14. 2011年5月03日 08:45:54: RDoas9sARs
福島県は福島県郡山市日和田町高倉の県中浄化センターの作業員に放射線量計を持たせるとともに、セメント会社への搬出を当面の間休止。県内の別の22施設についても同様の調査をするという。 福島県が2011年5月1日に福島県郡山市日和田町高倉の県中浄化センターの敷地周辺で測定した放射線量は毎時1.8〜3.4マイクロシーベルトと、約10キロ離れた郡山合同庁舎付近の約1.6マイクロシーベルトより高かった。 この程度ならどうということはない。大げさに騒ぐな。 http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/01/01080428/02.gif 上記のURLの図の「人工放射性降下物の経年変化」にあるとおり、米ソなどの核実験により1960年代の東京でのセシウム137の最大値は約800,000mBq/uであり、1985年以降2003年までの最大値約10mBq/uの実に約80,000倍である。 チェルノブイリ原発事故の時でも東京でのセシウム137の最大値は約100,000mBq/u強であったが、1985年以降2003年までの最大値約10mBq/uの約10,000倍である。ただし、1年あまりで約100mBq/uまで減少している。 つまり、チェルノブイリ原発事故の時よりも、米ソなどの核実験による1960年代のほうが、東京でのセシウム137は約8倍多かったことになる。 そして、今回の福島原発事故は、公式には「チェルノブイリ原発事故の10分の1」となっているが、西村肇(にしむらはじめ)東大名誉教授によると「チェルノブイリ原発事故で放出された放射能物質の総量の10万分の1の放射能物質が、福島原発事故では放出された。100日間の合計でも、千分の1の量である」としている。 http://onihutari.blog60.fc2.com/blog-entry-44.html のとおりにカリフォルニアで検出されたプルトニウム239が福島原発事故によるものであれば、米ソなどの核実験により、1960年代の東京でのプルトニウム239は、今回の福島原発事故よりも多かったはずである。 しかし、私は、1960年代前半の生まれで30歳まで千葉・埼玉・東京で過ごしたが、一度も癌を発症したことはない。これは一体どう考えたらよいのだろうか。 別に公式発表を100%信じているわけではないが、どうも釈然としない。 それでも福島原発事故は、チェルノブイリ原発事故と同じレベル7じゃないか、と主張する人もいるかもしれない。しかし、結論からいうとあれは「ヤラセ」である。 そもそも安全だ、安全だと言いながら日本政府(原子力安全・保安院)が自らレベル5(2011年3月18日)からレベル7(2011年4月12日)へ引き上げると発表した時、何か矛盾を感じた。そして、時系列で整理し考えた。 東京電力は2011年4月4日、福島第一原発から低濃度汚染水の海洋投棄することを発表・開始した。 西村肇(にしむらはじめ)東大名誉教授が、「福島原発事故の原因の究明」という論文を書き、2011年4月8日、記者会見した。 西村先生は、2011年4月8日に、はっきりと、「チェルノブイリ原発事故で放出された放射能物質の総量の10万分の1の放射能物質が、福島原発事故では放出された。100日間の合計でも、千分の1の量である」ということを、厳密な計算式を使って証明した。 日本政府(原子力安全・保安院もそれぞれ独自に数値を2011年4月12日に発表した)は、嘘八百の発表を、西村論文のあとに、慌てて行った。その内容は、「チェルノブイリ原発事故で放出された放射線量の10分の1が、福島原発事故で放出された。だから、事故レベルは7だ」というものだった。 2011年4月12日、原子力安全・保安院と原子力安全委員会は合同会見を開き、従来の暫定評価のレベル5(2011年3月18日)からレベル7へ引き上げると発表した。事故発生以降の放射性物質の総放出量は、原子力安全・保安院の推計で37万テラ(1兆倍)ベクレル、原子力安全委員会推計は63万テラベクレルで、レベル7(数万ベクレル以上)に相当するという。チェルノブイリ原発事故は520万テラベクレルとされる。 その理由は、「震災発生当初、被災者の規律正しさや忍耐強さを称賛した海外メディアは、2011年4月4日に低濃度放射性物質汚染水の海洋投棄が始まったことを境に、日本政府の危機管理批判を強めていた。レベル5で低濃度放射性物質汚染水の海洋投棄をやれば、日本は、太平洋周辺国から袋叩きにされる。海洋汚染に対する膨大な賠償請求を避けるために、役人も東電も、何が何でもレベル7にする必要があった」、である。 国際原子力事象評価尺度の「基準1事業所外への影響:放射性物質の重大な外部放出:ヨウ素131等価で数万テラベクレル以上の放射性物質の外部放出」という尺度を悪用したのである。 海外向けには「レベル7という重大な事故のため止むを得ず低濃度放射性物質汚染水の海洋投棄を行った」と言い訳し、国内向けには「でも福島原発事故はチェルノブイリ原発事故で放出された放射線量の10分の1だから、福島原発事故はチェルノブイリ原発事故ほどひどくない」という二枚舌である。 つまり嘘の過大評価である。 仏アレバ社の高濃度放射性物質汚染水を処理できるシステムがもっと早く稼働できれば「低濃度放射性物質汚染水の海洋投棄」は、やる必要がなかった措置である。 さらにいうと、チェルノブイリ原発事故は臨界爆発が起こって、放射線の中の中性子線までもが飛び交った。福島原発事故はあくまでも中性子線以外の放射線(アルファ線、ベータ線、ガンマ線)が漏洩しているのをどう封じ込めるか、という問題である。 福島原発事故では、自衛隊員が22kgの鉛を装備して作業をしていた。鉛で防御できるのは、あくまで中性子線以外の放射線(アルファ線、ベータ線、ガンマ線)までであり、中性子線を防御することはできない。 中性子線を防御するには30cm以上のコンクリートや水などが必要である。 つまり、福島原発事故では、臨界爆発には至っておらず、作業できないほどの中性子線が飛散するまでの状況にはなっていない、ということである。 チェルノブイリ原発事故と福島原発事故は規模・内容とも違うのである。 |