプでの注水開始がいつ始まったのかも情報開示がない様子です。故意に遅くしたと言うことはありえないでしょうか?
多分、東芝などのメーカーの人たちや米軍関係者もいたはずで、1や2のようなミスが単純に起こったとは思えないのです。事故調査・検証委員会も何か機能しないまま表面的な調査だけで終わりそうな予感があります。」

【コメント】
原子炉になら、当時の条件で、隔離時冷却系以外で注水することが不可能だったと思っています。
2号機で注水ができたのは格納容器に対してです。

2号機は原子炉の圧力データが公表されて(12日2:55)からずっと(14日17:12まで)50気圧G以上の高圧状態が続いています。

強力なものでも10気圧ABS、福島第一で使われたものならMAX6.5気圧ABSの消防ポンプでは、とてもじゃないですが、高圧状態の原子炉に注水することはできません。


隔離時冷却系は高圧系ですから、70気圧G状況の原子炉にも注水ができます。
その注水が蒸発して高圧・高温の蒸気となり隔離時冷却系のポンプを動かすという循環になります。

だからこそ、遅くとも13日深夜には格納容器に注水をはじめS/Cプールに水を送り込んでいなければならなかったと指摘してきました。

隔離時冷却系がいつまで動き続けたかはわかりませんが、S/Cに水があればそれを汲み上げて注水が続いた可能性が高いからです。
とにかく外部電源が復旧するまで最善の手を尽くさなければなりません。

2号機の燃料プールは15日とか20日とかで危険になる条件ではなかったと思っていますが、注水の説明を最近までしていなかったのは大問題だと思っています。

おっしゃられるように、事故対応の実務は東芝や日立の技術者が中心になっていると思っています。
(定期検査なども彼らにおんぶにだっこが東電の習わしだったようですから)


「事故を「レベル7」まで深刻化させた政府・東電の大罪:2号機圧力抑制室損壊は事故対策チームの極めて深刻な失態」
http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/549.html

は、私の矛先を勘違いして議論板で吠えている(失礼)ひともいますが、現場技術者を批判しているのではなく、鳥瞰的かつ冷静に見ることができる政府の対策本部や東電対策チームを非難したものです。


IEAEの調査も政府の調査も当てにならないと考えています。
だからこそ、とてつもなく微力ながらあれこれ事故のことを考え、投稿も続けています。


【引用】
「原子炉隔離時冷却系についてですが、最終的にS/Cから取水すると言う解説がされていますね。ただ、どうもまだ疑問です。原子炉隔離時というのは全電源喪失時であるわけで、当然炉心の圧力が高くなっていく可能性があるのだと思います。そうであれば、S/Cの水を事前に使ってしまうのは不合理であるように感じます。」

【コメント】
隔離時冷却系は全電源喪失時に使われるシステムですから、そんほど長く使うという想定で設計はされていません。

ECCSなどが使えるようになるはずのAC電源が回復するまでのつなぎの冷却系です。

さらに、今回の2号機も、3月13日の夜中までであれば格納容器の圧力は4気圧ABSほどですから(13日朝方までなら1気圧ABSほど)、消防ポンプを使って消火系で格納容器に注水することができます。

格納容器にある程度水がたまれば、構造的にS/Cに水が流れ込むので、S/Cの水を使うのはそれほど非合理な考え方ではないと思っています。

私が、2号機のS/ C損壊に関連して、政府・東電の大罪と強く指弾したのは、1・3号機では実施した格納容器への注水を安定していた2号機には行わなかったからです。

S/Cのプールに水があれば、スペースシャトルコロンビアの打ち上げ時に燃料噴射ノズルの下に水をためて衝撃を緩和するのと同じ効果で、損壊には至らなかったのです。

【引用】
「「16:34 2号機に関し、消火系ラインから原子炉への海水注入開始」となっていて、この段階でまた原子炉隔離時冷却系が生き返るのでは思うのですが、そうはならなかったようですね。「十四日午後八時ごろから炉心の燃料の損傷が始まった」とされているのは、多少矛盾しているように感じます。」

【コメント】
14日16:34段階の原子炉圧力は60気圧Gから70気圧Gですから、MAXでも10気圧ABS、福島第一で使われたものならMAX6.5気圧ABSの消防ポンプではとてもじゃないですが原子炉に注水できません。

(リアルタイムレポートでも注入開始と書いているだけで注水できているという表現はないはずです)

隔離時冷却系は高圧系ですから、70気圧G状況の原子炉にも注水ができます。
その注水が蒸発して高圧・高温の蒸気となり隔離時冷却系のポンプを動かすという循環になります。

だからこそ、遅くとも13日深夜には格納容器に注水をはじめS/Cプールに水を送り込んでいなければならなかったのです。
(隔離時冷却系がいつまで動き続けたかはわかりませんが、S/Cに水があれば注水が続いた可能性が高いからです。とにかく外部電源が復旧するまで最善の手を尽くさなければなりません)

【引用】
「原子炉隔離時冷却系の機能が停止した直後から燃料の損傷が始まったと言うのなら論理的かと思うのですが、違うのでしょうか?海水注入を始めた時には既に圧力容器に穴が開いてしまい、ポンプを起動するだけの蒸気がなかったと言うことかとも思うのですが、よく分かりません。結局、あっしらさんのご指摘にある海水注入の遅れを隠すために
「十四日午後八時ごろから炉心の燃料の損傷が始まった」と発表しているのでしょうか?」


【コメント】
上述の2番目の質問への回答とダブル部分が多いのですが...

上述のように、14日午後の時点で、全電源喪失の2号機原子炉に海水であれ淡水であれ注水することはできない状況になっています。

2号機は14日13時過ぎに隔離時冷却系による注水が止まり、その後は注水をやろうとしてもまったくできなかったことを示すように、実際にも、17:12には水位計がダウンスケールになっています。
12:30の水位が3000mm(+3m)ですから、つるべ落としのように、4時間半ほどで8mほど水位がさがったことになります。

1号機で言えば11日18:20頃と同じ状況で、ここから全炉心がメルトダウンに進んだと考えています。

 

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コメント
 
01. taked4700 2011年5月28日 18:32:09: 9XFNe/BiX575U : iUHxUxxaDY
あっしらさん、ご返事ありがとうございます。
幾つか確認をさせてください。

なお、http://fukushimagenpatu.blog69.fc2.com/blog-entry-3.html
にある「福島第一原発事故の経緯 詳細版」を参考にして書いています。

1.ブローアウトパネルの開放について:
 まず疑問に思うのは、2号炉の側面のパネルが「ブローアウトパネル」というものでいいのかというものです。もしそうなら、ブローアウトパネルは建屋内に水素ガスがたまるのを防ぐための機能を果たさないとあっしらさんが考えると言うことなのかと思うのですが、それでいいのでしょうか?
 http://www.chuden.co.jp/torikumi/atom/hamaoka/resource/01-6burouauto.pdf
を見ると、ブローアウトパネルは建屋の2階部分かそのぐらいの階についていて、建屋上部ではないのですね。1号炉や3号炉では建屋上部に水素ガスがたまり、それが水素爆発に結びついたようですから、それを防ぐために建屋天井部にブローアウトパネルのようなものを作ると言うことはやられてきていないと言うことなのでしょうか?パッキンからのガス漏れが起こり得ることとして考えられているのなら、なぜ、建屋上部のパネルが解放できるようになっていないのでしょうか?
 2号炉でのS/C破壊部分から水素ガスが漏れて、それが水素爆発に結びつく危険性はあったはずで、そのためには一応役立ったと言う解釈でいいのでしょうか?
 3月14日の同時刻に
 11:01 3号機で爆発発生
 11:01 2号機に関し、原子力建屋パネル開放(水素対応)
 となっていますが、この時、当然より危機的だったのは3号炉であり、3号炉での建屋屋上部のパネル開放をやろうとして間に合わなかったと言う解釈でいいのでしょうか?それとも、燃料プールへの注水を考えてわざと水素爆発をさせたと言う解釈ですか?
 1号炉での水素爆発は12日「15:36頃 1号機で水素爆発発生」です。少なくともこの時以降ブローアウトパネルに限らず、水素ガスを実質的に逃がすためのパネル開放が検討されたはずですが、2,3,4号機で何ら13日にパネル開放の動きがなかったのはなぜだと考えられますか?13日に「19:00 2号機及び3号機に関し、ベント時の水素対応のため、原子炉建屋外側の壁パネルを解放検討」がされたと言うことですが、パネル開放は予防的措置として「検討」などする必要もない当たり前のことのように思えますが、何か検討するべき要素があったのでしょうか?

海水注水等については次のコメントで述べます。


02. taked4700 2011年5月29日 01:21:49: 9XFNe/BiX575U : iUHxUxxaDY
No.1の続きです。

2.格納容器への海水注入について:
 あっしらさんを始め、政府や東電の発表でも原子炉が圧力容器を指すようですが、混同の恐れもあるので圧力容器、格納容器と言う言い方をさせていただきます。
 あっしらさんのご指摘のように圧力容器の圧力は消防ポンプの排出力に比べると大分高いので注水はできないようです。地震直後の3月11日や12日であれば消防ポンプ車しか手段がないと思いますが、13日や14日であればより強力なポンプに切り替えができたのではと思います。まあ、そのことは別にして、幾つか疑問がやはりあります。
 原子炉隔離時冷却系が稼働している最中に圧力容器から格納容器へ、そしてS/Cへの一連のベントを行えば圧力容器の圧力を下げることが出来るわけで、事前に海水注入の準備をした上でこのベントを行い、圧力容器への海水注入へ移行することが出来たのではないでしょうか?そもそも、原子炉隔離時冷却系が動いていたから圧力が圧力容器内に生じていて、3日ぐらいでは崩壊熱は圧力を急激に下げるほどには減少しないので、ベント以外に海水注入を開始する手段がないのではないでしょうか?ただし、圧力容器から格納容器へのベント自体ができる仕組みになっていないのかもしれません。

 自分の誤解であれば申し訳ないのですが、あっしらさんの指摘されている東電や安全保安院、政府の事故対応のまずさとは、原子炉隔離時冷却系がS/Cの水を使い切ってしまった後、S/CへのベントをやったのでS/Cの壁が破壊されたと言うことですよね。(「水がない圧力抑制室ということを考えれば、それは、温・高圧の蒸気が水で冷却されることなく、いちばん壁が薄いといわれる圧力抑制室を直撃することを意味する。圧力抑制室が損壊してしまうのも当然であろう。」)
 これを回避する手段はあっしらさんがお書きになっているように格納容器へ海水注入をするか、または自分が上に書いたようにベントをやって圧力容器への海水注入をもっと早く始めるか、または、いわゆるドライベント(圧力容器から建屋内へ、または、屋外へのベント)をするという、3つの手段しかないと思いますが、それでいいのでしょうか?または、圧力容器からのドライベントはできない仕組みになっているのでしょうか?

 以下は http://fukushimagenpatu.blog69.fc2.com/blog-entry-3.html から、13日以降の2号炉関連と思える記述のみを抜き出したものです。

3月13日

  09:38 消火系ラインによる注水を開始
  10:00 電源車のつなぎ込みを行ったが、ケーブルに傷が確認されたため再度敷設作業を実施
  11:00 2号機に関し、ベント開始
  12:18 2号機に関し、ベンド開放の準備を進めている。開放時の被ばく評価を実施
  14:15 MP4で500μSV/hを超える線量を測定したことから、「敷地境界放射線量以上上昇」に該当すると判断
  19:00 2号機及び3号機に関し、ベント時の水素対応のため、原子炉建屋外側の壁パネルを解放検討
3月14日 
  08:20 福島第二で活動中の給水車7両を第一原発に振り替え、給水を実施する   09:27 MP3で500μSV/hを超える総量を測定したことから、「敷地境界放射線量異常上昇」に該当すると判断
  11:01 2号機に関し、原子力建屋パネル開放(水素対応)
  13:14 2号機の水位低下中、16:00頃に水位がマイナスになる可能性がある
  13:25 2号機に関し、原子炉水位の低下を受けて「原子炉冷却機能喪失」(原災法第15条事象)と判断し通報。
  13:30 2号機の水位は15:30にマイナスになると予測。直ちに炉水注入操作などめ準備作業を進める。
  15:30 2号機に関し、冷却系は起動中であり、注水継続中。
  16:16 2号機に関し、継続して水位低下中。水位がゼロ位置になる推定時間は17:30
  16:20 海水注入を実施するため、格納容器ベント、圧力抑制プールの温度低下、原子炉圧力の低下を実施する必要がある。現在、ベント準備中。
  16:34 2号機に関し、消火系ラインから原子炉への海水注入開始
  17:17 2号機に関し、原子炉水位がTAF(有効燃料頂部:±0m)に到達
  18:06 2号機に関し、逃がし安全弁を開放したところ、水位が-1500mm→-1100mmに回復。原子炉圧力が5.4mpaのため、海水注入は爽施していない。
  18:22 2号機に関し、原子炉水位が-3700mmに到達し燃料全体がろ出したと判断
  22:50 2号機に関し、原災法第15条事象発生(格納容器圧力異常上昇)
  23:39 2号機に関し、原災法第15条通報
3月15日
  00:02 2号機に関し、ベント開始
  01:11 2号機に関し、ベントが開放を推定
   原子炉圧力:1.44 ⇒ 0.92mpa
  03:00 2号機に関し、ドライウェル圧力が設計圧力を超えたことから、減圧操作及び注水操作を試みるも、まだ減圧しきれず
  06:10 2号機に関し、圧力抑制室(サプレッションプール)付近で異音発生。圧力抑制室の圧力低下
  06:20頃 2号機に関し、圧力抑制室付近で異音が発生し、同室内の圧力が低下、同室で何らかの異常が発生
  06:42 2号機に関し、サプレッションプールに一部欠損がある横様(官房長官会見)
  

 上の経過を見ると、S/Cの壁破壊を回避するための措置を一応やっているように見えます。
・13日の次の記述はドライベントかどうかはっきりしませんが、ともかくベントをやって注水がうまく行くようにしています。
  11:00 2号機に関し、ベント開始
  12:18 2号機に関し、ベンド開放の準備を進めている。開放時の被ばく評価を実施

・また、14日の次の記述は原子炉隔離時冷却系が14日15時までは動いていたと言うことと解釈できます。
  15:30 2号機に関し、冷却系は起動中であり、注水継続中。

・更に、次の記述は「主蒸気逃がし安全弁を通じて圧力を低下させることになるが、主蒸気が逃げる先は圧力抑制室であり、主蒸気逃がし安全弁からサプレッションプールまでつながる10数本のパイプがそれを担う」という形ではなくて、圧力容器から格納容器へのベントをし、次に格納容器からS/Cへのベントをしたように思えます。

3月15日
  00:02 2号機に関し、ベント開始
  01:11 2号機に関し、ベントが開放を推定
   原子炉圧力:1.44 ⇒ 0.92mpa
  03:00 2号機に関し、ドライウェル圧力が設計圧力を超えたことから、減圧操作及び注水操作を試みるも、まだ減圧しきれず

・また、次の記述は格納容器の圧力をベントで下げると言うことで、格納容器への海水注入をしていたのではないのでしょうか?
  16:20 海水注入を実施するため、格納容器ベント、圧力抑制プールの温度低下、原子炉圧力の低下を実施する必要がある。現在、ベント準備中。

・次の記述があっしらさんが指摘されているS/Cの壁の破壊につながった操作であるように見えますが、それでいいのでしょうか?
  18:06 2号機に関し、逃がし安全弁を開放したところ、水位が-1500mm→-1100mmに回復。原子炉圧力が5.4mpaのため、海水注入は爽施していない。
 もしそうなら、その直後に格納容器の圧力異常上昇が起こっているのはなぜなのでしょうか?

・S/Cでの爆発の直前にやられたのはドライウェル、つまり、格納容器のベントであると書かれていますが、これについてはどう考えられますか?
  03:00 2号機に関し、ドライウェル圧力が設計圧力を超えたことから、減圧操作及び注水操作を試みるも、まだ減圧しきれず
  06:10 2号機に関し、圧力抑制室(サプレッションプール)付近で異音発生。圧力抑制室の圧力低下


*話がずれますが、なぜ、ドライベントとかウェットベントという表記をしないで単に「ベント」としているのでしょうか。首相官邸の文書も安全保安院のも皆同じように単に「ベント」です。

*何か、いろいろと重箱の隅をつついているような指摘になってしまい申し訳ないのですが、もともと、あまりよく知らないことであることに加えて、情報開示が不十分であるため、このような形で疑問を解決するしかないのです。


03. あっしら 2011年5月29日 02:52:15: Mo7ApAlflbQ6s : onVdTZ00nI

taked4700さん、どうもです。

01. に関するレスです。


【引用】
 「まず疑問に思うのは、2号炉の側面のパネルが「ブローアウトパネル」というものでいいのかというものです。もしそうなら、ブローアウトパネルは建屋内に水素ガスがたまるのを防ぐための機能を果たさないとあっしらさんが考えると言うことなのかと思うのですが、それでいいのでしょうか?」


【コメント】
2号機の壁の開口部はブローアウトパネルを開放したことで生じたものです。

上述したように、爆発的事象は想定内で、そのときに爆発で生じる被害を少なくするための仕掛けがブローアウトパネルです。
酸素が入り込む条件になった格納容器ではなく、建屋内なら水素ガスが溜まってもよく爆発に至ってしまうという最悪時に備える“設計思想”だと思っています。

原子炉建屋も放射性物質の“閉じ込め”機能を持っていますから、ブローアウトパネルを開放したということは、放射性物質の漏洩より爆発的事象の被害軽減を優先させたことを意味します。


【引用】
「1号炉や3号炉では建屋上部に水素ガスがたまり、それが水素爆発に結びついたようですから、それを防ぐために建屋天井部にブローアウトパネルのようなものを作ると言うことはやられてきていないと言うことなのでしょうか?パッキンからのガス漏れが起こり得ることとして考えられているのなら、なぜ、建屋上部のパネルが解放できるようになっていないのでしょうか?」


【コメント】
今回の事故対策でも、5、6号機の天井に穴を開けて最上部に開口部をつくったようですから、天井に開口部をつくる設計はないことになります。

天井の強度など他の要因との見合いでそうなっているのではないかと思います。


【引用】
「 2号炉でのS/C破壊部分から水素ガスが漏れて、それが水素爆発に結びつく危険性はあったはずで、そのためには一応役立ったと言う解釈でいいのでしょうか?」


【コメント】
「2号機のS/C損壊で原子炉のあった水素ガスが、蒸気・希ガス・微粒子放射性物質と一緒に漏れ出したと思っていますが、建屋上部に溜まるかたちではなく、損壊を契機に敷地境界まで放射性物質の漏洩線量が急激に上昇したように拡散していったと考えています。
ですから、水素爆発の危険性はS/Cの損壊では生じていないはずです。

また、ブローアウトパネルは、水素爆発の予防に役立つわけではなく、爆発の衝撃を緩和するものですから、役に立ったとは言えません。


【引用】
「 3月14日の同時刻に
 11:01 3号機で爆発発生
 11:01 2号機に関し、原子力建屋パネル開放(水素対応)
 となっていますが、この時、当然より危機的だったのは3号炉であり、3号炉での建屋屋上部のパネル開放をやろうとして間に合わなかったと言う解釈でいいのでしょうか?それとも、燃料プールへの注水を考えてわざと水素爆発をさせたと言う解釈ですか?」


【コメント】
3号機原子炉建屋のパネル開放はたぶん意図的にしなかったのだと思います。

書かれているように、それ以降の事故対応を考え、建屋上部をざっくり“開放”したほうがいいと判断したのでしょう。
ブローアウトパネルを開放しても水素爆発は起きますが、爆発衝撃が緩和されて建屋上部があれほどは瓦解しなかったはずです。

ただ、3号機の水素爆発は予測以上の爆発力だったので、驚き焦って、2号機のブローアウトパネルを開放したんじゃないかと推測しています。


【引用】
「 1号炉での水素爆発は12日「15:36頃 1号機で水素爆発発生」です。少なくともこの時以降ブローアウトパネルに限らず、水素ガスを実質的に逃がすためのパネル開放が検討されたはずですが、2,3,4号機で何ら13日にパネル開放の動きがなかったのはなぜだと考えられますか?」


【コメント】
上述のように、ブローアウトパネルは爆発的事象の衝撃緩和には貢献しても、水素爆発は防止できません。
また、水素爆発を防止できるような天井部のパネルは装備されていないようです。


【引用】
「13日に「19:00 2号機及び3号機に関し、ベント時の水素対応のため、原子炉建屋外側の壁パネルを解放検討」がされたと言うことですが、パネル開放は予防的措置として「検討」などする必要もない当たり前のことのように思えますが、何か検討するべき要素があったのでしょうか?」


【コメント】
これも繰り返しの答えになりますが、パネルは 水素爆発の予防にはなりません。
効果は爆発エネルギーの建屋内からの放出ですから、“強め”に爆発させたほうがいいか、“弱め”に爆発させたほうがいいかを検討したのだと思います。


04. あっしら 2011年5月29日 03:56:43: Mo7ApAlflbQ6s : onVdTZ00nI

02.に対する回答です。

【引用】
「 原子炉隔離時冷却系が稼働している最中に圧力容器から格納容器へ、そしてS/Cへの一連のベントを行えば圧力容器の圧力を下げることが出来るわけで、事前に海水注入の準備をした上でこのベントを行い、圧力容器への海水注入へ移行することが出来たのではないでしょうか?」


【コメント】
今回の事故では、ベントがうまくいかなかったようですね。
現在、この問題を考えていますので、詳細はそれを参考にしていただければと思います。

結論的に言えば、水素爆発やS/C損壊そして原子炉の“穴”で「原子炉圧力の低減」が実現し、格納容器の“穴”で「格納容器の圧力低減」が実現されたと考えています。


【引用】
「ただし、圧力容器から格納容器へのベント自体ができる仕組みになっていないのかもしれません。 」

【コメント】
ベントの基本は、原子炉圧力容器からS/Cへ主蒸気逃がし操作で行うものですから、S/Cも格納容器の一部と見なせば、できる仕組みになっています。

【引用】
 「あっしらさんの指摘されている東電や安全保安院、政府の事故対応のまずさとは、原子炉隔離時冷却系がS/Cの水を使い切ってしまった後、S/CへのベントをやったのでS/Cの壁が破壊されたと言うことですよね。(「水がない圧力抑制室ということを考えれば、それは、温・高圧の蒸気が水で冷却されることなく、いちばん壁が薄いといわれる圧力抑制室を直撃することを意味する。圧力抑制室が損壊してしまうのも当然であろう。」)
 これを回避する手段はあっしらさんがお書きになっているように格納容器へ海水注入をするか、または自分が上に書いたようにベントをやって圧力容器への海水注入をもっと早く始めるか、または、いわゆるドライベント(圧力容器から建屋内へ、または、屋外へのベント)をするという、3つの手段しかないと思いますが、それでいいのでしょうか?」


【コメント】
政府・東電の“大罪”と呼ぶ事象は、すでに格納容器・S/ Cの高圧状態が続いていたなか、そのような高圧・高温の蒸気を水のないS/Cに吹き出したことで生じたと考えています。

回避手段は、海水でなくても淡水でもいいのですが、格納容器に水を入れることで格納容器を冷やしつつS/Cにも水を溜めることになります。
それは、どこまで保つかわかりませんが、隔離時冷却系を機能させ続けることにも繋がります。


ベントは何度かやっていますが圧力はほとんど下がっていません。最近になって、2号機のベントは2回とも失敗だったと言っています。

また、圧力容器に海水注入を早くやっても、蒸発は続きますから主蒸気をS/Cに逃がすベントはいつかしなければなりません。そうであれば、水がないS/Cは同じように損壊してしまう可能性があります。

ドライベント(圧力容器から建屋内へ、または、屋外へのベント)は、S/C損壊を回避できる可能性が高いですが、おそらく水素爆発につながったでしょう。
このへんも詳細は別途独立した投稿で説明したいと思っています。

【引用】
「または、圧力容器からのドライベントはできない仕組みになっているのでしょうか? 」


【コメント】
できる仕組みになっています。
これも別途説明させていただきます。

【引用】
「*話がずれますが、なぜ、ドライベントとかウェットベントという表記をしないで単に「ベント」としているのでしょうか。首相官邸の文書も安全保安院のも皆同じように単に「ベント」です。」

【コメント】
彼らの必要に応じて、ドライベントを実施したいからだと思います。
これも別途説明するつもりですが、3月12日から“事前公表(説明)なし”でドライベントを実施したと考えています。

ウェットベントの10倍ひとによっては100倍の放射性物質を放出するドライベントを事前発表なしに行うのは、犯罪的とも言える不届きな政府の所業です。

今回の事故ではドライベントは、確か1回だけ、3号機で実施したと記者会見で説明したのが公表例だと思います。それも、実施時期を訂正したりしてけっこう問題になったはずです。



05. taked4700 2011年5月29日 09:18:36: 9XFNe/BiX575U : iUHxUxxaDY
あっしらさん、おはようございます。

早速のお答え。ありがとうございました。しかし、自分もそうですが、あっ知らさんも宵っ張りですね。


06. あっしら 2011年5月29日 13:33:14: Mo7ApAlflbQ6s : onVdTZ00nI

taked4700さん、こんにちは。

昼間から普通の夜までは洗濯・掃除・買い物・おさんどん・酒盛り(週末のみ)・片付けと少しバタバタしていますので、ゆっくり物事を考えられるのは深夜から明け方になります。

そろそろ生活スタイルと変えないといけないなとは思っていますが、ムリっぽいですね。


07. taked4700 2011年5月30日 02:20:21: 9XFNe/BiX575U : iUHxUxxaDY
 いろいろ思案しましたが書いておくことにしました。

「2号炉圧力抑制室の損傷は故意の爆破?!」の記事の冒頭部で次のように書きました。

>4号炉の原子炉建屋が壊れたのは水素爆発ではなくて使用済み核燃料保管プールへ注水をするためにわざと建屋を破壊したのではという話がある。実際、公開された映像に映っているプール内の燃料は特に傷んだ様子もなく水素を発生したようには見えない。
>そうであるなら、4号炉の水素爆発と同様に不思議な事象であった2号炉の圧力抑制室の破損も人工的なものである可能性がある。以下、それについての考察を述べる。

 当然、4号炉についての話というのはあっしらさんの書かれた記事のことです。4号炉についての記事は読ませて頂いたのですが、あっしらさんが既に書かれていた2号炉についての記事(「事故を「レベル7」まで深刻化させた政府・東電の大罪:2号機圧力抑制室損壊は事故対策チームの極めて深刻な失態」などの一連の投稿)は読んでいなかったのです。

 2号炉についての記事を書き終えて投稿するとき、ひょっとして既にあっしらさんが書いて投稿済みかもしれないと思い、数日間の目次をざっと見て確認もしました。

 ですから、万一にも誤解がないように申し上げておきますが、あっ知らさんの書かれた2号炉の記事に対抗して自分が2号炉の記事を改めて書いたと言う意味ではないのです。

 それよりも、あっしらさんがどこかで書かれていたようにあまりにも本当のことが隠されているのでそれを明らかにする必要があると自分も思ったからです。

 今回の原発事故が起こった時、当初、政府はそれなりに一生懸命取り組むだろうから、あまり批判の記事は書かないようにしようと思っていました。実際、阿修羅への投稿はせずに、自分のホームページのジオログにだけ掲載した記事もかなりあったのです。しかし、4月になり、いろいろとあまりに疑問が多く出てくるようになり、批判の記事を自分なりに書いて阿修羅へも投稿するようにしたのです。

 2号炉、4号炉に関することは勿論のこと、原発事故全体にあまりに公開情報が少なすぎ、かつ、それらの情報が錯そう、または、矛盾しているように見えます。

 今回の2号炉問題についても、あっ知らさんの書かれた記事を読ませていただき、自分なりにより真実に近付くことが出来ればと思ってやっています。

 あっしらさんも、本当は何が起こったのかを知ることこそが重要であると言う気持ちで書かれているのであると思います。
 
 metolaさんのフォローアップ投稿のことも併せて考えて、このコメントを書かせていただきました。
 


08. あっしら 2011年5月30日 13:39:01: Mo7ApAlflbQ6s : onVdTZ00nI
taked4700さん、こんにちは。

気にされることではないと思いますが、元の投稿をされた経緯はよくわかりました。

考え違いや見逃しなどいっぱいあると思いますので、いろいろなご指摘を自由気ままにいただければと思っています。


09. taked4700 2011年5月30日 15:50:23: 9XFNe/BiX575U : iUHxUxxaDY
あっしらさん、ありがとうございました。

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