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拝啓、鳩山由紀夫様 (1)― ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 http://www.asyura2.com/10/senkyo86/msg/847.html
http://amesei.exblog.jp/11169634/ 2010年 05月 24日 拝啓、鳩山由紀夫様 もうすぐ5月23日が終わろうとしています。本日の東京は雨模様でした。沖縄は雨は降っていなかったようですね。 さて、私は日米関係を研究してきた、ひとりの研究者の立場で、去年九月以降のあなたの政権運営を見守って参りました。しかしながら、ここ数日のあなたの行動は、どちらかと言えば民主党政権を応援してきた私の目から見ても不快感を禁じ得ません。 それは、もちろん、沖縄県にある米海兵隊普天間飛行場の移設問題についてのあなたの発言です。 今日(23日)に、あなたは再度、沖縄県を訪問され、仲井真弘多知事や名護市の稲嶺進市長と会われました。そこで、あなたは政権発足当初、普天間飛行場の残留要員とへり部隊の移設先について、「最低でも県外、できれば国外移設」としてきた方針を180度翻し、前政権が06年にまとめたものとあまり変わらない名護市辺野古への移設を事実上明言されました。あなたは次のように言っています。 (引用開始) ただ、この国内および日米の間で協議を重ねた結果、普天間の飛行場の代替地、そのものはやはり、沖縄県内に、より具体的に申し上げればこの辺野古の付近にお願いをせざるを得ないという結論にいたったところでございます。代替施設の詳細を決める際にはいうまでもありませんが、住民のみなさま方のお暮らしや、あるいは環境への影響というものに最大限配慮をいたすことは当然でありますので、地元のみなさま方ともしっかりと協議をしながら進めて参らなければならないと考えております。このことは言うまでもないことだと思っております。 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100523/plc1005231843013-n1.htm このように、あなたは「辺野古」という言葉を初めて使われました。あなたが4日に最初に「黄色いかりゆし」を着て来沖された際には、この言葉は使われませんでした。しかし、あなたは今回初めて、過去の自民党政権が合意した場所である「辺野古」という具体的な名前を出された。そして黄色ではなく、青色でもない、「かりゆし」を着ておられた。 あなたに対して、民主党の幹事長であり、党の実力者である小沢一郎氏が、20日の段階で、「沖縄の人たちが反対しているのに、うまくいくとは思えない」(NHK報道)と述べ、現行案を修正した形での決着は難しいという認識を示したにも関わらず、あなたは今日の声明に至った。私は正直、あなたに大変失望致しました。埋め立てには仲井真知事の許可が必要であり、この知事が態度を硬化させた以上、移設は難しいでしょう。しかし、あなたは政治家としての信念を曲げてしまった。結果的に移設が出来ずこう着状態になればいいのだ、と考えて居られるでしょうか? 私は、当初はあなたは本気で地元、アメリカ、官僚組織と差し違えてでも戦う覚悟でこの交渉に臨むものと思っておりました。それはあなたがくり返し国会などの場において、「職を賭(と)す」と発言されたからです。 あなたに近い側近の衆議院議員の川内博史(かわうちひろし)氏が、わざわざ連休中にテニアン(米領北マリアナ連邦)に向かい、現地でテニアン市長や海兵隊の移転先としてすでに決まっているグアム知事と会われ、彼らのあなたへの親書を預かった時、私は「鳩山首相は側近である川内議員を密使にテニアンに派遣されたのだろう」と思っておりました。実際、テニアンでは上下両院で米政府の合意という条件付きではありながら、海兵隊の移設誘致決議を行っておりました。ですから、川内氏はあなたの意を受けて、国内にとどまらざるを得ないあなたの代理として動いたのだろう、と期待しました。親書を託されるというのはそういう立場であるはずだからです。 しかし、テニアン市長やグアム知事が首相官邸を訪れると言われていた5月13日前後から、鈍感な私の目にも何か異常な事態が起きていることが分かってきました。まず、テニアン市長とグアム知事が官邸訪問を中断したことです。巷では、首相へのアクセスを求める川内議員を、官邸の佐野忠克首相秘書官(経済産業省出身)や、平野博文官房長官周辺のスタッフがブロックしたとも言われています。詳しいことは想像するしかありませんが、官邸の内部の官僚たちが事前にこの情報を察知し、米国務省と連動して動いたのだと思います。「日米協議が始まっている以上、波風を立てるべきではない」という日米の官僚組織が判断したのでしょうか。確かに、官僚は既得権を守るのが習い性ですから、彼らにとってそれは合理的な行為でしょう。しかし、あなたはそれに縛られる責任もいわれない。あなたは国民に選ばれた国家の最高指導者です。あなたご自身の判断で動くべきだったでしょう。 私とて、仮に現在グアムに移転が決まっている8600名の海兵隊を除く、ヘリ部隊や訓練要員の実質3500名ほど(これは長島昭久防衛政務官も認めた数字です)を直ちにグアムやテニアンに移せるとは思っていない。川内議員がテニアンを訪問された時の映像をテレビで見ましたが、滑走路や住宅などを建設・整備するのに数年はかかるということはすぐに分かりました。ですから、あなたが4日の沖縄訪問で、「将来的には、グアム・テニアンもありうるが、現在は沖縄のみなさまへ負担をお願いしたい」と発言されたときには、きっと二段階で移転を考えていたのであろうと思っておりました。 今年に入ってから、関西空港やハウステンボスまで全国のあらゆる施設が移転先として浮かんでは消え、浮かんでは消えていきました。これについて、私は首相が当初目標とされていた、「最低でも県外、できれば国外」というプランを実行されるために、沖縄県内に反対を表明させ、その次に全国の都道府県に反対を表明させることで、国外やむなしという世論を作り出すための一つの儀式であると考えておりました。インターネット上でもこの意見を持つ人は居りました。 そして、国外であるテニアンとの交渉を入り口までも道筋をつけて5月末を迎えるのであろうと考えていました。現実的にはテニアンへの移転は可能でも5年先くらいでしょうから、テニアン移設を前提にして、沖縄県内のどこかの米軍基地への一時的な移設を考えておられるのだろうと思ったわけです。着地点を用意した上で沖縄と一時的な負担受け入れの話をするのだろうというわけです。この決着であれば、最終的な移設が数年先でもあなたの外交政策としては成功だったでありましょう。 しかし、あなたの発言は、「グアム知事の来日中止」の当たりから急変しました。極めつけは、韓国の哨戒艦「天安」の沈没事件に関してあなたがヒラリー・クリントン国務長官との会談の後に発言された内容です。報道から引用します。 (引用開始) あの、クリントン長官とは、20分ほどでありますが、会談を致しました。わたくしは非常に良かったと思うのは、やはり、あの北朝鮮というか、韓国の哨戒艇が北朝鮮によって沈没させられたという事案が生じたと。こういう北東アジアに大変緊張感が漂ってるときに、やはり日米安保、日米同盟というものは重要だと。それを深化をさせる年だという認識で一致をしたことでございます。細かい具体的な中身をここで申し上げるつもりはありません。しかし、基本的な認識は一致したということは大変良かったと思ってます。 http://www.asahi.com/politics/update/0521/TKY201005210430.html 一体、何が良かったというのでしょうか。これまでも、4日に「学べば学ぶほど(海兵隊の各部隊が)連携し抑止力を維持していることが分かった」と発言されるなど、片鱗はありましたが、この21日以降、あなたの発言は、ここで大きく変わりました。
(引用開始) 鳩山由紀夫首相は22日、札幌市で開かれた民主党北海道連のパーティーで、首相公邸からテレビ中継であいさつし、韓国の哨戒艦が北朝鮮製魚雷で沈没したと韓国政府が断定したことに関し「とんでもないことを私たちの隣国が犯してしまっている」と北朝鮮を批判。「国際的に協力してしっかり戦っていかないといけない」と述べ、日米韓を中心に緊密に連携していく考えを改めて示した。 首相は「大事なことは韓国をしっかりと日本が支持することだ。二度と北朝鮮がこのようなことを起こさないよう、国際的な環境を作る」と語った。 「毎日新聞」 確かに日本は東アジアの一国として、また北朝鮮の核開発を巡る「六カ国協議」のメンバーの一員としての認識を持つべきではありますが、このようなあまりにも「前のめり」の不用意な発言は厳に慎まれるべきでしょう。米韓などの合同調査団の報告書をあなたもお読みなったと思いますが、わずか英語版で5ページの短い文書であり、説明不足の感は否めない。我が国は3月下旬の天安沈没事件について情報調査もしていない。それにも関わらず、軽率に「戦っていく」という表現をとられるべきではありませんでした。 あなたの発言が180度変わった理由については様々言われております。従来の寺島実郎氏から元外交官の岡本行夫氏に顧問が替わったことも一つの原因でしょうが、外交顧問の意見によって首相の信念は簡単に変わって良いはずはないでしょう。 さらに言えば、北朝鮮問題を利用する形で、米海兵隊の「抑止力」を宣伝するあなたの姿には、私は非常に失望しました。安全保障問題をこのように弄ぶことは、一番やってはいけないことであるにもかかわらず、あなたはそれを自らやってしまった。私がこれだけ失望したのですから、あなたを4日の段階では歓迎した沖縄県民の失望はいかばかりだったでしょうか。なお、私は嘉手納飛行場の抑止力はあるとは思いますが、沖縄海兵隊の抑止力は否定的な立場です。(海兵隊は敵地に上陸してその地の米国人を救出する部隊でしょう) (2)へつづく。
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