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(回答先: (uedam.com) 投稿者 五月晴郎 日時 2010 年 10 月 14 日 02:00:51)
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佐藤・鈴木の両氏が浮き彫りにした日本の「戦後喜劇」
投稿者:ウエダ 投稿日:2010年10月11日(月)23時47分26秒
こんばんは、皆さん、植田です。
佐藤・鈴木動画の一日の締めくくりです。
朝、動画を見たら、その内容がきょう一日、頭にこびりついて、脳内でぶんぶんと旋回していました。
そしたら、どうも両人の議論が粗いなあ、という感想が出てきました。
どこが粗いか?
1 1950年代の北方領土問題。
ソビエトと北方領土の返還交渉をするために、日本外務省は「4島一括返還」を主張しました。これは、佐藤氏が説明したように、あくまでも「領土問題は存在しない」と主張するソビエト政府を交渉の席につかせるための戦術でした。
外務省の本音は、2島返還で良い、ということでした。
で、戦術は見事に成功。
シュワルナゼが乗ってきて、日ソ間には領土問題があると認めました。
そこで日本側は本音作戦に入ります。
つまり、ソビエトと2島返還交渉の開始です。
ここに出てきたのがジョン・フォスター・ダレス。
ロンドンで重光外相を呼びつけ、「もし2島返還でよし、という交渉をするなら、アメリカは沖縄を日本に返さない」と。
アメリカはあくまでも4島返還交渉をせよ、と日本政府に要求しました。
これをもって、佐藤氏は、「ダレスは重光外相を恫喝した」と表現しました。
確かに、恫喝のようにも見えます。
が、はたしてそうなのか。
一日、そのことが私の頭の中で旋回していたのですが、夕方になって、この表現はバカバカしいではないか、という結論になりました。
ダレスは、アメリカの国家戦略として外交をしているだけ、と。
それを恫喝と解釈するのは、日本側の幼稚さでしかない、と。
すなわち、幕末のイギリス公使のハリー・パークスの演技をダレスもしただけのことではないか。
東洋人は、一般に、脅せば言うことを聞く、と。
重光外相は、ダレスが何と言おうと、自分の主張をそこですればよかっただけのこと。
それだけではないか。
で、重光外相が、ダレスの言いなりになるしかなく、その理由が日本国の安全保障がアメリカに依存していることにあるのなら、そのことをはっきり言え、と。
なんなら、手を切ってもいいんだぜ、と。
ここになって戦後日本の真実が浮上するわけです。
手を切りたいのに、切れない。
だから対米従属になるしかない、と。
なぜか。
昭和天皇が「アカ」は絶対にいやだ、と主張するから。「アカ」と戦争をするアメリカの方がいい、と。
だから、一連の論理の連鎖を考えると、結局のところ、ダレスの恫喝を呼び込んでいるのは、日本側ではないか、ということになります。
結論的には、佐藤氏の「ダレス恫喝」論は、問題の連鎖の思考を最後までしっかりと煮詰めていない、と。
2 尖閣諸島事件。
佐藤氏によれば、「アメリカ軍が沖縄に駐留していることは、抑止力となっていると説明されが、本当にそうなら、今度の事件のようなことが起きるはずがない。だから、現在の米軍は抑止力になっていない。」ということです。
さて、この場合の真相は何か?
というと、領土問題では、アメリカは中国も支持しないし、日本も支持しない。中立を保つ、と国家戦略で決めている、というのが正解でした。
これは複数のアメリカの高官が明言しました。
だから、中国政府は、安心して不法操業をすることができたというわけです。
憲法9条国家の日本に何が出来る! とばかりに。
佐藤氏が、ここでも、「日本は中国になめられている」と強調しましたが、当たり前のことです。
他人に守ってもらっていて、しかも自分では自国を防衛する意志は、なし。
これでは、どうぞなめてください、と中国を誘惑しているようなものです。
で、中国は、その通り、経済大国になり、軍事大国になりつつある今、誘惑されました。
3 その尖閣諸島問題ですが、1978年のとう小平・大平会談での暗黙の合意を、今回、民主党が破った、と佐藤・鈴木両氏が指摘しました。
とう小平は、二国間の間で、尖閣諸島には領土問題はないかのようにつきあおう、と提案。
これが今日まで日中の尖閣諸島に対する暗黙の合意だった。
だから、小泉政権時代に不法操業があったとき、中国人をいったんは逮捕したものの、すぐに強制帰国させた。つまり、両国には何も問題はないことにした、と。
これぞ、大人の外交である。
ところが、今回は、民主党が幼稚な外交を展開してしまった。
と佐藤氏が主張しました。
が、はたしてそうなのか。
いや、私は、とう小平時代の戦略と決別を告げたのが今回の事件だった、と見ます。
だから、とう小平・大平会談での「尖閣諸島・棚上げ」戦略という日中間の「大人の態度」は、今回の中国の不法操業によって放棄されたと見るべきだ、と私は思います。
以上、3点、佐藤・鈴木動画を見て浮かんできた両氏の議論の「粗さ」でした。
そもそも安保体制の中で、日本国の強さを主張せよ、などという議論は、ダンテの「人間喜劇」ならぬ、日本の「戦後喜劇」です。
だから、中国になめられるな、と主張できる佐藤氏の心理が私には理解できません。
自分でなめられるような状況を設定しておいて、なめられるな、もないだろう、と。
そう主張するのであれば、集団的自衛権の行使を外務省は認めよ。
そして国会は憲法9条を改正せよ。
こちらをするほうが先だろう。
これをしないで、何が「なめられるな」だ。
といいたくなるわけですが、外務省にあこがれて入った人には、戦後の日本が置かれている大局など、見えないのだなあ、と私は思います。
その場、その場の状況のなかでの、強さだの、恫喝だの、と。
いや、佐藤氏が実に熱心で、真面目な人であることが動画を見るとよくわかるだけに、かえって、「戦後喜劇」となります。
で、佐藤氏に批判されている外務省の現職の官僚たちは、何なのか。
まあ、機密費で、競馬をやる人たち、と。
アメリカが日本の外交権を実質的に握っているのだから、外交官なんて、やってられないよ、と。
だからワインを退蔵しようぜ、と。これぞ、日本人外交官が享受できる外交特権である。
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