http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/850.html
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taked4700さん:「2号炉圧力抑制室の損傷は故意の爆破?!」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/787.html
あっしら:「「2号機S/C損壊原因」についてコメントさせていただきます。」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/807.html
※ このスレのコメント欄はtaked4700さんとのやりとりになっています。
予め、上記の投稿をお読みいただかないと何のことやら?になる可能性があります。
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taked4700さん、こんにちは。
先に質問と銘打った内容に答えさせていただきます。
【引用】
「1.1号機での水素爆発の後、なぜ、他の号機ですぐにパネルの開放がされなかったのか?」
【コメント】
まず、ブローアウトパネルの開放は、建屋内での水素爆発の防止にはほとんど役に立ちません。
英語の語義通り、水素爆発の爆発エネルギーを早く外に逃がし下方への衝撃を減らす役割が本来のものです。
水素は軽い物質なので天井近くで酸素との混合気になります。
側壁についているブローアウトパネルでは、まったくとは言いませんが、水素を外に逃がす効果はないと考えたほうがいいでしょう。
5、6号機のように、建屋天井部を開口しなければ水素爆発の防止には役に立ちません。
ブローアウトパネルを開放した2号機が建屋内で水素爆発を起こさなかったことで、ブローアウトパネルが水素爆発を防いだかのように思われているだけです。
これは後のほど(いつになるかちょっと未定)投稿するつもりですが、建屋上部での水素爆発を回避すべきか、それとも、爆発させて原子炉や格納容器での水素爆発を回避させた方がいいのかが、それなりの時間をかけて議論されたと思っています。
班目委員長は、「水素爆発が起きるとは考えていなかった」と3月20日過ぎには語っていたのに、最近の国会では「菅首相がヘリで視察に向かう前に爆発の危険性があると説明した」と180度異なる説明をしています。
これは、12日の1号機水素爆発の時点での避難指示は10km圏でしかなく、20km圏になったのはその日の夕方ですから、住民の安全をまったく無視した対応ぶりを非難されるのがイヤだったから予測できなかったとウソの説明をしたと思っています。
建屋内の水素爆発は「選択された措置」だったような気がしています。
【引用】
「2.なぜ、2号機で原子炉隔離時冷却系が動いている最中に海水注入を始めなかったのか?2号機で燃料プールへの消防ポンプでの注水開始がいつ始まったのかも情報開示がない様子です。故意に遅くしたと言うことはありえないでしょうか?
多分、東芝などのメーカーの人たちや米軍関係者もいたはずで、1や2のようなミスが単純に起こったとは思えないのです。事故調査・検証委員会も何か機能しないまま表面的な調査だけで終わりそうな予感があります。」
【コメント】
原子炉になら、当時の条件で、隔離時冷却系以外で注水することが不可能だったと思っています。
2号機で注水ができたのは格納容器に対してです。
2号機は原子炉の圧力データが公表されて(12日2:55)からずっと(14日17:12まで)50気圧G以上の高圧状態が続いています。
強力なものでも10気圧ABS、福島第一で使われたものならMAX6.5気圧ABSの消防ポンプでは、とてもじゃないですが、高圧状態の原子炉に注水することはできません。
隔離時冷却系は高圧系ですから、70気圧G状況の原子炉にも注水ができます。
その注水が蒸発して高圧・高温の蒸気となり隔離時冷却系のポンプを動かすという循環になります。
だからこそ、遅くとも13日深夜には格納容器に注水をはじめS/Cプールに水を送り込んでいなければならなかったと指摘してきました。
隔離時冷却系がいつまで動き続けたかはわかりませんが、S/Cに水があればそれを汲み上げて注水が続いた可能性が高いからです。
とにかく外部電源が復旧するまで最善の手を尽くさなければなりません。
2号機の燃料プールは15日とか20日とかで危険になる条件ではなかったと思っていますが、注水の説明を最近までしていなかったのは大問題だと思っています。
おっしゃられるように、事故対応の実務は東芝や日立の技術者が中心になっていると思っています。
(定期検査なども彼らにおんぶにだっこが東電の習わしだったようですから)
「事故を「レベル7」まで深刻化させた政府・東電の大罪:2号機圧力抑制室損壊は事故対策チームの極めて深刻な失態」
http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/549.html
は、私の矛先を勘違いして議論板で吠えている(失礼)ひともいますが、現場技術者を批判しているのではなく、鳥瞰的かつ冷静に見ることができる政府の対策本部や東電対策チームを非難したものです。
IEAEの調査も政府の調査も当てにならないと考えています。
だからこそ、とてつもなく微力ながらあれこれ事故のことを考え、投稿も続けています。
【引用】
「原子炉隔離時冷却系についてですが、最終的にS/Cから取水すると言う解説がされていますね。ただ、どうもまだ疑問です。原子炉隔離時というのは全電源喪失時であるわけで、当然炉心の圧力が高くなっていく可能性があるのだと思います。そうであれば、S/Cの水を事前に使ってしまうのは不合理であるように感じます。」
【コメント】
隔離時冷却系は全電源喪失時に使われるシステムですから、そんほど長く使うという想定で設計はされていません。
ECCSなどが使えるようになるはずのAC電源が回復するまでのつなぎの冷却系です。
さらに、今回の2号機も、3月13日の夜中までであれば格納容器の圧力は4気圧ABSほどですから(13日朝方までなら1気圧ABSほど)、消防ポンプを使って消火系で格納容器に注水することができます。
格納容器にある程度水がたまれば、構造的にS/Cに水が流れ込むので、S/Cの水を使うのはそれほど非合理な考え方ではないと思っています。
私が、2号機のS/ C損壊に関連して、政府・東電の大罪と強く指弾したのは、1・3号機では実施した格納容器への注水を安定していた2号機には行わなかったからです。
S/Cのプールに水があれば、スペースシャトルコロンビアの打ち上げ時に燃料噴射ノズルの下に水をためて衝撃を緩和するのと同じ効果で、損壊には至らなかったのです。
【引用】
「「16:34 2号機に関し、消火系ラインから原子炉への海水注入開始」となっていて、この段階でまた原子炉隔離時冷却系が生き返るのでは思うのですが、そうはならなかったようですね。「十四日午後八時ごろから炉心の燃料の損傷が始まった」とされているのは、多少矛盾しているように感じます。」
【コメント】
14日16:34段階の原子炉圧力は60気圧Gから70気圧Gですから、MAXでも10気圧ABS、福島第一で使われたものならMAX6.5気圧ABSの消防ポンプではとてもじゃないですが原子炉に注水できません。
(リアルタイムレポートでも注入開始と書いているだけで注水できているという表現はないはずです)
隔離時冷却系は高圧系ですから、70気圧G状況の原子炉にも注水ができます。
その注水が蒸発して高圧・高温の蒸気となり隔離時冷却系のポンプを動かすという循環になります。
だからこそ、遅くとも13日深夜には格納容器に注水をはじめS/Cプールに水を送り込んでいなければならなかったのです。
(隔離時冷却系がいつまで動き続けたかはわかりませんが、S/Cに水があれば注水が続いた可能性が高いからです。とにかく外部電源が復旧するまで最善の手を尽くさなければなりません)
【引用】
「原子炉隔離時冷却系の機能が停止した直後から燃料の損傷が始まったと言うのなら論理的かと思うのですが、違うのでしょうか?海水注入を始めた時には既に圧力容器に穴が開いてしまい、ポンプを起動するだけの蒸気がなかったと言うことかとも思うのですが、よく分かりません。結局、あっしらさんのご指摘にある海水注入の遅れを隠すために
「十四日午後八時ごろから炉心の燃料の損傷が始まった」と発表しているのでしょうか?」
【コメント】
上述の2番目の質問への回答とダブル部分が多いのですが...
上述のように、14日午後の時点で、全電源喪失の2号機原子炉に海水であれ淡水であれ注水することはできない状況になっています。
2号機は14日13時過ぎに隔離時冷却系による注水が止まり、その後は注水をやろうとしてもまったくできなかったことを示すように、実際にも、17:12には水位計がダウンスケールになっています。
12:30の水位が3000mm(+3m)ですから、つるべ落としのように、4時間半ほどで8mほど水位がさがったことになります。
1号機で言えば11日18:20頃と同じ状況で、ここから全炉心がメルトダウンに進んだと考えています。
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- Re: 「2号機圧力抑制室損壊原因」をめぐるtaked4700さんとのやりとり metola 2011/5/29 01:18:58
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