09. 2010年7月30日 09:13:49: Sk1uAHDayk 菅首相は、国民としては残念ながら、やはりやめていただくしかないと思います。衆議院選、参議院選で民主党候補に投票した国民としては、民主党については最初のマニフェストを大筋守る限りにおいて、政権維持のためのごたごたも少し長い目で見る必要があると感じている。 しかし、国民は菅首相を選んだわけではない。民主党に投票すると、選らばれた民主党議員が菅首相を選べば、菅首相も国民に選ばれたことになるわけではない。残念ながら、いまや政党というフィルターを通した間接民主主義では、日本の首相に適任者を選ぶことができないという現実が明らかになったということだ。憲法改正が必要だが、国民による総理大臣の直接選挙が必要なことを表している。 よく考えると、鳩山首相こそ、そのような直接選挙による総理大臣にふさわしいという感じがする。 菅首相は、首相指名当時から何か対応があやしかった。郵政改革法案を含めた重要法案が積み残しになっているなかで、だらだらと1週間ぐらい様子見をしていた。結果的に、国民新党の亀井党首を追い詰めることになり、そのぎりぎりの修羅場でも菅首相は寝ていたと報じられている。 国民としては、小鳩辞任後に予想通り菅総理が指名されたとしても、財務大臣としての仕事ぶりには少し疑問があるなか、まずは行政府を率いる立場としての仕事に対する決意のほどを国会を通して見てみたかった。延長した場合の通常国会は、当然荒れたであろうが、衆議院3分の2議決優先の原則を使ってでも民主党マニフェスト実現のための実行力を確認したかった。確認できれば、その後の参議院選で国民の熱い支持が期待できたのではないか。 しかし、菅首相は首相としての実力と実績を何も見せることなく、国民に対する責任よりも政党間の駆け引きに勝ち自らの権力を絶対的なものにする方を選んでしまった。それも、マニフェストを全否定するような消費税を打ち出してしまった。 消費税については、いつかは真剣に検討しなければならないと国民は認識していると思う。しかし、最短で2年後からと言われれば、それは唐突だから国民側の誤解・疑心を生んだのではなく、国民は「騙された」と理解したのだ。それも、行政改革の仕掛けをどんどん後退させ、財政再建の優先順位を上げるなら、旧自民党政権のやり方と違わない。それなら、経験豊富な自民党に任せた方がよっぽどいいに決まっている。1年前にマニフェストを見て民主党を選んだのは何だったのか、という疑問を国民は抱かざるを得なかった。 国民は、菅首相を選んだのではない。一国の首相がこうころころと変わることは、まことに恥ずかしいことだが、これが日本の現実。今の憲法の下での制度では、政権をとるために基本的な政策の違う政治家が政党として手を結んでいるために、新しい首相になるたびに基本政策が変わってしまうので、そのたびに国民はその政党に対する支持を変えざるを得なくなる。 このような現実を受け入れた上で、やはり去年の衆議院選挙時のマニフェストの内容を否定する菅首相にはやめていただくしかない。国民としては、恥ずかしい限りだが、これが現実。
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