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一国二制度」に潜む深い矛盾(四)主権なき「一国二制度」より民主化を
発信日時:2007/6/29
「一国二制度」に潜む深い矛盾(四)主権なき「一国二制度」より民主化を
中華民国は主権独立国家であり、中国の「一国二制度」は受け入れられない
長年中国政府の指導者は台湾に「一つの中国」の原則と「一国二制度」の枠組みを受け入れることを要求してきたが、香港で実施された「一国二制度」が前述したように多くの問題を生み出しており、理論的に判断して、中国のこの論法は実際において、先に結論が設定され、しかも結論が前提となっている。台湾に「第二の香港」となることを受け入れるよう要求することは、中華民国の主権と、台湾が長い年月をかけて築き上げてきた民主主義の体制と価値観を放棄せよと言うに等しい。これは絶対多数の台湾住民が受け入れられるものではない。行政院大陸委員会は台湾住民の「一国二制度」に対する見方について長期的に調査を進めた結果、7割以上の台湾住民が「賛成しない」としており、十分に検証できるのである。
香港の民主主義によって、中国の民主化を促進
われわれは「一国二制度」を受け入れないが、「港人治港(香港人が香港を治める)」や「高度な自治」が香港において実現し、香港人の権利が守られることを真摯に希望している。同時に、民主主義、自由、人権といった普遍的価値観に基づいて、人々の政治における基本的権利を保障することは世界の主流意識となっており、われわれは香港の民主改革の発展に関心を払っている。民主主義は香港の政治と社会問題を解決する効果的なツールであり、また現代社会に必要な制度である。なぜなら、民主選挙の手続きを踏むことによってのみ、香港政府の施政に合法性と正当性が与えられ、民衆の支持を獲得することができ、真の自治、自主となることができるからである。香港政府は民意の基礎があってこそ、中国の管轄下にあっても、香港が持つべき権利を勝ち取ることができるのである。
もしも中国が確かにその指導者が言うように、民主主義を中国が最終的に歩む道とするなら、速やかに民主主義をどのように実行するかということを学習すべきであり、香港は中国政府がどのように民主主義を実行するかを学習する最も適したところである。香港は非常に現代化した社会であり、文化発展、法治観念、経済実体、多元な社会と国際化レベルは、いずれも東アジアのいかなる先進国家にも負けておらず、全面的に民主主義を実施する条件を完全に持ち合わせている。
もしも中国政府が「港人治港(香港人が香港を治める)」や「高度な自治」の公約を実践し、もう一歩香港の民主主義の実行を成功させたなら、中国人民にも自由と民主主義を享受する自信を持たせることができるであろう。これこそ中国政府が担うべき役割であり、われわれは、開放的で自由で、人権が尊重され、民主主義へ向かう中国こそが台湾海峡の真の地域の平和と安定発展を促進するものであると信じている。
行政院大陸委員会の世論調査では、63.7%の台湾住民が中国大陸は香港住民に指導者と議員の直接選挙を認めるべきだと認識しており、台湾はその民主主義の発展の経験を分かち合い、香港と中国の民主化を促進することを強く願っている。
台湾は1987年7月15日、今から20年前に、38年にわたった戒厳令を解除した。台湾住民は戒厳令を解除してから、党禁(政党結成の禁止)と報禁(新聞発行の禁制)の解除と開放、刑法100条(内乱罪)の廃止、国会の全面改選、総統直接選挙、政権交替の実現、国民投票の実施を経て、民意がより効果的に反映されるようになり、台湾の社会活力はこれらのことから解き放たれてきたものなのである。台湾は数十年にわたる民主化運動を経てようやく強権から民主へと向かうことが出来た。自由と民主主義を追求する道のりは苦しく長いことは台湾が最も理解しており、われわれは民主化の経験を分かち合うことを希望し、民主主義と自由が台湾海峡両岸と香港、マカオ4地区の共通の生活スタイルとなることを願っている。(完)
【行政院大陸委員会 2007年6月】
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