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警視庁の内部資料とみられる文書がインターネット上に流出した問題が波紋を広げている。文書には国際テロ捜査の「協力者」であるイスラム教徒の外国人の個人情報や、公安幹部の氏名など機密情報がズラリ。さらに、大規模テロ発生の際の対応手順など捜査機関の「手の内」を明かす記述もあった。アジア太平洋経済協力会議(APEC)直前に起きた前代未聞の不祥事に、関係者は頭を抱えている。
「コンピューターがラインで接続されている限りは、どこからでも操作が可能であるということを忘れてはならない」
流出資料とみられる文書にはコンピューター犯罪への「注意事項」が記載されていた。だが、機密文書の大量流出が濃厚となった今では、この言葉もむなしい。
流出した内部資料のフォルダには警視庁の現職幹部の氏名もはっきりと記載されていた。このため、警視庁内部の関係者が資料作成に関与した疑いが強まっている。
資料は、国際テロの捜査や情報収集を担当する警視庁公安部外事3課に関する内容がメーン。同課のほか、「警察庁」、「愛知県警」などの記載もあった。警視庁関係者によると、「いずれかの関係者によって、2004年から今年にかけて作成された疑いがある」という。
「100点以上に及ぶ」(関係者)という資料には、2008年7月の北海道・洞爺湖サミット(主要国首脳会議)のテロ情勢分析のほか、国際テロ組織アルカーイダとの関係が疑われる外国人の周辺情報や、在日大使館の口座を分析したものも。さらに、国内外の捜査「協力者」の氏名も記載されていた。
この「協力者」とみられるのは、東南アジア出身の30代の男子大学院生。文書には、日本人の知人として30代の財団職員の名前もあった。
資料では、この大学院生が「過激派と政権側の双方に通じているため、相当危ない橋も渡ってきている」などと論評。2000年代には、「10回以上、政治犯として身柄を拘束されている」。「彼の仲間は大部分が消されている」といった物騒な記述もあった。
文書には、「接触方法」や「接触場所」も細かく記載されており、この情報が正確なら、こうした「協力者」には生命の危険さえ及ぶことになる。
ネット上では、2007年2月に外事3課に派遣された男性巡査長が、約1000人分の個人情報などが入った記録媒体を紛失した事件との結びつきを指摘する声も出ているが、「この時に紛失したものである可能性は低い」(警視庁幹部)という。
これまでも警察の内部情報は多数流出している。06−07年には愛媛、山梨両県警や警視庁北沢書の警察官のパソコンから、ファイル交換ソフトを介して情報が流出。警視庁の警察官が流出させた資料には、山口組系暴力団後藤組(当時)の捜査資料もあった。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20101101/dms1011011226002-n1.htm
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